浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

第62回神奈川県吹奏楽コンクール 大学・職場一般の部(第19回東関東吹奏楽コンクール予選)

2013-08-17 01:13:57 | 吹奏楽

今年も、去年と同じ行動をとっています。
職場一般の部の埼玉県大会を見てから、一週間後に神奈川県大会へ。
他の都県の地方大会も行きたい気持ちがあるのですが、去年も今年も職場一般に関しては、日程的にこのふたつの県しか行けないんです。(私は埼玉県在住なので、地元のコンクールを中心に考えるとこうなるのです。)
それでも昨年、支部大会(西関東大会、東関東大会)は両方に行けたのですが、今年は同じ日に開催されるため、やむなく地元の西関東大会(所沢市民文化センターミューズ)だけに行くつもりです。(ちなみに東京都大会も同じ日に開催されます。)

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2013年(平成25年)8月11日、日曜日。
場所は、川崎市教育文化会館です。
この会館を訪れるのは3回目かなあ。
初めて来たのが、一昨年でしたか?
この日もコンクールに参加しているPastorale Symphonic Bandの定期演奏会でした。
2回目が昨年の職場一般の神奈川県大会で、3回目、今回となるわけです。
古いホールですが、最大座席数1961席と堂々たる大ホールです。
1967年開館とのことなので半世紀近くの歴史を持っているんですね。(個人的に普門館と同じ“臭い”がするように思います…。)

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さて、昨夜は仕事のため、帰宅したのは午前様の時間帯でございまして、早起きして、はるばる埼玉県から出発し、午前9時過ぎには川崎駅に着いておりました。
いささか、睡眠不足ですが、全22団体(大学4、職場一般18)の演奏をしっかりと聴かせて頂きます。

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10時になりました。
開演の時間です。
開会式も何もなく、簡単なアナウンスで突然始まりました。

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それでは、お馴染み、課題曲紹介です。
以下の楽曲が今年度の課題曲です。

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Ⅰ “勇者のマズルカ”[第23回朝日作曲賞受賞作品]  (三澤 慶)
Ⅱ “祝典行進曲「ライジングサン」  (白岩優拓)
Ⅲ “復興への序曲「夢の明日に」  (岩井直溥)
Ⅳ “エンターテイメント・マーチ”  (川北栄樹)
Ⅴ “流沙”〈※高校・大学・職場一般のみ〉  (広瀬 正憲)
   (第5回全日本吹奏楽連盟作曲コンクール第1位作品)

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第62回神奈川県吹奏楽コンクール 大学の部、職場一般の部は、まず、王者、神奈川大学の登場です。

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〔大学の部〕

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1.神奈川大学  (指揮)小澤 俊朗
    [課]Ⅴ [自] 魁響の譜(三善 晃/arr.小澤 俊朗)

決して美しいメロディがあるとは言えない課題曲Ⅴですが、神大の演奏は、その無機質なメロディにすら“表情”を感じとることが出来ました。
また、大音量でフレーズが終わったあとの残響を醸し出す、音の処理の仕方が見事!
自由曲は三善晃先生の作品ですね。
オーケストラのように厚い音色を感じさせる演奏でした。
特にクラリネットが素晴らしかった!
全員が寸分の狂いもなく同じ間合いで吹いていて、絶妙のアンサンブルでした。
朝イチの演奏でしたが、神大の演奏を聴けただけでも、川崎まで来た価値があったというものです。
コンクールのコメントにあまり使いたくないのですが…、“ブラヴォー”!
【金賞・県代表】

2.フェリス女学院大学  (指揮)西澤 春代
  [課]Ⅳ [自] レスポワール・ドゥ・シャリテ(C.ドゥヴェル)

人数少ないですねぇ。
金管楽器はひとりのパートが多いですね。(ホルンはいない?)
ひとりひとりの音は音質が似通っていて、明るい華やかな音なのだけれど、人数の関係でサウンドが薄くなるのは如何ともし難い。
特にマーチの課題曲は、そこのところは目立ちます。
自由曲は、面白い曲でした。
女性らしさを存分に表現できているように思いました。
ただ、楽器の持ち替え等で努力はしているのだけど、何らかの形で、いま一歩の工夫が必要なのでは?
昨年もコンクールという場で聴かせて頂いて、非常に好感を持った団体なので、最後に昨年のブログと同じ言葉を書かせて頂きます。
「人数がいたら、確実にいいバンドになると思います。」
【銀賞】

3.明治大学生田キャンパス  (指揮)泉 雄斗
  [課]Ⅳ [自] アイヴァンホー(B.アッペルモント)

課題曲、Aからのクラリネットのメロディ軽快な感じが良く出ていました。
しかし、それを支えるホルンの後打ちとか少し乱れましたかね。(ピッチとか…。)
全般的に音程の気になる感じがしました。
自由曲は動きの速い雰囲気をうまく表現していましたが、最初のファンファーレが決まっていれば、もっと好印象になったと思いました。
【銅賞】

4.北里大学  (指揮)西村 友
  [課]Ⅴ [自] 青い水平線(F.チェザリーニ)

課題曲Ⅴ。
雰囲気も出していたし、アンサンブルに乱れはないし、スマートで都会的な演奏だと思いました。
私のような素人が口をはさむ余地はないのですが、神大の演奏を聴いた後だけに少し物足りない…。
自由曲はチェザリーニです。
盛り上がりますよね、この曲。
細かいところまで気を配った好演でした。
気持ちをこめて練習した思いが伝わってくるようです。
ただ、もう少し、この曲の持つ壮大さが表現出来ていればなと感じました。
【金賞】

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〔職場一般の部〕

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1.横浜ブラスオルケスター  (指揮)近藤 久敦
  [課]Ⅴ [自] 管弦楽のための協奏曲より 終曲(B.バルトーク/arr.仲田 守)

