浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

川越奏和奏友会吹奏楽団 第14回ファミリーコンサート

2019-12-16 05:36:05 | 吹奏楽

2019年12月15日、日曜日。

久しぶりにウェスタ川越に伺わせて頂きました。

川越奏和奏友会吹奏楽団のファミリーコンサートのためです。私事ですが、ファミリーコンサートを拝見するのは初めて。定期演奏会には、川越市市民会館時代から何度も通ったのですが、ファミリーコンサートには、日程が合わず、どうしても行けなかった…。

ウェスタ川越という素晴らしいホールでどんなパフォーマンスを見せて頂けるのか非常に楽しみです。

 

いつもは、自宅の最寄り駅である武蔵浦和から埼京線を使い大宮経由乗り換えなしで川越駅まで行っているのですが今回は、気分を変えて武蔵野線の北朝霞で乗り換え、隣接している東武東上線で朝霞台より川越という方法で向かいました(時間的には、ほとんど変わらず料金もICカード(Suica)で1円しか変わりません…)。

 

指揮は、音楽監督・常任指揮者の佐藤正人先生。

武蔵野音楽大学卒業後、川越市立野田中学校吹奏楽部を全国大会常連の強豪校に育て上げられた手腕は、敬服に値しますね。その後も川越奏和はもちろん、出身地の秋田吹奏楽団や立正大学を率いてコンクールで結果を出しています。すごい方です…。

司会は、川越出身で奏和に在籍したこともあるという水野潤子さん。

そして、福井県を中心にナレーター、MC、歌手として活躍されている岡田健志さんがゲストとして招かれました。ちなみに川越奏和とは、初共演とのこと。

 

開演前には、ロビーコンサートが行われていますね。まもなく、始まりそうです…。

 

《川越奏和奏友会吹奏楽団 佐藤正人60th記念演奏会第一弾/第67回全日本吹奏楽コンクール金賞受賞記念 第14回ファミリーコンサート》

(演奏)川越奏和奏友会吹奏楽団

(指揮)佐藤 正人

 

【1st Stage】

1.ラプソディ・イン・“G”(G.ガーシュウィン 作曲/三浦 秀秋 編曲)

2.ラッキードラゴン~第五福竜丸の記憶~(福島 弘和 作曲)

  ナレーション 岡田 健志

3.吹奏楽のためのプレリュード ~「時計台の鐘」の旋律による(鈴木 英史)

 

まず、最初は、ジョージ・ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」「パリのアメリカ人」ピアノ協奏曲である「へ調の協奏曲」を題材にした『ラプソディ・イン・“G”』。本来は、もっと小編成の楽曲であったようですが、今回のために大編成に編曲されました。ガーシュウィンらしいジャズとクラシック音楽の融合を見事に表現した演奏でした!

 

次は、吹奏楽の名曲『ラッキードラゴン~第五福竜丸の記憶~』。

前述の岡田健志さんがナレーションをつけての演奏です。“ラッキードラゴン”はコンクールや演奏会など様々な機会に頻繁に演奏される曲であります。私も色々な場面でこの曲を聴かせて頂きました。今回の川越奏和の演奏は、岡田さんのナレーションと相まってとても“劇的”なものになりました。核実験の恐ろしさを知らしめる「第五福竜丸事件」を題材に描いたベン・シャーンの絵が目に浮かぶようでした…・

 

1部、最後の曲は、『吹奏楽のためのプレリュード ~「時計台の鐘」の旋律による』です。この曲は、札幌市の委嘱で2000年2月6日に催された「平成11年度札幌芸術劇場」の記念曲として、鈴木英史先生により作曲されました。札幌市民の愛唱歌「時計台の鐘」のメロディをもとに作られたようです。ゆったりとした曲調は、奏和の演奏によって格調高く観客の心に響きました…。ちなみに今年の5月26日に川口リリアで行われた“埼玉県中学校選抜吹奏楽団第8期生研修発表会”でこの曲が演奏されました。(この発表会は、ここ数年、アンサンブルリベルテの春から夏にかけての定期演奏会と同時に開催されます。)youtubeで演奏が残っているみたいなので興味のある方は、ご覧下さい。

吹奏楽のためのプレリュード 〜「時計台の鐘」の旋律による

作曲:鈴木 英史 指揮:飯田 光一郎(さいたま市立大宮南中学校 教諭) 演奏:埼玉県中学校選抜吹奏楽団 第8期生 2019年5月26日(日)...

YouTube

 

 

【2nd Stage】

1.ディープ・パープル・メドレー(佐橋 俊彦 編曲)

2.アラジン・メドレー(A.メンケン 作曲/高橋 宏樹 編曲)

3.ど演歌えきすぷれす(杉浦 邦弘 編曲)

4.TV Family7つのテレビテーマソング(高橋 宏樹 編曲)

      カリキュラマシーンのテーマ(宮川 泰 作曲/宮川 成治 編曲)

5.パプリカ(米津 玄師 作曲/波多野 直彦 編曲)

6.ボレロ(M.ラヴェル 作曲/岩井 直溥 編曲)

 

さあ、2部が始まりました!

まずは、イギリスの伝説的ハードロックバンド「ディープパープル」のメドレーです。私にとって得意な分野ではありませんが、奏和の皆さんのテクニックに酔いしれるステージでした。

 

2曲目は、ディズニー映画の「アラジン」から。「フレンドライクミー」「ホールニューワールド」「アリ王子のお通り」のメドレーです。映画の登場人物に扮した団員の方も出て来られ、盛り上がりました。また、ナレーションをされた岡田健志さんと司会の水野潤子さんが「ホールニューワールド」をデュエットしていたのが良かった。

 

3曲目は、演歌、懐メロのメドレー。“黒子”によって紹介されていた曲は以下のとおり。「兄弟仁義」「涙の連絡船」「天城越え」「与作」「青い山脈」「青い山脈」「旅の夜風」「リンゴの唄」「あの娘たずねて」「函館の女」「いつでも夢を」「津軽海峡冬景色」「氷雨」「雪の降る町を」「霧の摩周湖」etc.昔の思い出をかみしめた中高年の皆様も多かったのでは、ないでしょうか。それと、ソロパートの皆さん、お疲れさまでした。とても、良かったです!

 

盛りだくさんの曲の数々ですが、続けて“昭和”の匂いがする構成です。

細かい曲目の説明はなかったのですが、“7つのテレビテーマソング”とのことでしたので、自分なりに数えてみましたら、「JRA重賞ファンファーレ(関東)」「きょうの料理(NHK)」「ドラえもんのうた」「ヤン坊マー坊の唄」「“渡る世間は鬼ばかり”のテーマ」「笑点」「サザエさん」でしょうか?また、「カリキュラマシーン」とは、日本テレビで1974年から4年間放送された「セサミストリート」を目標としたギャグ満載の「教育番組」であったらしい。(恥ずかしながら、私は、この番組が放送された期間、この世に存在はしていましたが、記憶にございません。)しかし、テーマ音楽は現在でもなじみ深いと思います。何故なら、NHK「チコちゃんに叱られる!」のオープニングの音楽として使われているからです。ちなみに作曲は、「宇宙戦艦ヤマト」の音楽で有名な宮川泰氏です。それにしても、この曲も奏和の演出は、バッチリです。(表現が古いですが…)

 

