浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

NHK交響楽団 第1740回定期公演(11月Cプログラム)

2012-11-19 01:09:49 | オーケストラ

平成24年11月16日、金曜日。NHKホール。
本日は、第1740回定期公演Cプログラムを聴かせて頂くために訪れました。
NHKホールといえば最後に来たのは何年前になるのだろう?
もう、20数年以上前ですね、多分。
昭和48年の落成との事ですので来年が40周年なのでしょうか?
座席数が3601席。
かなり、大きなホールです。
やはり、このくらいのキャパのホールが問題になるのは「響き」ですね。
ネットとかで見ていますと「響く」「響かない」と両方の意見の方がいらっしゃるようで、実際自分の耳で確かめるのが一番だと思いました。

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本日の指揮は、エド・デ・ワールト氏。
1941年生まれのオランダ人の方です。
現在、ミルウォーキー交響楽団の音楽監督、ロイヤル・フランダース・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者をされていらっしゃるとのことです。
このマエストロがN響とのコラボでどんなパフォーマンスをみせて頂けるか非常に楽しみです。

本日の演目は、後期ロマン派音楽の代表作のひとつとも言われている、あの交響曲です。

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● 交響曲第8番 ハ短調(ノヴァーク版)    ヨーゼフ・アントン・ブルックナー

80分を超えることも多い大曲です。
最近、なぜだか私が気になっている曲のひとつでよく聴いています。
本日の演奏会に訪れたのも曲名に惹かれたという部分も大です。

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開演前にちょっとしたハプニング。
私のような貧乏人は身分相応な下手(しもて)側3階席に陣取っておりました。
まもなく開演という時間に2階席あたりで拍手がおこりましたので、何事かと下の階を覗き込んでみますと、何と皇太子殿下がお見えになっていらっしゃるではありませんか!
(拍手は殿下がホール内にご入場の時におこったものだと思われます。)
演奏会終了後も多くの観客がホール入口で殿下を“出待ち(でまち)”していました。
恥ずかしながら、私も、その群集のひとりとなり、殿下をお待ちした次第。
一応、写真は撮ったのですが、スマホでの撮影です。
いつも演奏会の時には、必ず持参しているデジタルカメラを忘れたからでした。
その上、殿下からの位置が遠く、スマホの未熟な撮影機能で誰だかわからない写真になってしまったのが残念です。
一応、写真を掲載しときますけど…。
(中央より少し右側、白髪の方の挨拶を受けられていらっしゃるのが殿下です。)

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閑話休題。
演奏は素晴らしいものでした。
ブルックナーの荘厳感が感じられてとても良かった。
私がよくCDで聴いている“8番”より格調高く聴こえました。(よく聴いているのは、ウィーンフィル、カール・ベームのヤツなんですが…。)
やっぱり、“生”演奏は、いいですねぇ。
オーケストラの音を聴きなれていない私にも非常に美しく聴こえました。
特に弦楽器はアインザッツが合ってないだの、アンサンブルに乱れがあるだの、(私が今まで聴いていた)そんな低次元の話とは別次元の世界でした。
全てのリズムが完璧に揃っていて、各個人の音質が融合しているから、まるで一本の楽器のように聴こえます。
そして、それを支える管楽器群も音が弦楽器に溶け合っていて一体感がありました。
私が日頃聴いている吹奏楽の“音”とは全く違います。
打楽器も非常に上品に感じました。
オーケストラにド素人の私は、こんなふうに考えてしまいました…。

ただ、ひとつだけ。
これはN響の演奏とは関係ない事だとは思うのですが、ほんの少しだけ音量に距離感を感じました。
フォルテシモは、フォルテシモに聴こえるのだけれども、遠くで鳴らしているように感じる瞬間がありました。
やっぱり、ホールが響かないのか?
私のいた舞台から遠く離れた席が悪いのか…。