さすが全国大会常連の団体だけあって、見事な課題曲でした。
ただ、私が寝不足だったせいか、多少、ヴォリューム過多に感じましたが…。
自由曲は、バルトークの音楽の持つ華麗さが観客に伝わってくる演奏でした。
曲の特徴を意識したパフォーマンスで各個人個人の技術をうまく表現していました。
納得の演奏です。
最後の金管楽器のユニゾンはシビレました!
【金賞・県代表】

2.青陵ウインドオーケストラ  (指揮)西村 友
  [課]Ⅰ [自] 森の贈り物(酒井 格)

埼玉県大会の職場一般の部では、課題曲Ⅰを演奏した団体は1団体のみでした。
奇しくも神奈川県大会でもそのようですね。
その唯一のⅠを聴かせて頂きました。
この曲の持つ軽快感は、よく感じとれました。
しかし、楽器によって、音量のバランスが悪く、メロディラインが埋没した部分があったのが残念でした。
全体的にホルンの音が聴こえにくかった。
自由曲は、メルヘンチックな描写音楽です。
出だし、もっと揃ってるとカッコよかったのに…。
アルトサックスのソロは、とても素敵でしたよ!
もう少し、躍動感を出して、多少オーバーアクションでも動きを意識した演奏だったら、と思いました。
【銀賞】

3.ヴェントムジカオルケストラ  (指揮)船木 喜行
  [課]Ⅳ [自] 恋す蝶(井澗 昌樹)

聴きやすい課題曲でした。
コンサートマーチらしく軽快感がありました。
ただ、Tubaを中心とする低音部が弱い気がしました。
個人的好みで言うとトロンボーンパートのサウンドが印象に残りました。
自由曲は、初めて聴く曲です。
クラリネットのメロディラインの演奏が良く響いていて良かった。
それと全体的なバンドの音色が合っていて、サウンドが厚く感じました。
好みの演奏でした。
【銀賞】

4.日立製作所 横浜事業所音楽隊  (指揮)野上 博幸
  [課]Ⅲ [自] 吹奏楽のための交響詩「ぐるりよざ」より Ⅰ,Ⅲ(伊藤 康英)

唯一の“職場”の団体です。(埼玉県大会では、0でしたが。)
運営上、難しいこともあるとは思いますが頑張って頂きたいですね。
課題曲はⅢです。
埼玉県大会のブログにも書かせて頂きましたが、この曲、コンクールという場で、聴く側からみると実に評価が難しい曲に感じます。
私のような素人からすれば、演奏する団体が全部良く聴こえてしまう。
コンクールというよりも演奏会に行って聴きたい曲ですね。
それはそうと、一部、トランペットが立って演奏したのは余計な気がしました…。
自由曲は“華麗な”演奏でした。
ミスがなかったわけではありませんが、エキゾチックな雰囲気の出た好演でした。
が、後半、少しオーバーヒート気味かな。
【銀賞】

5.ウインドオーケストラ音秘  (指揮)小塚 類
  [課]Ⅳ [自] 交響的舞曲より Ⅲ(S.ラフマニノフ/arr.佐藤 正人)

課題曲の演奏らしく、セオリーどおりの演奏でした。
ちょっと意地悪な言い方をすると“無難にまとめた”印象を受けました。
トランペット、トロンボーンの音に輝きがあり目立っていました。
私が大好きな音色です。
自由曲は、メリハリの聴いた聴きごたえのある演奏でした。
課題曲とは違い想いが弾けているかのように聴こえました。
個人的には記憶に残る演奏でした。
【銀賞】

6.Y校吹奏楽部OBバンド  (指揮)足立 昭夫
  [課]Ⅲ [自] 「四季」より 2月:謝肉祭 6月:舟歌 9月:狩り
        (P.I.チャイコフスキー/arr.鈴木 英史)

このバンドも人数少ないですね。
20名前後くらいかな。(ホルンは1人しかいませんね?)
課題曲はⅢを選んで正解。
この曲だったら、少人数をカバーする演奏が出来ていました。
目立つサックスソロもばっちりでしたね。
ただ、低音楽器が少ないのは痛いところです。
自由曲演奏に関しては、少し前の洛南高校ばりに楽器持ち替えや演奏場所の移動をこなしており、大変頑張っていましたね。
応援したくなるような演奏でした。
しかし、それに限界があるのも事実ですが…。
【銅賞】

7.横浜バッカスブラスオーケストラ  (指揮)倭文 純
  [課]Ⅳ [自] ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス(D.R.ギリングハム)

課題曲はテンポ気持ち早めだったのでしょうか?
軽快な出だしが良かったのですが、打楽器(特にスネアドラム)の音が大きく感じました。
その傾向はffになった場面で顕著でダイナミクスによって緩急をつける妨げになっていると思いました。
自由曲は初めて聴かせて頂いた曲ですが、個人的にとても気に入りました。
面白い曲です。
課題曲と違って今度は打楽器が大健闘!
躍動感を醸し出している感じがよく出ていました。
中間部の金管楽器の音程に不安を覚える場面がありましたが、それを払拭する華やかなフィナーレで曲が終わったのが印象的でした。
【銅賞】

8.大磯ウィンドアンサンブル  (指揮)加藤 優
  [課]Ⅳ [自] エクストリーム・ベートーヴェン
        ~ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの主題による変容~
        (J.デ・メイ)

昨年は、自由曲に高昌帥先生の「陽が昇るとき」を演奏し、個人的に印象に残っている団体です。
何か舞台上での配置が下手(しもて)側に膨らんでいるように感じます。
演奏には影響ないんでしょうか?
私には、わかりませんけど。
課題曲のAから4小節め、8小節めのフルートとシロフォンのスケールみたいなフレーズ(音楽知識がないので何と言うかわかりません…。)がズレているのが気になった。(また、多くの団体でこの傾向が見られた。)
軽快なサウンドでありましたが、バンドの音色に、より統一感があればよいと思いました。
自由曲は大変、面白い曲でした。(初めて聴きました。)ピッコロが前に出てきて、別のメロディを演奏し、2つの曲が同時進行しているかのような部分は大変、興味深かった。
音程の取りにくい難曲だと思いましたが、練習の成果が曲に表れていました。
【銀賞】

