浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

東海大学吹奏楽研究会 第52回定期演奏会

2013-12-28 01:12:12 | 吹奏楽

2013年12月25日、水曜日。
私は、みなとみらい線みなとみらい駅に降り立ちました。
駅の上にある複合商業施設クイーンズスクエア内にある横浜みなとみらいホールに向かうためでした。
この日は初めて聴かせて頂く東海大学吹奏楽研究会の第52回定期演奏会です。

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時間があるので少し、みなとみらい地区の散策をしてみました。
クイーンズスクエアを抜けて桜木町駅方面に向かいますと多くの人間で賑わっておりました。
クリスマス当日ですので、其処かしこにイルミネーションがあふれていて、とてもキレイです。
特に日本丸の威容は大変素晴らしく心を打ちました。
それにしても、“みなとみらい”地区はすごいですね!(埼玉には、こんなとこないや…。)

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そうこうしているうちに開演時間が迫ってきました。
全国金賞の団体が“みなとみらい”という素晴らしいホールでどんな演奏を聴かせてくれるのでしょう。
楽しみです。

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[演奏]東海大学吹奏楽研究会
[指揮]福本 信太郎〈常任指揮者〉
    加養 浩幸〈音楽アドバイザー〉
    横山 幸彦〈学生指揮〉

[ドリル講師・バンド指導]松本 たか子

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~Ⅰ部~

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● 東海大学校歌 (松前 重義/作詞 松前 紀男/作曲)

● ファンファーレ“S-E-A” (鈴木 英史)

● 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より (P.マスカーニ)

● ミュージカル「レ・ミゼラブル」より (C.M.シェーンベルク)

● 久堅の幹 (長生 淳)

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~Ⅱ部 ドリル・ステージ~

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● WICKED (R.L.ソーシード)

● CRUSH (峯崎 圭輔)

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~Ⅲ部~

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● 組曲「惑星」より (G.ホルスト)
   火星:戦争をもたらすもの
   木星:快楽をもたらすもの

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最初は、学生指揮の横山幸彦さんの指揮で東海大学の校歌の演奏、合唱です。
私は個人的にこういう定期演奏会で校歌を演奏するのは嫌いではないです。
気分が引き締まるので。
次は人気の鈴木英史先生のファンファーレです。(精華女子高の委嘱作品のようですね。)
金管のサウンド、とても素敵です。
キラキラと輝き、音が融合していて厚く感じます。
華やかな演奏でした。
3曲目は、「カヴァレリア・ルスティカーナ」。
埼玉栄高校の演奏が有名ですね。
この曲も横山さんが指揮されましたが、学生さんとは思えぬ堂々とした指揮ぶりで演奏も情緒豊かなサウンドが、とても良かったと思います。
お次は曲のジャンルが変わってミュージカル音楽の「レ・ミゼラブル」。(今年は映画のせいか吹奏楽界でも流行りました。私も演奏会やコンクールで何度聴いたことでしょう。)
曲目が多彩ですね。
聴きごたえのある演奏でした。
まるでオペラの楽曲の演奏を聴いているような…。
このバンドの特徴は、やっぱりサウンドの素晴らしさが第一でしょうか?
もちろん、しっかりしたテクニックもあり、個人の技量の高さが窺いしれますが、何よりも、やわらかなサウンドの厚みが曲を盛りたてています。
あと、言い忘れましたが、この曲から、常任指揮者の福本信太郎先生に指揮がかわっています。

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さて、Ⅰ部、最後の曲は、今年の10月19日に福岡サンパレスホールにて開催された第61回全日本吹奏楽コンクール・大学の部で見事、金賞を獲得した時の自由曲「久堅の幹」です。
さすがに自由曲だっただけあって、完成度が高かった。
長生ワールド全開で良い演奏を聴かせて頂きました。

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失礼な物言いかもしれませんが、こんなにレベルの高い演奏をして頂けるとは思っていませんでした。
少し驚きでしたし、このコンサートに来て本当に良かったと感じました。
神奈川大学の持つサウンドの繊細さや表現力には少しだけ、追いつかない部分があるように思いましたが、サウンドの厚みでは負けていないように感じました。(アマチュアの大学吹奏楽団で神奈川大学に対抗できると確信したのは東海大学が初めてでした。)
演奏会も私の自宅から遠い所でやっているようなので、今まで演奏会に行かせて頂くのを躊躇していたのが悔やまれました。
コンクールも東京支部で出てますし…。(日程が東関東や西関東の各支部と重なって見にいけないのです。)
今後も活動に注目したいバンドがひとつ増えました。

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さて、Ⅱ部は“ドリル・ステージ”ですね。
私は“生徒”だった太古の昔、吹奏楽部員でしたが、マーチングはやった事がありません。
でも、座って吹いていても難しい楽器を動きながら吹くなんて、どんなに難しいことだろうとは思えます。
そして、私にとっては、“音楽”を聴くというよりもスポーツ観戦に近い感覚で拝見させて頂きました。
めまぐるしい動きの中でも、しっかりとした演奏をして下さった東海大の皆さんに感銘を受けました…。

