浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

第61回 神奈川県吹奏楽コンクール 大学・職場一般の部

2012-08-17 20:16:52 | 吹奏楽

前夜、仕事のため終電近くになったので、いささか睡眠不足ながら、ワクワクしながら川崎へと向かいました。
2012年8月12日、日曜日。
第61回神奈川県吹奏楽コンクール、大学・職場一般の部を拝見させて頂くためです。
パストラーレ・シンフォニックバンドの演奏会で伺ったことのある川崎市教育文化会館が会場です。
ちょうど一週間前に地元埼玉県の同じ大学・職場一般の部を聴かせて頂いておりましたので他県との比較に非常に興味がわいておりました。
それと以前に気紛れで演奏会に訪れたことのあるパストラーレ・シンフォニックバンドがどんな活躍をするのか確かめようと思ったのが神奈川県大会を見に来た一番の理由でしょうか。

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まずは入り口で当日券をロビーでプログラムを購入しホールに入りました。
(どうでもいいことですけど、埼玉県より入場料で210円、プログラムで100円高い。)
ちなみに課題曲は以下の5曲です。
Ⅰ さくらのうた (福田洋介)
Ⅱ 行進曲「よろこびへ歩きだせ」 (土井康司)
Ⅲ 吹奏楽のための綺想曲「じゅげむ」 (足立 正)
Ⅳ 行進曲「希望の空」 (和田 信)
Ⅴ 香り立つ刹那 (長生 淳)

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まずは大学の部からです。

1.文教大学湘南校舎  (指揮)高橋 充
    [課]Ⅱ [自] バイバイ・ヴァイオレット (井澗昌樹)

埼玉県大会で圧倒的優位を誇った文教大学の湘南キャンパス(茅ヶ崎)の皆さんですね。
文教大学は学部によって場所が違うようです。
演奏は無難にまとめているような感じでしたが、細かいアンサンブルとかピッチとか課題の残る演奏のように感じました。
[金賞・県代表]

2.明治大学生田校舎  (指揮)瀬戸翔平
   [課]Ⅲ [自] ケルト民謡による組曲 (ケルト民謡/建部知弘)

課題曲の出だしのパーカッション、少し元気ありすぎかなあ。
自由曲は私の好みの曲でしたが、演奏が平板になりアンサンブルの乱れが気になりました。
[銅賞]

3.北里大学  (指揮)西村 友
  [課]Ⅲ [自] 交響曲より Ⅳ (矢代秋雄/西村 友)

課題曲はこの曲の生命線である“リズム感”がとてもよく感じられました。
ダイナミクスもバランスがよくて聴きやすい演奏でした。
中間部の音程が気になりましたが…。
自由曲は、よく練習してあるなと思いました。
力任せに演奏すると“騒音”となりかねない曲を私のような素人にもわかるように音楽として伝えてくれる演奏でした。 
[金賞・県代表]

4.フェリス女学院大学  (指揮)西澤春代
  [課]Ⅳ [自] 喜歌劇「こうもり」序曲 (J.シュトラウスⅡ/板倉康明)

人数が少ない。
20名にも満たないようです。
さすがに楽器が少ない分、音が薄く不利であることは間違いないでしょう。
しかし、各個人個人の音がキレイでアンサンブルがしっかりしていると思いました。
特にひとりしかいなかったトロンボーンは、とてもいい音をしていました。
人数がいたら、確実にいいバンドになると思います。
[銀賞]

以上で大学の部の演奏が終了しました。
4団体のうち、2団体が東関東支部大会に進めるそうです。
埼玉県大会の大学の部は5団体出場して1団体しか支部大会に進めないのに何か規約でもあるのでしょうか?
とにかく、あの神奈川大学が3出(全国大会に3年連続出場すると4年目は出場できないという大会規定)でいないことを割り引いてみても大学のレベルは少しだけ、埼玉県の方が高い気がしました。

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続いて、一般の部に突入です。

1.相模原市民吹奏楽団  (指揮)福本信太郎
  [課]Ⅳ [自] 交響的詩曲「地獄変」 (福島弘和)

いきなり、大物の登場。
ここのところ、全国大会常連の相模原市民吹奏楽団です。
初めて生演奏を聴かせて頂きましたが、うまいですね。
当日の全ての団体でイチバンの演奏でした。
そういえば、一週間前の埼玉県大会でもアンサンブルリベルテ吹奏楽団を指揮しておられた福本先生。
埼玉県民として申し上げます。
アンサンブルリベルテをよろしくお願いします。
[金賞・県代表]

