浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

シエナ・ウインド・オーケストラ 第39回定期演奏会

2015-01-24 01:11:30 | 吹奏楽

シエナ・ウインド・オーケストラの演奏会は以前に一度だけ、行ったことがあります。

ただし、学生さんである尚美ウインド・オーケストラとのジョイントコンサートですが。

単独で聴かせて頂くのは今回が初めてです。

 

実を言いますといろんな意味でシエナと“浦和のオヤジ”は相性が悪い。

聴きに行きたいなと思っている演奏会だと仕事やその他モロモロの事情で行けない。

都合がつきそうな演奏会だと演奏曲目が気に入らず行かない。

こういった事の繰り返しで、上記に書きました尚美とのジョイント以来、2年4ヵ月余り、シエナを聴けてないんです。(「シエナ・ウインド・オーケストラ&尚美ウインド・オーケストラ提携記念コラボレーションコンサート」は、2012年9月25日、サントリーホールで行なわれました。)

蛇足ながら、これに対して東京佼成ウインドオーケストラは、演奏会の選曲がとても私好みで、毎回ではないけれども、何度か聴かせて頂いております。(何回も申し上げておりますが、あの“サムラゴウチ”氏を見たのも確か、東京オペラシティでの佼成のコンサートです。)

 

2015年1月17日、土曜日。

久々に文京シビックホールへやって参りました。

何度も来ているホールなので、最近、訪れた気がしておりましたら、実は昨年の3月16日に行なわれた「響宴(きょうえん。未発表、未出版の吹奏楽の新曲を発表する催し。今年も3月8日に文京シビックホールで開催されます。ちなみに“浦和のオヤジ”は、チケット購入済。)」以来なんですね。

そんなに来てなかったかしら、と自分でも驚いてしまいます…。

 

さて、“懐かしい”文京シビックホールの大ホールで吹奏楽を楽しみましょう!

と言う事で、チケットを提示し、ホールの中に入ります。

プログラムをもらって、自分の席に着きました…。

開いた状態でA4判くらいの小さなプログラムです。

パラパラとページをめくりながら、中を確認しておりますと…。

真ん中あたりまできたところで、アレレッ?

印刷が逆さまになってる。

 

こりゃ、印刷屋さんのミスだなとおもむろにパンフレットの冊子を裏返して見ますと…。

「東京佼成ウインドオーケストラ第122回定期演奏会」だって!

全く上下逆さまで冊子の半分までが“シエナ”のプログラム、残りの半分が“佼成”のプログラムになっていたのです!

 

あとで知ったのですが、今回の定期演奏会には“趣向”があったのでした。

日本でも有数のプロの吹奏楽団が同じ日に定期演奏会を行う。

しかも地下鉄の“丸ノ内線”でたった三駅、10分もかからない場所で、です。

14:00から『池袋駅』近くの東京芸術劇場で東京佼成ウインドオーケストラ、そして、17:00から『後楽園駅』の“真上”の文京区役所内(文京シビックセンター)にある文京シビックホールでシエナ・ウインド・オーケストラの演奏会…。

そう、2つのプロ吹奏楽団を同日で聴ける“リレーチケット”が販売されていたのです。(もちろん“割引アリ”です。あとでわかったのですが、この“リレーチケット”を使って演奏会を聴かれた方は、相当数いらっしゃいました!)

吹奏楽ファンにとっては、“タマラナイ”企画です!

 

実は、同じ日に“シエナ”と“東京佼成”が演奏会をやることを気付いておりました。

どちらかに行くつもりでしたが、聴く機会の少なかった「シエナ」を選択した次第。

それにしても、“リレーチケット”があったなんて…。

 

指揮のパスカル・ヴェロ氏は、まだ50歳代のフランス人指揮者です。

日本での演奏活動も多く、現在、仙台フィルハーモニー管弦楽団常任指揮者、東京フィルハーモニー交響楽団首席客演指揮者などを務めておられます。

コンサート後半のインタビューで、言われてましたが、プロの吹奏楽団を指揮するのは初めてなのだそうです。

どういうふうな“吹奏楽”を作り上げて頂けるのか、楽しみです。

 

それでは、演奏会が始まるようです。

 

[演奏]シエナ・ウインド・オーケストラ

    Siena Wind Orchestra

[指揮]パスカル・ヴェロ

    Pascal Verrot

 

I.ストラヴィンスキー/管楽器のための交響曲

Igor Stravinsky/Symphonies of Wind Instruments

 

P.ヒンデミット/吹奏楽のための交響曲 変ロ調

Paul Hindemith/Symphony in B♭ for Concert Band

 

【休憩】

 