9.鶴見高校OB吹奏楽団  (指揮)久保寺 淳
  [課]Ⅱ [自] イーストコーストの風景より Ⅱ,Ⅲ(N.ヘス)

やっぱり、課題曲Ⅱの出だし、難しいです。
なかなか、うまくいきませんね。
それでも、サウンドとしては軽快なマーチにあっていて聴きやすかった。
曲の後半でひな壇上の金管群の音の処理の仕方が気になりました。
同じ音符を吹いていても微妙に長さが違うというか…。
あと、ピッチが気になったところがありました。
自由曲は、熱演でした。
トランペットのソロもよかった。
ただ、少し打楽器が頑張り過ぎかな。
曲のスピード感の妨げになっている部分があるような気がしました。
【銀賞】

10.Oak Wind Symphony  (指揮)榮村 正吾
  [課]Ⅳ [自] 復興(保科 洋)

課題曲は低音部が充実しているので、より軽快に聴こえて効果的だった。
ピッコロのソロも飛び跳ねるようなリズム感があって素敵でした。
仕上がった演奏のように感じました。
自由曲の「復興」は昨年、よく流行りましたね。
私はこの曲は出だしが肝心だと思っています。
曲冒頭のクラリネットのユニゾン、とても素敵でした。
音量もよかったし、音色がキレイです。
曲の特徴をよく研究しているように思えました。
ソロパートも良かったですね。
ただ、最後の方でアインザッツの乱れがあったのが残念でした。
私個人の感想ですが、ここが県代表になればよかったかなと思いました。(あくまでも超個人的意見です!)
【金賞】

11.Naniwoウインドオーケストラ  (指揮)山岸 淳
  [課]Ⅱ [自] ア・ウィークエンド・イン・ニューヨーク(P.スパーク)

若々しいサウンドでした。
ハツラツとしたマーチは好感が持てました。
ただ、伴奏の後打ちパート、低音部の刻みパート等の旋律ではないセクションの音に少しだけ無造作な感覚を覚えました。
存在を訴えかけているように聴こえ、それによってメロディを目立たなくしている部分があったような…。
自由曲は私も大好きな曲です。
こういうジャズテイスト満載の曲は、ダイナミクスやアクセントに気を付けないと音量過多になってしまいがちです。
ノリノリで楽しい演奏でした。
アタック!アタック!ってカンジで盛り上がってました。
何よりも、この曲によく合うサウンドをしています。
本音で私も心がウキウキしましたよ。(表現が古い…。)
でも、コンクールという場では、こういう演奏はどうなんだろう?(ソロ楽器もジャズを強く意識していたように思えました。)
これがコンサートだったら、良かったのになあと思いました…。
【銀賞】

12.西湘ウインドシンフォニー  (指揮)伊藤 彬
  [課]Ⅲ [自] クヮルテッツ(R.シシー)

人数少なめですね。
先程のY校OBバンドの皆様と同じく、課題曲Ⅲの選択で、この弱点をカバーできる部分が多かったように思います。
ただ、もう少し弾ける部分があった方がよかったのでは?
真面目な演奏に感じました。
初めて聴かせて頂いた自由曲です。
諧謔味も兼ね備えた楽しい曲でした。
課題曲より、練習量の多さを感じられ、よくまとまった演奏で聴きやすかった。
各パートごとにリズムの微妙なズレを感じた箇所があったのが惜しい。
【銅賞】

13.グラール ウインド オーケストラ  (指揮)佐川 聖二
  [課]Ⅲ [自] レント・ラメントーソ(真島 俊夫)

佐川先生の登場です。
先生が指揮してコンクールに出場する団体は、同じ課題曲を演奏しますよね。
今年はⅢですか。
去年も「じゅげむ」でⅢだったので、3という数字が好きなんでしょうか?(冗談です。)
演奏の方は、さすがの実力団体、見事なパフォーマンスでした。
重厚なサウンドでポップス曲を演奏しながらも、コンクールで競っているという意識を感じさせてくれるものでした。
自由曲は、真島先生の委嘱曲です。
定期演奏会でも聴かせて頂きましたが、その時より、“思い”が深く描かれているように感じました。
哲学的命題を含んだテーマに持つ、表現するのが難しい曲だと思うのですが、歌い上げていますね!
時々あったミスはご愛敬でしたが、聴かせてくれました!
【金賞・県代表】

14.相模原市民吹奏楽団  (指揮)福本 信太郎
  [課]Ⅳ [自] 翠風の光(長生 淳)

流れるようなメロディを支えているのは、とても特徴のある柔らかなサウンドです。
このサウンドでマーチを演奏されると、とても心地よい。
間違いなく本日イチバンの課題曲Ⅳでした。
自由曲は長生ワールド炸裂です。
福本先生の棒も冴えわたり、躍動感みなぎる演奏でした。
ただ、昨年の全国大会で聴かせて頂いた自由曲「地獄変」の印象があるので、少し物足りない部分もあるかな。
多分、支部、全国と、より完成されたものへと変化していくのは間違いないでしょうが。
【金賞・県代表】

15.ユース・ウインド・オーケストラ  (指揮)高田 亮
  [課]Ⅴ [自] 紺碧の波濤(長生 淳)

