ゴールデン・リタイアーズ

S20年生、後期高齢ゾーン、人生最終コーナー「遊行期」の
徒然残日写真録

141025 「生老病死」は人間の必然。佐藤愛子さんの「老い力」、おもしろいエッセイ!

2014年10月25日 | アフターセブンティ

 65歳で完全リタイアして4年半がすぎた。時折波風もたつが妻との二人だけの生活もお互いのリズムをもちつつ安穏にすぎ、写真やボーリングや軽キャン生活も楽しみ、ここ数年歯医者にも行かず入れ歯もないし大病もしていない。妻も元気だし今のところ順調なリタイアライフを過ごせてはいる。が、ここ数日の鼻かぜ症状のなか鼻炎カプセルをのむと眼もしょぼしょぼ、身体もだるいし、ねむくもなり、秋晴れとは裏腹に体調モードは不良である。これが仮に癌をわずらい、抗がん剤を飲んでるような人たちの吐き気や倦怠感などおもうとよく辛抱できているなと思う。自分ならまわりにあたりちらかしているに違いない。陶芸仲間のIさん、どうしておられるかな?

 「生老病死」、人間として生まれてきた以上誰も避けられない道だが、病に倒れ、スパゲティ状態で体じゅうパイプでつながれて死んでゆくことは御免こうむりたいね。延命治療は不要の一刷は早々にいれておきたいものだ。病気にもならずすーっと息をひきとれれば最高だね。

本棚に女流作家、佐藤愛子さんの「老い力」という文庫本があったのでひもといてみた。大正12年大阪うまれ、今年91歳になられるようだ。書き物で人を啓蒙するなどもうとうない、「私はこうだ、こう考えンるんだ」あとは読者が勝手に判断すればよいといポリーシーでばんばん毒舌をはきだす。これがTVでよくでる大阪のおばはんのようで実に痛快、おもしろかった。私も大阪うまれの69歳、うなづくところが多かった。

 家族に迷惑かけずにぽっくりいきたいという人が多い。そのためには健康第一で老後もおおいに楽しみましょうというマスコミの煽動にのってあれやこれや悪あがきをしている。文中に「洗う手の表情」という一節があった。女性というもの、一生のうち膨大な時間を洗ったり磨いたりしているがそうしながら女の悲喜こもごもを皿や野菜や洗濯ものや床につたえている。皿洗い機はその時間を省いたが同時に対象物への心の想いいれも喪失させた。これが女を変質させたという。単調で丹念な繰り替えしのなかに喜びをみいだす気長さを失ったとある。わが家の床がピッカピカであることが今のわが家の安泰をもたらしたのかもしれないとふと思う。

 今の日本人はは老いも若きも人生は楽しむべきものと思い込み半ば強迫観念になってしまっている。しかしどんなに頑張っても人はやがて老いて枯れる。それが自然な流れである以上逆らってはいけない。悪あがきせずに人生の最後を迎えられるように運命を甘受できる心の準備をする最後の修行の時であり楽しい老後を追及する暇などないとおっしゃる。今、ここにある自分に満足することが一番大事という。

 ある名医がおっしゃた。癌の早期発見は命取り(手術や薬で殺される)、精密検査はネズミ取り(医者はもっともらしい顔をして、健康人を患者にしてしまう)。かもしれないね!

 甲子園で日本シリーズが始まった。今六回表終了、阪神が6対1でソフトバンクをリードしている。

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