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最後のステージのⅢ部は、超有名曲、ホルストの惑星(火星&木星)です。
指揮は、この団体の音楽アドバイザーで土気シビックウインドオーケストラとの数々の共演でも名高い加養浩幸先生にかわります。
また、大曲に合わせて演奏人員も増えました。
「火星」。
大音量の部分が多い曲です。
ですから、ヘタクソなバンドが演奏すると収拾がつかなくなる。
ところが、東海大の演奏は、大きな音は出ていても、ちっともウルサくなかった。
逆に迫力と言うか、演奏に奥行きを感じました。
弦楽器の魅力とは違う、“吹奏楽”の「火星」でした。
ただ、一点だけ。
私は素人ですので、正式には何と言う楽器なのかわからないのですが、シンセサイザーのような電子音を出す鍵盤楽器を使ってましたね。
演奏に迫力を出すために使用したんだと思いますが、いらなかった。
生演奏でも十分、壮大さが出ていたし、私がかなり前の席にいたせいかもしれませんが、その楽器の音で他の楽器が聴こえない瞬間が度々ありました。
「木星」は、メロディの美しい曲です。
東海大の演奏は、そのメロディを歌い上げた素晴らしいパフォーマンスでした。
ホルストの持つ、独特な素朴さを上品に表現しているように思いました。

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アンコールの曲は以下のとおりです。(1曲目は福本先生がサックスで演奏に加わり、加養先生の指揮で2曲目は学生指揮の横山さんの指揮でした。)

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舞台上では福本先生、加養先生、そして、ドリル講師として東海大を指導されている松本たか子先生が、それぞれ挨拶をされました。
それは、みな東海大学吹奏楽研究会の皆さんを讃える内容でした。
聞いているうちに、素晴らしいチームワークで“音楽”に取り組んでいる学生の皆さんの姿が浮かんでくるように思えました。

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アンコール曲の演奏の途中から、感極まってか泣いている学生さんが舞台上で何人か見受けられました。(多分、卒業する4年生の方でしょうか?)
きっと、その涙は、惜別の想いの詰まったものなのですね。
なんて、素晴らしいんでしょう!
苦しいこともあったけど、充実した学生生活を送っていたんだなと実感した次第。
だからこそ、あのサウンドに繋がるんですね…、きっと。

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クリスマスの夜に孤独な浦和のオヤジは、豊かな気持ちに満たされながら、遠く埼玉県に帰って行くのでした…。


川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団 第47回定期演奏会

2013-12-26 00:34:48 | 吹奏楽

アマチュアの吹奏楽の演奏会に行くと、こんなことを感じることが多いんです。
舞台で演奏している方は楽しそうだなあと。
でも、そんな事を観客に感じさせちゃいけないんです。
やっぱり、アマチュアであろうと“観客を意識した”演奏をして欲しい。
“自己満足”でいいんだったら、演奏会なんかやんなきゃいいのにと思った団体が今まで、複数(と言うか“たくさん”)ありました。
たとえ、それが全国大会出場団体だったとしても。(全国大会の演奏が“素晴らしく”ても、演奏会では“なんじゃこら”と…、そんな事がケッコウ…、ある…。)

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でも、アンサンブルリベルテは、違うんです。
演奏会において、全てにパーフェクトとは言いませんが、かなりのクオリティを維持している。
多分、意識が違うんでしょうね?!

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今年10月、福岡サンパレスホールで行われた第61回全日本吹奏楽コンクール、職場一般の部に私も行かせて頂きました。
珍しく課題曲は、ぎこちなかったものの長生淳先生の委嘱作品を見事に歌い上げた演奏に圧倒されました。
あれから、2ヵ月あまり。
今年も年末の定期演奏会に来させて頂きました。

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2013年(平成25年)12月23日、月曜日の天皇誕生日です。
場所はリベルテのホームグラウンドの川口リリアメインホールです。
余談ですが、リリアのメインホールは音響の面では合格点だと思うのですが、個人的に客席の配置が好みじゃない。
奥行きがないので勾配がキツすぎる。
2階席なんか多分、舞台を覗き込むような感じになって演奏者を見づらいじゃないでしょうか?(実際、2階席で見た事はないんですけど…。また、すみだトリフォニーホールでも同じことを感じました。これは実際、3階席から見ての感想です。)

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さて、本題に戻りましょう。
演奏会の始まりです。

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[演奏]川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団
[指揮]福本 信太郎
[オーボエ独奏]渡辺 克也

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【Ⅰ部】

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● バレエ組曲「ロデオ」より カウボーイの休日 (A.コープランド/Trans.by Ed Keely)