今年も指揮者の方がハデですね。
昨年はツッパリ風でしたが、今年は髪も切ってビジュアル系バンドのボーカルといった風情でしょうか?(オヤジには、これくらいの表現が限界です…。)
課題曲はⅤです。冒頭のアルトッサクスのソロ、非常に色っぽくて良いんだけれど、少しジャズっぽい?(少し、曲に合わないかも…。)
全体的にアクセントにこだわり過ぎだと思う。
作曲者の広瀬正憲氏は、『「和と洋」、「機能と無機能」、あるいは「繊細さと猛々しさ」などの“対比”の要素も意識してください』と言っておられます。
すなわち、全く相反するものの“対比”を表現しているのが、この曲の魅力なのでしょう。
このバンドの演奏は、高いレベルのパフォーマンスだと皆さんが思うし、私もその点に異論はないのですが…。
しかし、この“対比”が感じられないのです、私には…。
高い技術力に培われただけの演奏にしか聴こえなかった…。
(広瀬氏の上記の“コメント”を初めて読んだ時、まだ理解できない部分がありました。しかし、アンサンブルリベルテ吹奏楽団の演奏を聴いた瞬間、「納得」しました!)
自由曲は、「紺碧の波濤」。
大好きな曲です。
このバンドのサウンドに非常にマッチしています。
まるで、ユース・ウインド・オーケストラのための委嘱作品のようです。
そして、実にドラマチックで躍動感あふれる演奏でした。
素晴らしい!のひとことです!(でも、個人的には、このサウンド苦手かな…。)
【金賞・県代表】

16.Pastorale Symphonic Band  (指揮)佐川 聖二
  [課]Ⅲ [自] 大いなる約束の大地~チンギス・ハーン~作品72  (鈴木 英史)

またまた佐川先生の登場です。
グラールの時も感じたのですが、課題曲Ⅲを聴いてもらうという意識をハッキリ持った演奏でした。
楽曲としてまとまっているように思いました。
特に音符をテヌート気味に吹いているのが、なぜか妙に曲にマッチしていて良かった。
自由曲。
最初の方のフルートソロ素敵でしたね。
定期演奏会の時より、随分と曲が整理され完成度が増しているように思いました。
表現力がかなりアップしています。
もう少し余裕があればなと思うところもありますが、納得の県代表です。
【金賞・県代表】

17.横浜市民吹奏楽団  (指揮)新野 慎一
  [課]Ⅳ [自] ファンファーレ・サンフォニーク(天野 正道)

課題曲のCの少し前にあるトロンボーンとトランペットの掛け合いのところのバスドラムが元気良すぎか…。
明るくハツラツとしているのはいいのだけど、メロディラインとその他のバランスに疑問。
自由曲の金管楽器のファンファーレ、見事です。
やわらかい音質ですね。
まとまりのある演奏でしたが、ただ、全体的に単調な感じがしたのが残念でした。
【銅賞】

18.湘南交響吹奏楽団グランドシップ  (指揮)清水 誠
  [課]Ⅳ [自] 交響組曲「寄港地」より Ⅱ,Ⅲ(J.イベール/arr.P.L.デュポン)

課題曲は、私の好きな演奏でした。
メロディラインと伴奏パートのバランスが良いのに加え、金管楽器の明るいサウンドが曲を引き立てます。
実に軽快な演奏でした。
自由曲は異国情緒あふれる演奏でした。
冒頭のオーボエソロで観客の心をつかんで「寄港地」の世界に誘ってくれました。
ただ、もう少し華やかさがあると良かったような気がします。
【銀賞】

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大学4団体、職場一般18団体、計22団体すべて聴きました!
いやあ、疲れた。
全体的な感想を言うと、この日に演奏した22団体の中では、(大学・職場一般、関係なく)圧倒的に神奈川大学が良かった。
“僅差”ではなく、“圧勝”の1位だったと思います。
また、職場一般の部に限って申し上げるならば、埼玉県大会でのアンサンブルリベルテや川越奏和奏友会のような突出した団体がいなかった。
正直言うと金賞や県代表になった団体も、「どんぐりのせいくらべ」で、“まだ仕上がってない”感が漂っていたように思います。
実は、神奈川県大会の職場一般のどの団体よりも、埼玉県大会で金賞を獲得し、西関東大会に進むことになった与野吹奏楽団の方が良かったと思ったのも事実です。(個人的意見です。)
当然、神奈川県には、全国大会常連の団体もいますんで、支部、全国へと進むにしたがって完成度が増してくるんでしょうが。
去年は神奈川県大会のレベルが高く、楽しめましたが、今年は“波乱”もあったし、埼玉県大会の方が面白かった。(これまた個人的意見です。)

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成績発表があり、金銀銅の各賞の発表のあと、神奈川県吹奏楽連盟の山崎一哉理事長により挨拶と東関東大会への推薦団体が発表されました。
山崎理事長の挨拶がとても良かった。
大学・職場一般の神奈川県独自の運営委方法への協力要請や神奈川県吹奏楽連盟が他県に先駆けて作ったキャラクターの事などをユーモアに満ちた話術を駆使して話されておりました。

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これから、グラールとか相模原市民、横浜ブラスオルケスター等々が、どれだけ完成度を増していくんだろうと思ったり、案外、茨城の団体もすごいんだよなあと東関東大会への雑念が飛び交う私の頭の中でしたが、9月22日は所沢市民文化センターミューズに西関東大会のために行きます!!

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このブログは、素人のオヤジの“感覚的”な感想でありまして、いわば戯言(ざれごと)です。
決して、吹奏楽に真剣に取り組んでいらっしゃる皆様を誹謗中傷するものではありません。(むしろ、尊敬の念を抱いております。)
一笑に付して頂ければ幸いです。


第54回 埼玉県吹奏楽コンクール 大学・職場一般Aの部(第19回 西関東吹奏楽コンクール予選)

2013-08-08 20:36:54 | インポート

今年も吹奏楽コンクールの季節がやってまいりました。
1年経つのは早いものです。
ということで、今年も「職場一般の部」を中心に追いかけたいと思います。
まず、第一弾として埼玉県大会の大学・職場一般Aの部です。

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2013年(平成25年)8月4日、日曜日。
場所は、JR南浦和駅から程近い、さいたま市文化センター。
最大客席数2006席の大きなホールです。
何よりも(実に個人的な理由ですが)、私の自宅から自転車で行けるのがいい!