2.Pastorale Symphonic Band  (指揮)佐川聖二
  [課]Ⅲ [自] ピエトロ・モンタージュ (鈴木英史)

いよいよ、目的のパストラーレの登場です。
定期演奏会で聴かせて頂いた時より、数段進歩しているように思いました。
特に自由曲は金賞・県代表、納得の演奏でした。
ただ、練習の比重を課題曲より自由曲の方においているように感じられたのが残念でした。
話は変わります。
埼玉県大会であらためて気付いたのですが佐川先生って文教大学を指揮されていたんですね…。
[金賞・県代表]

3.日立製作所横浜事業所音楽隊   (指揮)野上博幸
  [課]Ⅳ [自] バレエ音楽「コッぺリア」 (L.ドリーブ/小長谷宗一)

自由曲は大昔のコンクールで中村学園女子高の演奏を聴いて感銘を受けたのが思い出される曲です。
そして、この日唯一の“職場”の団体です。
丁寧に演奏しておられましたが、細かい部分のミスが気になりました。
少し、元気が良すぎたかも。(特に課題曲)
好感がもてる演奏でした。
[銅賞]

4.ヴェントムジカオルケストラ  (指揮)船木喜行
  [課]Ⅰ [自] 増えては消える音の輪~吹奏楽の為の祝典前奏曲 (清水大輔)

この団体も練習時間を自由曲に多くさいているように思いました。
自由曲はバリバリの現代曲の上、ffだらけで考えて演奏しないと“騒音”になってしまうよというワナにまんまとはまってしまったのでは?
課題曲はコンパクトにまとめた演奏が好印象だっただけに残念です。
[銅賞]

5.神奈川ウインドオーケストラ  (指揮)志村健一
  [課]Ⅴ [自] 交響曲第1番「HIROSHIMA」 (佐村河内 守)

大会規定違反により評価が出ませんでした。
時間オーバー?
[失格]

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6.ウインドオーケストラ音秘  (指揮)小塚 類
  [課]Ⅳ [自] オセロ Ⅰ,Ⅲ,Ⅳ (A.リード)

課題曲はコンサートマーチである事を意識した演奏でした。
やわらかいサウンドでとても聴きやすかった。
自由曲はアルフレッド・リードの往年の名曲です。
曲の特徴をつかんだ華やかな演奏には聴き入りました。
ただ、曲の終りの方で金管が頑張りすぎてバテちゃいましたかね。
[金賞]

7.ジョイフル・ブラス・オーケストラ  (指揮)関谷 真
  [課]Ⅰ [自] リヴァー・ダンス (B.ウィーラン/G.バイテンハイス)

課題曲はコンパクトにまとまっていましたが、ソロパートのミスが気になりました。
この曲でソロをミスしては目立ってマイナスです。
自由曲では伴奏部門とメロディラインのズレが非常に気になりました。
[銅賞]

8.大磯ウインドアンサンブル  (指揮)加藤 優
  [課]Ⅳ [自] 吹奏楽のための風景詩「陽が昇るとき」より Ⅰ,Ⅱ,Ⅳ (高 昌帥)

Ⅳを演奏した中で軽快さでは一番だと思いました。
この課題曲を選んで正解では?
サウンドが曲とマッチしてます。
自由曲は初めて聴かせて頂きましたが、とても良い曲ですね。
演奏の方も聴きごたえがありました。
なにより、このバンドの良いところは独自のサウンドをもっているところです。
音質が揃っているから、細かい表現も生きてくる。
難曲を見事にこなしていました。
[金賞・県代表]

9.横浜市民吹奏楽団  (指揮)新野慎一
  [課]Ⅱ [自] 三日月に架かるヤコブの梯子 (真島俊夫)

課題曲の出だしのパーカッションはとてもいいと思いました。
しかし、曲が進むにつれて少し快活で音量がありすぎるかなと感じました。
もう少し、落ち着いた感じの方がよかったかな。
自由曲は熱演でした。
明るい華やかなサウンドで曲が映えます。
特にホルンのffが印象に残りました。(好みの音です。)
ただし、金管が無造作に決してキレイとはいえない割れた音を時折出しているのが気になりました。
[銀賞]

10.ユース・ウインド・オーケストラ  (指揮)高田 亮
   [課]Ⅴ [自] 鳳凰が舞う~印象 京都 石庭 金閣寺 (真島俊夫)

