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190205 九博特別展「醍醐寺ー真言密教の宇宙」特別観覧会に出席、世界文化遺産の所以!

2019年02月05日 | ボランティア

 先月の29日から九博で特別展、「京都醍醐寺ー真言密教の宇宙」の特別観覧会にボランティアのからみで出席させてもらう。16時半、九博ホール、満員。関心の高さがうかがえる。

 

秀吉の醍醐の花見くらいの認識しかない低レベルの私からみれば、なぜ九博特別展で醍醐寺なのか、なぜ世界文化遺産に登録できたのか、そもそも真言密教って何?ということになる。

 京都醍醐寺には数万点に及ぶ国宝や国指定文化財あるらしい。西暦874年の空海の孫弟子、聖宝による開山以来、これらの膨大な寺宝は歴代座主や無数の僧侶達の不断の活動と、多くの人の祈りの中に尊重され、守り続けられてきた。明治維新期には、いわゆる「廃仏毀釈」により、京都・奈良を中心とする多くの寺院は、財源を求め、仏像や什物の譲渡を余儀なくされ、特に海外への流出が盛んに行われた。

 醍醐寺も大きな試練に立たされたが、一山に伝わる一切の宝物を一紙に至るまで流出させないことを旨として、戦争も含めて困難な時期を乗り越えることができた。このように長年守り続けられてきた寺宝のうち、国宝75,522点、重要文化財425点が国の指定を受けており、平成6年(1994)には、「古都京都の文化財」が見事に継承されたとして世界文化遺産に登録されたということのようだ。

そして今回、九博では国宝32件、重要文化財49件のかつてなかった規模の貴重な寺宝が一挙に公開されたというわけ。3月24日までの会期、ぜひ多数の人に見てもらいたいものである。

 ところで密教とはなにか。平安時代、空海が唐にわたり恵果という坊さんから密教を学び、真言宗として加持祈祷を軸に現世利益で貴族、武家に広がっていった。同じく最澄も唐にわたり仏道の理解により悟りをひらく顕教として天台宗を広めようとしたが、時流は加持祈祷による現世利益がまさり、台密として、真言宗の東密と対峙した。

 密教はお経よりも真言、呪、マントラ、宇宙語を重んじる。言葉による理解は重視せずひたすらマントラをとなえて宇宙の生命に通じさせようとする。山伏の修験道である。酉年なら不動明王であり、ひたすら「のーまくさーまんだー ばざらだんせんだ まかろしゃだ そわたや うんたらた かんまん」と唱えながら念ずれば、願望が叶うというわけだ。醍醐寺は真言密教の総本山として法脈を継承している。

 1100年にわたる真言密教とともに残されてきた仏像、仏画、彫刻、絵巻物、古文書など絢爛たる仏教美術品が大公開というわけだ。

 展示は4章からなり、第一章は聖宝、醍醐寺を開く。第二章、真言密教を学び、修する。第三章、法脈を伝える、権力との結びつき。第四章、義演、醍醐寺を再びおこすからなっている。壮大な真言密教の宇宙を体感できる展示、秀吉の醍醐の花見を体験できる演出など楽しめる。


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