僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

志賀町の奥下雅士君

2009-12-01 23:14:53 | Weblog
 石川県の志賀町に住む奥下雅士君は、中学1年生の時、100m先に住む川口さんというお婆さんが、傘を片手に足を引きずりながらごみを出している姿を見かけました。

「お婆さんの足になってあげよう」と思った彼は、その日からずっとお婆さんの代わりに、月曜と木曜の週に2回ごみ出しを続けることにしたのです。
朝6時半になると川口さんは玄関の外に奥下君の足音を聞きます。

お互いを「まあちん」、「おばちゃん」と呼び合うほどの信頼関係が生まれました。
 しかも、彼は自分の善行を他人に話すことはありませんでした。彼の家族さえ、最初は知らなかったといいます。

彼が受験を控えた中学3年生のとき、川口さんが気遣って、手伝いをやめることを勧めます。
しかし彼は1~2分で済むことだから何でもないと答えたそうです。

 この話は北陸中日新聞に掲載され、ごみ出しのボランティア活動は金沢市にも広がっていきます。
そして日本新聞協会の2005年度ハッピーニュース大賞に選ばれ、小学校6年生向けの道徳の副読本「みんなで考える道徳」にも取り上げられました。

奥下君は、出版社から届いた副読本を手に急いで川口さんのもとに走りました。

本を見た川口さんは
「まあちん(奥下君)が載った教科書を何度も見て、うれしくて涙が出た。」
と話したそうです。

呉越同舟

2009-12-01 17:19:06 | Weblog
【呉越同舟】
出典は『孫子』の九地です。
意味は、仲の悪い者どうしが同じところに居合わせたり、
行動を共にすることです。
紀元前5~6世紀、呉と越は親子二代に渡って憎しみあう
敵対国家でした。


夫呉人與越人相惡也、當其同舟而濟遇風、其相救也、如左右手。


夫(そ)れ呉人(ごひと)と越人(えつひと)と相(あい)悪(にく)むも、其(そ)の舟(ふね)を同(おな)じくして済(わた)り風(かぜ)に遇(あ)うに当(あ)たりて、其(そ)の相(あい)救(すく)うや左右(さゆう)の手(て)の如(ごと)し。