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私が大昔、中高生で吹奏楽部員だった頃。
交響曲といえば、チャイコフスキーやショスタコーヴィッチを思い浮かべました。
なぜなら、吹奏楽に編曲されてコンクール等で演奏する団体が多くあったからです。
しかし、その当時はどの世代でもベートーベンの交響曲人気がイチバンだったように思います。
しかし、10代だった私はベートーベンの交響曲を好きになれなかった。
その時は、わかりませんでしたが、最近になって、その理由らしきものが、やっとわかるようになりました。
ラヴェルが猛烈に好きであった私には、ベートーベンのオーケストレーションが物足りなかったのだと思います。
ラヴェルの華やかな楽器の使い方に比べて地味なこと…。
それでも、高校生くらいになってくるとブラームスの交響曲は受け入れられるようになりました。
そして、そこからブルックナー、マーラーと進んでいくのが普通なのでしょうが、若者であった私には、あまりにも“重い”音楽でした。(それに一般人には当時、ブルックナーだのマーラーというのは少し、“マイナー感”があったように思います。)

あれから、30年。(同郷の「綾小路きみまろ」みたいですが…。)
やっと、ブルックナーやマーラーを受け入れる事ができるようになりました。
というか、他のものより好きになってしまったのかな…。

今回はオーケストラのフルの生演奏を聴かせて頂き、本当に幸せなひと時でした。
吹奏楽中心になるとは思いますが、これからも楽しく“音楽”を楽しめたらなと思います。

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追記

今回のテーマとは全然、関係ない事ですが書かせて頂きます。
さる11月14日、ブリヂストン吹奏楽団久留米の指揮者、塩谷晋平先生が亡くなられました。
塩谷先生といえば、1980年代から90年にかけて関東一高吹奏楽部の黄金期を作られた吹奏楽ファンなら、知らぬ人がいないほど有名な方です。
先日も宇都宮文化会館で開催された全日本吹奏楽コンクール、職場一般の部でブリヂストン吹奏楽団の皆さんと出場され、エネルギッシュな名演で金賞を獲得されたばかりだったのに…。(私も観客席で生演奏を聴かせて頂きました。)
今年から、ブリヂストン吹奏楽団久留米の指揮者になられ、ブリヂストンは、これからも安泰だなと思っておりました。
そこに、この訃報です。
私は、もちろん面識もない路傍のオヤジですが、一吹奏楽ファンとして、心よりご冥福をお祈り申し上げます。


第60回 全日本吹奏楽コンクール 職場一般の部

2012-11-07 02:19:34 | 吹奏楽

東関東支部大会でここ、宇都宮市文化会館を訪れた時は朝から小雨模様でした。
この日も、空は厚い雲に覆われ今にも泣き出しそうです。
予報では、午後からは雨が降り出すとの事。(実際、その通りになりました。)
この空模様とは裏腹に私の心はウキウキしていました。
何せ、全国大会がこれから始まるのですよ。
全国の精鋭たちがどのようなパフォーマンスを見せてくれるか…、実に楽しみです。

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課題曲は以下の5曲です。
Ⅰ さくらのうた (福田洋介)
Ⅱ 行進曲「よろこびへ歩きだせ」 (土井康司)
Ⅲ 吹奏楽のための綺想曲「じゅげむ」 (足立 正)
Ⅳ 行進曲「希望の空」 (和田 信)
Ⅴ 香り立つ刹那 (長生 淳)

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時は、平成24年(2012)10月28日、日曜日、午前9時30分。
場所は、栃木県宇都宮市明保野町7-66、宇都宮市文化会館大ホール。
第60回全日本吹奏楽コンクール 職場・一般の部が始まりました…。

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《職場・一般の部(前半)》

1.東京代表 東京都 東京隆生吹奏楽団  (指揮)畠田貴生
    [課]Ⅳ [自] バレエ音楽「シバの女王ベルギス」より (O.レスピーギ/畠田貴生)

4日後にも名古屋で大舞台(高校の部)が控えているのに畠田先生、ご苦労様です。
朝イチで大変だったでしょうが、やはり最初は、ぼやけた演奏に思いました。
そして、その不明瞭な部分を音量でカバーしようとしているように感じました。
私見ですけど。
それでも、自由曲の途中くらいから、アンサンブルが噛み合って来て、さすがだなと思わせる瞬間もありました。
結果は「金賞」。
朝イチで、ボケていたのは、私だったのでしょうか…?
[金賞]

