浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

横浜ブラスオルケスター第13回 定期演奏会

2012-02-21 03:22:35 | 吹奏楽

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以前に横浜の「みなとみらい」地区に来たのは「みなとみらい線」の開業当初ですから、まる8年前になります。
2012年2月19日、みなとみらいホールでおこなわれる「横浜ブラスオルケスター第13回定期演奏会」を聴かせて頂くために遠く埼玉の地より、やってまいりました。
横浜は以前の仕事で足繁く通いましたので、「みなとみらいホール」の存在も場所も存じておりましたが、訪れるのは初めてでした。
演奏会のある大ホールは、ウィーン楽友協会に代表されるシューボックス型(長方形のホール)をベースにアリーナ型(舞台の四方を客席で囲まれたホール)を取り入れた「囲み型シューボックス形式(みなとみらいホールのHPにそう書いてあります)」のホールです。
舞台正面には立派なパイプオルガンが鎮座ましましており、とても立派に感じます。
ホワイエもきれいで、クロークなども充実しており、サントリーホール的なカンジの高級感が漂っています。
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時間はたちまち過ぎ、演奏会の第一部の始まりです。
最初の曲は「舞踏会の美女」(ルロイ・アンダーソン)です。
まず、感じたのは良く響くホールだなという事です。
演奏の方は、アンダーソンらしく軽快な曲でしたが、それを見事に表現していました。
出だしこそ、なんとなく始まった感があったのですが、曲が進むにつれ、こちらも引き込まれてしまう躍動感が出てきました。
(これは期待できそうです。)
2曲目は「ゲールフォース」(ピーター・グレアム)という曲で私は初めて聴く曲です。
曲の解説によるとスコットランド出身の作曲家グレアムがノルウェー王立海軍バンドのために書いた曲で、3つの伝統的なアイルランド民謡をモチーフに作曲されたそうです。
躍動感のあるよい曲でしたが、それよりもこの楽団の表現力には脱帽です。
アイルランドの田舎の情景が目に浮かぶようでした。
さあ、第1部、最後の曲は打楽器奏者のヒダノ修一氏を迎えて、「そして時は動き出す-太鼓と吹奏楽のための祝典序曲」(中橋愛生)です。
(人気の作曲家、中橋愛生氏が“ヨコハマ開港150周年祝祭コンサート”のために作曲した曲でヒダノ氏とシエナ・ウインド・オーケストラによって初演されたそうです。)
圧巻の演奏です。
ヒダノ氏の素晴らしい表現力にも、のめり込みましたが、ブラスオルケスターもそれに引けをとらない演奏で感動しました。
もう一度聴きたい、正直言って、そう思った次第です。
アンコールとして、ヒダノ氏の作曲した「Next Game」がブラスオルケスターの打楽器セクションの皆さんと演奏されました。
メロディーを表現できない太鼓の類を使った曲でしたが、リズムだけではなく、いろんな表情を体現する事の出来る曲だと思いました。(私は打楽器は“超”門外漢ですが…)
また、ヒダノ氏の技術やパワーや情熱に必死で食らいついていこうとしている打楽器セクションの皆さんの奮闘には頭が下がります。ブラボー!!

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20分の休憩時間に第1部の余韻にひたる暇もなく、第2部開演です。
まず、最初の曲は「歌劇“ジョコンダ”より 時の踊り」(アミルカレ・ポンキエルリ)です。
ダイナミックスに幅があり、演奏者の技量が試される楽曲です。
しかし、ブラスオルケスターの皆さんは見事に演奏されました。
演奏テクニックの素晴らしさに感服いたします。
惜しむらくは、演奏中、幼児の嬌声に演奏が邪魔されたこと。
せっかく、集中しているところに非常に興ざめでした。
子供に罪はありませんが、保護者は常識ある行動をとって頂きたい。
演奏を理解できない幼児を連れてきては、いけないのです。
最後は、ご存知、スパークの「ダンス・ムーブメンツ」(フィリップ・スパーク)です。
トリにふさわしい曲ですし、トリにふさわしい演奏でした。
躍動感あふれるパフォーマンスで観客を魅了していました。

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このあと、3曲のアンコール曲が演奏され、盛況のうちに演奏会は終了しました。
楽しかった。
また、来年も来るぞと密かに思いながら、浦和への家路を急ぐオヤジがいました。

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一昨年の淀川工科高校東京公演から数十年ぶりに吹奏楽の演奏会に訪れることを始めました。
プロのギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団は別格としても高校の演奏会にはどこか消化不良のような後味の悪さがつきまとっていたのも事実です。(唯一、満足できたのは、春日部共栄です。)
しかし、昨年の暮れの川口市アンサンブルリベルテ吹奏楽団の定演を聴いてから、私の意識が覚醒したように思います。
技術が高く、大人の演奏は私を十分、満足させてくれるものでした。
今回の横浜ブラスオルケスターにしてもしかりです。
これからは、高校だけではなく一般バンドにも注目していこうと思います。

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以下は個人的意見です。
横浜ブラスオルケスターは、大人の演奏なのですがエネルギッシュで力強さを感じます。
特に金管が私の好みですね。
遠い昔、生で聴いたことのある、かのサイモン・ラトルが率いていたバーミンガム市交響楽団の若々しさ、力強さ、躍動感に感じが似ているような気がしました。(言い過ぎでしょうか?)
それとは違って、アンサンブルリベルテの音は、ものすごく艶っぽい。
色気があるのです。
木管が発する音がその原因だと思います。
だから、演奏会で聴かせてもらった「ダフニスとクロエ」はゾクゾクするほど良かった。
しかし、どちらの団体も、あのような高い技術をどうやって保持しているのだろう?
それぞれ職業を持っていれば練習できるのも週末くらいだろうし、不思議です。
それと、横浜ブラスオルケスターって、もともとの母体とかないのでしょうか?
川口市アンサンブルリベルテは市立川口高校のOBが中心と聞いたことがありますが…。
いずれにせよ、今後の活躍に大いに期待いたします!!

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