浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

吹奏楽の祭典Ⅱ 4つの吹奏楽団が集結するコンサート 洗足学園音楽大学

2014-07-31 02:25:43 | 吹奏楽

2014年(平成26年)7月21日、月曜日、祝日(海の日)。
私は、ほぼ3週間振りに川崎市高津区にある武蔵溝ノ口の駅に降り立ちました。(今回、私はJRを使いましたので、この駅でしたが、渋谷から東急田園都市線を利用すると「溝の口駅」利用となります。)
ここから徒歩で、洗足学園音楽大学へ向かいます。
6月の終わりに「ブリティッシュブラス」と言う英国式ブラスバンドの素晴らしい演奏会に寄せて頂きました。
その時にこの日の演奏会があるのを知り、早速、拝見させて頂きに来た次第です。

P7210014

何でも、洗足学園音楽大学には、4つの吹奏楽団があるとのこと。
「フレッシュマン・ウィンド・アンサンブル」…1年生で構成。
「グリーン・タイ ウィンド・アンサンブル」…有志で構成。(吹奏楽オリジナル曲を中心に演奏)
「ブルー・タイ ウィンド・アンサンブル」…2~4年生で構成。
「ホワイト・タイ ウィンド・アンサンブル」…特別選抜学生で構成。
簡略化して書くと上記のような事になるみたいです。(ただ、「グリーン・タイ」の皆さんに関して、プログラムの説明だけでは、わかりにくい団体だなと少し思っちゃいましたけど…。)

P7210016

いずれにせよ、日頃は独自の活動している4つの団体が一堂に会するお祭りの日です。
だから、「吹奏楽の祭典Ⅱ」なんですね。
ちなみに何故、「Ⅱ」なのだろうと思っていたら、前日に洗足学園の教職員によるスペシャル吹奏楽団が演奏したらしいのです。
それが、「吹奏楽の祭典Ⅰ」で、この日が「Ⅱ」という次第です。

P7210017

それと、もうひとつの話題は、ゲスト指揮者の存在です。
全国の有名高校吹奏楽部を指導されている先生方を迎えての演奏会となりました。
精華女子高校の藤重佳久先生、埼玉栄高校の大滝実先生、幕張総合高校の佐藤博先生といった著名な方々と音大生とのコラボは、どんな“化学変化”を起こしてくれるのでしょう。
非常に楽しみです。

P7210019

各団体のプログラムは以下の通りです。
さあ、日本で最初に建てられた“シューボックス型”の前田ホールで1114席に座る観客の皆さんに、どんなパフォーマンスを見せてくれるのでしょう…。
ちなみにコンサートの司会は、「ホワイト・タイ」の企画運営責任者、池上政人洗足学園音楽大学教授です。

Dsc_0213

◆ フレッシュマン・ウィンド・アンサンブル
[指揮]藤重 佳久(精華女子高等学校吹奏楽部顧問)

  J.P.スーザ/美中の美
  John Philip Sousa(1854-1932)/The Fairest of the Fair
  A.リード/序曲「春の猟犬」
  Alfred Reed(1921-2005)/The Hounds of Spring

P7210018

◆ グリーン・タイ ウィンド・アンサンブル
[指揮]大滝 実(西関東吹奏楽連盟理事長、埼玉栄高等学校講師、岩倉高等学校吹奏楽部特別顧問)

  S.ラフマニノフ(伊藤 康英 編曲)/交響的舞曲 作品45aより 第1楽章
  Sergei Rachmaninoff(1873-1943):arr.ITO Yasuhide/1st movement from “Symphonic Dances”op.45a

Dsc_0214

◆ ブルー・タイ ウィンド・アンサンブル
[指揮]佐藤 博(千葉県立幕張総合高等学校吹奏楽部顧問)

  D.R.ホルジンガー/春になって王達が戦いに出るに及んで…
  David R. Holsinger(b.1945)/In the Spring,at the Time When Kings Go Off to War

P7210022

【休憩】

Dsc_0215

◆ ホワイト・タイ ウィンド・アンサンブル
[指揮]汐澤 安彦(東京音楽大学名誉教授)

  A.I.ハチャトゥリアン(稲垣 卓三 編曲)/バレエ組曲「ガイーヌ」より
  Aram Il’ich Khachaturyan (1903-78):arr.Takuzo Inagaki/Ballet Suite “Gayaneh”

      Ⅰ.剣の舞   Sabre Dance
     Ⅱ.子守唄   Lullaby
     Ⅴ.レスギンカ   Lezghinka

P7210021

◆ 合同演奏
[指揮]増井 信貴(洗足学園音楽大学客員教授・京都市芸術大学教授)

  A.リード/アルメニアン・ダンス パートⅠ
  Alfred Reed/Armenian Dances Part 1

       Ⅰ.杏の木   The Apricot Tree
      Ⅱ.ヤマウズラの歌   The Partridge’s Song
      Ⅲ.おーい、僕のナザン   Hoy, My Nazan
      Ⅳ.アラギャズ山   Alagyaz
      Ⅴ.行け、行け   Go, Go

