Vastra-daの裏側

オリジナルフィギュア原型師。原型師が裁縫もするよ。求めるモノが探して無ければ『作ればいいじゃないか!』を実践中。

複製準備 ( 手法思案 )

2013-03-13 19:10:29 | フィギュア
フィギュア制作において表面処理も嫌いだが、最も苦手とするものは複製作業。

『 嫌い 』 と 『 苦手 』 とは全く別物なのだ。


抜き屋に頼めば万事解決するのだが、今まで制作したフィギュア達を考えると

大きさ・パーツ数・キャストの量… ハンパない = 数十万円

そうなるとガレージキット1個あたりの価格が高くなってしまう。  そのお金でシリコン・キャストがいくつ買えることやら

『 複製作業も失敗しても経験のうち、必ず自分の為になる 』と当時兄に言われ今に至る。

だが
シリコンを流しては壁が決壊。数キロのシリコンが一気に流れ出し、その場に居合わせた人間3人がかりで必死に食い止めるも力及ばず…もう誰も止められない…。
大量のシリコンが泡と消えた。
3日かけて型を完成させたのに一度抜いただけで型が破損。使い物にならず型作りからやり直し。しかも、同じ型を3度も作ることに。
キャストを流せば、横・下から漏れていることに気が付かず机や床が大惨事。
フィギュア制作当初は1つの気泡も許せず( 妙なこだわりがあり )、納得いかずに破棄。 時間とキャストの大量消費。
※ 今思うと、機械も使わず素人が気泡ゼロなど無理な話だ

本当に色々な意味で悪戦苦闘しながらの失敗続きだった。

けれど
その失敗があるからこそ試されたものがある。

【 加圧 】と言う手法。

圧力釜 + 空気入れ( 自転車用 )+ 気圧メーター + 子部品 = 加圧装置

兄の指示で材料をそろえ、兄とパパさんで制作。私、見てるだけ。    お手製加圧装置の出来上がり~

兄が以前から所有していた【 真空脱泡器 】と合わせると、なんとも頼もしいやつらよ。

これらのおかげで随分と複製手法の幅が広がった。


今回もパーツの形状によって手法を変える予定。

しかし、かなり悩む

シリコン型は両面か… 一発抜きか…

ゲートはアンダーか… 一発真空か…

更なる気泡を無くすには真空脱泡をかけてから加圧か…( 硬化時間との戦い )

我が複製においての信念には 【 原型には最小限のゲートのみ・気泡を無くすこと 】



けれど
素人個人が出来ることには限界がある。 毎回それらに近づけられるようにと試行錯誤するだけだ。

あぁ~考えるだけで気が滅入るっすな
コメント
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