そして、今年、ある意味、子供たちにイチバン、流行った曲ではないでしょうか?「パプリカ」。

演奏に先駆けて、この曲を踊れる子供たちを募るアナウンスが流れました…。会場が広いので、1階席のそれも前の方の子供たちに限られましたが、10名程、集まりました。演奏が始まって…、その健気に踊る姿が可愛いこと!これだけで初老のオヤジは心が洗われましたね!ただ、ひとこと。子供たちが踊った場所が問題。客席の最前列と舞台との間のスペースでした。客席によっては、愛らしい姿が見えない位置です。できれば、舞台上に上げて踊らせてあげたかった…。もちろん、舞台からの転落などの様々な“危険”を考慮してのことでしょうが…。また、子供たちに踊れる事を事前に告知すべきであったと思います。1700を超える座席数を持つ大きなホールです。突然言われても、移動に時間がかかる。事前に知らせていれば、子供も親も準備ができ、もっとファミリーで楽しめたはずです…。

 

トリの曲は、「ボレロ」です。それも岩井直溥先生の編曲版。この曲は、我が母校、駒澤大学の吹奏楽部(“我が母校”では、ありますが、私自身は吹奏楽部とは何の関係もありません)が1982年、5年連続“金賞”を記念した招待演奏で演奏したのが始めです。私も何回かこの曲を生で聴いたことがありますが、奏和の演奏は、ラテンのリズムにのって楽しい音楽の世界に導いてくれるものでした。センスの良さが光りました!

 

この後、佐藤正人先生の“還暦”を祝した“Happy Birthday”が流れ、客席の“熱”が最高潮に達したところで、アンコール曲の「テキーラ」でした…。

 

川越奏和って、私にとって「硬質」なイメージのあるバンドでした。しかし、今回のファミリーコンサートを聴いてその印象が覆された想いです…。

そして、ますます、川越奏和奏友会吹奏楽団が好きになった“浦和のオヤジ”でした!


第67回全日本吹奏楽コンクール 職場・一般 前半の部

2019-12-07 23:06:21 | 吹奏楽

全国大会、職場一般の部から、1ヵ月以上経ってしまいました…。

そして、1年以上ブログを更新していません。諸事情によりますが、再開させて頂きたいと思います。

 

2019年10月27日、日曜日。

今年も職場一般の全国大会に来ることが出来ました…。場所は、私にとって初めての青森。場所は毎年違えども、楽しみにしているお祭りです。しっかりと楽しみたいという思いで会場入りしました。さあ、「リンクステーションホール青森」。思い出のホールになりそうです…。

 

【2019年度全日本吹奏楽コンクール課題曲】

Ⅰ.林 大地/「あんたがたどこさ」の主題による幻想曲(第29回朝日作曲賞受賞作品)

    HAYASHI, Daichi/Antagatadokosa Fantasy

Ⅱ.近藤 悠介/マーチ「エイプリル・リーフ」

    KONDO, Yusuke/March April Leaf

Ⅲ.福島 弘和/行進曲「春」

    FUKUSHIMA, Hirokazu/Spring March

Ⅳ.岡田 康汰/行進曲「道標の先に」

    OKADA, Kota/March “Beyond the sign”

Ⅴ.日景 貴文/ビスマス・サイケデリア Ⅰ〔※高校・大学・職場一般のみ〕

  (第11回全日本吹奏楽連盟作曲コンクール第1位作品)

    HIKAGE, Takafumi/Bismuth Psychedelia Ⅰ

 

【職場・一般前半の部】

 

1.九州代表/福岡県 西区市民吹奏楽団 (指揮)松井 裕子

 [課]Ⅲ[自]歌劇「アンドレア・シェニエ」より(ジョルダーノ/宍倉 晃)

いよいよ、トップバッターの登場です。それにしても、少し、変わった楽器の配置です。最上段の打楽器群は、よくあるパターンですが、2段目にホルン、ユーフォ、バリトンサックス、バスクラetc. そして、その下の段にトランペット、テューバ、トロンボーン(この配置が間違っていたら、ごめんなさい…)。詳しいことは、素人のオヤジにはわかりませんが、きっと意味があるのだと思います。

課題曲は、“何となく”始まったようなカンジがしました…。しかし、全体的にみると各パート間のバランスがよく取れていて、聴きやすかった…。ただ、音がこもっていたようにも感じました。この、ホールの特徴かとも思いましたが、他の団体を聴くと、そうではなかったような…。

自由曲は、去年と同じく埼玉栄、宍倉コーチの編曲によるオペラ。美しいメロディを自然に表現していて素晴らしかった。しかし、ダイナミクスの面や音楽の流れも少し、起伏に乏しい部分が…。だから、少し、コンパクトに感じてしまった…。私は、一昨年の「GR」、去年の「カヴァレリア・ルスティカーナ」も生で聴いています。このバンドの力はこんなもんじゃない。ただ、「あさイチ」という“呪縛”に負けてしまったように思いました…。再起を熱望します!

【銅賞】

 

2.東関東代表/神奈川県 Pastorale Symphonic Band (指揮)津堅 直弘

 [課]Ⅴ[自]吹奏楽のための風景詩「陽が昇るとき」より(高 昌帥)

東関東大会でのこの団体の演奏は格調高く素晴らしかった。指揮の津堅先生を要にして、しっかりとスクラムを組んだ演奏でした。だから、ファンとしてとても楽しみにしていた全国大会の舞台でした…。

まずは、課題曲から。音が客席までスーッとしかも、ごく自然に通っていきます。実に心地よい。各セクションの受け渡しも見事です。少し音量の面で単調に聴こえる部分もありましたが、音楽に“流れ”が感じられます。特に低音部のバランスが頗るよくて素晴らしかった。全体的によくまとまった演奏でした。

出だしの金管のファンファーレが少し、“空振り”?気味でした…。そこが少し残念でした。中盤ぐらいまでは、時折、細かいミスを感じる時がいくつかあって、それが原因なのか音楽の“流れ”が瞬間的に途切れることがあったような。それでも、さすがにパストラーレ、終盤に向かっての表現力には素晴らしいものがありました。サウンドが会場いっぱいに広がる様は、このバンドの底力をしっかりと感じた次第。ただ、前の団体同様、朝早い出演順が災いしたように思いました…。最後に…津堅先生の“威厳”は、しっかりと存在していました…。

【銀賞】

 

3.四国代表/香川県 高松市民吹奏楽団 (指揮)金川 公久

 [課]Ⅰ[自]ラッキードラゴン~第五福竜丸の記憶~(福島 弘和)

課題曲は、リズムよく始まりましたね。ただ、冒頭は、少し不明瞭のような入り方でした…。メロディの歌い方は実に素朴で、この曲のコンセプトによくマッチしたサウンドだと感じました。ただ、少し重厚さに欠けるようなところがありました。低音部が手薄なのでしょうか?とんでもなく美しい音色が聴こえてくるかと思うと、その逆もあったのでは…。何となくですが、個人の技量の差を感じたような気がしました…。

自由曲は、“ラッキードラゴン”ですか。とても良い曲ですね。冒頭部は、実に美しく優雅に始まりました。全体的に(特に金管)音色の統一性が若干、欠けているように思いました。それによって、サウンドにわずかながら、“雑味”を感じました。しかし、アンサンブルはしっかりしていて、“音楽”に正確さを意識させられる演奏でした。とても良かった。ただ、それが故に標題音楽における表現の仕方に物足りなさを感じる演奏でもありました…。