G.ホルスト(C.マシューズ改訂)/吹奏楽のための第2組曲 へ長調

Gustav Holst/Second Suite in F for Military Band Op.28 No.2

 

C.ドビュッシー(真島俊夫編曲/喜びの島

Claude Achille Debussy(arr:Toshio Mashima)/L’Isle joyeuse

 

M.ラヴェル(真島俊夫編曲)/《ダフニスとクロエ》第2組曲

Joseph-Maurice Ravel(arr:Toshio Mashima)/Daphnis et Chloe Suite No.2

 

指揮のパスカル・ヴェロ氏が颯爽と舞台に上がって来ます。

男から見ても、なかなかの男前ですね。

最初の曲はストラヴィンスキーの「管楽器のための交響曲」。

以前、何かの録音媒体では聴いたことがありますが、生演奏は初めてです。

舞台上を見ると演奏者は20数名と言ったところでしょうか。

打楽器セクションはいませんねぇ。

とても、ステキな演奏でした。

「春の祭典」に似たようなフレーズがあったり、複雑で変拍子にあふれた曲でしたが、さすがプロの演奏だけあって、“音楽の流れ”を満喫させて頂きました。

ただ、素人の個人的意見ですが、初っ端の曲としては、地味すぎたかも。

 

2曲目は、ヒンデミットの「吹奏楽のための交響曲 変ロ調」。

この曲は、本当に懐かしい。

この日の演奏会で私がイチバン聴きたかった曲でした。

それは、それは、大昔、日曜の朝にNHK-FMでやっていた「ブラスのひびき」という番組で放送されたこの曲をラジカセでカセットテープに録音して、何度も何度も聴いた覚えがあります。(さあ、中高生の皆さん、“ラジカセ”“カセットテープ”何を書いているのか意味がわかるかな?)

演奏中、“青春時代”を思い出して、ウルッときちゃいましたね…。

とても“楽しい”20分間でした…。

 

早くも休憩です。

ヒンデミット、懐かしかった!

と、心地よい余韻に浸りながら、生理現象のため、トイレに向かいます。

それにしても、ロビーのあちこちにプログラム変更のお知らせの紙が貼ってあります。

よく見ると曲目変更とかじゃなくて、休憩の位置(プログラムには3曲目のあとが“休憩”だと記載されていますが、本来は2曲目後。)が違うみたいなんですけど。

ホールへのドアごとに、その旨、掲示してあるのが面白かった。

 

後半に入りました。

まずは、超有名曲、ホルストの「吹奏楽のための第2組曲」です。

いきなり、脱線しますが、プログラムに作曲者ホルストと共に「C.マシューズ 校訂」って書いてありますけど、あの「冥王星」を作曲したコリン・マシューズのことなのでしょうか?

多分、そうなのでしょうね。

話をシエナの演奏の方にもどしましょう。

まあ、この曲は今まで、こんな素人のオヤジでも、かなりの回数聴いています。

未熟な演奏もあれば、感動するような演奏もありました。

でも、この日の演奏は、今までとは違った印象を受けました。

なんだか、透明感があってキラキラしている。

まるで、水面に反射する光のような感じがします。

だからこそ、聴き慣れた演奏に比較するとライトに聴こえるような…。

イギリス民謡の“素朴さ”“重厚な感じ”とは、違ったカタチのサウンドとなって聴こえてきたように思いました。

演奏がマズいわけではないんです。

何故だか、聴き慣れたメロディを味わっているのだけれど、新曲を聴いているような不可思議な気持ちになってしまいました…。

でも、そんな気持ちは、すぐ晴れました。

“答え”は次の曲にあったのですよ。

 

さて、後半2曲目はドビュッシーの「喜びの島」。(編曲は真島俊夫先生)

個人的にとても好きな曲です。

今ちょっと団体名は、思い出せないんですが、生演奏を聴いたことがあります。(どこかの音大だったような気がする…。)

いやぁ、素晴らしい演奏でした!

個人的にこの日、イチバンの演奏でした!

ドビュッシーの“キラキラ感”を存分に発揮した演奏。

それでいて、温かみのあるサウンド。

もう、身震いするほどステキです!

指揮のマエストロ・ヴェロがフランス人であるせいか、まさにドッビュシーの想いを伝えるかのような演奏でした。(言い過ぎでしょうか?)

そして、ホルストの「第2組曲」で感じた“ある種の違和感”の意味を発見したのでした。

つまり、後半に入ってから、シエナの皆さんもマエストロも頭の中が“フランス”になっていたんですね。

何か、そんな気がしたのですが…。

私は、この日、この演奏を聴いただけで、文京シビックホールに来た価値があったと思いました。

 

そして、トリの曲は、お馴染み「ダフニスとクロエ」です。

しかも、真島俊夫先生のアレンジ。

「ダフニスとクロエ」は、吹奏楽では、よく演奏されますが、真島先生の編曲で聴いた事があったかなぁ。

素人なので、ハッキリと指摘はできませんが、真島先生の特徴が出ていたかも。

だって、いつもより“キラキラ感”が増していたような…。

いずれにせよ、色っぽく、色彩にあふれた演奏でした!