● ゆりのねゆらり《世界初演》 (井潤 昌樹)

● グリンカの主題による変奏曲 ― オーボエと吹奏楽のための (N.リムスキー=コルサコフ)

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=休憩=

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【Ⅱ部】

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● ~ リベルテが贈る音楽のクリスマスプレゼント! ~
   * Present Music 1 (美女と野獣)
   * Present Music 2 (リトルマーメイド)
   * Present Music 3 (ライオンキング)

● ボレロ (M.ラヴェル/arr.by P.スパーク)

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最初の曲は、コープランドのロデオです。
懐かしいですねぇ。
高校時代とか、「エル・サロン・メヒコ」と一緒によく聴いてました。
リベルテの演奏。
ミスがあるとかミスがないとか、そういう次元の話ではなく、何か音楽的にハマってないというか…。
曲に対するサウンドやリズムがうまく機能していないような感じがしました。
最初の曲だから、仕方ないかな…。
2曲目は、今、吹奏楽界では人気の作曲家、井澗(いたに)昌樹氏の「ゆりのねゆらり」。(井澗氏の「バイ・バイ・ヴァイオレット」はコンクールで人気の自由曲ですね。)
何と、この日が世界初演なんだそうです。
演奏前に関西(多分、京都からと紹介されたような…)から、いらしていた井澗氏に舞台上で曲の解説をして頂きました。
全般的に激しい曲調で随所に“井澗節”が見え隠れしている難曲ですね。
でも、作者の想いが伝わるいい曲です。
表現力の乏しいバンドが演奏すると、ただ、ウルサイだけの音のかたまりになりそうですが、リベルテは、そのテクニックで見事な楽曲として完成させていました。
1曲目とは違い、エンジンが掛かってきたようです。
さすが、アンサンブルリベルテ!
(蛇足…、「ゆりのねゆらり」の曲名が紹介されて、福本先生が指揮台につかれた時、遅れてホール内に入って来られた老夫婦が席に着こうとしていました。しかも、舞台に非常に近い指揮台前の席で。福本先生が気を使って演奏開始を少し遅らせたのは、微笑ましいハプニングでした。)
さて、前半、最後の曲は、世界的に活躍されているオーボエ奏者、渡辺克也先生を迎えて大作曲家リムスキー=コルサコフの「グリンカの主題による変奏曲」。
プログラムの解説によると、この曲はオーボエ協奏曲ですが、珍しくバックがオーケストラではなく吹奏楽がオリジナルなんだそうです。
演奏前に渡辺先生が色々とお話をして下さったのですが、それがまた、面白かった。
南浦和中、浦和高校と進学された“浦和っ子”のようですね。
東京藝術大学在学中から新日本フィルに入団され、その後ヨーロッパを中心に活躍されている方です。
今回の演奏はオーボエと吹奏楽のコラボで大変、興味深かった。
実にノーブルな曲に渡辺先生のテクニックが冴えわたり、素晴らしいひと時を過ごさせて頂きました。(アンコールは、渡辺先生にアレッサンドロ・マルチェロの“オーボエ協奏曲”の2楽章を演奏して頂きました。これもまた素晴らしかった!)

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後半は、「リベルテが贈る音楽のクリスマスプレゼント!」と題してのステージ。
開演となっても舞台上には、演奏者の皆さんはどなたもいませんね。
すると、ハープ、トランペット、トランペットの皆さんがそれぞれ一人ずつ現れ、3人で「きよしこの夜」のアンサンブルが始まったのです。
そして、そのメロディに合わせて、他の団員の皆さんが入場してきました…。
なかなか雰囲気のある演出です。
ところで、プログラムの曲目紹介のところでは「Present Music」としか書いてありませんでした。(上記、曲目紹介のところに書いてある曲名は、筆者が加筆したものです。)
ステージの進行をされていた指揮の福本先生のお話によりますとクリスマス近いということで、ディスニー作品の中でミュージカル化されている演目の音楽を“プレセント”して下さるとのこと。
「美女と野獣」「リトルマーメイド」「ライオンキング」、いずれも名作のミュージカル音楽をリベルテの優れた表現力で堪能させて頂きました。(特に“スティールパン”という楽器の演奏を初めて生で聴かせてもらったのが興味深かった。)
そのあと、プログラムには書いてなかったのですが、この日の演奏会の司会をされていた地元川口市出身のピアニスト葛貫杏梨さんがショパンのノクターンを演奏して下さいました。
透きとおったピアノの音色が会場全体をそして、私の心を和ませてくれました…。