【銅賞】

 

4.北海道代表/北海道 札幌ブラスバンド (指揮)米田 浩哉

 [課]Ⅲ[自]「ドラゴンの年」より(スパーク)

課題曲は、クラリネットパートがある意味、リーダーシップを取っているように感じました。それが、良い意味で効果的に作用し、曲の特徴をとらえた演奏になっていました。メロディラインも表現力豊かに奏でられており、美しかった。ただ、もう少し、ダイナミクスに起伏があれば、もっと良かったと個人的には思いました。

自由曲。もともと、1984年に作曲された英国式ブラスバンドの曲ですが、今では、作曲者自身の編曲による吹奏楽版が定着していますね。それでは、演奏に関して。明るいサウンドで活発な演奏はとても好感が持てました。アンサンブルもしっかりしており、まとまったパフォーマンスでしたが、少し、空間の広がりというかスケール感に欠けていたかも。

今後に期待します。

【銅賞】

 

5.東海代表/静岡県 浜松交響吹奏楽団 (指揮)浅田 享

 [課]Ⅱ[自]リグ・ヴェーダ 天地創造への賛歌(清水 大輔)

好きな浜松交響吹奏楽団の登場です。期待できますね。

課題曲の冒頭は、低音部の楽器がしっかり全体を支えていて安定感があり、一瞬で演奏に引き込まれました。演奏を聴いて、いちばん感じたのは、実に軽快で華やかな“音楽” であるということ。そして、その雰囲気が最後まで途切れなかったのが、さすがだなと思いました。ただし、時折、音色に雑味を感じることがあったのは、気のせいだった…?

自由曲は、今年の6月9日に浜松交響吹奏楽団の第46回定期演奏会で初演(委嘱作品)されたものです。リグ・ヴェーダ(古代インドの聖典・宗教書)を題材をしているのでスケールの大きさを感じるとともに清水作品らしい映画音楽のような華やかさを持った楽曲です。演奏も浜松交響らしいテクニックを駆使し表現力で存在感を見せつけてくれました…。また、実に艶っぽいサウンドです。しかし、そうであるが故にほんのわずかにあった細かいミスが目立ったのも事実でした…。

【銀賞】

 

6.関西代表/兵庫県 宝塚市吹奏楽団 (指揮)渡辺 秀之

 [課]Ⅰ[自]歌劇「イーゴリ公」より(ボロディン/ハインズレー)

最近では、すっかり職場一般の“関西の常連”となった感がある宝塚市吹奏楽団の登場ですね。

課題曲Ⅰ、冒頭のフルートソロ、とても素晴らしかった。日本人の誰もが知っているメロディを実に自然に観客の脳裏に刻み込むような優しいサウンドは、とても心地よい…。素朴な感じがとてもよく出ていて聴きやすかった。ただ、多少、ダイナミクスの起伏に欠けるところがあり、そのため、ガチャガチャしているように感じる瞬間もありました…。

自由曲の前半は、少しアンサンブルがかみ合わないような感じがする時があったため、メロディラインが浮かび上がってこず、聴きづらく思ったりもしました。しかし、曲が進むにつれて“音楽”の主張がイヤと言うほど観客に伝わってきて、「さすがだな!」と思った次第。今年は、残念でしたが、来年に繋がる演奏だと思いました…。

【銀賞】

 

7.関西代表/滋賀県 大津シンフォニックバンド (指揮)森島 洋一

 [課]Ⅳ[自]ウインドオーケストラのためのナイトフォニー(高 昌帥)

アマチュア吹奏楽団の中では関西を代表する、いや、日本を代表するといっても過言ではないOSBの登場です。

課題曲の出だしは、個人的に独特だなと思いました…。少し、メロディラインが埋もれてしまう事もありましたが、音量のメリハリがはっきりしていて、実に聴きやすい。また、コンサートマーチらしく軽快です!演奏に引き込まれてしまって、あっという間に終わってしまった、そんな感じでした…。

自由曲は、OSBの創立40周年記念の委嘱作品として、高昌帥先生によって作曲された「ウインドオーケストラのためのナイトフォニー」。第76回定期演奏会(滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール)にて初演されました。曲名の“ナイトフォニー”とは、『夜の響き』といった意味だそうで、“魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)”する様を描いたのだそうです。(つまり、ありとあらゆる妖怪、物の怪(もののけ)が好き勝手に“のさばっている”っている様子のことでしょうか…)

さすがにOSB、音楽性の高さにおいては、比類なきものがあります。それは、高い“表現力”によって支えられています…。技術的なことを感じる以前に音に無限の広がりを感じる素晴らしい演奏でした…。スゴイ…。

【金賞】

 

8.北陸代表/石川県 百萬石ウィンドオーケストラ (指揮)仲田 守

 [課]Ⅲ[自]バッハザイツ(シュテルト)

これも全国大会常連の団体の登場です。

課題曲は、このバンドの特徴なのか明るいサウンドが、すごく印象的でした。だから、とても“軽快に”聴こえました。ただ、そうであるが故にマーチを選ぶならば、ⅡとかⅣを選択すれば、もっと効果的な演奏が出来たように感じました。また、メロディラインが少し弱く感じることが時折あったのが気になりました…。全体的には、すごく練習をしていて、“統一性”を印象付けられた課題曲でした。

自由曲の「バッハザイツ」は、私にとっても、あまり馴染みのない曲ですが、ヨーロッパでは、流行っているそうです。リコーダーも使ったりして、バッハを感じさせる部分とジャズっぽいところも併存している新しい感じを受ける曲です。だからこそ、何かを“強調すること”も必要かとも思いましたが、それが多少、“希薄”に思えたのが残念でした。とても、丁寧な演奏であったので、余計にそう思いました…。

【銀賞】

 

9.西関東代表/埼玉県 川越奏和奏友会吹奏楽団 (指揮)佐藤 正人

 [課]Ⅴ[自]「交響曲第10番」より 第2・第4楽章(ショスタコーヴィチ/天野 正道)

我が埼玉の“川越奏和”の登場です!とにかく、今年は特に気合が入っていましたね。

課題曲は、基本的なテクニックの部分でも、ゆるぎないものを感じられて、安心して聴かせて頂きました。だから、どんな人が聴いても心地よさを感じる“音楽の流れ”がありましたね。何よりも、いろんなパートから、カラフルなサウンドが聴こえてきて観客を飽きさせなかったのを感じました。そして、そのサウンドが、全体でうまくブレンドされているのが、素晴らしかった!

自由曲は、ショスタコーヴィチですが、特徴である速いパッセージをものともせず、実に都会的な演奏でした。サウンドも人数以上の音の広がりを感じられ、自然と“川越奏和の世界”に引き込まれていったのは、紛れもない事実です。この演奏を「金賞」と感じた観客は、私だけではなかったと確信します!