Dsc_0218

最初は、「フレッシュマン」の方々の演奏。
指揮は、精華女子高の藤重先生です。
精華女子高は最近、派手な活動してますね。(CDデビューしたり…)
でも、本音で言うとあまり好きなサウンドではないんです…。(個人の好みの問題です。)
最初の曲は、スーザの「美中の美」。
この曲、個人的に思い出があるんですよね。
忘れもしない、ん十年前、中学一年の私は、この曲がうまく吹けなかった。
確かに中学校に入ったばかりで譜面も早く読めなかったし、技術もありませんでしたので、簡単に吹けるはずはなかったのですが、それが以上に悔しくて、必死で練習したのを覚えています。
脱線は、これくらいにして、この日の演奏の話題に移りましょう。
「美中の美」を聴いて思ったこと。
1年生とは言え、さすが音大生です。
マーチをあんなに軽やかに演奏するテクニックは素晴らしい。
ただ、少し元気良すぎたかも。
サウンド的には硬質な音に聴こえた。
だから、音が大きなフレーズの方がより良く、聴こえたような気がしました。
全体的に金管楽器が他の楽器をリードしているように感じた次第…。
次は、「春の猟犬」。
一昔前は、さかんにどのバンドも演奏していましたよね。
この曲、「フレッシュマン」の皆さんのサウンドにすごく合っていて、とっても良い演奏だと思いました。
ただ、ほんの僅かに金管楽器が頑張り過ぎて、木管楽器のメロディを聴きづらくしてしまうところが、あったような…。
それにしても、このバンドの金管楽器は音色が華やかで私好みでした。
全体的に藤重先生が棒を振っていたせいか、精華女子高系統のサウンドに似ていたような気がしました。
多分、“先入観”だと思いますが…。
演奏が終わったあと、司会の池上先生によるインタビューがありました。
「高校生の指導で心がけている事はなんですか?」という質問に「生徒をやる気にさせること」「吹奏楽を楽しんで立派な社会人になってほしい」とおっしゃっておられました。
やっぱり、音楽を使っての人間教育が大切なんだなとあらためて実感しました。

Dsc_0217

続いて、「グリーン・タイ」の皆さんです。
指揮は、大滝実先生に代わります。
大滝先生と言えば、全国屈指の吹奏楽強豪校、埼玉栄高校を長年指導され、一時代を築きあげられた方です。
昨年から、吹奏楽コンクールでの指揮を同じく同校顧問である奥章先生にまかされ、また新たに岩倉高校の特別顧問に就任されたとのこと。
その上、西関東吹奏楽連盟の理事長という要職にもお付きになり、ますます、ご多忙の事と思います。
その大滝先生が音大の学生を相手に指揮をして頂けるなんて嬉しい限りです。
曲は、ラフマニノフ「交響的舞曲」。
これは、最近、春日部共栄高校の演奏会で聴かせて頂きましたね。
しかも、大滝先生の指揮で。(大滝先生は、春日部共栄高校の定期演奏会にゲスト指揮者として、お見えになっておられました。)
ただ、今回の編曲は、伊藤康英先生がされています。
共栄の時の宍倉晃先生のアレンジとどう違うのでしょうか?(といっても、細部まで覚えてないので、よく、わからないと思いますが。)
演奏が始まりました。
木管の音がよく出ていますね。(特にクラリネット。)
前のバンドと比べて全体的な音のバランスが良くなったように感じました。
とても心地よい流れです。
ただ、もう少し、個人的な好みとして、メロディをクサく演奏して欲しかった気がします。(あくまでも、個人的好みです。)
大滝先生にもインタビューがありました。
「吹奏楽指導に気を付けているところは?」の質問に「以下にキレイな“p”を出すか。」
「目指す吹奏楽は?」に「部活動で立派な人間を作ること。その上で吹奏楽は、特に優れた手段である。」
藤重先生と同じく、何事も人材育成なのだと実感した次第。

Dsc_0221

3団体目は、「ブルー・タイ」の演奏です。
指揮は、昨年の全国大会高校の部で素晴らしい演奏をして頂いた千葉県立幕張総合高等学校シンフォニックオーケストラ部顧問、佐藤博先生の登場です。
佐藤先生は、千葉県の光ウィンドオーケストラの音楽監督もされてますよね。
余談ですが、光ウィンドオーケストラと言えば昨年の全国大会でも素晴らしい演奏(「ガリレオの月」銀賞)を聴かせて頂きましたが、私は、それよりも一昨年の東関東大会、同点で最後は審査員の投票で敗れ去り、全国大会を逃してしまった「紺碧の波濤」の演奏の方が印象に残っています。
私は、光ウィンドの方が、もうひとつの団体より、優れた演奏だと思ったのですが…。
何の接点もない団体の事でしたが非常に残念でした。
…、“脱線”から修正します。
「ブルー・タイ」と佐藤先生との“共演”の曲は、ホルジンガーの曲です。
これは、難しそうな曲です。
めまぐるしく変わるリズムが面白い。
スキャット(人の声)を使った多彩な演奏です。
難解なリズムも、もともとのアンサンブルがしっかりしているせいか、非常にシャープに聴こえます。
私の好みの曲でしたし、とても楽しく聴かせて頂きました。
佐藤先生のインタビューでも吹奏楽指導においては、「人を育てる」、即ち人材育成の事を強調されておりました。
やはり、吹奏楽がうまくなるには、人間として、しっかりとした意識を持たなければならないのだなと思いました…。

P7210022_2

前半が終わりました。
各グループ、それぞれに個性があるサウンド、楽曲で楽しませて頂きました。
と、ここで、ふと、気付いたんですが、グループ名の最後に付く「― タイ」の“タイ”って何だろうと思っておりましたら、おそらく「ネクタイ」の事なんですね。
だって、それぞれの団体が演奏する時、名前に付いている色のネクタイを着用していましたもの。(今頃、気付くなんてマヌケですね…。)

Dsc_0222

さあ、後半の最初は、「ホワイト・タイ」の皆さんです。
演奏して下さるのは、ハチャトゥリアンの「ガイーヌ」。
指揮は、東京音大名誉教授で吹奏楽の指揮者としても著名な汐澤安彦先生に代わります。(プログラムのプロフィールの欄を見ていて気付いたのですが、汐澤先生は、長い間、東京音楽大学シンフォニックウインドアンサンブルの指揮をされていたようですね。この日のちょうど、一週間前に同楽団の演奏会に行かせて頂いたばかりなので、感慨深い想いがあります。)
さあ、「ホワイト・タイ」の皆さんが舞台に登場して来ました…。
弦バスが6人いますね。
なかなか壮観な風景です。
やっぱり、オケの曲は低音部がしっかりしてないと演奏が不安定になりがちですので、これだけ弦バスがいると安心できます。
物語性のある表題音楽なので、やっぱり演奏には“表現力”がモノを言います。
期待を裏切らず、「ホワイト・タイ」の皆さんは、この“表現力”で見事な演奏を聴かせてくれました。
透明感のあるパフォーマンスだったと思います。