2.東北代表 宮城県 名取交響吹奏楽団  (指揮)近藤久敦
    [課]Ⅲ [自] 「エニグマ変奏曲」より (E.エルガー/近藤久敦)

本年、吹奏楽連盟より「長年出場指揮者表彰」の栄誉を受けられた近藤久敦先生。
最近では横浜ブラスオルケスターの印象が強いですが、この団体でも素敵なサウンドを聴かせて頂きました。
課題曲は無難なカンジ。
自由曲は私の大好きなエルガーの「エニグマ変奏曲」。
弦中心の曲をどのように表現するのか興味津々です。
豊かな厚いサウンドを駆使した好演でしたが、“ニムロッド”で、もう少しタテヨコ揃えて歌って欲しかった。
[銀賞]

3.東関東代表 千葉県 聖徳ウインド・アンサンブル  (指揮)進藤初男
    [課]Ⅰ [自] 交響組曲「もののけ姫」より (久石 譲/森田一浩)

課題曲の初っ端、トランペットのトチリはイタい。
減点を避けたいなあと叫んでいるような手探りの演奏に感じました。
でも、トロンボーンのソロは良かったですね。
自由曲に入るとガラッと様相が変わりました。
支部大会の時より表現力がまし、ソロパートも格段の進歩を見せ、修正のあとが顕著でした。
自由曲、課題曲の間に差を感じます。
[銅賞]

4.中国代表 島根県 出雲吹奏楽団  (指揮)金本克康
    [課]Ⅱ [自] ダンシング・イン・レイン (後藤 洋)

課題曲は最初のファンファーレ、音出しすぎかなあ。
各パート内はいいのだけれど、全体合奏になると違う楽器パートとの間に微妙なズレを感じた。
だから、リズム感に欠けた。
自由曲になるとガラッとサウンドが変わったように思いました。
リズム感にあふれた好演でした。
前の団体同様、課題曲と自由曲の練習量の違いを感じました。
[銅賞]

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5.九州代表 福岡県 飯塚吹奏楽団  (指揮)谷口宗生
    [課]Ⅳ [自] オリエントの光芒 2012~ウインドオーケストラのために (片岡寛晶)

課題曲の出だし、ほど良い音量で心地よかった。
このバンドは、とてもやわらかいサウンドを持っていて心がなごむ。
細部の音の処理や表現もよく考えられており、よく練習してるなあと思いました。
自由曲は初めて聴かせて頂いた曲でしたが、わりと単調な曲調にも係わらず躍動感が感じられる好演でした。
[銀賞]

6.北海道代表 北海道 滝川吹奏楽団  (指揮)鷲尾昌法
    [課]Ⅱ [自] 歌劇「トゥーランドット」セレクション 2007改訂版 (G.プッチーニ/真島俊夫)

課題曲は軽やかに演奏に入りましたが、メロディラインの木管楽器と金管楽器のバランスが悪いのが気になりました。(木管楽器のメロディラインがハッキリ聴こえてこない。)
緊張しているのか、音程やアンサンブルの乱れがほんの少しだけあったように思いました。
自由曲は、解き放たれた、気持ちを込めての演奏のように感じました。
ただ、課題曲同様、音量に問題があるのか木管楽器(特にクラリネット)が埋没してしまっている印象は受けました。
明るいサウンドの団体でしたので、この点だけ残念に思いました。
[銅賞]

7.北陸代表 福井県 ソノーレ・ウィンドアンサンブル  (指揮)佐藤正人
    [課]Ⅳ [自] 交響詩「ローマの祭」より Ⅲ.十月祭 Ⅳ.主顕祭 (O.レスピーギ/佐藤正人)