メインに持ってきただけあって、なかなか良かった。(真島俊夫先生も会場にお見えになっておられました。)

 

アンコール曲は以下のとおりです。

 

そして、舞台上では、コンサートマスターの榮村正吾氏によるヴェロ氏へのインタビューがあったりして、楽しかった。(榮村先生は神奈川の一般バンド、Oak Wind Symphonyの指導されてますよね。)

最後は、シエナ名物、「星条旗よ永遠なれ」の大合奏!

会場に来ている観客の皆さん(多くは中高生の皆さん)がシエナのメンバーと一緒に演奏するのは、ある意味、壮観です。

これからも、良き伝統として続けて頂きたいですね。

 

楽しい演奏会でした。

また、機会があれば、“シエナ”“東京佼成”コラボ企画、もやってほしいですね。

そうしたら、“浦和のオヤジ”も「リレー」に挑戦します!!


神奈川大学吹奏楽部 第50回 定期演奏会(サントリーホール)

2015-01-14 01:46:56 | 吹奏楽

サントリーホール。

1986年の開館以来、日本のクラシック界の名場面を数々、生み出してきた名ホールです。

30年近くたった今でも、全く古さを感じさせず、むしろ“格調高さ”が増したような気さえします。

全国のコンサート専用ホールを全てまわったわけではないので、100%自信があるわけではないのですが、総合的に見て「日本一」のホールだと思います…。

 

2015年1月9日、金曜日。

早くも今年2回目のコンサートにやって参りました。

場所は、先程から申し上げておりますサントリーホール。

個人的に言えば、昨年9月16日の読響(読売日本交響楽団)の演奏会以来ですかね。(吹奏楽曲で有名なカレル・フサの「この地球を神と崇める」。この曲の管弦楽版を読響が“日本初演”したコンサートでした。とても、楽しかった。)

 

この日の目的は、神奈川大学の定期演奏会。

しかも、記念すべき50回目のメモリアルコンサートです。

私も2012年のサマーコンサート以来、年2回の定期公演を欠かさず聴かせて頂いております。

どうしても聴きたくなっちゃうんですよね。

 

私は、開演の15分前に着いたんですが、ホワイエに人があふれ、ホールの中もほぼ満席状態でした。

大盛況です!

そして、ステージ後方、パイプオルガンの下に位置するいわゆる“P席”には、制服を着た生徒さんたちが陣取っていて、ある意味、壮観です。(マスゲームでも始まりそう…。)

それと50回の節目の演奏会だけあって“吹奏楽界の有名人”の方がたくさん、お見えになっていたような…。

私がトイレに行こうとして、2階のロビーを歩いていたら、おそらく中学生だと思われる生徒さんにサインをせがまれていた東海大付属高輪台高校吹奏楽部の顧問、畠田貴生先生。

その畠田先生を横目に見ながら、トイレに向かうと、ちょうどトイレから出て来たのが東関東吹奏楽連盟理事長の新妻寛先生。

用を足し、トイレから出ると私の脇をすり抜ける様にして、小走りに行く方がいます。

よく見ますと、何と横浜ブラスオルケスター等を指導されている近藤久敦先生でした…。(たぶん…。)

わずかな間でも、これだけの方をお見かけしたのですから、たくさんの指導者、吹連関係の方がお見えになっていたことでしょうね。

 

さて、開演時間がもう間もなくです。

私の席は、2階のRB6列。

正面ではありませんが、視界的になかなかいいですねぇ。

さあ、“音楽”を楽しみましょう!

 

[演奏]神奈川大学吹奏楽部

[指揮]小澤 俊朗

[オルガン]江尻 弘子

 

祝典前奏曲 作品61/リヒャルト・シュトラウス

Fesliches Praeludium Op.61/Richard Strauss

 

バンドのためのディヴェルティメント/兼田 敏

Divertimento for Band/Bin Kaneda

  Ⅰ.トッカータ Toccata

    Ⅱ.コラール Chorale

  Ⅲ.フーガ Fugue

 

[客演指揮]保科 洋

 

古祀(1998年 改訂版)/保科 洋

An ancient festival/Hiroshi Hoshina

 

バレエ音楽「三角帽子」パート2より/マヌエル・デ・ファリャ:保科 洋 編曲

El Sombrero de Tres Picos/Manuel de Falla:arr.Hiroshi Hoshina

  粉屋の踊り Danza del Molinero(Farruca)