この団体には、いろいろ驚かされました。
まず、指揮者の方。
髪の毛は金髪というか茶髪というか、そんな感じで服装は“氣志團”のようでとビジュアルから度肝を抜かれました。
あと、演奏の方もパワー満点、ド迫力でした。
表現力がかなりあり、思いが伝わってくるようでした。
ただ、この演奏を1日で数回聴いたら、私のようなオヤジは疲れきってしまいます…。  
[金賞・県代表]

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11.アクエリアス ウインズ  (指揮)清水郷志
   [課]Ⅱ [自] バレー組曲「ガイーヌ」より 友情、バラの乙女たちの踊り、剣の舞、友情の踊り (A.ハチャトゥリアン/高橋昭平)

課題曲はとてもバンド全体のバランスのよいサウンドで、課題曲Ⅱ独特のリズムも私には心地よかった。
自由曲も木管楽器の音に色気があり、ガイーヌによくあってました。
ただ、ロシアの音楽特有の泥臭さみたいなものがあればいいかなと思いました。
[銀賞] 

12.湘南交響吹奏楽団グランドシップ  (指揮)清水 誠
   [課]Ⅱ [自] 吹奏楽のための風景詩「陽が昇るとき」より Ⅳ (高 昌帥)

課題曲Ⅱが続きます。
今年の課題曲の中で私が一番好きな曲なので、少し嬉しかった。
演奏の方は減点されないよう気を配った好演でした。
自由曲は不協和音が心地よく、サウンドに独自のカラーがあって良い演奏だと思いました。
[銀賞]

13.西湘ウインドシンフォニー  (指揮)伊藤 彬
   [課]Ⅰ [自] バレエ音楽「青銅の騎士」より (R.M.グリエール/伊藤 彬)

再三、申し上げているように課題曲Ⅰは表現するのが難しい曲だと思いますが、自分たちのサウンドの個性を生かしてまとまった演奏でした。
とてもソフトなサウンドです。
自由曲は、これといったミスはないのですが、フラットな演奏でした。
もう少し、聴かせどころがあればと感じました。
[銀賞]

14.Oak Wind Symphony  (指揮)榮村正吾
   [課]Ⅳ [自] 三つのジャポニズム (真島俊夫)

いいマーチの演奏を聴くと心がなごみます。
この団体の演奏はこの典型例のようでした。
やさしいサウンド、軽快なリズム、とても良かったです。
自由曲も課題曲とは変わって躍動感にあふれ、聴きごたえのある演奏でした。
この曲は、考えてやらないと音量やリズムが収拾がつかなくなったりすると思います。(実際、そういう演奏を聴いた事があります。)
しかし、ffでもppでも心地よく響かせてくれました。
とてもいいパフォーマンスでした。
[金賞・県代表]

15.青陵ウインドオーケストラ  (指揮)西村 友
   [課]Ⅲ [自] カルミナ・ブラーナより 10,14,23,24,25 (C.オルフ/J.クランス)

この日、しばらく課題曲Ⅲを演奏する団体がなかったので新鮮な気持ちで聴くことが出来ました。
ミスのない様に注意をはらった演奏に聴こえました。
その分、「じゅげむ」の躍動感が薄れた感じだったように思います。
自由曲は指揮者の指揮と同じく情熱的な演奏でした。
ただ、金管のファンファーレ部分、複数回、音を外したのが目立ちました。
見せ場なのにそこだけが残念でした。
[銀賞]

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16.横浜バッカスブラスオーケストラ  (指揮)檜野康則
   [課]Ⅱ [自] バレエ音楽「シバの女王ベルキス」より Ⅰ,Ⅲ,Ⅳ (O.レスピーギ/木村吉宏)

課題曲のアタマ、少しだけテンポが速くないでしょうか?
それと、少し元気良すぎる音量かも。
神奈川で「ベルキス」というと私なんぞは、すぐ野庭高校を思い出しちゃいますね。
自由曲は課題曲同様、少し音が出すぎのように思いました。
あと、細かいアンサンブルの乱れが気になりました。
[銅賞]

17.横浜栄区民吹奏楽団  (指揮)廣瀬康二
   [課]Ⅰ [自] 組曲「ハーリ・ヤーノシュ」より Ⅴ,Ⅵ (Z.コダーイ/廣瀬康二)