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いよいよ、最後は「ボレロ」です。
聴く方は、楽しくていいのですけど、演奏する方にとってはシンプルであるが故に難しい曲ですね。
今まで、“吹奏楽版”のボレロを生で聴いた事があるのは、パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団、国立音楽大学ブラスオルケスター、東京音楽大学シンフォニックウインドアンサンブルの3団体だったと思います。(たぶん…、おそらく…。)
完全なアマチュアの演奏は今回が初めてです。(それにしてもリベルテは勇気がありますよね。)
聴いた後の感想。
さすがにソロパートは、この難曲に対応しきれなかった部分も見受けられましたが、リベルテのサウンドの素晴らしさに感銘を受けた次第。
特に後半のオーケストラでいうならば、弦楽器が担うメロディラインの合奏部分は特筆に値します。
全体的に素晴らしいのですが、特に木管楽器は何と言う音なのでしょう!
やっぱり、リベルテはギャルド系の音ですよ。
それとリズムの中心、スネアドラム、ブラヴォーです!
いいものを聴かせて頂きました。

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アンコールは、クリスマスということでアンダーソンの「そりすべり」。
そして、「ジングルベル」のジャズヴァージョンの2曲でした。

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来年の春の定期演奏会(吹奏楽の響き)は、リリアではなくて、“さいたま市文化センター”で行われるとのこと。
私の家から近くて、嬉しい気持ちもあるんですが、できれば、東京芸術劇場あたりでやってほしいなあと勝手に思ってしまった浦和のオヤジでした…。

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ところで本日は、福本先生の指導されている東海大学吹奏楽研究会の演奏会のために横浜みなとみらいホールに伺いました。(そのご報告は、後日に…。)
なんだか、福本先生の追っかけみたいになっちゃいました…。

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いつも期待以上のパフォーマンスをありがとうございます。
来年も聴かせて頂きますね。


武蔵野音楽大学 ウィンドアンサンブル2013(12月)

2013-12-22 04:49:04 | 吹奏楽

12月15日の国立音大シンフォニックウインドアンサンブルに続いて、またまた音大の吹奏楽団を聴きにやって参りました。
今までいろいろなホールでオーケストラや吹奏楽団の演奏会を聴かせて頂きましたが、私が個人的にいちばん好きな音楽ホールと言えば、「東京オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル」です。
この日は、私にとって久々の東京オペラシティでした!
気分が高揚しています!

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2013年(平成25年)12月17日、火曜日。
18:30開演です。
場所は、先程から申しておりますように「東京オペラシティコンサートホール」。
今回の演奏会の指揮は、全米吹奏楽指導者協会の副会長でもあるバージニア州立大学のテリー・オースティン教授です。
プログラムに書いてあったプロフィールを見せて頂きましたが、アメリカ吹奏楽界では、かなり著名な方のようですね。(詳しい内容は割愛させて頂きます。)
この日の2日前に国立音楽大学シンフォニックウインドアンサンブルでも感じたように音大生の皆さんの高い技術を持ってすれば、一流の指揮者を迎えて素晴らしい演奏が聴けるはずです。
実に楽しみです!

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[演奏]武蔵野音楽大学ウィンドアンサンブル
[指揮]テリー・オースティン

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● 交響曲第1番より「ファンファーレ」 (S. Rachmaninov/arr. G. Kingston)

● ミレニアム・カノン (K. Puts/arr. M. Spede)

● 歌劇《ばらの騎士》より「ワルツ」 (R. Strauss/arr. Cailliet)

● ビヨンド・ザ・ホライズン (R. Galante)

● ファンタジー・ヴァリエーション (D. Grantham)

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=休憩=

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● カルマン・ライン (P. Meechan)

● パワタンの娘 (J. P. Sousa/edit. L. J. Schissel)

● ラ! (D. Dzubay)

● シェルタリング・スカイ (J. Mackey)

● シンフォニー・フォー・バンドより 第2楽章「行進曲」 (M.Gould)

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プログラム見てみますと“多彩な”演目ですね。
もちろん、アメリカの吹奏楽曲が中心のようですが、オーケストラの編曲モノなどもあり、面白い内容です。(ただ、私の知らない曲も多く、プログラムの“解説”に頼ってしまうことをお許し下さい。)

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最初は、ラフマニノフの華やかなファンファーレで始まりました。
ニクイ演出です。
2曲目は、イーストマン音楽学校出身で現在はボルチモアのピーボディ音楽院作曲科教授のケヴィン・プッツの作品です。
1972年生まれと言いますから、随分とお若い方です。(私より…。)
私は、この曲のセンスの良さに驚きました。
「ミレニアム・カノン」という曲名のとおり、カノン形式(よく言われるところの“輪唱”。でも、厳密に言うとこの言い方も違うらしい。プログラムの“解説”には「カノンとは“旋律を追いかける形式”」と書いてあります。)
金管楽器が効果的な演奏をしながら、木管楽器のノーブルな“カノン”を支えていて、実に格調高い曲だと感心いたしました。
そして、この曲を見事な演出で演奏していた武蔵野音大に拍手です!