佐藤正人先生の指揮ですね。
課題曲Ⅳ。
バンド全体のサウンドに統一性があり、とても軽快で歯切れのいい演奏なのだけれど重厚で温かみのある音でした。
しっかり考えてやらないと、ただ騒がしいだけになってしまう自由曲。
しかしながら、ダイナミクスを意識し、メリハリを考えて演奏しているところが素晴らしかった。
[銀賞]

8.九州代表 佐賀県 佐賀市民吹奏楽団  (指揮)南里隆弘
    [課]Ⅴ [自] シンフォニエッタ第2番「祈りの鐘」 (福島弘和)

課題曲Ⅴは評価するだけ私に音楽知識がないので、なんとも言い難い部分があるのですが、聴いていて違和感を感じなかったので良い演奏だったのだと思います。
自由曲は人気の福島作品。
とてもリズムにのったいい演奏でした。
ただ、最初のオーボエソロをもう少し歌ってほしかったのと(緊張してたのかな?)、テンポが速くなった部分で、演奏者の中にスピードに乗り切れていない人がいたように感じました。
ところで、未だかつて、九州の一般バンドで全国大会金賞を勝ち得たところはないように思います。(「職場」のブリヂストン久留米は除く)
ですから、九州出身の私だからこそ、九州の一般バンドにあまり良い印象は持っていませんでした。
しかし、本日、非常に久しぶりに九州の一般バンドの音色を聴かせてもらって正直、驚きました。
飯塚にしろ、佐賀市民にしろ、なかなかの演奏です。
いい意味で裏切られました。
[銀賞]

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9.東海代表 静岡県 ヤマハ吹奏楽団浜松  (指揮)須川展也
    [課]Ⅴ [自] エッセイ (高 昌帥)

東京佼成ウインドオーケストラでコンサートマスターをやってらっしゃった須川展也先生の指揮ですよ。(いろんなコンサートでその美しいサックスの音色を聴かせて頂いたことがありマス。)
すでにヤマハの指揮で2007年からコンクールにお出になっているんですね。
演奏の方は、技術、表現力、何をとっても別格です。
何のためにコンクールに出ているのでしょう?(多分、ヤマハの宣伝のためでしょうけど)、と思いたくなりますよ。
とにかく、素晴らしい演奏でした!
[金賞]

10.西関東代表 埼玉県 伊奈学園OB吹奏楽団  (指揮)宇畑知樹
    [課]Ⅳ [自] パガニーニ・ロスト・ウインド (長生 淳)

課題曲Ⅳは、良かった。
軽やかで温かみのあるサウンド。
実に上品なマーチです。
高校生は見習って欲しいくらいですなあ。
ただ、もう少しチューバ関係が響いていれば完璧だと思いました。
自由曲は各個人の技術力の高さを見せつけてくれました。
特にメロディラインの歌わせ方は素晴らしい。
見事です。
[金賞]

11.関西代表 兵庫県 尼崎市吹奏楽団  (指揮)辻井清幸
    [課]Ⅱ [自] 大阪俗謡による幻想曲 (大栗 裕)

課題曲Ⅱは、軽快な演奏でした。
でも、私の好みはもっと重々しく格調高い方が好みかな?
自由曲の「大阪俗謡―」は辻井先生の指揮ということで期待して聴きました。
大人の演奏で、土俗的な感じがこの曲の魅力を増幅させていてゾクゾクしました。
その中でも打楽器の皆さんが醸し出す(素人の私にも心地よい)、ハギレ良い演奏に魅了されました。
演奏の評価以前にこの団体の独特の世界にブラヴォーです!
[銀賞]

12.四国代表 香川県 高松市民吹奏楽団  (指揮)金川公久
    [課]Ⅱ [自] ディオニソスの祭 (F.シュミット/鈴木英史)

課題曲の中間部、木管の音程が気になりました。
あと、Ⅱの独特のリズムが生かされてないような気がしたのは私だけでしょうか?
自由曲は、ディオニソスですか。
この曲も名曲ですよね。
出だしの低音部金管楽器、もっと迫力が欲しかった。
バリトンのソロは、とてもキレイですね。
とんでもなく、美しいメロディを奏でる演奏があるかと思えば、突然、雑味があったり、音程が不安定な音が聴こえてきたりする…。
もしかして、個々の技量に差があるように感じたのですが…。
[銅賞]