出場辞退。

18.鶴見高校OB吹奏楽団  (指揮)久保寺 淳
   [課]Ⅰ [自] もののけ姫 セレクション (久石 譲/森田一浩)

課題曲は、細かいミスや音程が気になりました。
自由曲は久石氏の映画音楽の世界を抒情的に歌い、うまく表現していました。
課題曲と自由曲の練習量の比重が違うように思いました。
(蛇足ながら、Picc.のお嬢さんがとてもキレイでした。)
[銅賞]

19.Y校吹奏楽部OBバンド  (指揮)足立昭夫
   [課]Ⅱ [自] 百年祭 (福島弘和)

さあ、本日最後の団体の演奏です。
人数が少ない団体ですね。20名を少し超えるくらいでしょうか?
課題曲。
人が少ないのをカバーするやわらかいサウンドです。
ただ、各楽器の数のバランスを考えてほしかったと感じました。(メロディが聴こえづらくなった時があったので。)
自由曲は丁寧に演奏され、コンパクトにまとめられていました。
好演だと思います。
[銅賞]

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職場一般の部の印象です。
全体的には一週間前に聴いた埼玉県よりレベルが少し高い気がしました。
埼玉県は上位と下位の間に差がありましたが、神奈川県はそれが、あまりないように感じました。
特に印象に残ったのは相模原市民吹奏楽団、大磯ウインドアンサンブル、Oak Wind Symphonyでした。
ただ、横浜ブラスオルケスター、グラールウインドオーケストラの3出団体がいたせいかもしれませんが、埼玉のアンサンブルリベルテのような圧倒的1位と(私が)感じた団体がいなかった。

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とにかく、県代表になった団体の皆さんは東関東大会でのご健闘、心よりお祈り申し上げております。


第53回 埼玉県吹奏楽コンクール 大学・職場一般Aの部

2012-08-11 03:20:41 | 吹奏楽

今年の全日本吹奏楽コンクールの中学、高校の部は普門館ではなく、名古屋国際会議場で開催されるとの事。
何でも、普門館の耐震性に問題があるらしく、「吹奏楽の甲子園」として生徒さん達の目標になっていた建物ですので、関係者の皆さんのご落胆は、お察し申し上げます。
私も昨年、普門館で高校の部を聴かせて頂きました。
そして、今年も伺わせて頂こうと思っておりましたところ、前述のごとく急遽、会場変更なりました。
名古屋ですと諸事情ありまして、行けそうにありません。
そこで、今年はターゲットを一般の部に変えてコンクールを拝見させて頂くことにしました。
(地元、埼玉県はもちろん、関東近県、支部大会に行ければなと思っております。全国大会は宇都宮で開催されるようですので、必ず行くつもりです。)
2012年8月5日(日)は、その第一弾、「第53回埼玉県吹奏楽コンクール 大学・職場・一般 Aの部」にお邪魔いたしました。
場所は、お馴染み、南浦和のさいたま市文化センターです。
外もうだるよな暑さですが、ホールの中も吹奏楽にかける情熱という熱気にあふれています。

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課題曲は以下の5曲です。
Ⅰ さくらのうた (福田洋介)
Ⅱ 行進曲「よろこびへ歩きだせ」 (土井康司)
Ⅲ 吹奏楽のための綺想曲「じゅげむ」 (足立 正)
Ⅳ 行進曲「希望の空」 (和田 信)
Ⅴ 香り立つ刹那 (長生 淳)

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開会のあいさつ、審査員紹介に続いて大学Aの部から。

1.埼玉大学  (指揮)船越孝太 
    [課]Ⅲ [自] バレエ音楽「青銅の騎士」より (R.M.グリエール/石津谷治法)

課題曲は「じゅげむ」の躍動感は薄いもののコンパクトにまとまった良い演奏に感じました。
全体的にとてもやわらかいサウンドで聴きやすかった。
ただ、それが故に自由曲の盛り上がらなければいけない部分で目的を達成できなかったように思います。(特に金管)
しかし、私は非常に好みのサウンドでした。
[銀賞]

2.城西大学  (指揮)藤川敬典
    [課]Ⅱ [自] シンフォニックバンドのためのパッサカリア (兼田 敏)

これは、非常に懐かしい自由曲です。
全体的にピッチが気になった。
自由曲冒頭の低音部は入り方がもう少しハッキリしたらよいのでは。
木管(特にクラリネット)の音は、安定していたのでそれに負けない金管を作ればグッドです。
[銅賞]