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3曲目。
今度は曲調がガラッと変わって、リヒャルト・シュトラウスです。
管弦楽の“それ”とは違って、“吹奏楽の曲”として仕上がっていたように思いました。
4曲目の「ビヨンド・ザ・ホライズン」を作曲したロッサノ・ギャランテは映画音楽方面で活躍されている方のようです。
そのせいかメロディが美しく、画像と合わせたらいいだろうなあと思わせる曲でした。
ニュージャージー州の高校の委嘱作品だそうですので、それほど難解ではなく親しみやすい曲だと思います。
武蔵野音大も良い意味で力の抜けた好演だと思いました。
日本でも中高生の吹奏楽部員にチャレンジして欲しい曲ですね。
前半、最後の曲はドナルド・グランサムの「ファンタジー・ヴァリエーション」。
この曲は難曲ですね。
ガーシュウィンのピアノ曲をもとにした変奏曲だそうですが、1999年度のABA(米国吹奏楽指導者協会)やNBA(ナショナル・バンド協会)の作曲賞をとった曲です。
序奏と20の変奏曲から出来ていて、聴いている素人の私にも演奏に相当のテクニックや表現力が必要な事がうかがい知れます。
見事な演奏でした!
ただ、ガーシュイン色がもう少し強調されれば、私の個人的好みだったかも。
邦人作品に偏りがちな日本の吹奏楽界ですが(特に高校)、このようなアメリカものにも取り組んで頂きたいものです…。

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私は今回、前から20列目という位置で聴かせて頂きました。
実にベストな環境だったように思います。
このホールは、よく響くことは響くのですが、過剰に響き過ぎもせず、それでいて音自体は、客席の後ろまで突き抜けてくるような感覚。
実に素晴らしい。

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それと何回も東京オペラシティコンサートホールに足を運んでいるのですが、今まで何故、気付かなかったのでしょう!?
このホールの建設に尽力された故武満徹先生のレリーフ(宇佐美圭司氏作)があったなんて!
何だか胸が熱くなりましたよ。

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さて、後半が始まりました。
最初の曲は、ピーター・ミーカンの「カルマン・ライン」。
これまた、お若い!(1980年生まれ)のイギリス人の作曲家ですね。
この曲名の意味は、ハンガリー出身のアメリカ人科学者のカルマンが提唱した「地球の大気圏と宇宙空間との境界線」を意味するそうで、作曲者のミーカンがこのラインを“想像して”作曲したのだそうです。
「オスティナート」と呼ばれる“持続するリズム形”が曲全体を支配しているのですが、単調なリズムの繰り返しを飽きさせない見事な技法はセンスがいいというか、見事だとしか言い様がありません。
素晴らしい曲です。
演奏もこの難曲を独自の表現力で作り上げた名演でした。
聴き応えがありました!
次はスーザです。
指揮のオースティン教授がスーザ財団の役員を務めていた関係からの選曲でしょうか?(このプログラムの曲の並びからすると少し違和感があります…。)
でも、演奏はよかった。
見事なコンサートマーチに仕上がっていました。

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3曲目は、デイヴィッド・ズベイの「ラ!」です。
何だか異色の曲名ですが、「古代エジプト人が進行した太陽の神」を表現した曲だそうです。
私が個人的に聴いた感じでは、エジプトをイメージするエキゾチックな雰囲気を残しつつも現代的な曲でした。
何だか流行りの邦人作品のような…。
コンクールの自由曲に好まれそうだと思った次第。
武蔵野音大には躍動的でリズム感あふれる演奏をして頂きました。
4曲目、ご存知、ジョン・マッキーの曲です。
美しく、素朴な感じの曲ですが、節々に聴きなれた“マッキー節”が見え隠れしていて楽しめました。
感情のこもった良い演奏でした。

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さあ、トリの曲です。
私の思い入れのある作曲家モートン・グールドの作品。
格調高く、古典的なグールドの特性を生かした演奏でした。
上品な雰囲気は会場を魅了しておりました。
ただ、演奏は素晴らしかったのですが、トリの曲としては少し地味な曲だったかなとは思いましたが…。

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アンコールは3曲。
以下のとおりです。

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最後はクリスマスソングの演奏と楽団員の皆さんの“メリークリスマス”の掛け声で終わりました。
楽しかった。
いい演奏にふれると明日への活力になりますね。
特に私のようなオヤジには…。

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12月は飛ばしています!
今日までで5つの演奏会。
そして、あと3つの演奏会。
次回は、4回続いた音大シリーズが終わり、いよいよ大好きな川口市・アンサンブルリベルテの演奏会に行きます!