P7210023

最後のステージは、合同演奏となります。
指揮は、洗足学園音楽大学の客員教授でもあり、京都市芸術大学教授の増井信貴先生です。
曲は、リードの「アルメニアン・ダンス パートⅠ」。
吹奏楽ファンなら誰でも知ってる名曲です。
そして、最後の曲に相応しい華やかな演奏でした!
このところ、この曲を聴く機会が複数回ありましたが、この日の演奏も、あらためて、この曲の良さを認識させてくれました。
とても楽しかった…。

Dsc_0224

アンコールに応えた曲は、以下のとおりです。

Dsc_0223

こうして、演奏会は終わりました。
また、東京藝大から、始まった7月の音大吹奏楽団シリーズ(実際には、こういうシリーズはありません。私が勝手に名付けただけです。)は終わりました。
私にとって、とても有意義な時間を過ごせました。
各音大の皆さんには、お礼を言いたいくらいですよ。

Dsc_0225

さあ、8月は、いよいよ吹奏楽コンクールのシーズンに入ります。
私もなるべく、聴かせて頂きたいと思います。
楽しみです!

P7210015

このところ、“遅筆”が続きました。
来月は、このようなことがないよう出来るだけ、努力いたします…。
誓う、浦和のオヤジでした。


東京音楽大学 シンフォニック ウインド アンサンブル 第45回定期演奏会

2014-07-28 03:29:15 | 吹奏楽

毎年7月、東京音大の“シンフォニック ウインド アンサンブル”のコンサートに伺わせて頂くようになってから、今年で“3度目の夏”となりました。(時の経つのは早いものです。)
音楽大学の吹奏楽団は、それぞれに個性があり、また、高い技術力を持っていますので、聴きごたえがあります。
アマチュアとは違う表現力で聴かせて頂くのを非常に楽しみにしております…。

P7140005

特に今回の演奏会は、個人的に楽しみにしていることがあります。
それは、スミスの「華麗なる舞曲」が演奏されると言う事です。
この曲は、吹奏楽をかじったことのある方はご存知だと思うのですが、難曲中の難曲でもあり、と同時に演奏すれば、もっとも観客を虜に出来る曲です。(まるで、ジェットコースターに乗ってるような感じがしますよね。)
実力のあるバンドに演奏して頂けるのは、この上ない幸せですよ。

Dsc_0204

指揮は、東京音大の津堅直弘教授です。
今でも、私には、NHK交響楽団のトランペット奏者という印象が強いですね。
それと、東京音大の演奏会に伺わせて頂くようになってから、知ったのですが、マルセル・ケンツビッチのペンネームで多くの楽曲を作曲されているんですね。

P7140003

2014年(平成26年)7月14日、月曜日、16:30開演。
場所は、東京・池袋の東京芸術劇場コンサートホールです。
このホール、今年に入って8回目の訪問になるんですねぇ。
我ながら、よく来ていると思います…。

P7140001

こんな、くだらない事を考えていましたら、開演が近づいて来たようです。
団員の皆さんが次々とステージに入って来ます。
ずいぶん、人数が多いですね。
少なくとも。百数十人はいるでしょうか?
壮観です。

さあ、演奏会を楽しみましょう!

Dsc_0200

[演奏]東京音楽大学シンフォニック ウインド アンサンブル
[指揮]津堅 直弘
[ユーフォニアム]外囿 祥一郎

G.ホルスト/吹奏楽のための第1組曲
G.Holst/First Suite for Military Band in E frat major Op.28 No.1
        1.シャコンヌ Chaconne
        2.インテルメッツオ Intermezzo
        3.マーチ March

C.T.スミス/華麗なる舞曲
C.T.Smith/Danse Folâtre

M.ケンツビッチ/レジェンド
M.Kentsubitsch/“Legend”:Euphonium and Wind Ensemble for Shoichiro Hokazono

Dsc_0201

【休憩】

Dsc_0202

2014年度全日本吹奏楽コンクール課題曲
   Ⅰ.中西 英介/最果ての城のゼビア
        Eisuke Nakanishi/The Farthest Castle
   Ⅱ.高橋 宏樹/行進曲「勇気のトビラ」
      Hiroki Takahashi/Courageous Entry
   Ⅲ.合田 佳代子/「斎太郎節」の主題による幻想
      Kayoko Goda/Saitara Bushi Fantasy
   Ⅳ.小林 武夫/コンサートマーチ「青葉の街で」
        Takeo Kobayashi/Concert March“At the Verdurous Town”
   Ⅴ.谷地村 博人/きみは林檎の樹を植える
        Hiroto Yachimura/Even till the end, sew new appleseed

O.レスピーギ(荻原 明 編曲)/交響詩「ローマの祭」
O.Respighi(arr. by A.Ogiwara)/Feste Romane
      1.チルチェンセス  Circenses
      2.50年祭  Il Giubileo
      3.10月祭  L'Ottobrate
      4.主顕祭  La Befana

Dsc_0203

最初の曲は、名曲ホルストの第1組曲。
さすが音大の皆さんだけあって、キッチリとした演奏でした。
でも、本音で言うならば、少人数での演奏を聴きたかった…。
そうじゃないと、この曲の持つ素朴さが失われてしまうような気が…。

P7140002

次は、楽しみにしていた「華麗なる舞曲」です。
最初の一音目が発せられるのを固唾を呑んで待ちます。
始まりました!
何たるスピード感!
この曲の持つ魅力を引き出してくれる演奏です!
少し、金管楽器と木管楽器のバランスが悪くなった瞬間もありましたが、そのド迫力に大満足でした。(人数の多さが前の曲とは違い、“功を奏した”と思います。)
ブラヴォーです!
それにしても、この曲は、本当に盛り上がります。
吹奏楽のオリジナル曲ではイチバンではないでしょうか?!