  終幕の踊り Danza Final(Jota)

 

【休憩】

 

ゴールデン・ジュビリー/ジョン・フィリップ・スーザ:フレデリック・フェネル

Golden Jubilee/John Philip Sousa:Frederick Fennell

 

鳳凰が舞う -印象、京都 石庭 金閣寺-/真島 俊夫

La danse du phénix –impression de Kyoto-/Toshio Mashima

 

交響詩「ローマの松」/オットリーノ・レスピーギ

Pini di Roma Poema Sinfonico/Ottorino Respighi

  Ⅰ.ボルゲーゼ荘の松 I pini di Villa Borghese

  Ⅱ.カタコンブ付近の松 Pini presso una catacomb

  Ⅲ.ジャニコロの松 I pini del Gianicolo

  Ⅳ.アッピア街道の松 I pini della via Appia

 

[司会]岩崎 里衣

 

最初の曲は、リヒャルト・シュトラウスの「祝典前奏曲」。

5管という大編成オーケストラで、150名余の演奏者が必要となり、しかもオルガンも使うため、なかなか演奏されることがない曲なのだそうです。

そんな大規模な曲を吹奏楽でやって、見劣りしないかと思っておりましたが、杞憂に終わりました。

壮大なサウンドは、弦楽器にも負けぬスケール感を出しており、同時にパイプオルガンの響きと交わることによって、格調高くも聴こえました。

最初の曲から、個人的に心をワシヅカミされたようです…。

 

次は、兼田敏先生の「バンドのためのディヴェルティメント」。

1967年度(昭和42年)第15回全日本吹奏楽コンクールの課題曲(高校以上)です。

いかに“浦和のオヤジ”がジジィとは言え、さすがにリアルタイムでは知らない曲です。(でも、楽譜は見たことがあるような…。)

初めて聴くのに等しい曲でしたが、兼田先生特有の雰囲気があって、ノーブルな感じがしました。

そして、兼田先生の曲は、もう少し取り上げられても良いのになぁ、と思った次第。

神大の理路整然とした演奏には、好感が持てました。

 

次からの2曲は指揮者が、代わって保科洋先生。

しかも、曲は、ご自身の作で「古祀」です。

懐かしいですねぇ。

1980年にヤマハ吹奏楽団の創立20周年記念の委嘱作品として作曲された曲です。

若い頃、ヤマハ吹奏楽団の音源でよく聴きました。

私は実際に演奏したことはないですが、よく演奏する団体がいたことを覚えています。

多少、宗教色のある曲ですが、神大の表現力は、その難しいニュアンスを上手にとらえ、観客に伝えてくれました。

土俗的な雰囲気のある名演だと思いました。

 

次は、指揮は同じく保科先生ながら、感じがガラッと変わってファリャの「三角帽子」ですね。(保科先生の編曲。)

スペインらしく華やかな曲です。

コンクール自由曲として、一時期、よく流行りました。

神大も先程の「古祀」の深いサウンドから、キラキラ輝くような、それでいて温かみのある音色に大転換!

技量の高さが窺われます。

華麗にスピード感のある演奏は観客を魅了していました!

 

前半が終わり、休憩です。

それにしても、保科洋先生はお元気ですね。

調べてみますと1936年生まれとのことですから、今年で79歳になられるのでしょうか。(ちなみに私の母と同い年です…。)

震災以降、先生の作られた「復興」が大変ブームになって、ご多忙だったと推測されますが、お疲れではないでしょうか?

これからも、お元気でご活躍されることを心から願っております。

 

後半に入りました。

最初の曲は、「ゴールデン・ジュビリー」。

マーチ王のスーザが自身の指揮者生活50周年を記念して作曲したのだそうです。

そして、それに相応しい華やかな演奏でした。

マーチにでも、色彩感満載の表現力には脱帽。

 

続いては、「鳳凰が舞う」。

神奈川大学吹奏楽部OBで、吹奏楽曲で超人気作曲家、真島俊夫先生の作品です。

この曲は、2005年に川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団の創団25周年の委嘱作品で同年12月の第32回記念定期演奏会で初演されました。(翌年、リベルテのコンクール自由曲となり、全国金賞。)

また、2006年12月16日にフランスのリールで開催された「第2回クードヴァン国際交響吹奏楽作品作曲コンクール」でグランプリを受賞。

京都という伝統のある街の印象を“音楽”として表した素晴らしい曲です。

真島先生の感性が光る名曲に間違いないです。

特にこういう曲には“情緒”が必要だと思うのですが、日本古来のムードを表現した神奈川大学の演奏は素晴らしいものでした。

独特の“間”のようなものを感じられ、観客を「和」の世界に引き込んでいたように思います。(真島先生も会場にお見えになっておられました。)

 

さて、早いものでトリの曲となりました。

ご存知、レスピーギの「ローマの松」。

吹奏楽のコンサートでは、よくメインの曲として演奏されます。(私も生演奏を10回近くは聴かせて頂いていると思います。)

多種多彩な“色”を持った曲。

何よりも、“きらびやかな”のが好きです。

壮大な演奏でした。

金管のバンダも効果的で実にカッコよかった!