国立音楽大学 第42回 シンフォニック ウインド アンサンブル 定期演奏会

2013-12-16 21:32:22 | 吹奏楽

2013年(平成25年)12月15日、日曜日。
私は、西武鉄道拝島線、玉川上水駅に降り立ちました。
この駅に来るのは何年振りのことでしょう?
確か多摩都市モノレールがこの駅を通るようになって間もなくくらいだと思うので10年以上前だと思います。(後で調べましたところ、多摩モノレールが開通したのは2000年だそうです。)
仕事で訪れたその駅は、「武蔵野」の風情を色濃く残すような印象がありましたが…。
とても“賑やかに”なってましたね。

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さて、今回、ここ玉川上水まで遠征してきた訳は、「国立音楽大学 第42回シンフォニック ウインド アンサンブル 定期演奏会」を聴かせて頂くためです。
国立音大の吹奏楽団としては、去年、今年と“ブラスオルケスター”の演奏会には足を運びました。
パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の首席指揮者のフランソワ・ブーランジェ氏を指揮に迎えた演奏会は、「パリ・ギャルドの伝統をくにたちの響きで」というコンセプトのもと、私を含めた観客をギャルド風の甘く透明感のあるサウンドで魅了してくれました。
非常に楽しめた演奏会でした。

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ところが今回の“シンフォニック ウインド アンサンブル”はアメリカのイーストマン音楽学校の教授でイーストマン・ウインド・アンサンブルの指揮者マーク・スキャッタデイ氏を迎えた演奏会です。
ある意味、対極ににあるスタイル(管弦楽編曲モノと吹奏楽オリジナル)を得意とする指揮者をそれぞれ迎えて、どのような演奏を聴かせてくれるのか興味津々です。(しかも同じ大学の学生さんが。)

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ここで、イーストマン音楽学校について。
ニューヨーク州にあるロチェスター大学の音楽専門学校で1921年創立。(余談ながら、ロチェスター大学は、ノーベル物理学賞を受賞された小柴東大名誉教授も学ばれたことがあるそうです。)
アメリカではニューヨークのジュリアード音楽院、ボストンのバークリー音楽院と並ぶ名門の音大で数多くの一流演奏家を輩出しているそうです。
また、1952年にフレデリック・フェネルによって作られたイーストマン・ウインド・アンサンブルはイーストマン音楽学校の在校生、OB、OGによって編成されている吹奏楽団です。(私が学生の頃、既にフェネル&イーストマンといえば憧れの吹奏楽団でありました。)

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玉川上水の駅から徒歩5分もかからないくらいで国立音大の講堂に到着。
外観もシックで地方の県庁所在地の堂々たる市民会館といったカンジですかね。
中に入るとロビーも広くて、天気が良いせいか、大きなガラス窓から入って来る日差しがとても暖かく感じます。
ホール内に入ります。
座席数1290の大ホールです。
2階席はないものの実際の座席数よりは広く感じますね。
さすが、音大のホールだけあって良い演奏が聴けそうです。

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開演の25分程前にホール内に入ったのですが、既に舞台正面に鎮座ましますパイプオルガンによるプレ・コンサートが始まっておりました。
冬の凍てつく空気をパイプオルガンの音色で暖かくしてくれるようでした。
いやあ、沁み入りますなぁ。(曲名、演奏者は以下のとおりです。)

『オルガン・プレ・コンサート』
● 「神の御子は今宵しも」による変奏曲 (M.デュプレ)
[パイプオルガン独奏]斉藤 春佳

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パイプオルガンの優しい音色の余韻に浸る間もなく、コンサートが始まりました。
“ブラスオルケスター”とは、どのように違うパフォーマンスなのでしょう!
非常に楽しみです。

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[演奏]国立音楽大学シンフォニック ウインド アンサンブル
[指揮]マーク・スキャッタデイ
[マリンバ]塚越 慎子

ファンファーレとアレグロ (C.ウィリアムズ)

● マリンバと吹奏楽のための協奏曲「睡蓮の花」 (真島 俊夫)
  Ⅰ.庭園
  Ⅱ.夜の池
  Ⅲ.開花

● 交響曲 変ロ調 (P.ヒンデミット)
  Ⅰ.Moderately fast, with vigor
  Ⅱ.Andantino grazioso
  Ⅲ.Fugue

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=休憩=

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● シンフォニア第3番「ラ・サルサ」-Ⅰ.トゥンバオ 
(R.シエッラ/arr. M.スキャッタデイ)

● プラハのための音楽 1968
    Ⅰ.序奏とファンファーレ
    Ⅱ.アリア
    Ⅲ.間奏曲
    Ⅳ.トッカータとコラール

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最初の曲は、クリフトン・ウィリアムズの曲です。
クリフトン・ウィリアムズ、懐かしいです。
いかにもアメリカの吹奏楽曲といった風情が漂います。
そして、曲にあったサウンドです。
都会的で歯切れのいい演奏は心地よく感じました。
ただ、トランペットがひな壇中段にいたせいか、はたまたホールのせいか多少、響いてこなかったような?(前半は、他の曲でも若干、そう感じました。後半は思わなかったですけど。)
2曲目は真島先生の作品の「睡蓮の花」。
マリンバ独奏は、国立音大OGでもあり、多数のコンクールで優秀な成績を残し世界的に活躍されている塚越慎子氏です。
真島先生の書かれた美しいメロディは、心を安らかにしてくれます。
また、各楽章のテーマを塚越氏のテクニックで情緒豊かに表現していて素晴らしかった。
ブラヴォーです。
前半最後は、ヒンデミットの変ロ調。
この曲も懐かしい。
今でもメロディを口ずさめる程、何回も聴いた曲です。
国立音大の演奏も熱演でした。
青春時代にもどったようで楽しいひとときを過ごせました…。