3.東京国際大学  (指揮)稲垣征夫 
    [課]Ⅲ [自] タンタン -太陽の神殿- (D.ブロッセ/J.デ=メイ)

大学の部、最少人数23名でのコンクール挑戦です。
人数が少ない上、楽器の数のバランスが悪いので苦労されたと思いますがアンサンブルのまとまりが良かった。
大健闘だと思います。
ただ、課題曲のトロンボーンの割れた音が気になりました。
[銅賞]

4.駿河台大学  (指揮)岩渕重紀 
    [課]Ⅳ [自] 大海を翔ける翼の賛歌 (石川亮太)

指揮者の方が躍動的で良かった。
とても明るい音色で良く音が出ているように感じました。
演奏もリズム感にあふれ、はなやかでした。
しかし、オーバーヒート気味になる瞬間が何度かあったように思います。
[銀賞]

5.文教大学  (指揮)佐川聖二 
    [課]Ⅲ [自] トリトン・エムファシス (長生 淳)

指揮の佐川先生の指揮を見せて頂くのは、今年5月のパストラーレ・シンフォニックバンドの演奏会以来です。
自由曲は「トリトン・エムファシス」。
作曲者は、長生先生。
「トリトン・デュアリティ」なら知ってますが、この曲は初めて聞く名です。
しかし、曲を聴いて納得しました。
「トリトン・デュアリティ」と重なる部分が多く、多分、原曲の「トリトン」の別バージョンの新曲だと言う事が推測できました。
(「トリトン」は全3楽章で、その1楽章の大部分と2楽章の一部にあらたに少し付け加えたのが「トリトン・デュアリティ」だということです。)
少し、話が横道にそれたようです。
演奏の方はと言えば、素晴らしいの一言です。
課題曲、自由曲をとおして躍動感はこの上なく、いやあ、いいものを聴かせて頂きましたというカンジです。
[金賞・県代表]

大学の部については、全ての団体が演奏し終わった瞬間より文教大学の圧勝と確信した次第。

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さて、昼休みをはさんで(私にとってはメインである)職場一般の部のはじまりです。

1.青木フィルハーモニー吹奏楽団  (指揮)酒井 敦 
    [課]Ⅱ [自] 朝鮮民謡の主題による変奏曲 (J.B.チャンス)

課題曲はやわらかいサウンドで、丁寧に演奏しており、とても好感がもてました。
自由曲は、わが青春時代に非常に流行した「朝鮮民謡―」ですね。
出だしのクラリネットのユニゾン、とてもきれいです。
失礼な言い方かもしれませんが、最初はそんなに期待はしていませんでした。
(「朝鮮民謡―」だと古い曲だし、難易度の高い曲ではないので…。)
しかし、演奏を聴いてびっくりしました。
とても素晴らしい演奏でした。金賞に納得です。
(ただ、曲の最後の方の打楽器に、もう少し躍動感があると私の好みに近くなります。これは個人的意見です。)
[金賞・県代表]

2.杉の子吹奏楽団  (指揮)青柳和弘 
    [課]Ⅲ [自] アーサー王と三人の湖の乙女 (樽屋雅徳)

課題曲、出だしの打楽器の躍動感があったらいいなあと思いました。
そうすると「じゅげむ」の物語に近づいてくるような気がします。
自由曲はよくまとまって聴こえましたが、アインザッツの不揃いが気になりました。
しかし、最後の方は個々の音が溶けあっていて美しかった。
[銅賞]

3.アルス ノヴァ ウインドシンフォニー  (指揮)井山英之 
    [課]Ⅲ [自] 幻想交響曲より第5楽章 魔女の夜宴の夢 (H.ベルリオーズ/三井英健)

課題曲のリズムがはねていてよかった。
ただ、曲の中間部の音程やアンサンブルの乱れが気になりました。
演奏が自由曲に移ると同じ団体かと思うくらい“変身”しました。
クラリネットの音なんぞは幻想交響曲にマッチした深い味わいのある音に聴こえました。
なかなかの演奏です。
あきらかに課題曲と自由曲では練習量が違うような気がしたのは私だけでしょうか?
[銀賞]

4.所沢市民吹奏楽団  (指揮)原田元吉
    [課]Ⅲ [自] 復興 (保科 洋)