途中、少しオフステージのトランペットとパイプオルガンが噛み合わなかったような気がしたところもありましたが、そんなのも忘れてしまうほど、盛り上がりました!

さすが、神大。

表現力はピカイチです。

 

なりやまぬ拍手の中、アンコール。

小澤先生の「好きな曲をやります」という掛け声と共に始まったのが、エルガーの「威風堂々」です。

格調高いメロディに会場も興奮気味ですね。

すると、突然、“P席”に陣取っていた中高生の生徒さんが立ち上がり、大合唱が始まりました。(舞台上には、神大を指導されている中村俊哉先生をはじめ、諸先生方も合唱に加わっていらっしゃいます。だと、思います…。)

後での説明によると、その中高生の皆さんは、ちゃんと入場料を払った“観客”でもあり、“エキストラ”でもあったとのこと。

さすが、神奈川大、伝統校の強みですね。

ちなみにこの“合唱”に参加された生徒さんは、東京都立片倉高校、埼玉県立大宮高校、東海大学付属高輪台高校、柏市立柏高校、他、多くの学校の皆さんだそうです。(もちろん、“吹奏楽部”の部員さんたちですネ。)

 

続いては、神大アンコールの定番、真島先生編曲による「ひばりメドレー」。

そして、これまた定番の「星条旗よ永遠なれ」でフィナーレです。

衣装がバッチリ決まったステージドリルの皆さんも、演奏に華を添えて頂きました。

大盛況のうちにメモリアルコンサートは終わりました…。

 

サントリーホールって、ホントに素敵なホールですよね。

気品があるし、重みを感じます。

そして、このようなホールで最高の演奏をして頂いた神奈川大学吹奏楽部に感謝!!

(これからも応援し、聴き続けていきます、と決意する“浦和のオヤジ”でした…。)


犯罪被害者支援チャリティ音楽祭(東京芸術劇場)

2015-01-10 20:44:38 | 吹奏楽

2015年(平成27年)1月4日、日曜日。

まだ、“松の内”のこの日、東京・池袋の東京芸術劇場で『犯罪被害者支援チャリティ音楽祭』が開かれました。(主催は、『犯罪被害者支援チャリティ音楽祭実行委員会(公益社団法人みえ犯罪被害者総合支援センター)』です。)

この催しは、犯罪被害者、遺族の支援のために開催されました。

入場チケット等の売り上げは犯罪被害者の方々の支援のために活用されるとのこと。

そして、この活動のために“一肌脱いだ”高校吹奏楽の有名3校が素晴らしいパフォーマンスを繰り広げてくれたのでした。

 

明けましておめでとうございます。

今年も、この「浦和河童便り」をよろしくお願い申し上げます。

さて、私にとって、今年の最初のコンサートは『犯罪被害者支援チャリティ音楽祭』になりました。(例年ですと神奈川大学の定期演奏会がイチバン初めになるのですが…。)

 

先程申し上げました通り、この音楽祭には、3つの高校吹奏楽部が参加しました。

まずは、三重県立白子高等学校。

東海支部ではトップクラスの実力校です。(2014年度も東海支部「金賞」受賞。)

全国大会も6回出場していますね。(1978、1979、1982、2007、2011、2012)

今回は三重県からの出場ですが、やはり、「みえ犯罪被害者総合支援センター」が主催ということでの参加なのでしょうか?

地方の実力校を聴かせて頂く機会は少ないので楽しみです。

続いては、お馴染み東海大学付属高輪台高等学校。

すっかり、日本を代表する高校のバンドになりました。

昨年(2014年)末の定期演奏会は行けませんでしたが、度々、演奏を聴かせて頂いている団体です。(顧問の畠田先生なんかは、ちょっとした有名人ですよね。)

この日も、きっと素晴らしい演奏だろうなと期待大です。

さて、最後にご紹介するのは、柏市立柏高等学校です。

吹奏楽をやってる人間でこの学校の名前を知らない人はいないでしょう。

全国大会25回出場、金賞14回、銀賞10回、銅賞1回、3出休み(3年連続全国大会に出場すると翌年はコンクールに出場出来ないという大会規定。現在は“廃止”。)4回という“大”名門校です!