P7140006

「華麗なる舞曲」の興奮も収まらない私でしたが、次の曲に移ります。
津堅先生の作品(もちろん、マルセル・ケンツビッチの作です!)、「レジェンド」です。
この曲は、この日のユーフォニアムソリストで東京音大の客員教授でもある外囿祥一郎氏のために1998年に作曲されたそうです。
津堅先生の故郷、沖縄の“ド・ミ・ファ・ソ・シ・ド”と言う琉球音階を使ったメロディは、大変美しかった。
もちろん、外囿先生の超絶技巧は素晴らしく、音色も温かくて、心に染みました…。
(外囿先生は演奏後、観客の拍手に応えてアンコール曲を演奏されました。)

P7140008

前半が終わりました。
それにしても「華麗なる舞曲」は素晴らしかった。
“キカセテヤルゾ”という気迫に満ちた演奏でした。
この演奏を聴いただけでも、この日の演奏会に来た甲斐があったというものです。
ただ、やはり、人数がネックになる曲があったのが残念だった。(後半の曲にも、同じ印象を持ちました。特に課題曲が。)

P7140004

後半が始まりました。
まずは、今年の吹奏楽コンクール課題曲5曲です。
最初に申し上げておきますが、課題曲Ⅲの合田佳代子氏を除く、残り4人の作曲者が会場にお見えになっており、観客へ挨拶をして下さいました。
(去年もたくさんの課題曲作曲者がお見えになっておられましたね。)

P7140009

まずは課題曲Ⅰです。
少し、演奏に任意のテンポがあるように感じました。
津堅先生が独特の“解釈”をされたのでしょうか?
しかし、それがために今まで聴いた課題曲Ⅰとは違う世界を作っていました。(より、音楽性が高まったように感じました…。)

P7140011

課題曲Ⅱ。
大好きな曲なんですが、やっぱり演奏人数がネックかなぁ。
諧謔味のあるメロディラインとか、ポップなリズムとかが、100人を超える演奏者では大味な演奏になってしまったような…。(個人的意見です。)
少し、重い感じがしました…。

P7140007

課題曲Ⅲ。
去年の課題曲Ⅲ、故岩井直溥先生の“復興への序曲「夢の明日へ」”はポップス曲という特性から課題曲として演奏する団体は少ないだろうなと思っておりました。
しかし、蓋を開けてみると課題曲5曲の中でトップを争うような人気ぶり。
そして、今年の課題曲Ⅲも個人的に同じような“匂い”を感じています。
ただ、最初は、そう思いませんでした。
だって、「斎太郎節」は、コテコテの民謡ですし、私のようなオヤジは、メロディを聴くと静岡・伊東の温泉旅館ハトヤの大漁苑のCMの替え歌を思い出してしまうし…。
でも、聴き込んでみると曲が見事なんですよねぇ。
各団体の個別のサウンドを表現しやすいし、何よりも意識に入って来るんです。
何回も聴くと無意識に鼻歌で口ずさんだりしている…(笑)。
そんな曲を東京音大は感情豊かにスケールの大きな演奏をしていました。
表現力が光ったパフォーマンスでした。
だから、ある程度の技術があると自負している団体は、現代曲っぽい課題曲を指向していない限り、Ⅲは狙い目じゃないかと思います。(個人的意見です。)

Dsc_0205

課題曲Ⅳ。
今年の課題曲は、個性的な曲が多いと思いますが、その中ではイチバン、オーソドックスな曲に感じます。
だから、演奏しやすいし、聴きやすい。
ファゴットのソロとか多少の特異なところはありますが、コンクールの課題曲としては無難な曲だと思います。
そして、東京音大はそういう意味で最高の演奏をしてくれました。
ただ、人数のせいか、少し音量過多かな。(個人的意見です。)

P7140013

課題曲Ⅴ。
ウーン、私のような素人の吹奏楽ファンには難しい曲です。
でも、この難解な曲を東京音大は、空間の広がりを感じる演奏として、見事に表現してくれました。
楽曲として独特の世界が存在していたような。

P7140010

課題曲5曲が終わりました。
個人的な感想ですが、こういうコンクール前の状況では、見本演奏になってしまいがちだと思います。
ですが、課題曲という枠を超えて、新しい解釈で楽曲を聴かせて頂けたのが嬉しかった。

P7140012

最後の曲は、「ローマの祭」ですね。
“チルチェンセス”、トランペットのバンダの皆さんがカッコよかったです。
良く響きます!
“50年祭”、華やかでした。
“10月祭”は、プログラムの解説にも載っていましたが、通常、マンドリンで奏でられるセレナードの部分をトランペットがテューバのベルの中に音を出し演奏すると言う“テクニック”を使って聴かせてくれたのが、非常に興味深かった。
“主顕祭”は、豪華絢爛ってカンジですかね。
オーケストラに負けない迫力で楽しませて頂きました。

Dsc_0208

アンコール曲は以下の通りです。

Dsc_0207

とても楽しい演奏会でした。
そして、スケールやパワーに圧倒されました。
東京音楽大学シンフォニックウィンドアンサンブルの個性が遺憾なく発揮されていたように思います。
来年も楽しみですね。


武蔵野音楽大学ウィンドアンサンブル演奏会2014(7月)

2014-07-23 21:18:07 | 吹奏楽

2014年(平成26年)7月11日、金曜日。
一昨年、昨年と7月の私個人的な恒例行事、在京3音大(国立音大、武蔵野音大、東京音大)のコンサート観戦?を今年も、やってます!
この日は第2弾、武蔵野音楽大学ウィンドアンサンブルの演奏会にやって参りました。
場所は、今年初めての東京オペラシティコンサートホールです。