【金賞】

 

10.東北代表/秋田県 秋田吹奏楽団 (指揮)遠藤 文成

 [課]Ⅰ[自]アスファルト・カクテル(マッキー)

課題曲は、メロディを大事にした丁寧な演奏であったように思います。ただ、多少のピッチのズレやアンサンブルの乱れを感じたのも事実でした…。そのため、少し落ち着きのないようなパフォーマンスだったように感じました。さすがに“老舗”の秋田吹奏楽団、曲の終わりに向かって音楽の流れとして“修正”してきたのは、見事でした。

自由曲は、マッキーの「アスファルト・カクテル」ですね。私、この曲、好きなんです。難しい曲ですよね。譜面づら(実際には見たことはないのですが…)以上に高度な音楽性、表現力を要求される楽曲です(それを“持ち合わせて”いなければ、ただの“雑音”になってしまう…)。初めて、第62回大会での名取交響吹奏楽団の演奏をCDで聴かせて頂いた時は、ある種の衝撃を受けたのを覚えています。今回の秋田吹奏楽団の演奏は、私にとって少し物足りないものになってしまいました…。何か良い意味での“激しさ”が足りない。だから、この曲特有の“アップダウン感”“スピード感”を意識できない。それがために曲の流れに微妙なズレを感じたような…。技術的には高度なものを駆使した演奏であったことには、間違いはなかったのですが。

【銀賞】

 

11.東京代表/東京都 創価グロリア吹奏楽団 (指揮)中村 睦郎

 [課]Ⅱ[自]ウインドオーケストラのためのマインドスケープ(高 昌帥)

重厚なサウンドでありながら、軽快さも持ち合わせ、実に心地よい“音楽の流れ”がある。そんな、課題曲Ⅱでした。お手本のような演奏です。それ以上、言うことはありません。素晴らしかった。

聴かせて頂く前から、「マインスケープ」には、期待していました。今年の6月9日に横浜みなとみらいホールで開催された『横浜開港祭 ザ・ブラスクルーズ2019』。それに参加された時の演奏がとても素晴らしかった!聴きなれた楽曲であるにもかかわらず、グイグイ引き込まれていったのを覚えています。そして、今回、全国大会でのパフォーマンスも私にとって、聴衆であったことを今更ながらに感じさせて頂いたひと時でした。少し、コンクール特有の“緊張感”が伝わってくる部分もありましたが、芸術性の高い演奏は、「金賞受賞団体」に相応しい格調高いものであったのは、紛れもない事実です!

【金賞】

 

12.東関東代表/千葉県 光ウィンドオーケストラ (指揮)佐藤 博

 [課]Ⅴ[自]クロスファイヤ ノーベンバー22(樽屋 雅徳)

全国大会に出場クラスの団体になると、私のような音楽の高等教育を受けてない人間にも課題曲Ⅴの演奏に“個性”を感じることができます。光ウィンドオーケストラのパフォーマンスには、メリハリがあり、そして、クリアなサウンドが難解な曲を聴きやすくしてくれました…。とても良かった。

2013年、福岡サンパレスで開催された第61回大会より今年で7年連続、東関東支部の代表となり続けている光ウィンド。すっかり、風格も出てきて全国大会の常連として定着してきた感のある団体です。ただ、昨年までの6年連続、「銀賞」であり、私には“シルバーコレクター”の印象も強い吹奏楽団でもありました…。課題曲のところでも言ったとおり、他の団体にはないクリアなサウンドで表現力豊かな演奏は、いつも楽しみにしていました…。反面、「“金賞”にたどり着くまでには何かが足りない…」という感想を持っていたのも事実です…。今年も自由曲は、“樽屋作品”です。曲中にアメリカ国歌が出てくると思ったら、ケネディ大統領暗殺のことをテーマにした楽曲とのこと。ちなみに“ノーベンバー22”とは、ケネディ大統領がダラスで暗殺された1963年11月22日を意味しているようです。(どういった経緯で作曲されたものかわかりませんが、土気シビックオーケストラの最新アルバムに収録されています。)演奏の話に戻しましょう。実に美しいサウンドで曲が始まりました…。実に“抒情的な”演奏であり、あふれんばかりの“物語性”を感じました。また、個々の演奏者のスキルの高さに脱帽!とても都会的で素晴らしい演奏でした!そして、光ウィンドが「何かを突き破った」のを感じました…。

【金賞】

 

13.中国代表/広島県 NTT西日本中国吹奏楽クラブ (指揮)金田 康孝

 [課]Ⅱ[自]パガニーニの主題による幻想変奏曲(バーンズ)

このバンドは、一昨年の全国大会の演奏が非常に印象に残ったのを覚えています。真島先生の「ニライカナイの海から」。キラキラした音色に思わず引き込まれてしまいました…。

課題曲のマーチは、明るく華やかで、音量的にも自然に聴衆の脳裏に刻み込まれるような心地よさを持っていました…。学生さんとかには、とても見本になる演奏だなと思いました。ただ、あえて言わせて頂けるのなら、もう少し軽快さがあったら良かったかも知れません。

自由曲は、作曲者バーンズの都会的な曲調の中にあるパガニーニのメロディを見事に表現できていたように感じました。ソロパートも安定していましたしね。昨年の全国大会の自由曲「カルミナ・ブラーナ」の選曲は個人的に疑問符を持ちましたが、今年は、サウンドにあった選曲だと思いました。ただ、結果は残念でした…。「銅賞」では、厳しすぎるような気がしてなりません…。

【銅賞】

 

前半が終わりました。金賞に関しては、順当な印象を受けました。実に安定していた“大津”“川越奏和”。“創価グロリア”の見事な表現力。そして、一皮むけた“光ウィンド”。どれも素晴らしいパフォーマンスでした!!

 

なお、このブログに載せられている文言は、“浦和河童”の個人的感想です。

決して、悪意を持って書かれているものではありません。

ただ、もし、ご不快に思われる方がいらっしゃいましたら、オヤジの戯れ事と思い、ご容赦頂ければ幸いです。

 

後半に続きます。


第66回 全日本吹奏楽コンクール 職場・一般前半の部

2018-11-04 03:01:35 | 吹奏楽

今から30数年前、学生であった私は、東京から実家のある九州へ帰省のため大阪駅に降り立ちました。旅費を節約するため夜行バスで大阪駅前まで行き、そこから新幹線を使って西へ向かった記憶があります。

早朝の梅田でしたが、人の往来が多かったような…。

大阪駅の立ち食いそば(関西だから、“うどん”だったかもしれません…)、で朝食をすませ、在来線で新大阪駅まで。わずかの時間でしたが、それが私の関西の地に直に降り立った唯一の記憶です…。

そして、今回は、全日本吹奏楽コンクール、職場一般の部を聴かせて頂くために兵庫県尼崎市へ訪れたのでした。

 

阪神電車に乗ったのは、もちろん初めてでした。

事前に調べたところ、阪神梅田駅から7分ほどで阪神尼崎駅に着くとのこと。確か「急行?」に乗り込んで出発です。

梅田から、しばらくすると鉄橋にさしかかりました…。

大きな川です。これが、きっと淀川なんだなと思いつつ、スマホで写真をパチリ。それにしても河口が近いとは言え、何と川幅の広いこと。見慣れた荒川や多摩川なんぞ比較するのも恥ずかしいくらい雄大です。

鉄橋を渡りきるとしばらく大きな工場の風景が続きます。学生時代に教科書で習った“阪神工業地帯”を実感するひと時でした…。

 

兵庫県尼崎市。

人口45万人を有する大きな街です。兵庫県で唯一、大阪府と面している街なのだそうです。

日曜日の早朝の阪神尼崎駅前は、さすがに閑散としていましたが、都会らしいしっかりとした街並みは、なかなかのものです。

駅前から徒歩5分ほどで目指す、「あましんアルカイックホール」へ到着です。

もともとは、尼崎市総合文化センターという名前らしいのですが、2012年に地元の尼崎信用金庫が命名権を取得し、この名前になったそうです。客席数が1820席という大ホールで“優良ホール100選”にも選ばれているとのこと。期待できますね。

 

さあ、時は2018年10月28日、日曜日。場所は、兵庫県尼崎市昭和通2丁目、国道2号線に面した「あましんアルカイックホール」で第66回全日本吹奏楽コンクール、職場・一般の部が始まります!