1978年、市立柏高校の開学と同時に音楽教諭として同校に赴任した石田修一先生は、同年、吹奏楽部を創設。

3年後の1981年には、すでに支部大会で「金賞」を受賞しています。

“東関東支部”じゃないですよ。

まだ、“東”と“西”に分かれる前のおそらく、全国一レベルの高かったであろう“関東支部”での「金賞」。

すごいですよね。

そして、吹奏楽部創設から、わずか6年後の1984年には、全国大会初出場、しかも「金賞」受賞。(まあ、“関東支部”を勝ち抜いたんだから、「金賞」はあたり前かもしれませんが。)

その後の活躍は、みなさんご存知のとおりです。

 

実は、今回、このコンサートに出かけようと思ったのは(他の2校には申し訳ないのですが)、市立柏を聴きたいがためなのです。

これまで、何故だか生演奏を聴く機会に恵まれませんでした。

演奏会に行こうかと考えたこともありましたが、地元で開催していることが多く、ついつい億劫になって…。(埼玉から千葉ってケッコウ行きづらいですよね。かえって神奈川の方が遠いけど楽かも。)

全国大会のCDを聴くと抜群にうまいんですよ、市立柏。

同じ千葉県の習志野市立習志野高等学校と共に高校吹奏楽界においては別格のような気がする…。

最近では全国大会で「金賞」しか取ってない淀川工科とか精華女子にはない、もっと別次元の雰囲気を感ずるのです…。(あくまでも、CDでの“比較”ですが。)

しかも、この日は非常に優れたホールである東京芸術劇場で演奏が聴けるのですよ。

とにかく、本当に柏は、“凄いのか”、確かめに行った“浦和のオヤジ”でした…。

 

まもなく、開演のようです。

最初に主催者である『みえ犯罪被害者総合支援センター』理事長、竹林武一氏の挨拶のあと、三重県立白子高等学校の登場です。

 

[演奏]三重県立白子高等学校吹奏楽部

[指揮]桐生 智晃

 

★  行進曲「威風堂々」作品39第1番

★  歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より 他

 

プログラムには、上記のようにしか書いてありません。

結論から申し上げますと、3校ともプログラム通りの順番や曲をしたわけではありません。

ですが、一応、プログラムに書いてあるので、このブログには記載しておきます。

ところで、白子高校って、実は初めて生演奏を聴くわけではないんですよね。

今から、4年前、全国大会に出場した時に普門館で演奏を聴かせて頂いてます。

正直、ずいぶん前の事でもあり、強い印象には残っていません。(自由曲は、プッチーニの「蝶々夫人」だったようです。私の拙いブログ記事も残っています。)

http://blog.goo.ne.jp/urawa_kappa/e/f9023900899ab799246f23f721abae3c

今回は、ヘンな言い方をすれば、4年振りの“再会”でしょうか?

 

演奏が始まりました。

最初はプログラムに載ってない、「エルザ大聖堂への行列」。

正直言っていいですか?

私は、実のところ、白子高校を甘く見ていました。

確かに東海支部では全国大会を狙う強豪校ではあるでしょうが、やはり、全国大会常連校の柏や高輪台に比べるとチョット…、と思っていました。

でもね。

「エルザ」の冒頭のフルート・ソロが始まった瞬間、身震いしましたねぇ。

美しいです。

サウンドも柔らかくて、心穏やかになれる。

素晴らしかった!

この学校の演奏を聴いただけでも、この日、芸劇に来た甲斐があったものだと思いました。

続いては、「コパカバーナ」、今年、大ヒットした“アナ雪”の「Let it go」と誰にでも楽しめる曲が続きました。

そして、次は“演歌メドレー(兄弟船、人生いろいろ、青い山脈、愛燦々)”だそうな。

特に鳥羽一郎の「兄弟船」のメロディが、東京芸術劇場コンサートホールに鳴り響いたのは、矛盾するようですが、“心地よい違和感”が私の脳裏を駆け巡り、自然と笑みがこぼれてきます。(でも、のけ反りましたね(笑)。ちなみに鳥羽一郎は、三重県出身なのだそうです。)

“演歌”の興奮、冷めやらぬうちに続いての「威風堂々」が始まりました。

ご存知、エルガーの名曲ですが、ポップス調というか軽い感じで聴きやすかった。

そして、おそらく、白子高校にとって、この日のメインであろう2曲の演奏です。

2014年度のコンクール課題曲Ⅳである“コンサートマーチ「青葉の街で」”とこちらはプログラムに載っている“歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」”。

調べて見ますと、この2曲で昨年のコンクールに臨んだようですね。(東海支部大会「金賞」)