13.関西代表 滋賀県 大津シフォニックバンド  (指揮)森島洋一
    [課]Ⅳ [自] 響瀬の鹿 (酒井 格)

いいですねぇ、課題曲Ⅳ。
軽やかで素敵です。
自由曲も曲にあった解釈で、特にメロディラインを歌いこみ、丁寧な演奏は「金賞」という審査員の評価に納得でした。
[金賞]

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ここまでで、前半終了。
思うに、審査員の評価もサプライズ的なものはなく、順当だと思いました。
個人的には成績に関係なく、尼崎市吹奏楽団の大阪俗謡による幻想曲が興味深かった。

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《職場・一般の部(後半)》

1.西関東代表 埼玉県 川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団  (指揮)福本信太郎
    [課]Ⅴ [自] パッサカリアとトッカータ (福島弘和)

後半の一番目はご存知、アンサンブルリベルテです。
まあ、この団体に関してはコンクールという事を抜きにして演奏を楽しませて頂きました。
来年も意欲的な曲で素晴らしい演奏を楽しませて下さい。
それ以上、私のような人間が申し上げることはありません。
それにしても、来年度から吹奏楽連盟の規定が「同一部門において指揮することが出来るのは1団体とする。」と変わりますが、福本先生はどの団体を指揮してコンクールに出場するのでしょう……?
[金賞]

2.北海道代表 北海道 ウィンドアンサンブル ドゥ・ノール  (指揮)仲田 守
    [課]Ⅴ [自] よみがえる大地への前奏曲 (鹿野草平)

課題曲Ⅴは難しいとは思いますが、少し曲のメロディラインの流れに違和感を覚えました。
自由曲は吹奏楽らしいとてもいい曲だと思いました。
そして、その曲にあった明るいサウンドが会場に満ち溢れました。
とてもリラックスして演奏を聴くことができ、豊かな気持ちになりました。
ただ、曲の終りの方でffが、くどく聴こえたのが残念でした。
[銀賞]

3.東関東代表 神奈川県 相模原市民吹奏楽団  (指揮)福本信太郎
    [課]Ⅳ [自] 交響的詩曲「地獄変」 (福島弘和)

アンサンブルリベルテと同じ福本先生の指揮です。
課題曲は軽快で恐ろしく上品なマーチでしたが、出だしのところで指揮と演奏者の間に「スキマ」というかズレができたように思えたのですが…。
素人の感違いでしょうか?
自由曲に関しては、同じ福本信太郎先生の指揮だから、申し上げますが、リベルテの個人技とは違い、団員各々のサウンドが混ざり合った時の輝きに魅力をすごく感じます。
日本情緒豊かな演奏にブラヴォーです。
一段と完成度の増した文句ないパフォーマンスでした。
[金賞]

4.中国代表 広島県 NTT西日本中国吹奏楽クラブ  (指揮)金田康孝
    [課]Ⅱ [自] 華麗なる舞曲 (C.T.スミス)

課題曲のクラリネットが奏でるメロディ、とても素敵です。
全体的なサウンドもソフトでとても心地よい。
私の大好きな系統の音質ですね。
自由曲は「華麗なる舞曲」ですか。
この曲は、どんなステージでも盛り上がりますよね。
冒頭の金管のファンファーレ風のくだり、もっと華やかな方が好きだなあ。
また、曲を通して少し躍動感に欠ける感じがしました。
サウンドと曲が合ってないのでしょうか?
選曲を考えれば相当の実力を発揮出来るのにと思った次第。
[銀賞]

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5.四国代表 高知県 鏡野吹奏楽団  (指揮)弘田靖明
    [課]Ⅲ [自] バレエ音楽「ガイーヌ」より (A.ハチャトゥリアン/W.ヴァンデルビーク)

