僕の感性

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日大アメフト部ラフプレーに思う

2018-05-25 11:01:03 | 無念なこと
内田元監督、彼が学生生活を送った環境はどうだったのだろう。
監督からの鉄拳制裁やら上級生からの非情な暴力は普通に見られたことなのだろうか。しかし、
勝つために手段を択ばないというルールは現代では通用しなくなった。

校内暴力が吹き荒れた80年代、教師は学生、生徒を抑えつけるため、体罰や管理を徹底的に実行した。
90年代に入ると、さらに体罰は激化し、そのため、教師の体罰による生徒の自殺事件も起こってしまう。
世間の教師対する、非難、批判、風あたりにより、教師の権限も縮小し、尊厳も地に堕ちていった。

厳しい練習、絶対的に服従の監督や先輩、そのため狡く立ち回って相手を怪我をさせてまで勝つという考え方が
当たり前のように浸透してしまっていたが、その手段は厳しい目にさらされる風潮に変わった。

とにかく暴力は絶対に駄目だ!
それに卑劣な手段で勝利して誰が喜ぶのだろう。
内田前監督は、こうなることを予想出来なかったのだろうか。哀しく虚しい。

2018年現在の日本は、根性論や勝利至上主義だけではスポーツ界を渡り合っていけなくなった。

アメフトがアメリカで誕生したいきさつ上、反則を犯せば何ヤードか罰退するというルールがある。
だから、勝ったチームが残り少ない時間になったら、わざと反則を犯すという行為が当たり前のように行われている。
何ヤードか後退するだけで済むからである。

対してラグビーはイギリスの貴族社会で生まれたスポーツだ。
ゆえにルールがあいまいな部分もあるが、反則をした人に罰を与えるという発想ではなく、相手チームに有利になるという考え方なのだ。
よって軽微な反則に対してはアドバンテージといって試合を止めず、相手が有利にボール展開できるようにする。残り時間が少なくなったとしても
反則を犯したとしても、ゲームは停止せず、続行されるのだ。
ただ首から上へのタックルなどには、厳しいペナルティをとられ、場合によってはシンビンといって
10分間デッドボールラインの後方に退場せねばならない。

なぜあの時、ラフィング・ザ・パサーという反則を犯したのに
一発退場にならなかったのだろう。そこがどうしてもわからない。

話が前後するが、結局内田前監督は、大学の名誉や自分自身を守るため
末端の選手に責任を押し付け、嘘で塗り固め、自分を擁護してしまったのだろうか。
日大アメフトの全部員が内田前監督の記者会見のあまりの糊塗ぶりに落胆したであろう。
そして憤慨せずにはいられなかったに違いない。

彼は怪我をした関西学院の部員や保護者、監督に真摯に謝罪し、あらゆる権限を放擲し日大から去るべきだろう。
27年ぶりの優勝に泥を塗ってしまい、ましてや日本大学すべての関係者に迷惑をかけ不名誉な結果をもたらしてしまったのだから。