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10:30の開場に合わせて10:00過ぎに出発。
15分程で到着です。
入場券の売り場では既に列が出来ています。
入場券の価格は990円。
“なんで、1000円にしないんだろう?ずいぶん半端だなあ。”などと余計なことを考えながら、400円でプログラムを購入し、ホール内へ。
まだ開会式が始まるまで30分近くあるので、買ったばかりのプログラムを見てみます。
プログラムは本日だけではなくて、全部門の全日程が載っているんですね。

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パラパラとめくっていくと…、高校Aの部で出場する団体に、あの“伝説”の市立川口高校の名前があります。(去年は高校Bの部に出場していたような気がします。間違っていたら、ゴメンナサイ。)
今の中学高校の生徒さんたちは、知らないと思いますが、1980年代を中心に一時代を築いたといっても過言ではない“市立川口”の名を全国大会の舞台に立てる可能性のあるAの部のプログラムの中に発見する事が出来たのは実に感慨深い。
“突然いなくなった”感が強い市立川口の名前は、私のような吹奏楽オヤジには涙が出るほど懐かしいのです…。

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余計な事を書きすぎてしまいました。
本題にもどりましょう。
開会式のあと、大学の部です。
さあ、第54回埼玉県吹奏楽コンクール、大学・職場一般の部が始まりました。

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以下が今年度の課題曲です。

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Ⅰ “勇者のマズルカ”[第23回朝日作曲賞受賞作品]  (三澤 慶)
Ⅱ “祝典行進曲「ライジングサン」  (白岩優拓)
Ⅲ “復興への序曲「夢の明日に」  (岩井直溥)
Ⅳ “エンターテイメント・マーチ”  (川北栄樹)
Ⅴ “流沙”〈※高校・大学・職場一般のみ〉  (広瀬 正憲)
   (第5回全日本吹奏楽連盟作曲コンクール第1位作品)

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〔大学Aの部〕

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1.埼玉大学  (指揮)松元 宏康
    [課]Ⅱ [自] 楽劇「サロメ」より 7つのヴェールの踊り

          (R.シュトラウス/arr.小野寺真)

精力的に活動されている団体です。
朝イチの演奏なので大変ですね。
課題曲の初っ端のファンファーレ、モヤモヤって入っちゃいましたかね?
素人なりに思うに課題曲Ⅱは、最初をビシッと決めるのと決めないのとは印象が違います。
軽快なマーチの演奏だっただけに少し、残念でした。
あと、トランペットとトロンボーンの音量のバランスが悪かったように思いました。
自由曲は、野暮ったくなく都会的なサウンドで聴きやすかった。
オーボエソロも素晴らしかった。(特に音色が。)
ただ、「サロメ」という曲の持つ妖艶さや華麗さをもっと演出できれば良かったかなと思いました。
【銀賞】

2.東京国際大学  (指揮)稲垣 征夫
    [課]Ⅱ [自] 繭の夢~竜の舞う空~(福島 弘和)

人数少ないですね。
プログラムには、23名と書いてありますが…。(ホルンは1名ですか。)
課題曲、自由曲とも、楽器のバランスに偏りがある割には、それを意識した演奏でした。
特に木管楽器群の健闘が光りました。
ただ、時折、音程が乱れる部分が気になったのと、数からくるところのサウンドの薄さは、やはり残念でした。
【銅賞】

3.文教大学  (指揮)佐川 聖二
  [課]Ⅴ [自] ラ・フォルム・ドゥ・シャク・アムール・ションジュ・コム・ル・カレイドスコープ

          (天野 正道)
真打登場です。
課題曲は、出だしに無造作感が…。
しかし、そのあとは、小川のせせらぎのように「音楽」に流れを感じました。
個人の技量の高さが伺い知れます。
自由曲。
この曲、どこかで生演奏聴いたことあるのだけれど、どこだっただろう。
思い出せない…。
余計な事はさておき、演奏はステキなものでした。
メロディを歌うという表現力の素晴らしさを堪能させて頂きました。
大人の演奏です。
【金賞・県代表】

4.駿河台大学  (指揮)高野 真
  [課]Ⅳ [自] 組曲「吹雪」~プーシキンの物語への音楽の挿絵~より 

          ワルツ・ロマンス・ミリタリーマーチ(G.V.スヴィリドフ/arr.高野 真)
金管の人数が少ないですね。
課題曲は、軽快な演奏でしたが、テンポが微妙に走っている感じがしたのは私だけだったのでしょうか…。
トロンボーンは1人だけでしたが、ものすごく頑張っていてよかった。
自由曲は、曲のせいかもしれませんが、硬質のサウンドに聴こえました。(昔の軍楽隊のようなイメージ。)
また、木管楽器のメロディラインは歌い込まれていましたが、ピッチが気になりました。
全体的にまとまった演奏だったと思います。
ホルンのベルアップがカッコよかった!
【銅賞】

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〔職場一般Aの部〕

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1.埼玉県ユースホステル協会吹奏楽団  (指揮)熊谷 一郎
  [課]Ⅲ [自] 「カルミナ・ブラーナ」より Ⅵ、Ⅳ、Ⅹ、ⅩⅡ、ⅩⅢ
          (C.オルフ/arr.J.クランス)

課題曲Ⅲは岩井先生の作品です。
明るいリズムにのったサウンドは、よくまとまっていました。
Ⅲを課題曲に選んで正解ですね。
ただ、低音楽器のリズムセクションが少し弱かったのが残念でした。
自由曲。
昨年もコンクールでサウンドを聴かせて頂きましたが、随分と表現力が豊かになっているように思いました。
曲の最後の方で金管バテましたね。
それとメロディラインを支えている低音部が弱いため、音量の割にはサウンドが薄く感じました。
【銅賞】

2.青木フィルハーモニー吹奏楽団  (指揮)酒井 敦
  [課]Ⅳ [自] 喜歌劇「小鳥売り」セレクション(C.ツェラー/arr.鈴木 英史)

