映画とライフデザイン

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映画「マリアンヌ」 ブラット・ピット&マリオン・コティヤール

2017-02-12 19:26:13 | 映画(洋画:2016年以降主演男性)
映画「マリアンヌ」を映画館で観てきました。


ブラット・ピットがいかにも元来の彼らしい雰囲気で出演している映像を予告編で観て気になっていた。英国の特殊工作員である主人公がカサブランカでフランス人女性の秘密工作員と組んでドイツ大使を殺害する任務を遂行した後で、なんと彼女がドイツのスパイであることがわかるという話である。この時代ってスパイ合戦の様相が強い時期で、恋に落ちて結婚したにもかかわらず妻を始末する指令が出ているというきわどい話である。

まるでハンフリーボガードとイングリッドバーグマンの「カサブランカ」にオマージュをささげるような部分も散見されるが、これはこれでいい感じである。判明してからわずかな時間のあいだに別れ別れにならざるを得ない設定がさすがに切ない。思わず泣けてくる。

1942年。カナダ人の諜報員マックス(ブラット・ピット)がモロッコの砂漠にパラシュートで降り立つ。マックスはイギリスの特殊作戦執行部に所属している。そのままカサブランカに向かい一人のフランス人女性マリアンヌ(マリオン・コティヤール)と落ち合う。ドイツ軍によるパリ陥落からモロッコに移り住むことになったマリアンヌと偽装夫婦を演じている。マリアンヌはすでにカサブランカの社交界で上流の人たちと交わり、任務遂行にむけて準備をしていた。2人はドイツの外交官たちと近づくことができ、ドイツ大使が出席するパーティに出席する。

マックスとマリアンヌの2人は心惹かれながらも、お互い一線は越えない付き合いをしていた。作戦履行で命を落とす可能性があることもあり、2人は結ばれる。作戦は成功し2人はロンドンに戻る。入国許可が出たマリアンヌと結婚し、可愛い娘にも恵まれたとき、マックスが軍の上層部から呼び出しを受けるのであるが。。。


1.1940年代初期のフランス情勢
1939年、ドイツ軍のポーランド侵攻で第二次世界大戦が始まり、1940年6月にパリは陥落する。その後、ペタン内閣は南仏のヴィシーで傀儡政権をつくり、実質ドイツの支配下にある。もともと1912年よりフランスの保護領であったカサブランカはドイツ占領直後、連合軍の反撃が始めるまでドイツよりのヴィシー政権の支配下にあった。この映画の舞台となる1942年はドイツ軍が街を闊歩している状態である。


2.映画「カサブランカ」
映画「カサブランカ」は1942年に制作されている。徹底的に敵であるドイツ攻撃をしている作品となっている。この映画の時代背景に合わせるように「マリアンヌ」はつくられている。2人の諜報部員がカサブランカの街で落ち合うクラブはハンフリーボガード演じるリックの経営するクラブをバリバリ意識しているのは間違いない。「マリアンヌ」のクラブ看板も「rick's」となっているように見えたんだけど。。。ちょっと自信がない。

「マリアンヌ」の脚本で「カサブランカ」を意識している部分が2つあった。(ここからネタバレ)
マリアンヌがドイツ軍のスパイであるという調査報告があり、夫となったマックスが懸命に否定する。しかも、今自分の妻である女性は本当のマリアンヌではないというのだ。マリアンヌと会ったことがある反体制派の男を懸命に探す。その特徴を聞く。ドイツ軍兵士が集まる場所でピアノの伴奏で「ラ・マルセイエーズ」を高らかに歌い上げていたというのだ。


マックスは祈りながらマリアンヌにピアノを弾かせようとする。映画「カサブランカ」ではリックのクラブの中でドイツ軍兵士を前にして「ラ・マルセイエーズ」を歌うシーンがある。つながりが感じられるシーンだ。

ラストシーンは空港である。映画「カサブランカ」ではイングリッド・バーグマンとその夫がハンフリーボガードからもらった通行証をもって外国へ飛び立つ。そこでは名優クロード・レインズ演じるフランスの駐留警察の警部がいて、本当は逮捕しなければならないところを見逃すといういかにも浪花節的な世界である。ここではマリアンヌと外国へ逃避行しようとするマックスが軍の空港に行き、飛行機のエンジンをかける。そこには英国軍の上司たちが来ている。そこから先は見てのお楽しみだが、上司たる軍幹部が同じような動きを見せる。「カサブランカ」を意識している流れと感じた。


でも最後は泣けるなあ。映画としては普通だと思うんだけど、子供のことを思うと、なんかかわいそうでね。結婚式最後のお涙頂戴場面のような雰囲気だな。

カサブランカ
カサブランカを意識している場面多し


コメント
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