課題曲はアンサンブルに歯切れの悪いものを感じました。
音のボリュームも有り過ぎかもしれません。
自由曲の「ガイーヌ」は、良い意味でも悪い意味でも無難な演奏だと思いました。
ロシア音楽特有の泥臭さがあれば、躍動感が出たのでは?
[銅賞]

6.東関東代表 茨城県 古河シティウインドオーケストラ  (指揮)福田昌範
    [課]Ⅳ [自] セルゲイ・モンタージュ (鈴木英史)

課題曲では、音がステージからホールの奥までスーッと通っている感じがして素晴らしかった(特に金管楽器)。
ハツラツとした明るいサウンドで、この課題曲にマッチしています。
自由曲に入ると雰囲気がガラッと変わったように感じられました。
主旋律に入る時のアインザッツが見事に揃っていて美しい。
よくまとまっていて何を主張したいか私にもわかるようでした。
あとは、個性あるサウンドを作り上げれば申し分ないと思います。
[銀賞]

7.北陸代表 福井県 福井ブラスアカデミー  (指揮)奥野 一
    [課]Ⅱ [自] 復興 (保科 洋)

全国大会に出場するくらいの実力をもったバンドですから、レベルは高いのですが、この課題曲Ⅱは素人の私が考える理想形とは少し違っているように思いました。
金管楽器が元気良すぎるし、バスドラムが無造作に感じたりして…。
「復興」は今年、コンクールやコンサートで数多く聴きましたなあ。
でも、やはりその中でも基準だと思っているのは、横浜みなとみらいホールで聴いた神奈川大学の演奏です。(神奈川大学は「3出」で今年はコンクールに出ていません。)
理由は神奈川大学のハイレベルな演奏もさることながら、作曲者の保科先生が指揮されたからです。
やはり、作曲者の曲に対する思いや意図は究極なところでは本人の指揮に頼るしかない。
そして、そのパフォーマンスが最高の演奏に繋がるのではないか。
(そういう風に考える路傍のオヤジは間違っているでしょうか?)
冒頭のクラリネットのユニゾン。
それが「全て」とは言いませんし、言えません。
しかし、もっとデリケートに入って欲しかった…。
[銅賞]

8.東京代表 東京都 デアクライス・ブラスオルケスター  (指揮)佐川聖二
    [課]Ⅲ [自] バイバイ・ヴァイオレット (井澗昌樹)

佐川聖二先生の登場です。
デアクライス・ブラスオルケスターは2009年創団の新しい団体のようですが、しっかりとした演奏で圧倒されました。
特に自由曲の金管の奏でるffのキレイなこと。
少し、荒削りなところも感じましたが若々しい音色は特筆すべきものがあります。
今後の更なる発展に期待したいですね。
[金賞]

9.北海道代表 北海道 北見交響吹奏楽団  (指揮)村本寛太郎
    [課]Ⅲ [自] 交響詩「ローマの祭」より  (O.レスピーギ/佐藤正人)

金管のサウンドがまるで、イギリスのブラスバンドのような柔らかいサウンドでした。
課題曲の中間部などはその特徴が生かされていたと思います。
(トロンボーンのハーモニーがとてもキレイでした。)
そのサウンドにより自由曲も聴きやすかった。
しかし、「ローマの祭」ですので華麗さや躍動感も必要です。
そこが少し足りなかったのでは。
あと、曲を聴きづらいカットでした。
[銅賞]

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10.東海代表 静岡県 浜松交響吹奏楽団  (指揮)浅田 享
    [課]Ⅰ [自] 交響曲第2番「キリストの受難」 (F.フェラン)

本日、久々の課題曲Ⅰです。
テンポ揺らしすぎのような気がするのは私だけでしょうか?
だから、少しだけ、クサく聴こえてしまう。
あと、トロンボーンのソロ、演奏はともかくとして、立って演奏したのは何故なのでしょう?
違和感を感じました。
自由曲は堂々たる演奏で、雰囲気を作っていましたが、時折、オーバーヒート気味に感じました…。
[銀賞]

11.九州代表 福岡県 ブリヂストン吹奏楽団久留米  (指揮)塩谷晋平
    [課]Ⅳ [自] オラトリオ「イワン雷帝」より (S.プロコフィエフ/榛葉光治)