今年の3月に定期演奏会にも伺わせて頂き、個人的に好印象を持っている団体です。
まずは、課題曲から。
昨年に続いてクラリネットの美しいサウンドは健在でした。
軽やかなコンサートマーチが心地よいひと時を作ってくれたように思います。
ただ、一部分でメロディラインと伴奏楽器との間に音量のバランスが悪く、違和感を持ったところがあったのが残念でした。
自由曲は細部まで気を使った演奏だと思いました。
オペレッタの軽快さをうまく表現できていて楽しかった。
中間部、ダイナミクスの変化を印象付けた方が良かったかな?
単調に聴こえたのが惜しかった。
3年連続の西関東大会出場が果たせなかったのが残念ですね…。
【銀賞】

3.ソールリジェール吹奏楽団  (指揮)岡田 稔
  [課]Ⅲ [自] アダージョ・スウォヴィアンスキェ・ドゥルゥギェ(天野 正道)

全国大会に出場経験のある実力団体の登場です。
課題曲は、曲全体を通じて安定しており、安心して聴ける演奏でした。
何よりもバタ臭くないのが魅力でした。
特に聴かせどころのサックスソロは素晴らしかった。
ただ、コンクールでの課題曲という性質上、致し方ないのかもしれませんが、“音楽”を楽しむという観点から考えるとポップス調の曲としては、物足りない感じがしたのも事実です。
自由曲は、難曲を歌い上げていて引き込まれてしまいました。
流れのある“曲”を作り出しており、さすがと思わざるを得ませんでした。
特に金管楽器中低音部のサウンドが私の好みでしたね。
ソロパートなんかもよかった。
ただ終盤に入って全体的に音の吹き終りの処理が雑な感じのする場面があり、そこが目立ちました。
少し、繊細さがあったらと思いました。
【銀賞】

4.越谷市音楽団  (指揮)佐々木 幹尚
  [課]Ⅳ [自] ラッキードラゴン~第五福竜丸の記憶~(福島 弘和)

課題曲は無難にまとめた感じがしました。
そして、“丁寧”にやろうという意識を強く感じました。
ですから、メロディラインの楽器は、どれも、美しかった。
ただ、少し元気良すぎかな。
自由曲は、導入部より後半の部分が目立ちました。
躍動感はあったのだけれど、メリハリに欠けている個所があったような…。
しかし、最後の盛り上がりは相当インパクトがありました。
【金賞・県代表】

5.アンサンブルリベルテ吹奏楽団  (指揮)福本 信太郎
  [課]Ⅴ [自] 時に道は美し-愛について-(長生 淳)

何ていうサウンドでしょう!
「流沙」という、どちらかというと地味な課題曲を色っぽく奏でる。
まるで、別の曲みたい。
やはり、個々の技術の素晴らしさが光ります。
自由曲は5月の定期演奏会でも聴かせて頂きました。
その時は、正直言うとスゴイ演奏なんですが、まだ、心が入ってないというか、心理的な部分で未完成だと感じていました。
しかし、この県大会では「完璧」でした!
私のような素人には詳しくはわかりませんが、「音楽」が、うねりとなって押し寄せて来る…、そんな演奏でした。
すざましかった…。
【金賞・県代表】

6.杉の子吹奏楽団  (指揮)青柳 和弘
  [課]Ⅳ [自] エル・カミーノ・レアル(A.リード)

課題曲は、ポイントを押さえた好演でした。
軽やかなサウンドが曲に合っていたように思いました。
ただ、私の耳の錯覚かもしれませんが、出だしの打楽器がフライング気味だったのと一部でメロディライン(クラリネット)が曲の中に埋没したように聴こえたのが残念でした。
自由曲はアルフレッド・リードの曲ですね。
明るいサウンドが功を奏していました。
しかしながら、些か、この曲の持ち味である軽快さに乗り切れてないところが…。
それと、ロングトーンの時のピッチ、金管楽器で不安なところがありました。
もう少し、躍動感があったら良かったのにと思った次第。
それにしても、リベルテと奏和に挟まれた演奏順は少し、大変かな…。
【銅賞】

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7.川越奏和奏友会吹奏楽団  (指揮)佐藤 正人
  [課]Ⅴ [自] 沈黙の星~レイチェル・カーソンに捧ぐ~(阿部 勇一)

休憩に続いて、川越奏和の登場です。
課題曲はⅤ。
完璧。
まるで、CDを聴いているような…。
奏和のサウンドは、アメリカ的でスマートなのが魅力ですね。
聴衆に伝えたいことがストレートに伝わって来る…、そんな気がします。
自由曲は、今年の定期演奏会でも聴かせて頂きました。
レイチェル・カーソンという方は環境問題に尽力したアメリカの生物学者だそうです。
その人に捧げられたこの曲は地球環境の悪化をテーマにしているので私のような路傍の吹奏楽オヤジには難解な曲に聴こえます。
しかし、奏和の演奏は曲を咀嚼して私にさえ“音楽”として訴えかけてきたような気がしました。
奏和の本領を発揮できる曲ですね。
かなりの音量が出ているのだけれど、ちっともウルサク感じない。
すべてに納得の演奏でした。
【金賞・県代表】

8.CF.growth  (指揮)伊藤 龍一
  [課]Ⅱ [自] ミュージカル「レ・ミゼラブル」よりセレクション
          (C.M.シェーンベルク/arr.バーカー)

課題曲の冒頭のファンファーレ、フォルテなのだから、もう少し力強く吹いた方が良いと思います。
先程も言いましたが、Ⅱは、この一音目が大事ですよね?
それに比べてクラリネットを中心に木管群が力強く、響きのある素晴らしい音をしている。
だから、Aからのメロディラインとかが光る。
全体の合奏になるとバランスが金管と木管のバランスが悪い様に感じました…。
自由曲は、今、大人気の「レ・ミゼラブル」ですね。
ミュージカル音楽だけあって、吹きやすいのか肩の力の抜けた好演でした。
ただ、やはり、人数の少なさによるサウンドの薄さを感じました。
また、各楽器の数の違いによって、全体的なバランスに注意を払う必要性があるんじゃないかと…。
Tubaを舞台中断のど真ん中に置いたのは、何か意図があるのでしょうか?(別に批判しているのではなく、あまり、見たことがないので素朴な疑問。)
【銅賞】