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休憩中に思った雑感。
7月に聴いた「ブラスオルケスター」とこの日の「シンフォニック ウインド アンサンブル」は同じ大学の学生さんですよね?
もしかしたら、同じ大学でもメンバーが全く違うのかなと思い、帰宅してから両方のプログラムにあったメンバー表を見比べてみましたが、多くの方がどちらのメンバー表にも名前が載っていました。
しかし、サウンドが全く違っていた。
前者は弦楽器を意識したサウンド。
後者は吹奏楽独特のリズムや表現を生かせるサウンド。
もちろん、学生の皆さんのテクニックや努力もスゴイのだと思いますが、やはり、一流の指揮者の手にかかるとサウンドすらも変えてしまうんだなと感心する事しきりです。(ブーランジェ氏、スキャッタデイ氏に脱帽!)
つまり、どんなバンドでも指導者の役割が大きい事をつくづく思い知らされますね。

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後半、最初は初めて聴かせて頂く曲でした。
プログラムの解説によると曲名の「トゥンバオ」とはサルサの基本的リズム、パターンだそうで、カリブ系ラテン音楽の雰囲気満載の曲ですね。
しかも、吹奏楽版である今回の演奏は指揮のスキャッタデイ氏の編曲とのこと。
素敵なものにならないわけがありません。
堪能させて頂きました!
さあ、いよいよトリの曲、「プラハのための音楽1968」です。
いわゆるチェコスロヴァキア共産党の自己改革運動「プラハの春」がソビエト連邦(名目上はワルシャワ条約機構軍)の軍事侵攻(チェコ事件)によって灰燼に帰してしまったこと描いた曲です。
特に最後の楽章「トッカータとコラール」はチェコ・プラハ出身である作曲者フサの“とてつもない怒り”を感じ取る事ができる名曲だと思います。

今まで、何回か生演奏でこの曲を聴く機会がありました。
その上で敢えて言わせて頂くならば、今回はイチバン印象に残る演奏でした。
サウンドから来るものなのか、説得力が凄かった。
表現力を強く必要とするこの曲を見事なまでの完成度で聴かせてくれました。
特に打楽器の皆様には、ブラヴォーです。
忘れられない“プラハ”になりそうです。

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演奏が終わっても、しばらくは拍手が鳴り止みませんでした。
指揮のスキャッタデイ氏は何度も歓声に応えていらっしゃいました。
終演後、西武線の車中でも私の心の中で、いろいろな事を考えました。
私のようなロクな音楽教育も受けていない人間でも、こんなに愛せる“音楽”。
そして、それを何の障害もなく楽しめる平和な世の中。
こんな時代、国に生まれたことに感謝です。
「“プラハの春”が潰されずに永遠に続きますように!」と願いながら…。

“ブラスオルケスター”も“シンフォニック ウインド アンサンブル”も聴かせて頂きますね、今後も!


第4回 音楽大学オーケストラフェスティバル(東京音楽大学・国立音楽大学)

2013-12-11 20:07:40 | オーケストラ

石田衣良氏の小説で「池袋ウエストゲートパーク」というのがあります。
2000年に宮藤官九郎氏の脚本でドラマ化(TBS)されたこともあるので、ご存知の方も多いと思います。
そして、この小説の舞台となった「池袋ウエストゲートパーク」すなわち「池袋西口公園」の一角に東京芸術劇場は建っています。

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東京芸術劇場は、『公益財団法人東京都歴史文化財団』が管理する地上10階、地下4階の堂々たる建物ですね。
私がよく訪れます大ホール(1999席)や中ホール(841席)、小ホール(300席)が二つ(シアターイースト、シアターウエスト)、他に展示ギャラリー、展示室、テナント等々を抱える施設です。
1990年10月の開館ですが、2011年4月より改装のために1年半にわたり休館いたしました。
その後、2012年9月にリニューアルオープンし現在に至っております。(特にリニューアル後はエントランスが素敵になりました。)