気合いの入った演奏でした。

さすが、支部金賞の事だけはある。

いや、全国大会で聴いたとしてもおかしくないように思えました。

最後は、「風になりたい」でフィナーレ。

とても楽しいパフォーマンスでした。

住んでいる場所が違うので、なかなか私が演奏にふれる機会はないと思いますが、白子高校の皆さん、これからも頑張って頂きたい。

期待してます。

(なお、今回、プログラムに紹介された曲目がザックリとしたものであったため、記事は私自身のメモによって構成された内容であります。したがって、間違っていたり、抜けていたりする場合も考えられますので、その点、ご了承下さい。)

 

[演奏]東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部

[指揮]畠田 貴生

 

★  日本舞踊

★  エルサレム讃歌

★  ラテンスペシャル21! 他

 

プログラムの記載にとらわれず、話を進めます。

“畠田スマイル”と共に2校目、東海大高輪台の演奏が始まりました。

高輪台の初めの2曲は、ピーター・グレイアムの「サモン・ザ・ドラゴン」とアルフレッド・リードの「エルサレム讃歌」。

どちらも吹奏楽ファンにはお馴染みの曲です。

荘厳で華やかな感じは、高輪台のサウンドにあっています。

 

さて、突然ですが、今回の記事は“本音”で言わせて頂きます。

高輪台の定期演奏会等は、数年前から何回も聴かせて頂き、そのパフォーマンスには感心しておりました。

ただ、大変申し訳ないのですが、高輪台の“サウンド”に関しては“キライ”でした。

どちらかと言うと“硬質”の音色に聴こえ、ギャルドのような“甘い”サウンドを究極だと思っている私にとっては、対極にある音質のように思っていました。

ところがです、一昨年(2013年)の定期演奏会に行かせて頂いた時に初めて、いい意味での“違和感”を感じたのです。(昨年末の定期演奏会は行けませんでした。)

今までのサウンドと何かが違う。

具体的に言うと、とても明るくなっている。

いや、輝いている。

キラキラしている。

そんなふうに感じたのです。

まだ、柔らかさは足りないように思いましたが、確実に私の好みの方向に変わって来ているように感じました。

そして、今回です。

約1年振りに聴いた高輪台の“サウンド”でしたが、またまた変化していました。

前回感じた“明るさ”にプラスして、“艶っぽさ”が…。

いい傾向です。

“浦和のオヤジ”としては、たまらない!

さすが、高輪台。

最初の2曲を聴いて、そんなことを思いました…。

とても、魅力的な演奏でした。

ミュージカルの音楽、「美女と野獣」に続いては、高輪台“伝統”の日本舞踊です。

高輪台吹奏楽部の有志がプロの方に指導して頂き、定期演奏会で披露してくれる“日本舞踊”は、それは華やかで特に年配の方々だけではなく、万人が楽しめるものです。

踊りを盛りたてる高輪台吹奏楽部の演奏もなかなかのもので、エンターテイメントの限りを尽くしているパフォーマンスですね。

ところが今回は、少し驚かされました。

これもサウンドと同じで“艶っぽさ”が加わっている。

ほんのちょっとした所作の違いなのでしょうが、とてもステキに感じました。

これからも、この“伝統”は、高輪台独自のパフォーマンスとして続けて行って頂きたいものです。

そして、最後は、高輪台“名物”の「ラテンスペシャル21」。

“エル・クンバンチェロ”“闘牛士のマンボ”“コパカバーナ”“風になりたい”と言った曲をラテンのリズムに合わせて演奏してくれる“定番”です。

情熱的な演奏は観客を魅了していました!

さすが、東海大高輪台。

今年も期待出来そうです。

(白子高校の時と同じことを書きますね。今回、プログラムに紹介された曲目がザックリとしたものであったため、記事は私自身のメモによって構成された内容であります。したがって、間違っていたり、抜けていたりする場合も考えられますので、その点、ご了承下さい。)

 

[演奏]柏市立柏高等学校吹奏楽部

[指揮]石田 修一

 

★  交響曲第4番(チャイコフスキー作曲)

★  吹奏楽のための戯曲「嚆矢濫觴」(内藤 友樹 作曲)

★  ラ・フォルム・ドウ・シャク・アムール・ションジュ・コム・ル・カレイドスコープ(天野 正道 作曲)  他

 

いよいよ、最後に市立柏の登場です。(最初に言っときますが、プログラムの曲目とは殆ど違う内容でしたが、活字になっていたものは、載せときます。)

私にとっての“関心事”柏高校。

楽しませてもらいます!

あれ、薄暗い舞台上には椅子が並べてありませんね。

どうやら、ステージドリルからでしょうか?