指揮は、80年代から90年代にかけて、あの関東一高で一時代築かれた塩谷先生ですね。                                         今まで、県大会、支部大会と色々な団体の課題曲Ⅳを聴いてきましたが、物理的音量も迫力も圧倒的1位の演奏でした。
正直言って大変、驚きました。
自由曲に入ると、それに輪をかけたパワーでした。
私は、2階の一番奥の席にいたんですが、ステージ近くの観客はたまらんだろうなと余計な心配をしてしまうほどに迫力を感じました。
こんな団体に連続で演奏されたら疲れきってしまう…。
そんなことばかり考えてました、途中までは…。
しかし、しかしですよ、徐々にステージが“ブリヂストンワールド”になっていったんです。
驚愕以外の何ものでもない。
コンクールというより、オペラやミュージカルでも見ているかのような数分間でした…。
もし、今大会に「インパクト賞」があったとしたら、この団体がダントツで受賞したことでしょう!
[金賞]

12.東北代表 秋田県 大曲吹奏楽団  (指揮)小塚 類
    [課]Ⅳ [自] 交響詩「ローマの祭」より Ⅰ.チルチェンセス Ⅳ.主顕祭 (O.レスピーギ/木村吉宏)

前の団体のパワーに圧倒されていた耳には心地よい課題曲Ⅳでした。
コンパクトにまとまったお手本のような演奏。
ただ、「パワー」を脳に埋め込まれた私には線が細く感じてしまった部分があったのも事実です。
出演順番が悪かったですねぇ。
自由曲に入ると「祭」の華麗さも垣間見えてきて楽しく聴かせて頂きました。
しかし、途中から前の団体に影響されたのか、かなりキバッテましたな。
演奏にセンスの良さを感じました。
蛇足ながら、元トロンボーン奏者として申し上げますと自由曲のトロンボーンソロは今年のコンクールで聴いた中で一番ステキでした。(もちろん、「ローマの祭」での。)
[銀賞]

13.関西代表 大阪府 箕面市青少年吹奏楽団  (指揮)竹本裕一
    [課]Ⅳ [自] 復興 (保科 洋)

青少年吹奏楽団とはお堅い名前ですね。
しかし、演奏の方は名前と裏腹にしっかりと完成度の高いものでした。
課題曲は少しボリューム過多のように思いましたが、若々しい躍動感にあふれたマーチでした。
自由曲は冒頭のクラリネットのユニゾンは繊細な演奏で、「復興」という曲の本質をよくとらえているように思いました。
本年が全国大会初出場のようですが、今後が楽しみな団体ですね。
[銀賞]

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前後半、合わせて26団体、すべて聴かせて頂きました。
正直言うといささか疲れました。
しかし、楽しかった。

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去年、コンクールでは「高校の部」を追いかけました。
「高校の部」がイチバン面白いと思っていたからです。
しかし、今年、「職場一般」を追いかけてみて気付いた事があります。
確かに高校生の皆さんの一生懸命のパフォーマンスは素晴らしいです。
しかし、正直言うと心底、感動する演奏は全国大会でもなかった。
でも、職場一般ではあったのです!

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今年は「職場一般の部」では「3出(さんしゅつ。3年連続全国大会に出場すると4年目は出場できないという大会規定)」団体が数多くありました。
(しかも、金賞常連団体が多いです。)
だから、レベルが下がるのかと思いましたが、その思いは杞憂に終わりました。
来年の職場一般の部は福岡サンパレスで行われるようです。
私の出身地、九州ですよ。
遠くて行くのには金がかかりますが行きたいなあ。
いや、行きますよ!

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追伸
毎度、申し上げておりますが、このブログに書かせて頂いたことは、素人の戯言ですので、関係者の皆様、どうかご容赦下さい。
また、全国大会が終わってから身体の調子がすぐれなかったり、仕事場でゴタゴタがあったりして10日以上経ちご報告することになってしまったことを深くお詫びします。