 

【2018年度全日本吹奏楽コンクール課題曲】

Ⅰ.塩見 康史/古き森の戦記(第28回朝日作曲賞受賞作品)

    SHIOMI, Yasushi/Old Forest Chronicle

Ⅱ.一ノ瀬 季生/マーチ・ワンダフル・ヴォヤージュ

    ICHINOSE, Sueo/March Wonderful Voyage

Ⅲ.高 昌帥/吹奏楽のための「ワルツ」

    Chang Su KOH/“Waltz” for Wind Ensemble

Ⅳ.郷間 幹男/コンサート・マーチ「虹色の未来へ」

      GOHMA, Mikio/Concert March “Step to the Rainbow”

Ⅴ.咲間 貴裕/エレウシスの祭儀〔※高校・大学・職場一般のみ〕

  (第10回全日本吹奏楽連盟作曲コンクール第1位作品)

      SAKUMA, Takahiro/Eleusinian Mysteries

 

【職場・一般前半の部】

 

1.東北代表 秋田県 大曲吹奏楽団 (指揮)小塚 類

 [課]Ⅳ[自]「交響的舞曲」より(ラフマニノフ/編曲 佐藤 正人)

課題曲は、この日、人気ナンバーワンの“Ⅳ“。

出だしは、何か拍子抜けしたような柔らかな感じで入りました…。

でも、冒頭の金管群のファンファーレの和音、サウンドがとてもキレイ。低音部も実に安定しています。

全体的にみると少し、大人しめかなぁ。もっと、軽快さがあってもいいような…。

メロディラインも、もっとクサくやってもいいような気がしました。

自由曲。メロディの美しさが特徴です。

冒頭でアンサンブルが多少、乱れがあったような気がしましたが、全体的には、しっかりした演奏で艶っぽいサウンドが魅力的です。

音楽に“流れ”があって、とても自然に受け入れられる演奏でした。

ただ、随所で細かいミスがあったような。フレーズの始まりや終わりをもっと丁寧に表現できればと思うことも時々ありました…。

また、課題曲同様、少し大人しい感じがしました。

もっと、“迫力”みたいなものがあれば、劇的な演奏になったように思います。

【銀賞】

 

2.九州代表 福岡県 ブリヂストン吹奏楽団久留米 (指揮)冨田 篤

 [課]Ⅳ[自]バレエ音楽「ダフニスとクロエ」より(ラヴェル/編曲 榛葉 光治)

黒いジャケットの他は蝶ネクタイや靴に到るまで白の出で立ち。

今年もブリヂストンの皆様に全国大会の場でお会いすることができました!

課題曲は、得意のマーチですね。

出だしから、何て重厚、そして、迫力。それなのに実に軽快。だから、サウンドに幅を感じる…。“見事”としか言い様のない演奏でした。

自由曲は、“ダフクロ”ですね。

“夜明け”が始まりました…。

私個人の勝手な印象でいうと、冒頭は、全く波紋もない鏡面のような海面から、少しずつ凪いでいくような状態が理想だと思っています。

ただ、ブリヂストンの“それ”は、少し違った…。

静かではありますが、もう少し、“躍動的”だったように思います。ただ、私の好みではもっと繊細な感じの方が好きでしたが…。

でも、空間の広がりを感じさせるサウンドは、素晴らしい!

そして、“全員の踊り”。

これはもう、ブリヂストンの“世界”です!!

ホールの限られた空間が何倍、いや何十倍の広さに感じる拡散していくサウンドが実に心地よい。だから、どんなに音量がでていても、ちっともウルサク感じない。反対に繊細さすら感じる。

確かに些細なミスもありましたが、そんな瑣末な事が払拭されてしまうほどの演奏でした。最初から、期待はしていましたが、それ以上であったと感じた“浦和のオヤジ”でした!

【金賞】

 

3.東京代表 東京都 東京隆生吹奏楽団 (指揮)畠田 貴生

 [課]Ⅳ[自]トリプロ・トリプルム(高 昌帥)

課題曲は、前のブリヂストンに続いて“Ⅳ”ですね。

出だしは、無難に入ってきた感じかなぁ。

でも、メロディラインとその他が実に素晴らしいバランスで進行しているので非常に聴きやすい。だから、主旋律が浮き出てきて、目立ち、より美しく思える演奏に仕上がって行くのでしょう。

また、全体的に均一性のとれたアンサンブルが際立っています。

コンサートマーチの真骨頂である“軽快さ”が十分に表現されたパフォーマンスでした!

自由曲は、人気作曲家、高昌帥先生の委嘱作品「トリプロ・トリプルム」。

曲名の意味は、ラテン語で「三拍子」という意味なのだそうです。(何でも、曲が三拍子で構成されているとか。)また、この曲は、今年の5月6日に第10回を記念してサントリーホールで行われた定期演奏会で初演されたとのこと。

曲が、格調高く始まりました…。

それにしても、きっちりしたアンサンブルですね。

そして、音楽に流れがあって、迫力もある。何より、メロディに“色彩”を持たせている。個人技も高い。

何よりも素晴らしいのは、高昌帥という作曲家の持つ独特の雰囲気を表現しているところでしょうか。

文句のつけようのない演奏でした!

あくまでも個人的な意見ですが、自由曲、課題曲を総合的に見て、前半ではナンバーワンの団体だと思いました…。

【金賞】

 

4.東海代表 三重県 白子ウインドシンフォニカ (指揮)宮木 均

 [課]Ⅳ[自]交響曲第1番「グラール」より(天野 正道)

4団体連続で課題曲は、“Ⅳ”です。

出だしは、重厚でありながら、バランスの良い出だしでした。

メロディラインに音楽を感じさせる流れがある。だから、とても聴きやすかった。

良い意味できれいに整理され、まとめられた演奏でした。ここまでの4団体で個人的にパフォーマンスとしてのⅣは、この団体の演奏が一番好きかも知れません。

自由曲は、天野作品の「グラール」。

東関東支部で活躍する神奈川県のグラールウインドオーケストラの委嘱で2010年にミューザ川崎シンフォニーホールで初演された曲です。(最近、全国大会には“ご無沙汰”ですが、グラールウインドオーケストラにも頑張って頂きたいですね。)

閑話休題。

白子ウインドシンフォニカの演奏は、熱を感じるものでした。

同時に天野先生のある種の“泥臭さ”を効果的に表現出来ています。また、躍動感もあります。

ただ、音量の大きな部分が続くと単調になりがちなのですが、多少、その傾向があったのは残念でした。曲の終盤になって、よく盛り上がっていましたね。

何か、他の団体と比較して“差別化”できるものがあったら、もっと良かったように感じました。

【銀賞】

 