9.本庄ウインドシンフォニカ  (指揮)三品 喜典
  [課]Ⅲ [自] ディアーナの息吹(加羽沢 美濃)

少し、他の団体と比べて年齢層が高いような…。
やっぱり、課題曲Ⅲは評価するのが難しいです。
どの演奏も楽しいし、良く思えちゃう。
ただ、時折、ピッチが気になりました。(特にホルン)
自由曲は、出だしが部分、整理されてない感じがしました。
アンサンブルの乱れってことでしょうか?
柔らかいサウンドなのにもったいなかった…。
【銅賞】

10.所沢市民吹奏楽団  (指揮)吉田 謙治
  [課]Ⅳ [自] 組曲「戦場にかける橋」(M.アーノルド/arr.木村 吉宏)
         Ⅰ 前奏曲(捕虜収容所) Ⅱ 夕暮れ
         Ⅲ ジャングルの旅 Ⅳ クワイ河マーチ

昨年は、原田元吉先生が指揮されてたように記憶しておりますが…。
課題曲は、よく練習してることがわかるし、演奏者ひとりひとりの技量の高さがわかるパフォーマンスであったと感じました。
でも、少し張り切りすぎかな。
自由曲は、描写音楽らしく感情豊かな演奏に思えました。
ただ、私にはやっぱり、元気よすぎに感じました。(個人的意見です。)
ダイナミクスを工夫すれば、私にも聴きやすかったかも。
【銀賞】

11.伊奈学園OB吹奏楽団  (指揮)千葉 一樹
  [課]Ⅳ [自] パガニーニアーナ[パガニーニによるディベルティメント](森田 一浩)

午前中から10数団体の演奏を聴いていると、昨夜の睡眠不足も加勢して猛烈に眠気をもよおしてきました。
気付くと課題曲Ⅳが始まっています。
「あれ、なかなか、うまいなぁ。」なんて夢心地の中で思っておりましたところ、何と伊奈学園OBではありませんか!
ここで、いっぺんに目が覚めました。
舞台を観察しますと…。
「指揮は宇畑先生じゃないんだ…。」
それにしても、昨年の全国大会での自由曲「パガニーニ・ロスト・イン・ウインド」は素晴らしかった。
宇都宮市文化会館で生でも聴かせて頂きましたし、後日、CDでも聴きましたが、その迫力に圧倒されました。
その伊奈学園OBの登場に私も興奮を隠せませんでした。
課題曲、すごい上品なコンサートマーチです。
メロディも含めて、リズムが軽やかですっきりしていて、非常に心地よい。
課題曲演奏のお手本のようでした。(少し、あっさりしすぎているくらいです。)
完全に私の頭が覚醒したところで、自由曲。
舞台上を見てみると、プログラムには60人って書いてあるのに40数人しかいない?
演奏は良かったと思います。
でも、頭の中で全国金賞と言うフィルターをかけて演奏を聴いてしまう自分がいたのですが、そう思えば思うほど、私の心の中には違和感が広がりました。
何が悪いとか、言えない素晴らしい演奏。
しかし、素人の私には、うまく表現できませんが、何かが物足りない…。
結果が出たあと、違うだろ、という気持ちが半分、やっぱりね、という気持ちが半分。
それが私の正直な感想でした。
【銀賞】

12.与野吹奏楽団  (指揮)森田 新一郎
  [課]Ⅰ [自] バレエ音楽「中国の不思議な役人」(B.バルトーク/arr.森田 新一郎)

去年は定期演奏会にも行かせて頂いた団体です。(今年は仕事の都合で行けなかった。残念でした。)
また、昨年はコンクール(県大会、西関東大会とも)でも演奏を聴く機会がありました。
印象は、「パワー」のひとことでした。
課題曲の「希望の空」も昔の軍楽隊のようなイメージの演奏に感じたし、自由曲の「ローマの祭り」もハデな、まさに「カーニバル」でした。
今年も、あのスタンスでやられたら、たまらんぞと思いながら演奏が始まるのを待ちました…。
課題曲は、この日、出場する団体の中で唯一のⅠ。
曲が始まりました。
リズム感、躍動感、ダイナミクスのバランス、音程等々…、どこをとっても文句のつけようがありません。
個人的に曲は違いますが、課題曲で、いちばん良かったと思ったアンサンブルリベルテの次に位置する演奏でした。(個人的意見です。)
課題曲Ⅰにバッチリはまってましたよ!
この調子じゃ、期待できるぞと思った自由曲。
とてもよかった。
描写音楽には大切な表現力も感じられたし、何よりもスケールがデカイ演奏でした。
昨年より、はるかに素晴らしかった!
支部大会での活躍を確信します。(これも、超個人的意見です。)
頑張って頂きたい。
【金賞・県代表】

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13.桶川市民吹奏楽団  (指揮)花坂 義孝
  [課]Ⅳ [自] ルーマニア民族舞曲(B.バルトーク/後藤 洋)

まずは、課題曲から。
とても明るいサウンドですね。
いい音色です。
しかし、全体的にアクセントのついている音符を強調し過ぎのように感じました。
その延長線上として、オーバーヒート気味の音量のパートがありました。(トランペット、打楽器)
自由曲は課題曲とはガラッと変わって、サウンドに丸みが出てきて好印象。
メロディラインも感情豊かに歌い込まれています。
ただ、時折、現れる僅かなアンサンブルの乱れやピッチの不安定さが惜しかった。
民族音楽的な雰囲気を良く出していたと思います。
【銀賞】

14.あおぞらハーモニー吹奏楽団  (指揮)阿部 和博
  [課]Ⅱ [自] シダス(T.ドス)