指揮者が原田元吉氏。
あのヤマハ吹奏楽団の指揮者だった原田先生でしょうか?
課題曲は、この曲の特徴である躍動感があり、中間部とのコンントラストにメリハリを感じ好感が持てました。
今年、流行っている曲を自由曲に選んだようですね。
安定した演奏でした。
ただ、全体を通じて細かいミスが気になりました。
[銀賞]

5.伊奈学園OB吹奏楽団  (指揮)宇畑知樹
  [課]Ⅳ [自] パガニーニ ロスト イン ウインド (長生 淳)

指揮の宇畑先生は6月の川口リリアでの東海大高輪台と伊奈学園総合高のジョイントコンサートで指揮しておられたのを拝見させて頂いた以来ですね。
課題曲が「じゅげむ」ばかり続いたのでⅣは、新鮮な気持ちで聴けました。
コンサートマーチらしい軽快なサウンド。
審査結果発表時の審査員の講評の中にもありましたが、マーチで音量の出しすぎの団体が多い中、ホールを意識した素晴らしい演奏でした。
自由曲は初めて聴く曲です。
そして、キチンと長生ワールドを作り上げています。
ppがとてもきれい。
アンサンブルにまとまりがあり、個人の技量の高さをうかがい知ることが出来ました。
[金賞・県代表]

6.越谷市音楽団  (指揮)佐々木幹尚
  [課]Ⅳ [自] 「交響曲第三番」より Ⅰ、Ⅲ、Ⅳ (J.バーンズ)

全体的に音を出しすぎだと感じました。
課題曲Ⅳは、特にダイナミクスを気をつけないと目立ってしまうと思います。
自由曲が躍動感あふれる若々しい演奏だっただけに支部大会に向けての修正が必要なのでは?
[銀賞・県代表]

7.桶川市民吹奏楽団  (指揮)雲井正浩
  [課]Ⅳ [自] 宮崎県民謡「いろは口説き」による変奏曲 (真島俊夫)

課題曲は、バランスのいいサウンドで耳にやさしかった。
しかし、少しリズムが重かったかも。
自由曲は民謡を素材にした面白い曲でした。
クラリネットは音色が揃っていて、とてもキレイです。
全体的にロングトーンの音程が気になりました。
それと、合奏になった時に楽器のパートによってズレのある瞬間が時々あるように思いました。
[銅賞]

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8.あおぞらハーモニー吹奏楽団  (指揮)阿部和博                           
   [課]Ⅱ [自] ラッキードラゴン~第五福竜丸の記憶~ (福島弘和)

やわらかいサウンドで心地よい課題曲でしたが、少しコンサートマーチを意識したリズム感があればいいのにと思いました。
自由曲は私自身、コンクールや演奏会で度々、聴いた事のある曲ですが、丁寧な素晴らしい演奏でした。
「ラッキードラゴン」の持つメッセージ性を十分、伝えてくれていました。
しかし、他の団体にも多々その傾向がみられたのですが課題曲と自由曲のデキに格差があるように思いました。
私もコンクール経験者ですので、気持ちはわかりますが課題曲を重視していれば、金賞をとれていたかも、と感じる演奏でした。
[銀賞]

9.埼玉県ユースホステル協会吹奏楽団  (熊谷一郎)
  [課]Ⅲ [自] 「イーストコーストの風景」より Ⅱキャッツキルズ山脈 Ⅲニューヨーク (N.ヘス)

全体的に音程が気になるところが多かったように思いました。
自由曲の「イーストコーストの風景」は、私の個人的な意見を言わせてもらうとコンクールには合わない曲だと思います。(演奏会で聴くと大変楽しい曲ですが…)
描写音楽って、聴かせどころを作るのが難しいですよね。
本日の演奏も自分たちの良さを表現するのに苦労されたのではないでしょうか?
[銅賞]

10.和光ウインドアンサンブル  (指揮)押味 剛)
    [課]Ⅱ [自] ルネッサンス―復興― ~大震災への鎮魂歌、そして復興への賛歌~ (真島俊夫)

課題曲。出だしの金管のピッチが…。
本来この曲の持つリズミカルなメロディをもっと表現できたら、より良かったのではと思いました。
自由曲。タイトルどおりドラマチックな曲だと思うのですが、平板な演奏に聴こえました。
もう少し、メリハリがあると良かったのでは?
[銅賞]

11.アンサンブルリベルテ吹奏楽団  (指揮)福本信太郎
   [課]Ⅴ [自] パッサカリアとトッカータ (福島弘和)