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そして、今回この東京芸術劇場に「第4回音楽大学オーケストラフェスティバル」のために伺いました。(今年、個人的に東京芸術劇場での“7回目”のコンサートです。)
洗足学園音楽大学管弦楽団、桐朋学園オーケストラ、武蔵野音楽大学管弦楽団、昭和音楽大学管弦楽団、東邦音楽大学管弦楽団、東京藝大シンフォニーオーケストラ、東京音楽大学シンフォニーオーケストラ、国立音楽大学オーケストラという在京8音大の学生さんがミューザ川崎と東京芸術劇場にて日頃の研鑽の成果を披露して頂ける催しです。
11月11日にもミューザ川崎シンフォニーホールで洗足学園と桐朋学園の演奏を聴かせて頂きました。
この日も仕事が休みであったため、演奏会に伺うことにしました。

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2013年12月8日、日曜日の昼下がり。
池袋西口公園は、休日のせいか大変、賑わっておりました。
公園で歌を歌う人がいるのは、よく見る光景ですが、さすが繁華街、池袋駅前の公園はダンスや曲芸?のようなことをするパフォーマーが複数おり、それを見物する人間で溢れかえっておりました。

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そんな人混みをかき分けて東京芸術劇場へと向かいます。
建物の中へと入り、長い長いエスカレーターを登りつめたところに目的の大ホールの入口があります。
さあ、これから、国立音大、東京音大の皆さんの演奏が始まります。

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《ファンファーレ》
● Fanfare2013~躍進~ (竹蓋 彩花)

 【演奏】国立音楽大学

● 交響曲 第8番 ヘ長調 作品93 (L.V.ベートーヴェン)
 第1楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ・エ・コン・ブリオ
 第2楽章 アレグレット・スケルツァンド
 第3楽章 テンポ・ディ・メヌエット
 第4楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ
● バレエ音楽「ガイーヌ」より (A.ハチャトゥリャン)
 剣の舞/バラの娘たちの踊り/子守歌/レスギンカ

 【管弦楽】東京音楽大学シンフォニーオーケストラ
 【指揮】 川瀬 賢太郎

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〔休憩〕

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《ファンファーレ》
● フェスティバル・ファンファーレ2013 (小濱 響子)

 【演奏】東京音楽大学

● 管弦楽のための協奏曲 (B.バルトーク)
 第1楽章〈序奏〉アンダンテ・ノン・トロッポ―アレグロ・ヴィヴァーチェ
 第2楽章〈対の遊び〉アレグレット・スケルツァンド
 第3楽章〈悲歌〉アンダンテ・ノン・トロッポ
 第4楽章〈中断された間奏曲〉アレグレット
 第5楽章〈終曲〉ペザンテ―プレスト

 【管弦楽】国立音楽大学オーケストラ
 【指揮】 山下 一史

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それぞれの大学の演奏の前に“エール”の意味もあるのでしょうか、相手方の金管楽器(一部打楽器も)がファンファーレを奏でます。
しかも既存の曲ではなく、作曲科の学生さんが作った新曲です。
面白い試みです。
そして、とてもいい演出だと思います。

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国立音大のファンファーレに続いて、まずは東京音大の演奏です。
まずはベートーヴェンですか。
普段、個人的にベートーヴェンのオーケストラ曲は聴かないですね。
近代の作曲家から比べると物足りなく感じてしまうので…。
ただ、生演奏で聴くと弦楽器中心の音楽は心が安らいで、とても心地よかった。

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続いては打って変ってハチャトゥリャン。
実はこの2日前に吹奏楽版を聴いているのですけど、やっぱり弦楽器が入るとスケールが大きくなります。
また、管楽器の音と弦楽器の音が交わると普段聴いている吹奏楽の音とは、同じ管楽器なのだけれど違った響きをするように思いました。(何か艶っぽくなったような…。)
それにしても“レスギンカ”は盛り上がる曲ですね。
大いに楽しめました。
全体的に都会的な感じがして、いい演奏だと思いました。

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休憩のあと、後半の演奏は国立音大です。
東京音大のファンファーレに続いて、大曲、バルトークの「管弦楽のための協奏曲」です。
大好きな曲ですので楽しみですね。
今年も吹奏楽の全国大会で“吹奏楽版”「管弦楽のための協奏曲」を聴きましたが(横浜ブラスオルケスター)、先程の「ガイーヌ」と同様、弦楽器の素晴らしさには感銘を受けますね。
迫力が違います。
演奏も「動」と「静」の対比をうまく表現した内容で素晴らしかった。
滅多にオーケストラの演奏会に行くことがないので、よく知っている曲でも生演奏を聴くのは初めてです。
やっぱり演奏はCDではなく、実際にホールに足を運んで聴くものだと、あらためて思った次第。

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演奏会が終わり、外に出ても少し薄暗くなっただけで、都会の喧騒の様子は変わっていません。
心地よい余韻に浸りながら池袋駅から埼京線に乗り込む私(浦和河童)でございました。

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音大生の皆さんの演奏(吹奏楽もオーケストラも)はチケット代があんなに安いのに、それをはるかに上回るパーフォーマンスをみせてくれます。
断然、オトクです!!