5.東関東代表 千葉県 光ウィンドオーケストラ (指揮)佐藤 博

 [課]Ⅴ[自]眠るヴィシュヌの木(樽屋 雅徳)

課題曲は、これまでの団体がすべて“Ⅳ”だったので、この日、初めての“Ⅴ”です。

「A」から、もう少し迫力があれば、よかったかなぁ…。

しかし、曲が進むにつれて、エンジンがかかってきましたね。

音楽の流れが感じられるようになってきて、しかも曲の題材であるギリシャ神話の世界が感じられるような雰囲気がありました。

しっかりとしたアンサンブルで安心して聴ける部分が多かったように思いました。

自由曲は、光ウィンドオーケストラの十八番とも言ってもいい、樽屋作品です。

樽屋雅徳先生の楽曲の特徴や物語性をよく引き出している好演だと感じました。

まるで、映像を伴った映画音楽を聴いているようです。これは、しっかりとした技術、感受性を表現できることに裏打ちされていることからもわかります。

ソロなどの個人の技術も高く、美しかった…。(ハープが効果的でしたね。)

ただ、結果は残念でした。思うに、光ウィンド独特の音楽性を持つことができたなら、一番の高みに登ることが可能だと確信するものであります。(表現が古いか…。)

【銀賞】

 

6.四国代表 香川県 高松市民吹奏楽団 (指揮)金川 公久

 [課]Ⅳ[自]コリアン・ダンス(高 昌帥)

また、課題曲が人気の“Ⅳ”に戻ります。

重厚な出だし、曲の“入口”部分はバッチリです。ステキなファンファーレでした。

ただ、「B」からのメロディライン、物理的な音量が出ていないわけではないのですが、響かない…。

反面、曲が進むにつれて、少し音が出すぎかなぁと。

また、随所にアクセントを強調するような傾向があった…?

ダイナミクスのメリハリに欠ける部分があったので単調に感じる部分もありました…。

自由曲は、高先生の「コリアン・ダンス」です。

冒頭の部分の打楽器、少し、バタバタした感じがありましたね。

アルトサックスのソロは、とても素晴らしかった。聞き惚れました…。

個人の技術も高く、洗練されたサウンドを持っているのですが、合奏になると課題曲同様、“パワー”が気になります…。

この曲を聞いた事がこの日を除いて、1回しかないので、正確な事は言えないのですが、終盤の方で曲の最後に持っていく導線に少し、戸惑いがあったように感じられたことが残念でした…。

【銅賞】

 

7.北海道代表 北海道 札幌ブラスバンド (指揮)米田 浩哉

 [課]Ⅳ[自]メタモルフォーゼ~吹奏楽による交響的変容(内藤 友樹)

人気ありますねぇ。またまた、課題曲Ⅳです。

出だしが“ふわーっ”とした感じ。ファンファーレのトランペットが聴こえ辛かったような…。

各楽器、個人のサウンドは美しいのですが、何だか各人の音が溶けあわず、全体のサウンドとして聴こえてこない…。だから、合奏になると、目立って聴こえなければならないところ(例えば、メロディ)が“埋没”してしまったのでは。そして、単調に聴こえた…。

自由曲は、人気作曲家、内藤友樹先生の作品です。

時折、アクセントが付きすぎた音がチラホラ…。一部、金管楽器でピッチが不安定になる瞬間があったように思います。

また、少し、アンサンブルに乱れが生じた部分があったようにも感じました。全体的にあがっていたのかな。少し、浮き足立った感じがしたのは、私だけでしょうか?

【銅賞】

 

8.中国代表 岡山県 倉敷市民吹奏楽団グリーンハーモニー (指揮)佐藤 道郎

 [課]Ⅲ[自]「ウォータイム・スケッチブック」より(ウォルトン)

課題曲は、この日、初めての“Ⅲ”です。私、個人的にこの曲、好きなんですよね。

そして、今回の課題曲の中で素人ながら、イチバン難しい曲だと思っています…。

出だしのクラリネット、もう少しデリケートに入って欲しかったかも。

サウンドは、見事に溶け合っていて、美しかったが、何となくモヤモヤ感が残るような気がしました。

正確な演奏でしたが、言い換えれば、定規で線を引いたような感じに思えました。やはり、ノーブルな感じの“ワルツ”が理想だと思います…。

自由曲は、20世紀を代表する作曲家の一人、イギリスのウィリアム・ウォルトンの「ウォータイム・スケッチブック」です。

重厚というよりは、現代的な感じの曲。展開の早い曲なので短いセンテンスを表現するのが難しそうです。

スムーズに演奏できているのですが、時折、アンサンブルが途切れてしまう時があり、それが残念でした。メロディの表現能力は、かなり高いので、もったいないと思いました。

蛇足ながら、倉敷市民吹奏楽団グリーンハーモニーは、20年前の第46回大会でこの曲を演奏したそうです…。

【銅賞】

 

9.北陸代表 福井県 ソノーレ・ウィンドアンサンブル (指揮)栗田 健一

 [課]Ⅴ[自]「交響曲第9番」より(ショスタコーヴィチ/編曲 佐藤 正人)

課題曲は、Ⅴです。

こういう難しい曲は、素人のオヤジには、わからないことが多いですが、少しアクセントを付けすぎているように思いました。

洗練されたアンサンブルを演出していましたが、多少、乱れる瞬間があったのが残念でした。勢いで乗り切らず、繊細さも表現できたら、最高でした。

自由曲は、冒頭の木管群が、とても素晴らしかった!

ショスタコーヴィチの交響曲には、ある種の“軽さ”や“諧謔味”を感じている“浦和のオヤジ”ですが、そこのところをうまく表現出来ているのは素晴らしいなと思った次第。

また、高い技術力が垣間見える演奏でしたが、時折、余裕のない様子を感じられる時があったのが残念でした。

しかし、荒削りの部分のあるものの、若々しい好感の持てる演奏であったのは、間違いありません。

【銅賞】

 

10.西関東代表 埼玉県 川越奏和奏友会吹奏楽団 (指揮)佐藤 正人

 [課]Ⅴ[自]われらをめぐる海~レイチェル・カーソンに捧ぐ(阿部 勇一)

課題曲から。

おかしな表現かもしれませんが、聴衆の脳裏にいつの間にか、自然に入って来て、楽しませてくれる、そんな演奏に感じました。

だから、自然に多くの人が曲の流れを感じ取る事が出来るのです。そして、曲が盛り上がって聴こえる…。

この曲の最後の一音に向かって構成された演奏は、聴衆の心に染み入るものだったと思いました…。

自由曲は、阿部勇一先生の曲。

2013年に続く、環境学者、レイチェル・カーソンを題材にした曲ですね。

まず、演奏を聴いて感じたのは、スケールの大きな演奏であるということ。そして、西関東大会より一層、磨きをかけてきましたね。さすが、川越奏和です!

雰囲気という点では、曲を100%生かした素晴らしい演奏でありました。

もう、多くは語りません。ブラヴォー!