課題曲Ⅱの冒頭のファンファーレ。
やはり、(私の個人的な意見ながら)満足できる内容ではありませんでした。(この日、Ⅱをやった団体の中でパーフェクトな演奏には出会えなかった。)
しかし、とてもサウンドがソフトです。
私の好みの音に近い。
ミスがないと言ったらウソになりますが、それを補うサウンドの魅力に納得です。
自由曲は実にアメリカの吹奏楽っぽい曲です。(これも、どこかで生演奏を聴いたような気がするのですが…、思い出せない…。)
大人しく演奏すると印象が薄くなってしまうところを躍動感あふれる元気さが演奏自体のレベルを高い位置まで引き上げていました。
特に金管のサウンドがgood!
西関東大会でのご活躍を心より願っております。(私も所沢に行くつもりです。)
【金賞・県代表】

15.飯能vivace wind orchestra  (指揮)三浦 広嵩
  [課]Ⅳ [自] シンフォニックバンドのためのパッサカリア(兼田 敏)

この団体も少人数のようです。
課題曲は、楽器ごとの数の偏りを意識した演奏でした。
バランスが良かったと思います。
自由曲は、兼田敏先生の「パッサカリア」ですね。
私も学生時代に何度も演奏させて頂いた曲です。
出だしの低音楽器群のユニゾン、音程が不安定でしたね。
しかし、曲が進むにつれて、人数の少なさを楽器の持ち替え等で補っており、工夫の跡がみられました。
明るいサウンドで聴きやすい演奏だと思いました。
それと、フルートの音色がキレイで印象に残りました。
【銅賞】

16.大宮吹奏楽団  (指揮)戸田 博美
  [課]Ⅲ [自] キューバ序曲(G.ガーシュウィン/真島 俊夫)

私のようなポップス課題曲があふれていた時代に青春期をおくった人間にしてみれば、Ⅲのような課題曲は懐かしい気持ちになってしまう。
派手でもなく、地味でもなく、リズム感あふれる私の好きな演奏でした。
いろんな意味で難しい課題曲です。
自由曲は、華やかな曲です。
このバンドの性質にあっている良い選曲だと思いました。
曲にあった躍動感を十分に発揮しながらのセンスの光る好演です。
惜しかったのは、曲の後半で多少のリズムの乱れがあり、多少、全体のアンサンブルのバランスがくずれた事でした。
しかし、私の好きなサウンドでした。
【銀賞】

17.浦和吹奏楽団  (指揮)山田 昌弘
  [課]Ⅴ [自] 束の間の恋の歌(井潤 昌樹)

この日、課題曲Ⅴを演奏した浦和以外の団体は文教大学、リベルテ、川越奏和と全国大会常連の実力団体ばかりです。
比較されるのもプレッシャーだろうなあと思いながら聴かせて頂きました。
しかし、他の団体に負けぬパフォーマンスでした。
正確なリズムに裏打ちされた演奏は、素晴らしかったが、もう少し余裕を感じさせる曲作りであれば、もっと良かったかも。
自由曲の「束の間の恋の歌」は今年5月、デアクライス・ブラスオルケスターの定期演奏会で生演奏を聴かせて頂きました。
やさしいタイトルとは裏腹に激しい曲であったような…。
それにしても、表現力が試される曲ですよね。
考えて動かないと破綻してしまいそうな音の波を浦和はうまくセーブしながらの演奏だと感じました。
渋いです。
【金賞・県代表】

18.和光ウインドアンサンブル  (指揮)押味 剛
  [課]Ⅳ [自] てぃーだ(酒井 格)

課題曲。
Aからのクラリネットのピッチが気になりました。
それにしても楽器の数のバランスが悪いですね。
金管は普通に揃っているのに木管が少ない。
特に一般バンドは人集めが大変だと思うので、ご苦労、お察し申し上げます。
軽快な演奏が印象に残りましたが、数のバランスの悪さを補う工夫をすれば、もっと良くなったかもしれない、と思いました…。
自由曲は、明るい南国のカンジをうまく表現していました。
金管の音質がとても重厚で驚きました。
しかし、テンポの速い所でメロディと伴奏パートのリズムが乱れたり、ピッチが不安な部分があったのが残念でした。
【銅賞】

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昨年も全く同じ形で聴かせて頂きましたが、全体的にレベルアップしてるなというのが正直な感想でした。
また、昨年は音量がオーバーヒート気味の団体が多々、見受けられましたが、今年は殆ど見受けられなかった。
同じ会場で、ほとんど同じような団体の演奏を聴いたのに不思議ですね。(課題曲の違いでしょうか?)
全国大会常連組は別にして、いちばん印象に残ったのは、与野吹奏楽団。
昨年との落差が大きすぎてビックリ!素晴らしかった!
前年の演奏は私の“キライ”なタイプの演奏でした。
しかし、今年は、西関東大会でも期待出来る演奏です!

最後にやっぱり、この2団体のことは触れとかなければならないでしょうね。
まずは、伊奈学園OB。
昨年は全国大会、金賞。
今年は、県大会、銀賞で支部大会にも進めない…。
落差あり過ぎですよね。
成績発表時、伊奈学園OBの「銀賞」に会場が“エーッ!”というため息とも、うめき声ともつかぬ「音」に包まれたのが印象的でした。
県代表の当落線上にあったとは思うのですが、私のような素人からみてもインパクトに欠けていたような…。(特に自由曲が)
もうひとつはソールリジェール吹奏楽団。
この団体は、文教大学のOBOGバンドのようですね。
昨年は、コンクールには出場していないようですが、それまでは10年以上連続で、支部大会の常連だったようです。
今年は、県大会どまりということで、忸怩たる思いがあることでしょう。
何れにせよ、実力をもった団体の皆さんの“復活”を願っております。

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なお、ここに書かせて頂いている文章は素人のオヤジの戯言です。
一生懸命、吹奏楽に取り組んでらっしゃる皆様を誹謗中傷するものではありません。
何卒、ご容赦下さい。

P8040309

次は神奈川県大会の職場一般の部に行くつもりです。