P7110758

武蔵野音大のコンサートは、アメリカ人の指揮者で欧米の作曲家の吹奏楽オリジナル曲を演奏する事が多く、とても楽しみにしているコンサートのひとつです。
特にちょうど1年前に東京芸術劇場で行なわれたコンサートは、J.A.ジルーの作曲した“交響曲第4番「ブックマークス・フロム・ジャパン」という素晴らしい曲の世界初演に立ち会う事が出来、感慨深いものとなりました。

Dsc_0189

指揮は、武蔵野音楽大学客員教授のジェームズ・ランブレクト氏です。
全米で輝かしい実績を残されている吹奏楽の指導者のようです。
この日は、敢えて、吹奏楽の世界では超有名曲の“アルメニアン・ダンス パートⅠ”をトリにもってきてますね。
非常に演奏が楽しみです。

P7110763

[演奏]武蔵野音楽大学ウィンドアンサンブル
[指揮]ジェームス・ランブレクト
    James M.Lambrecht

Dsc_0191

◆ M.マルコフスキ/リメンバー・ザ・モリキュール(日本初演)
  Michael Markowski/Remember the Molecules
◆ D.グランサム/舞楽
  Donald Grantham/Court Music
◆ 2014年全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅱ
  All Japan Band Competition 2014“Required Piece”
  高橋 宏樹/行進曲「勇気のトビラ」
  Hiroki Takahashi/Courageous Entry
◆ P.スパーク/ダンス・ムーブメンツ
  Philip Sparke/Dance Movements
                Ritmico
                Molto vivo
                Lento
                Molto ritmico

P7110755

【休憩】

Dsc_0192

◆ J.P.スーザ/エル・カピタン
   John Philip Sousa/El Capitan
◆ 八木澤 教司/「エディソンの光」~メンロパークの魔術師
   Satoshi Yagisawa/The Inventions of Thomas Alva Edison-The Wizard of Menlo Park-
◆ P.A.グレインジャー/コロニアル・ソング
   Percy Aldridge Grainger/Colonial Song
◆ 2014年全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅲ
     All Japan Band Competition 2014“Required Piece”
     合田 佳代子/「斎太郎節」の主題による幻想
      Kayoko Goda/Saitara Bushi Fantasy
◆ A.リード/アルメニアン・ダンス パートⅠ
   Alfred Reed/Armenian Dance PartⅠ

P7110754

最初の曲は、作曲者も楽曲も存じ上げませんでした。
と思っていましたら、日本初演なのだそうです。
作曲者のマルコフスキ氏は、アリゾナ州立大学を2010年に卒業したばかりの若者です。(1986年生まれ28歳。)
しかも、驚いた事に大学の専攻が“映画芸術”で、作曲については、個人的に作曲家の方に習ってらっしゃるとの事。
異色の経歴ですね。
この日、演奏された「リメンバー・ザ・モリキュール」は、アメリカの作家、ノーマン・マクリーンの小説「ア・リヴァー・ランズ・スルー・イット」と、それをもとにした映画を題材に昨年(2013年)、作曲されました。
初めて聴かせて頂きましたが、実にアメリカ的で雰囲気の良い曲でした。
“動き”が強く感じられる演奏は表現力に長けていて、演奏会の口開けの曲として、非常に的確な選曲だと思いました。

P7110759

2曲目は、「舞楽」という曲。(この題名は、東京佼成ウインドオーケストラが「コート・ミュージック[宮廷音楽]」という原題を「舞楽」と訳したそうです。)
アメリカ人である作曲者が「雅楽」に魅せられ、篳篥(ひちりき)、竜笛(りゅうてき)、笙(しょう)といった日本古来の楽器の音色を意識して作った曲のようです。
同時に日本人に大変馴染み深い「さくらさくら」の旋律を使って日本情緒を醸し出します。(ハープとファゴットによる「さくらさくら」の演奏の部分がとても美しかった。)
いわば、外国人から見た雅楽も含めた日本古謡の“印象”と言ったカンジの曲でしょうか?
演奏も曲も素晴らしかったのですが、最後の方で“日本的”な雰囲気がなくなったのが、ある意味、興味深かった。

P7110764

3曲目は、課題曲Ⅱ。
明るくさわやかなマーチを表現してくれました。
中高生の皆さんにもお手本になる演奏でした。

Dsc_0195

前半、最後の曲はスパークです。
「ダンス・ムーブメンツ」は、ワシントン空軍バンドの委嘱で作曲されました。
日本でも、一時期ケッコウ流行りましたね。
御存じの方も多いと思います。
チョット脱線して、コンクールデータベースで調べて見ますと一番最初に吹奏楽コンクール全国大会でこの曲を演奏したのは、何と、かの有名な精華女子高なんですね。
これからも、聴き続けて行きたい名曲です。
武蔵野音大の演奏は、リズム感に長けていて、とても良かった。
特に金管楽器の音色が明るくて、素晴らしい。(特にトランペット。)
多少、メロディラインで微妙なズレを感じた部分もありましたが、躍動感のある演奏に拍手を送りたいと思います。

Dsc_0187_2

前半が終わりました。
こういうシャープな切れ味のある都会的な演奏は大好きです。
サウンドも“吹奏楽”って感じがして、私の耳にはとても心地よい。
素人の私が聴いても、とてもセンス良く感じます。
それに会場である東京オペラシティコンサートホールも大好きです。
気分が高揚せざるを得ません…。

P7110760

後半の最初は、グッとオーソドックスにスーザのマーチです。
「エル・カピタン」。
遠い昔、私も吹いたことありますね。
武蔵野音大の上品な演奏に懐かしさとマーチの素晴らしさを再認識いたしました…。

Dsc_0188

次は、武蔵野音大OBでもある八木澤教司氏の「エディソンの光」。
この曲は愛工大名電高校の委嘱により、作曲されました。
“メンロパークの魔術師”と呼ばれた発明王トーマス・エディソンを描いた楽曲です。(エディソンは、ニュージャージー州メンロパークに研究所を持っていました。)
私も何度か生演奏を聴く機会があった楽曲で、聴くたびに好きになっていく味わい深い雰囲気を持っていますね。(特に途中で出てくるバロック調のようなメロディが好きです。)
華やかな演奏でした。
金管楽器、絶好調でした\(^o^)/
やっぱり、このバンドの金管のサウンドは個人的に好きだなぁ。
なお、作曲者の八木澤先生が会場にお見えになっており、ご挨拶されました。

P7110761

3曲目は、グレインジャーの「コロニアル・ソング」です。
“植民地の歌”と題されたこの曲は、祖国オーストラリアの人々を讃えています。
最初は、1911年にグレインジャーの母親の誕生日プレゼントの歌曲として作曲されました。
その後、1918年に吹奏楽曲に編曲されたようです。
しっとりと素朴に仕上げた演奏は、心が安らぎました。
トランペットのソロ、素晴らしかった!

