チーママの庭とウサギたち

チーちゃんのママことチーママです。植物とウサギと戯れ、マイペースでハンドメイドをしています。

一期一会

2007-11-18 21:28:07 | 音楽
以前にもお話したように、かーさんはギドン・クレーメルが大好きです。
出来れば追っかけをしたいほどに、クレーメルのヴァイオリンが好きなのです。
何が良いのか?なんて、難しいことは分かりません。
ただ動物的本能というか(笑)、相性というか。

出会いは数年前に遡るみなとみらいホール。
まだヴァイオリンを聴き始めた頃で、クレーメルが何かも知らずに出かけた。
あとで聴けば「めったにリサイタルはやらない」人だった。
震えが来るほどの会場の静けさと緊張感。
曲間の咳払いもナシ。身動きする音もナシ。
あるのはクレーメルが提示する♪と、曲が終わったあとの熱烈な拍手。
ホールの空間いっぱいに、♪が満ちていく心地良さ。
豊かで多彩なイメージ。天上まで築かれるカテドラル。
リサイタル終了後の熱狂的なブラボーと拍手に、いつまでも公演が終わらない(笑)
半ばホール側が強制終了した感じでした。

今にして思えば、あの公演は異例でした。
普通は、曲間に咳払いの大合唱。曲が終われば、訳知り顔のフライングブラボー。
(演奏は指揮者がタクトを下ろし、体の緊張を解いた時が終了です。終わった後の静けさも、演奏のうちなのです。それを無視して、音が消えるや否やブラボーと叫ぶのを、フライングブラボーと言います)
それが一切ないのは、以後一度も経験がありません。
あの時は、これが当たり前なのだろうと思っていました。
だって、どこで拍手していいのかも分からない頃でしたから(^^;;

その異例の時間に捕まって、以来クレーメルにのめりこんだかーさんです。
でも、音楽的な難しいことは分かりません。
ただ、好き! 相性がいい! イメージがわく! だけなのです。
クレーメルの突き詰めて突き詰めて、磨きぬかれて提示される音と曲想が好きなのです。

という事で、5ヶ月間待ち続けた日でした。
(その間、彼の率いるクレメラータ・バルティカも聴きましたけど)

15日 サントリーホール。
オール ブラームス ヴァイオリン・ソナタ 第2番、第1番、第3番

特にこの第1番は「雨の歌」とも言われて、オイストラコフ(ピアノ)とのスローテンポの雨の歌をこよなく愛するかーさんには、夢のようなプログラムです。
今回はクリスチャン・ツィメルマンのピアノですので、スローテンポとはいきませんでしたが、それでも譜面に本来指示されているテンポより、若干ゆっくりな部分があった気がします。
いつも聴く音が直に耳に届いた時、ぞくぞくしました(笑)
現在クレーメルの使っているバイオリンは、グァルネリ・デル・ジェス「エクス・デヴィッド」。
グァルネリの音は、深く豊かで暖かくて、好きですね。

またツィメルマンのピアノが、ビックリするほど良い音を出します(@@)
あれ?サントリーのピアノって、こんなにいい音がしてたっけ?
(あとでプログラムを読んだら、ツィメルマンは自分のピアノを持ち歩くそうです。
 納得!どのホールもピアノは良いものを置いているものですが、それにしても音が違ったのです。
 ツィメルマン持込のピアノは、スタンウェイの特注のようです)
楽章の合間の咳払いの嵐には、ちょっと閉口しましたし、奏者が曲を続ける呼吸を乱したようで気になりましたが。

17日 みなとみらいホール
ブラームスのバイオリン・ソナタ 第2番、第3番
フランクのバイオリン・ソナタ
ホールのせいでしょうか? サントリーより、演奏が良い気がします。
思い返せば、今まで感動したコンサートって、みなとみらいが多い気がします。
ホールによって音は違ってくるものですが、案外みなとみらいは飛びぬけたホールかもしれません。
(前から、好きなホールなのですけれどね。気に入っている演奏家もいるという話も、聞いた事があります)
フランクのヴァイオリン・ソナタは聴いたことがなかったのですが、お気に入りになるかもしれません。
特に第4楽章が、お好みかも。
今日のセキの嵐は、若干控えめでした。
また、サントリーではなかったブラボーもアンコールの声もほどよく、中にはスタンディンクオベーションをしている方もいましたよ。


音楽は、音が出たはしから消えてゆくものです。
同じ演奏は、二度と出来ない。
またいくら録音技術が向上しても、実際に体で聴く音まで再現は出来ません。
その良い例が、過日のクレメラータ・バルティカ。
あの日はNHKが入っていて後日放映されたのですが、カンチェリのリトル・ダネリアーダでの肉声の演奏がほとんど聴こえない。あれじゃ、台無しなんです。
また、演奏するのも聴くのも人間。
いつ旅立って、二度と聴けなくなるかも分かりません。
だから、コンサートでは「一期一会」の心もちで臨みます。
特にクレーメルのように、めったに聴けないお気に入りであれば、なおさらに。

という事で、今日のみなとみらいでは、おとといより一層気分良く聴けました。
あまりの気分の良さに、合間の休憩時間に、普段は飲まない赤ワインをいただいてしまったほど(^^;;
これがまた、ほんのり甘さで口当たりが良くて、飲めないかーさんも「おいしい!」って思いました。
みなとみらいホールの会員になっていると、ドリンクチケットが付いてくるんですね。
だから、ワインもコーヒーもジュースも「タダ!」
これからも気分が良い時は、ワインをいただこうかな(^^)

<アンコール曲>
15日 サントリーホール
    ニーノ・ロータ 「ラ・ドルチェ・ヴィタ(甘い生活)」
    モーツァルト 「ヴァイオリン・ソナタ 第39番 1・2楽章」

17日 みなとみらい
    カンツェルリー 「ラグ・ギドン・ハイム」 (クレーメルに捧げられた曲かしら?)
    モーツァルト 「ヴァイオリン・ソナタ 第39番 1・2楽章」



クィーンズ スクエアのクリスマスツリー
(ケータイはダメだわ:笑)


コメント (2)
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