ゴールデン・リタイアーズ

S20年生、後期高齢ゾーン、人生最終コーナー「遊行期」の
徒然残日写真録

120317:卒業生19名の感銘深い卒業式の写真撮影

2012年03月17日 | 趣味と交遊

 写真仲間から頼まれて福岡市郊外の卒業生19名という小学校の卒業証書授与式の一部始終を写真におさめる仕事を請け負うことになった。その会社は福岡の幼稚園、小学校を主な顧客に卒業アルバム作製をおこなう。必然的に入学式から運動会、修学旅行など学校行事の撮影をしアルバムに編集してゆく。問題は卒業式など一斉に行われるもんだからカメラマンが不足する。ということで声がかかったのだが趣味でやっている写真と仕事で撮るのと言うのではおのずと異なり責任もともなう。なんせ一発勝負で映画のように撮り直しはきかない。さらに屋内ゆえストロボ使用が常となる。ふだんストロボはほとんど使わないのでどんな塩梅になるのか心配になる。デジカメだからすぐチェックはできるもののスケジュールに追われての仕事だからままならない。

 あれやこれやで安請け負いしてしまったと後悔してももう遅い。もともと性格的に「なんでも体験、あたって砕けろ」という主義だから安請け負いしがちだが、あとは神経質と思われるぐらい準備段取りを徹底しないと気が済まない。だからしんどいのである。おまけに福岡界隈を車で走り回るということもないのでナビはあるもの地理に不案内のも良くない。ということで3~4日前にそこのスタッフと下見がてら学校と打ち合わせにいった。峠をひとつふたつ超えてゆきナビもおっつかないような道を先導される。やれやれ!。しかし、学校につくと、子供たちが元気でかわいいし挨拶もしてくる。学校側も大変きさくで対応がやさしい。お会いした校長もやさしくひょうきんな感じでマンツーマンの家族的教育というか地域をあげて子供を育ててゆくという体制ができているようだ。教務主任と打ち合わせ、会場になっている体育館のレイアウト、式進行次第、集合写真の準備など核のイン、6年担当の女の先生とも挨拶。だしていただいたコーヒを飲んだ後、現場チェック、概要、流れはつかめた。コンサル現役時代は講演会や研究会など事前準備から当日運営まで完璧にこなしてゆく仕事をやっていたから勘所は企画会社いじょうによくわかる。

 そして当日、8時までにつかないといけないので6時前には出発、道が心配だったが早朝だしすいてもいたので7時半には学校についた。すでに校長はきておられた、一番のりに近いのではないか、上ほど早く出勤、教育の原点だ。早いね、気さくにあいさつ、教頭がさっとお茶を出してくれる。昼から雨の予報がでていた。卒業生の歓送だけがすこし心配。あとは時間帯別マニュアルに従いどんどんチェック。
 教室で5年生にリボンをつけてもらう卒業生の写真、式前のスナップ。6年生の教室の隣が1、2年生。2Fが3,4,5年生の教室。相互の面倒みあえる体制になっているようだ。体育館にもどり集合写真の準備。校長、担任、卒業生、親、総勢50人くらい。これはアルバムには載せず、プリントして配るらしい。こんあ大勢撮るのもはじめて。相互に緊張感をほぐしながら、目をつぶらないように柔らかい表情の写真をとる。レリーズボタンでブレを防ぎ、ストロボの光具合もチェックしながら終了。
 卒業生はいったん教室へ。三脚をかたづけ、イスや雛段もかたづける。スリッパをぬぎ(ぺたぺた音がしないよう)、式が始まるまでスタンバイ。なぜ卒業式と言わずに卒業証書授与式というのか聞かなかったがどうやら「蛍の光や仰げば尊し」を歌わないことと関係があるのかもしれないね。

 10時卒業生入場、開式の言葉、国家斉唱、証書授与。ステージに静かに上がり側面から校長、卒業生(順番?総代ではない)を撮る。下に降り、名前を読み上げている担任の先生を撮る。降りてきて証書を家族席に向けるのを撮る。校長祝辞、教育委員会祝辞、来賓祝辞と来賓紹介、祝電披露と型どおり進行。次が30分時間がとってある式のハイライト、涙腺が緩むステップ。主体性、表現力強化を重点にしているこの学校。卒業生がひとりづつ、入学以来学んできたことや体験を次から次へと発表、教師、家族、地域への感謝を述べ、巣立つ決意を述べ、卒業生が引くピアノにあわせて高らかに歌う。そのあとに在校生が卒業生への感謝、良き伝統を引き継ぐ決意を大きく発信。そうごに涙ながらの交換となり先生も参加者も涙をながす。そしてフィナーレ、校歌を歌い閉式。卒業生退場、教室にもどり最後の教師の指導。卒業生の夢交換。なかなか感動的な最後の時間であった。大阪で橋本市長が教育改革を唱えているがこの学校ではそんな感じはまったくしなかった(都会と田舎の違いや人数の違いはあるかもしれないが)
 そして12時歓送。5年生が花輪のトンネルをつくり、その中を卒業生が通る。あいにく時雨模様で写真もままならない。終わった。このあと家族、生徒、先生で謝恩会食事会があるらしい。

 現役時代、幹部教育の修了式では教える側で同じ感激を味わったが、卒業とは終わりでなく新たな旅立ち、スタートである。成人式を迎える年に埋めたタイムカプセルを開けるらしい。どんな若者に育っているのか楽しみではあるね。
      万感の 涙ひとすじ 時雨雨
 心地よい疲れを感じながら帰途についた。
コメント
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