Dsc_0193

次は、課題曲Ⅲ。
前半2曲目の「舞楽」じゃないけど、この曲の冒頭のロングトーンに「雅楽」的なものを感じる私は、おかしいでしょうか?
アメリカ人の指揮者のせいか、スマートと言うか、ずいぶん、あっさりした演奏に聴こえました…。(私の先入観かもしれませんが…。)

P7110756

トリの曲は、今まで何度、聴いたかわからないくらいメジャーな曲、「アルメニアン・ダンス パートⅠ」です。
本音で言うと、武蔵野音大のトリの曲としては少し物足りなく感じていました。
しかし、演奏を聴いて納得しました。
この聴き慣れた曲がとても優雅に、しかも表情豊かに聴こえたからです。
トリに選んだ訳がわかった気がしました…。

P7110762

アンコール曲は以下の通りです。
(特に課題曲Ⅳは、とても良い演奏だったと思います。)

Dsc_0196

このようにして、盛会のうちに演奏会は終わりました。
それにしても、毎年7月、在京3音大の演奏会は聴きごたえがあります。
それぞれの特性を生かした演奏は聴衆を楽しませてくれる…。
次は、東京芸術劇場で東京音大ですか。
非常に楽しみです。

P7110765

これまた、演奏会から10日以上経ってしまいました…、ゴメンナサイ…。

Dsc_0197


国立音楽大学 第55回ブラスオルケスター定期演奏会

2014-07-16 11:44:43 | 吹奏楽

国立音楽大学ブラスオルケスターの演奏会にやってまいりました!
今年で3回目になるでしょうか?
私は、この団体のテーマである「パリ・ギャルドの伝統をくにたちの響きで」という演奏理念が大好きです。
それは、パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団は、私にとってナンバーワンの吹奏楽団であり、憧れのサウンドであるからです。
だからこそ、毎年、ギャルドの楽長(首席指揮者)であるフランソワ・ブーランジェ氏を迎えての国立音大の演奏会は、非常に楽しみにしているコンサートなのであります。

Dsc_0179

国立音大には、吹奏楽団が2つあって、ひとつが「シンフォニック ウインド アンサンブル」、そして、この日の演奏が「ブラスオルケスター」です。
前者が吹奏楽曲中心の活動を行うのに対して、後者がオーケストラの編曲モノを演奏すると言ったスタイルです。
昨年も「シンフォニック ウインド アンサンブル」の演奏会を聴かせて頂くために国立音大まで行かせて頂きました。
名前が変わっただけで、メンバーもあまり変わってないようなのに、指揮者によって、こんなにサウンドが変化するものだろうかと驚いたのを覚えています。
それだけ演奏者の皆さんの技術が優れているということでしょうか?

P7040752

2014年7月4日、金曜日。
私は、これまで通った回数がイチバン多いと思われるコンサートホール、東京芸術劇場へ向かいました。
何度来ても良いホールだと思いますし、逆にある意味“ホームグラウンド”のようで安心感すら、あるような…。
素人ながらも、客席の位置によって、大まかな“聴こえ方”も、わかって来たような気がします。(あてには、ならないかも知れませんが…。)

P7040749_2

いずれにせよ、あの“甘いサウンド”を今年も聴かせて頂きます。
間もなく開演のようです。

Dsc_0180

[演奏]国立音楽大学ブラスオルケスター
[指揮]フランソワ・ブーランジェ
(パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団第9代楽長)

[クラリネット独奏]武田 忠善(国立音楽大学教授)

Dsc_0182

◆ バレエ音楽《ロメオとジュリエット》作品64(S.プロコフィエフ/arr.Y.E.ゴアス)
    1. 騎士の踊り
    2. 仮面舞踏会
    3. 情景
    4. マドリガル
    5. ティボルトの死

◆ 歌劇「リゴレット」の主題による演奏会用幻想曲(L.バッシ/arr.本田 沙紀)
◆ 生きる喜び(R.ブートリー)

Dsc_0181

=休 憩=

Dsc_0183

◆ 組曲《惑星》作品32より(G.ホルスト/arr.G.スミス)
    4.木星
◆ 交響詩《ローマの松》(O.レスピーギ/arr.F.J.ブラン)
   1.ボルゲーゼ荘の松
   2.カタコンブ付近の松
   3.ジャニコロの松
   4.アッピア街道の松

Dsc_0185

最初の曲は、プロコフィエフですね。
学生時代も好んで聴いた覚えがあります。
演奏が始まりました…。
うーん、今年も、あの“甘いサウンド”は健在です!
この音色は木管楽器が軸になったサウンドなのだと感じます。
そして、透明感がありますね。
特にクラリネットがステキです。
本当にいい音楽を聴かせて頂きました…。
それにしても、弦バスが6人いたのは壮観でした。

P7040742

次はオペラを題材にした曲のようです。
国立音大の武田忠善教授によるクラリネットソロを交えての演奏ですか。
あたり前の話ですが、武田先生のクラリネットが素晴らしかった。
それこそ、イチバンの“甘いサウンド”でした。
武田先生はプロフィールを拝見しますと、フランスに留学されていらっしゃったようですので、そのためか、ギャルドのサウンドに共通するものがあるのだなと思った次第。
全体的にも曲がサウンドに合っていて聴きやすかった。

