Vastra-daの裏側

オリジナルフィギュア原型師。原型師が裁縫もするよ。求めるモノが探して無ければ『作ればいいじゃないか!』を実践中。

複製作業 ( 猫の頭 )

2013-03-28 20:01:47 | フィギュア
今回、初めて使用するシリコンの塩梅を見る為に原型の出来上がっている猫の頭部でいざ実験。


猫の頭部 = 凄まじく細かい毛並がびっしり ( 毛の細かい隙間にシリコンが食い込みシリコンが千切れるおそれ有 )
機械チックなパーツも付いている為に難易度高 ☆☆☆☆


我が信念 『 出来るだけ複製パーツには最小限のラインのみで! 素人個人でいかに綺麗に抜けるかを実践 』


シリコンをアンダーゲートにすると気泡の危険性は低くなるものの、最低でもアンダーの入口と気泡抜けの2ヵ所が出来てしまう。

どうしたって毛並びっしりの所にキャストの流し込み口が付いてしまうのは 許せんのだ!!
猫の頭部の原型は特に頑張って作ったし、せっかくの毛並の所に流し込み口など見た目もスマートではない!
もし、キットを購入してくれた方がいたとしても制作するうえで、失われた毛並みを再現せねばならんという手間がかかのも嫌なのだ。

もう一つはパーティングライン。
二面型にすることにより複製品を取り出す時、シリコンにも複製品にも負担がかかりにくく型が壊れにくい。
だか! 頭部を横切る感じでパーティングラインが嫌でも入ってしまう。
下手をすれば締め具合により毛並の所に段差が生じてしまう。 また、段差を埋める為の手間をかけなくてはならない。
そんなのは 許せんのだ!!
首と胴体との接合面の凹凸部分も残したい。


この問題をどう打開するのか… なにが一番最良な方法なのか… しばし考え込む。


よしっ! 一発抜きでいこう!! ( 失敗したら別の方法を考えればいいのだから )

湯口と気泡抜けは首( 凹凸部分を避け )からに決定。
心配なのは猫の耳部分がシリコンに食い込み、取り出す際に型が崩壊する可能性が…



                 一発抜き  型崩壊

                  いざ! 参らん!!


【 猫頭部テストショット結果報告 】
ええやないの~ ♪ なかなかの出来やないの~ ♪

心配していたパーティングラインもほとんどわからないくらいの出来。素晴らしい。
常圧でキャストを流してみたところ案の定、気泡が入りまくりで毛並の細かいところまでキャストが流れていない。
真空脱泡器を使用すると綺麗に流れるが湯だまりの為に余分なキャストが必要となるので勿体ない。
加圧装置を使用すると綺麗に流れる。空気を送り込むために体力は消耗するが無駄がないので猫頭部の複製には加圧がむいている。
型からキャストを取り出す時にかなりの力技とコツがいるものの、型も崩壊せず持ち堪えた。
今回急遽取り寄せたシリコン、あいつはなかなか使えるヤツだ。



悩み・失敗しながらこんな作業をあと何回繰り返すのか… 考えただけでテンション下がるっすわ

コメント
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