【金賞】

 

11.九州代表 福岡県 西区市民吹奏楽団 (指揮)松井 裕子

 [課]Ⅲ[自]歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より(マスカーニ/編曲 宍倉 晃)

昨年、いきなり全国大会デビューしたと思ったら、金賞を獲得。しかも、女性の指揮者で金賞受賞は、初めてなのだそうな…。指揮の松井裕子氏のことをネットで調べてみると、九州管楽合奏団という九州唯一のプロ吹奏楽団のクラリネット奏者であるらしい…。(間違っているかも知れません。もし、そうであれば、ご指摘下さい。)

それにしても、去年の自由曲、「GR」は、良かったですな。今年も期待しましょう。

課題曲は、“Ⅲ”です。

何だか、打楽器と共にホルン、ユーフォ、チューバがひな壇の最上段に鎮座ましましているのが新鮮です。

冒頭のクラリネット、音色が揃っていて、とても美しい!また、デリケートな音楽に仕上げていますね。

曲の全体を見据えて作られている構成は素晴らしいものがあると感じました。ただ、惜しむらくは、大人しかったかな。少しだけ、クサく演奏しても良かったかもしれないと思った次第。

自由曲は、埼玉栄の名演で知られる「カヴァレリア・ルスティカーナ」です。

とても、やわらかいサウンドで美しかった。

アンサンブルがきっちりしていて、乱れがない。ユニゾンで演奏する部分も申し分ないし、サウンドの統一性があるから、とても自然に耳から入ってくる…。

そして、ノーブルなのに迫力が凄まじい!

それなのに「銀賞」。

たしかに冒頭のリードミスやスキャットの部分は正直、しょぼかったりして、細かいミスがなかったとはいえません。しかし、それを上回る“音楽性”を“浦和のオヤジ”は感じましたが。(課題曲は、マーチを選択していればと思いました…。)

個人的に言って、自由曲だけでしたら、前半では、この団体の演奏にイチバン、心動かされました!

最後に私の隣に座っていた若い男性、二人の会話。(おそらく、出演を終えた団体の方だと思います…。)「今日は、とても良い“カヴァレリア・ルスティカーナ”を聴かせてもらった。」「“金賞”間違いなしだね。」

“浦和のオヤジ”も同感でした…。

【銀賞】

 

12.関西代表 大阪府 創価学会関西吹奏楽団 (指揮)伊勢 敏之

 [課]Ⅳ[自]バレエ音楽「中国の不思議な役人」より(バルトーク/編曲 中村 俊哉)

またまた、課題曲Ⅳから始まります。

冒頭の金管群、割としっかりめに入ってきました…。

音量がかなり、出ているように思うのですが、全然うるさく感じないです。

そして、まさに堂々とした演奏なのですが、実に軽快にまとめています。素晴らしいです。

一時期、かなりコンクール自由曲として流行しましたが、ここのところ下火?になった「役人」が自由曲です。

私は、昔、トロンボーン奏者の端くれだった時期があったので、ついついトロンボーンを聴いてしまうのですが、バストロンボーンの方、とても洗練された音質で素晴らしいですね。

また、楽団の全体的なバランスも良いので、サウンドに奥行が感じられました。

原曲は、とても物語性、メッセージ性の高い曲なので表現するのが難しいと思うのですが、それを見事にクリアした演奏でした。

非の打ち所が無いパフォーマンスでした!

【金賞】

 

13.東関東代表 神奈川県 横浜ブラスオルケスター (指揮)近藤 久敦

 [課]Ⅲ[自]ディオニソスの祭(シュミット)

前半の“トリ”が横浜ブラスオルケスターとは嬉しい限りです!

課題曲Ⅲ、横ブラに合った選曲だと思います。

冒頭から素晴らしいクラリネットの音色が…。自然と演奏に引き込まれます…。

サウンドに統一性があるので、とても聴きやすい。まるで、格調の高い場所で開かれた演奏会にいるように錯覚してしまう。

素人ながら思うに音の強弱にメリハリがあったら、完璧だったと思いました。

自由曲は、「ディオニソス…」です。個人的には、もっと他の曲を聴きたかったなぁ…。

それにしても、横ブラの演奏能力は素晴らしい。

曲の持っている雰囲気を一瞬で作り上げる。もちろん、アンサンブルに不具合など見当たらない。聴き惚れてしまうようです…。ただ、敢えて今回の演奏に限って、言わせて頂けるのならば、たたみかける横ブラらしい何かが欲しかったかも。

【金賞】

 

前半、13団体が終わりました。

1年以上ぶりにブログを更新しましたが、お読み頂けるものになっていたでしょうか?

第66回全日本吹奏楽コンクール、職場一般の部、後半に続きます…。

 

なお、このブログに載せられている文言は、“浦和河童”の個人的感想です。

決して、悪意を持って書かれているものではありません。

ただ、もし、ご不快に思われる方がいらっしゃいましたら、オヤジの戯れ事と思い、ご容赦頂ければ幸いです。

 


春日部共栄中学高等学校吹奏楽部 “オータムコンサート2017”

2017-09-24 11:40:03 | 吹奏楽

去年に引き続き、春日部共栄高校吹奏楽部のオータムコンサートに伺わせて頂きました。

今回も春日部共栄高校吹奏楽部のサックスパートで頑張っている宮﨑麻帆さんのお母様から、共栄のオータムコンサートが行われることをお聞きし、チケットを手配して頂いた次第です。(余談ですが、本当は18日に開催された埼玉栄の“秋演”にも行きたかったのですが、仕事のため行けず、残念な思いをしました…。)

 

2017年9月23日、土曜日、サンシティ越谷市民ホール。

今回のゲストは、共栄と同じく全国大会の切符を手にしている川口市立青木中学校吹奏楽部の皆さんです。

共栄も青木中も来月に迫っている全国大会前の貴重な本番として全力を出して頂きたいものです。

さあ、始まるようですね…。

 

川口市立青木中学校吹奏楽部                              指揮:中畑 裕太

 

2017年度全日本吹奏楽コンクール課題曲

西山 知宏/マーチ「春風の通り道」                                                                                  西山 知宏

March “Path of the Winds in the Spring”                                                                             NISHIYAMA, Tomohiro

ウインドオーケストラのためのバラッド                                                                                  高 昌帥

Ballad for Wind Orchestra                                                                                                                       Chang Su Koh

男サー!ヒットパレード!                                                      構成:川口市立青木中学校吹奏楽部

DANCER ! Hit Parade !

レッツ・スウィング!                                                                            山里 佐和子 編曲

Let’s Swing !                                                                                                                              Arr. Sawako Yamazato

 

― 休 憩 ―

 

春日部共栄高等学校吹奏楽部                               指揮:織戸祥子

春日部共栄中学校吹奏楽部                               指揮:甲斐早矢花

 

交響曲「ワインダーク・シー」                                                                           J.マッキー

Wine-Dark Sea Symphony for Band                                                                                                          John Mackey

148の瞳                                                                                             酒井格

One Hundred forty eight Eyes                                                                                                                      Itaru Sakai

鳥之石楠船神~吹奏楽と打楽器群のための神話                                                        片岡 寛晶

Tori no Iwa Kusu Fune no Kami – Myth for Wind Orchestra and Percussionists                               Hiroaki Kataoka

2017年度全日本吹奏楽コンクール課題曲

メタモルフォーゼ~吹奏楽のために~                                                                    川合清裕

Metamorphosis for Wind Orchestra                                                                                     KAWAI, Kiyohiro

吹奏楽のための交響的断章                                                                           福島弘和

Symphonic Movement for Wind Orchestra                                                                                    Hirokazu Hukusima

 

両校3年生による合同演奏

 

マードックからの最後の手紙                                                 樽屋雅徳

The last letter from Murdoch                                                                           Masanori Taruya

宝島                                                     和泉宏隆/真島 俊夫 編曲

Takarajima                                                                      Hirotaka Izumi / Arr. Toshio Mashima

 

まずは、青木中から。

最初の曲は、課題曲Ⅳですね。

埼玉県の中学吹奏楽界のレベルの高さは、私もよく認識しております。(アンサンブルリベルテの定期演奏会と同時に行われる埼玉県中学校選抜吹奏楽団研修発表会などで確認済みです。)

だから、今までより見方が厳しくなる。

でも、いつも良い意味で期待を裏切ってくれるんですよね。

そして、今回もそうでした…。

出だしは、迫力が凄かった。

あのあどけない顔をした中学生の皆さんが出す音とは思えません…。

全体的には中学生らしいさわやかなサウンドでした!