P7040743

さて、前半、最後の曲は、ブートリーの曲です。
私のようなオヤジの吹奏楽ファンには、パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団と言えば、やはり、ロジェ・ブートリーの名前を思い浮かべます。(ブートリー指揮、ギャルドの“ディオニソスの祭”は若い頃、数え切れないくらい聴いたものです。)
この日の指揮者、ブーランジェ氏(パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団首席指揮者)の前任者ですね。
それに、何と国立音大の吹奏楽団の定期演奏会(1981年、1996年)でも2度、指揮をされたとの事。
調べてみますと作曲家としても、たくさんの曲を残しておられるようです。
この「生きる喜び」も創価学会関西吹奏楽団から1987年に委嘱され、ブートリー自身の指揮で初演されました。
私は、初めて聴かせて頂く曲でしたが、面白い曲だなと思いました。
独特のリズムがあったり、ジャズぽいフレーズがあったりして、聴く方も演奏する方も楽しめる曲だと感じましたね。
楽譜が手に入るのであれば、いろんなバンドで取り上げてほしいです。
ちなみに、この日の演奏会では唯一の吹奏楽曲でした…。

P7040744

休憩中。
やっぱり、この団体のサウンドは好きだなぁと今さらながらに認識しました。
こんなサウンド、個人的に、たまらなく好きなんですよ。
アメリカ的な演奏もカッコいいと思いますけど、やっぱり、“ギャルド”的な音色には負けます。(個人的意見です。)
素人なもので、これを読まれている方に、うまく説明できませんが…。
“論より証拠”、一度、お聴きになってみては…。

P7040745_2

後半、最初は「木星」。
個人的に言うとこの曲、吹奏楽での演奏は、あまり好きじゃないんですよね。
出だしのところが、弦楽器じゃなくて、木管楽器だと間抜けに聴こえるし(個人的意見です。)、メロディラインも壮大さに欠ける演奏になってしまうような気がしてならんのです。
国立音大B.O.の演奏は素晴らしかったのですが、上記の先入観があるためか、物足りなく感じました。(またまた、個人的な意見です。)
これは、演奏者が悪いのではなく、曲の特性のようなものだと思います。(やっぱり、個人的意見です。)

P7040746

さて、最後の曲は、「ローマの松」です。
前日に東京藝大ウィンドオーケストラの素晴らしい「ローマの祭り」を聴きました。
2日続けてレスピーギ。
幸せなことです。(私は、レスピーギが大好きなので。)
おっ、東京藝大と同様、パイプオルガンも参戦(?)しますな。
素晴らしい演奏でした。
ギャルド風のサウンドを保ちながら、弦楽器を意識した、スケールの大きな演奏に感じました。
大いに盛り上がりましたし、トリにふさわしい演奏だと思いました。
ブラヴォーです!
(4曲目“アッピア街道の松”では、バンダに16名の皆さんでファンファーレを吹かれていました。素人なのでよくわからないのですが、よく見るパターンとしてトランペットとトロンボーンがバンダとして演奏することが多いですよね。でも、この日は、コルネット類が8、ユーフォニアムが4、バリトンのような楽器が4という編成でした。遠くからみていたので間違っていたら、ゴメンナサイ。非常に新鮮な光景でしたので、思わず書いてしまいました…。)

P7040747

アンコールは以下の通りです。

P7040753

今年も楽しませて頂きました。
「パリ・ギャルドの伝統をくにたちの響きで」と言う素晴らしい試みをこれからも続けて頂き、素敵なパフォーマンスを見せて下さい。
楽しみにしています。

P7040750

また、12月14日には、国立音大でシンフォニックウインドアンサンブルの演奏会があります。
出来れば、今年も伺いたいと思います。
そして、ブラスオルケスターとの“対比”を楽しみたい。
そう考えてしまった浦和のオヤジでした…。

P7040751

また、演奏会から10日以上経ってしまいました…。
スミマセン…。


東京藝大ウィンドオーケストラ 平成26年度 吹奏楽学内演奏会

2014-07-11 23:11:07 | 吹奏楽

久々に上野駅に降り立ちました。
昨年5月の東京文化会館、都響の定期演奏会以来ですね。
上野駅公園口から、出て横断歩道を渡ると目の前に東京文化会館が見えるはず…、あれ?
見えませんね。
というか白いパネルに覆われてますなぁ。
どうも改装中のようです。

Dsc_0178

2014年(平成26年)7月3日、木曜日。
改装中の東京文化会館を左手に見ながら上野公園の中を北に向かってしばらく歩きますと左手に重要文化財「旧東京音楽学校奏楽堂」が姿を表します。
現在は、改装中のようですが(平成30年まで)、クラシカルな外観を見ていると今まで数多くの音楽家が奏でた演奏の響きが聴こえてくるようです。
明治23年に創建の日本で最初に建てられた本格的西洋式音楽ホールに想いを馳せながら、歩を進めます。
次は現代の「奏楽堂」へ向かいます。

P7030733

上野駅を出て約10分、ようやく東京藝術大学音楽学部に到着。
この中に目指す奏楽堂はあります。
既に入口のところには、開演を待つ人々の列が出来ています。
誘導にしたがって歩いて行きますと、奏楽堂の外観が見えてきました。
当然のことですが、近代的な佇まいです。

P7030735

中に入ります。
ホワイエもきれいで美しい。
客席数1102のホールには、続々と観客がのみ込まれていきます。
この日は、自由席でしたので私も、急いでホール内に入ります。
側面に若干、バルコニー席のようなものがありますが、基本的に一階席のみで舞台から、一番後ろの席までは結構、勾配がありますね。
“響き”はどうでしょう?
楽しみです。