始まりました…。

最初は、殆ど、演奏者が動かず、立ったままでの演奏です。

曲は、プログラムどおり、チャイコフスキーの4番。

しかも、ジャズっぽいアレンジです。

見事ですねぇ、演出が素晴らしい。

私はマーチングが苦手なのですが、これだったら楽しめると思いました。

場面は移って、薄暗かったステージがほぼ暗闇となりました。

あれあれと思っていたら、数多くのライトが音楽に合わせて、めまぐるしい動きをしている。

ひとりひとりがライトを持って演じているようです。

素晴らしい“光のファンタジー”でした。

ここで告白します。

何かステージ上では、この辺りでいろんなパフォーマンスをやってたような気がするのですが、あまりの幻想的な演奏にメモを取り忘れてしまい記憶がはっきりしません。あとで、司会の方が曲目の説明をされましたが、それもメモを取り忘れてしまいました。スミマセンm(__)m

 

会場は薄暗いままでしたが、いつまにか客席の通路に現れていた生徒の皆さんが、演奏している間に舞台上では椅子や譜面台が並べられていきます…。

続いては、カーペンターズの「青春の輝き」とジャズの巨匠ベニー・グッドマンの「メモリーズ・オブ・ユー」。

「青春の輝き」がアルト・サックス、「メモリーズ・オブ・ユー」がクラリネットのソロがありました。(もちろん、生徒さんのソロです。)

そのソロが素晴らしかった!

「青春の輝き」のサックス・ソロ。

カレン・カーペンターのキレイな歌声がそのままサックスの音になったような美しい響き!

まるで、何かのサックス協奏曲を聴いているかのような気になりました…。

そして、「メモリーズ・オブ・ユー」のクラリネット。

物悲しい大人のメロディを見事に表現していた!

私は、これまで多くの高校吹奏楽部の演奏会に行かせて頂きました。

そして、いろいろな生徒さんのソロを聴きました。

でもね、この日、思ったんです。

この二つのソロは、今まで聴いた生徒さんのソロより、数段、優れていると。

もちろん、合奏も素晴らしかったですが、柏の“個人の技術”、恐るべし。

こう感じざるを得ませんでした。

最後は、私のようなオヤジにとっては、涙が出るほど懐かしいチャンスの「朝鮮民謡の主題による変奏曲」です。

しかも、まともにこの曲を演奏するわけではなく、朝鮮半島の民族衣装や楽器を使ったパフォーマンスを交えてのアレンジ曲のようなもの。

これはもう、高校生の“芸”の域を越えたものでした。(お金を取って見せてもいいくらい。)

全体的に感じたのですが、指導されて石田修一先生の“想い”が音になっている…。

そんな印象を持った市立柏でした。

ただ…。

本音で言うと、楽器演奏者だけの“座奏”で市立柏をじっくりと聴いてみたかった…。

そして、プログラムには書いてあった「ラ・フォルム・ドゥ・シャク・アムール・ションジュ・コム・ル・カレイドスコープ」(長いなあ。)を味わいたかった…。

これが偽らざる私の気持ちです。(最初に申し上げましたとおり、記事は私自身のメモによって構成された内容であります。したがって、間違っていたり、抜けていたりする場合も考えられますので、その点、ご了承下さい。)

 

市立柏の演奏が終わったと同時にパイプオルガンの演奏に移りました。

東京芸術劇場副オルガニストの川越聡子氏による「小フーガト短調」。

宗教色を帯びたバッハの調べは、私のようなオヤジにも心を厳粛にさせてくれる力がありました…。

そして、演奏中を利用して、この日、出場なさった3校の皆さんが少しづつ、舞台や客席の通路に次々と入場してきました…。

 

[三校によるコラボレーション]

 

★  花は咲く(パイプオルガン演奏)

     オルガニスト 川越 聡子

★  今日の日はさようなら

 

あとは、上記の曲でパイプオルガン、吹奏楽のバックで高校生の皆さんの大合唱です。

大変、盛り上がってコンサートは終了しました。

“浦和のオヤジ”も正月から大満足の演奏会でした。

そして、最後に市立柏の石田先生に主催者側から、「パールタクト」が贈られました。(真珠のついた指揮棒ですかね。)

 

最初に申し上げましたとおり、今回は、個人的に市立柏が目的の演奏会でした。

しかし、白子高校にも高輪台にも非常に優れたパフォーマンスを見せて頂き、たとえ柏がいなかったとしても、満足できました。

何より、3年生がまだ演奏に加わっており、高レベルの演奏を聴けたのがよかった。

 

最後に、市立柏の演奏を聴いて思ったこと。

じっくりと座奏を聴いてないので微妙なところはあるのですが、個人の技量が高く、それでいて全体的な音色と言い、バランスの良さと言い素晴らしい。

おそらく、日本の高校吹奏楽部のナンバーワンだと思います…。