自由曲は定期演奏会で一度、聴かせて頂いたことがあります。
その時も思いましたが、アマチュアとしては非の打ちどころない演奏でした。
課題曲も多分、アンサンブルリベルテが選択するであろうと思ったⅤ。
難解な曲ですが自分たちの世界を作っているのがスゴイです。
私の個人的な意見として、本日の職場・一般の部の出場団体でNO.1の演奏でした。
[金賞・県代表]

12.大宮吹奏楽団  (指揮)永薗喜章
   [課]Ⅳ [自] 交響組曲「平清盛」 (吉松 隆/高木登古)

自由曲は大河ドラマからと面白い選曲です。
ホルンの咆哮が気持ちいい。
メロディラインの歌い方も誇張されていて楽しかった。
課題曲も軽快で好みのサウンドです。(少し音は出しすぎか?)
結果は残念でしたが…。
[銀賞]

13.本庄ウインドシンフォニカ  (指揮)萩原定夫
   [課]Ⅰ [自] 「吹奏楽のための組曲」より Ⅰ、Ⅳ (兼田 敏)

本日、唯一の課題曲Ⅰです。
この曲はメロディも美しいし、抒情的な曲ですが課題曲として演奏するとコンクールで不利になるような気がしてなりません。
ソロや少人数でメロディラインを演奏するフレーズが多いので、バンド全体のカラーを出しづらいのでは?
素人なりにそんなふうに思いました。
だから、今回も個人個人のアラが目立つ結果になってしまったように感じました。
自由曲は、“わが青春の”兼田敏先生の曲でしたが全体的にこじんまりとしすぎてしまったところが残念でした。
[銅賞]

14.与野吹奏楽団  (指揮)森田新一郎
   [課]Ⅳ [自] 交響詩「ローマの祭り」より (O.レスピーギ/森田新一郎)

課題曲。もう少し、音量をおとしたほうが良いと思う。
それに尽きます。
自由曲は「ローマの祭り」。
定期演奏会の時も聴かせて頂いたのですが、その時より驚くほど修正されています。
各パートがパワーをきそっているような演奏だったのに実にバランス良くなっていました。
この団体も課題曲と自由曲の練習量の違いを感じますね。
[金賞・県代表]

15.浦和吹奏楽団  (指揮)山田昌弘
   [課]Ⅴ [自] 科戸の鵲巣―吹奏楽のための祝典序曲― (中橋愛生)

課題曲は何曲を見事なアンサンブルでこなしていました。
聴きごたえのある演奏です。
ただ、もう少し細かい表現力があれば完璧だったように思います。
自由曲の「科戸の鵲巣」は何度も生演奏を聴いたことがありますが、迫力の点では、今まで聴いた中では上位の方でした。
が、勢いがありすぎた感があります。
少し、メリハリが欲しかった。
[金賞・県代表]

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これでコンペティション部門の全団体の演奏が終了しました。
全体的な感想としては、課題曲と自由曲の練習量の差も感じましたし、マーチの音の出しすぎが気になりました。
(審査員の全体的な講評も同じような事が言われていました。)
そういう団体が多々あったので少し、くたびれたのも事実です。
それと、成績上位の団体と下位の団体の実力差を非常に感じました。
(昨年、高校Aの部の地区大会を聴かせて頂きましたが、あまり感じなかったのに…。)

最後に三出団体(三年連続全国大会に出場すると四年目は出場できないという大会規定)の招待演奏です。

16.招待演奏 川越奏和奏友会吹奏楽団  (指揮)天野正道
   La suite excentrigue (天野正道)
   Viva! KAWAGOE (天野正道)

天野先生の指揮で招待演奏です。
指揮者ご自身の曲とは言え、コンクールのプレッシャーがないせいか、ド迫力、圧巻の演奏でした。
川越奏和奏友会吹奏楽団の生演奏を初めて聴きましたがブラボーです。
アンコールに応えて欲しかったくらいですね。

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今年の大学、職場・一般の部の埼玉県大会が終わりました。
大学1団体、職場・一般の6団体は山梨で行われる西関東支部大会に進まれるわけですが、県代表として思う存分、実力を発揮して頂きたいものです。
最後にいろいろ書きましたが、関係者の皆様には、素人のオヤジの戯れ言と思い、ご容赦下さい。

次は気になる団体が一つありますので、大学、職場・一般の部の神奈川県大会に行ってまいります。