次は、高昌帥先生の「バラッド」ですね。

重量感あふれるこの曲ですが、中学生のみなさんに“料理”できるのでしょうか?

冒頭のトランペットソロは素晴らしかった!

迫力がすごいです。

何よりも堂々としています。

音楽の流れが一体となっていて、全員の心がひとつになっているのがサウンドを聴いていればわかります。

欲を言えば、静かなところと激しいところの格差をもう少し表現できれば“完璧”でしたね!

名古屋での活躍を期待しています。(何と高先生が会場にいらしていました!)

 

本来ですとプログラムには、有名なミュージカル「ライオンキング」を演奏すると書いてありますが、演奏されませんでした。

理由は“第3回全日本ブラスシンフォニーコンクール 本選大会”に演奏するメンバーが参加しているためだそうです。(この日、世田谷の三軒茶屋にある昭和女子大学人見記念講堂で開催されていました。全日本ブラスシンフォニーコンクールって初めて聞いたのですが、詳しくはこちらから。http://ajbsc.jp/

次は、「男サー!ヒットパレード!」と題して男子生徒5人が、舞台上や客席の通路をいろんな曲に合わせて縦横無尽に踊る、ステージでした…。

頑張ってましたね、“男サー(ダンサー)”の皆さん!

それにポップス系の曲だとより目立つのですが、金管の音に芯があって力強い…。

曲が終わると青木中の顧問である中畑先生のインタビューです。

楽しいお話でしたが、しっかりとご自分で出版された本やDVDの宣伝はされました。(笑)

青木中の最後の曲は、「レッツ・スウィング!」。

ビッグバンドの名曲を見事なテクニックで楽しませて頂きました!

こういう言い方をすると失礼かも知れませんが、生徒の皆さん“可愛かった”!

 

休憩に入りました。

それにしても、やっぱり響かないホールですね…。

乾いた音がします…。

個人的なお願いですが、立地的な事を考えて出来れば音響のいい“川口リリア”でやって頂ければと思います…。(個人の勝手な意見です…。)

 

さあ、いよいよ春日部共栄の登場です!

最初の曲は、「ワインダーク・シー」です。

2015年の職場一般の全国大会で名取交響吹奏楽団が金賞を獲得して以来、コンクール自由曲として大人気の曲です。(個人的にこの日、この曲を生で聴けるのを楽しみにしていました。)

冒頭のホルンのユニゾン、難しいですよねぇ。(笑)

正直、曲の前半は多少、落ち着かない感じがあって、バタバタしていたようにも思えましたが、曲が進んでいくにつれ立て直してきました。

それにしてもサウンドが厚くて洗練されています。

“空間の広がり”を感じる「ワインダーク・シー」でした!

続いては、今年の定期演奏会で委嘱・初演された酒井先生の「148の瞳」。(私も初演を聴かせて頂きました。)

有名な「二十四の瞳」をイメージした曲だとのことですが、本当に顧問の織戸先生と部員の皆さんとの“愛のあふれる関係”が音楽によって具現化されています。

会場にいらしていた酒井先生もおっしゃってましたが、初演の時より“進化”した演奏でした。

メルヘンチックなところもあり、すごく雰囲気を出しています。

個人技も冴えています。

いつもより、やわらかいサウンドのようにも思えます。

何よりも丁寧なアンサンブルで細部まで気を配った好演でした。

3曲目は、春日部共栄中学校吹奏楽部の登場です。

曲は「鳥之石楠船神(とりのいわくすふねのかみ)」。

日本神話を題材にした曲です。(東部地区のBの部に出場したそうです。)

“吹奏楽と打楽器群のための神話”とサブタイトルがついているとおり、パーカッションが大活躍する曲でした。

打楽器の皆さんの演奏楽器が多いのでマルチに活躍するのがカッコ良かった。(特にメガネをかけたポニーテールのお嬢さんがステキでした!)

細かいミスも多かったですが、それを上回る“熱意”を感じる演奏が好印象でした!

そして、演奏は“高校”の方に戻ります。

今年の全国大会で演奏する課題曲と自由曲の演奏です。

課題曲Ⅴから。

難曲として話題ですが、共栄はどのような演奏をしてくれるのでしょう…。(コンクール、1ヶ月前の貴重な“仕上がり具合”を聴けるなんて何てステキな体験でしょうか!)

出だしは実に“デリケート”に入りました…。

ソロ楽器の“受け渡し”も絶妙です。

音楽に“流れ”があって完成されていますね。

このようなトップバンドには、当然の事なのでしょうが、サウンドの統一性を感じました。

いや、それ以上の“融和”があったでしょうか?

この曲には、「金賞」のイメージを持ちました…。

次は、“自由曲”です。

これは、文句ないパフォーマンスでした。

アンサンブルやバランスの面を考えても完璧な演奏です。

あとは、全国大会で全国から、“やってくる”強豪校と、どのように“差別化”を表現するか?

それが出来れば、金賞に、より近付けると思います…。

 

このあとは、共栄と青木中の3年生の合同演奏ですがステージ転換の間にこの日、来て頂いた作曲家の先生方のインタビューがありました。

まずは、織戸先生の主導で「バラッド」を演奏した青木中の中畑先生と作曲者の高先生のトークです。

中畑先生は、コンクール自由曲として、生徒からの人気が高かった「バラッド」を選んだ経緯や苦労、そして、そのような曲をチョイスできた感謝の気持ちを話されました。

それに対し、高先生は、大変、恐縮されていました…。

続いては、お馴染み酒井先生と今年の課題曲Ⅴを作曲された川合清裕先生の登場です。

酒井先生は、「148の瞳」を作曲したことの想いと共栄に対する感謝の気持ちを述べられました。

川合先生は共栄に限らず、色々な団体が四苦八苦して自分たちの“課題曲Ⅴ”を作り上げているのに驚きを感じていらっしゃるとのこと。

 

合同演奏は、青木中の中畑先生の指揮で名曲「マードックからの最後の手紙」からです。

私が知っている「マードック」よりもゆったりと入りました…。

それが、とても心地よい。

全体的に壮大な演奏になりました…。

そして、最後は、「宝島」。

これは、理屈は必要ありません。

楽しませて頂きました!(特にサックスパートのうまさが際立ちました!!)

 

楽しい時間はあっという間に過ぎました…。

ただ、言いたいのは共栄も青木中も全国大会に出るのであれば、『金賞』を!!

コンペティションである限りは、結果がすべてです。

“負けた”団体の想いも胸に頑張って下さい!!