P7030736

開演の10~15分くらい前あたりから、ステージに団員の方々が少しずつ入って来て、おもいおもいに練習を始めました。
その数は、どんどん増えて行きました。
スケールをさらう方、いろんな曲のフレーズを練習する方、様々です。(ホルンの方なんぞは、マーラーの1番の“かっこいい”ところを吹いたりして…。ステキだった…。)
普通は、開演後、楽団員の皆さんがまとまって出てきて、最後にコンサートマスター、指揮者の順に舞台に登場し、演奏会が始まります。
ところが…。

P7030731

舞台上の皆さんは、開演時間となっても、練習をやめる素振りはありません。
と言うか、ますます音量が大きくなっていく。
おやおや、アンサンブルを始めるパートも現れ始めましたよ。
ある意味、“喧騒”の中で、開演のアナウンス。
指揮の山本先生が登場!
でも、練習をやめる方はいません。
舞台袖から、足早に登場された山本先生が飛び乗るようにして指揮台に上がると、そのまま演奏が始まりました。
そう、サプライズ“演出”だったのです…。

P7030737

[演奏]東京藝大ウィンドオーケストラ
[指揮]山本 正治

◆◆◆ プログラム ◆◆◆

夢のような庭/清水 大輔
Welcome to the Imagination World:Daisuke Shimizu

三つのジャポニズム/真島 俊夫
Les Trois Notes du Japon:Toshio Mashima
  ⅰ La danse des grues 「鶴が舞う」
  ⅱ La rivière enneigee  「雪の川」
  ⅲ La fête du feu      「祭り」

― 休 憩 ―

カンタベリー コラール/ヤン・ファン=デル=ロースト
Canterbury Chorale:Jan Van der Roost

交響詩「ローマの祭り」/オットリーノ・レスピーギ arr.森田 一浩
Feste Romane:Ottorino Respighi/arr.Kazuhiro Morita

(マンドリン演奏:十亀 正司)
  Ⅰ.チルチェンセス  Circenses
  Ⅱ.50年祭  Il Giubileo
  Ⅲ.10月祭  L'Ottobrate
  Ⅳ.主顕祭  La Befana

P7030732

こうして、演奏会は始まりました。
指揮は、日本クラリネット協会会長で東京藝大教授の山本正治先生。
プログラムに目を通してみます。
うーん、好きな曲ばかりなのだけれど、目新しい曲はない。
“初演”曲のようなものないし…。
個人的な好みから言うと“意欲的”なプログラムが好きなんだけど…。
と、素人のオヤジが身勝手な意見を思っておりましたが、演奏を聴いてそんな思いは、どこかに吹っ飛んでしまいました…。

P7030734

サプライズで始まった最初の曲は、清水大輔氏の「夢のような庭」。
2008年の「なにわ《オーケストラル》ウィンズ」公演の委嘱作品です。
明るく快活な曲ですね。
それにしても藝大の音は“艶っぽい”。
非常に驚きました。
(会場には、作曲者の清水先生もお見えになっていて、舞台上でご挨拶されました。)
次は、吹奏楽ファンならお馴染みの「三つのジャポニズム」です。
様々な機会にこの著名な曲を聴かせて頂きましたが(私が聴いた中では)、間違いなくトップ3に入る演奏だったと思います。(個人的な意見です。)
今まで、合奏としての表現力の高さを感じた団体は、よくありました。
しかし、藝大の演奏は、それに加えて個人のレベルの高さを実感した次第。(ソロ楽器のメロディの歌い方にはゾクゾクしました…。)

P7030738

あっという間に休憩時間です。
前半の演奏を聴いて東京藝大W.O.の素晴らしさに感激したのと同時に奏楽堂にも驚かされました。
よく響きますねぇ。
いいホールです。
と、ここで突然、舞台の後ろの壁がブラインドのごとく、スルスルと持ちあがっていきました。
そして、その壁の中から姿を現したのは…、パイプオルガンです。
次のステージで使用されるようですね。

Dsc_0174

後半最初の曲は「カンタベリー・コラール」です。
これも、私が大好きな曲であります。
曲目の解説を読みますと、もともとは、ブラスバンドのために作曲されたようですね。
英国国教会「カンタベリー大聖堂」をイメージしただけあって荘厳な曲ですが、今回はめずらしくパイプオルガンも加わって、より一層、格調高い演奏になりました。
非常に感銘を受けました!
早いもので、いよいよトリの曲です。
「ローマの祭り」。
吹奏楽でも、かなりの人気曲です。(“解説”によりますと全日本吹奏楽コンクール第30回大会(1982年)から、昨年の61回大会まで、途切れることなく全国大会で演奏されているとか。)
壮大な第一楽章「チルチェンセス」で曲が始まりました…。
サウンドが厚くて、とても迫力があります。(バンダの金管楽器の皆さんが素晴らしかった。)
特に第3楽章で十亀正司氏の奏でるマンドリンの音色は郷愁を誘う美しかった。(十亀正司氏は、東京交響楽団首席クラリネット奏者で東京藝大クラリネット科非常勤講師もされています。ところで十亀先生と言えば、2011年12月、アンサンブルリベルテ吹奏楽団の定期演奏会でステキなバグパイプの音色を聴かせて頂いたのを思い出します。いろんな楽器を演奏することが出来るのですね。)
さあ、最後はド派手な「主顕祭」です。
この部分は下手なバンドがやると、観客にとっては、ただの“騒音”、演奏者は“スッキリした!”で終わるパターンが多いんですが、この日の演奏は、オーケストラに負けぬ迫力で楽しませて頂きました。
素晴らしかった!ブラヴォーです!

Dsc_0175

アンコールは以下の通りです。
対称的な2曲でしたが、優れた技量で“キカセテ”くれました…。

Dsc_0172

演奏を濃い密度で、堪能させて頂きました。
あの…、非常に個人的な意見なんですけれども…。
音大の吹奏楽団で、ここのバンドがイチバン好きかも知れません………。