浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

大宮吹奏楽団 第26回定期演奏会

2015-02-27 09:57:45 | 吹奏楽

大宮吹奏楽団の演奏を聴くのは初めてではありません。

いつも吹奏楽コンクールの埼玉県大会で拝見させて頂いております。

今回は、定期演奏会に行く機会を得、大変楽しみにしておりました…。

 

2015年2月22日、日曜日。

大宮まで“出陣”です。

会場となるのは、「さいたま市民会館おおみや」の大ホール。

1月25日に行なわれた「さいたま市吹奏楽協会 第8回合同演奏会」以来、約1ヵ月振りの来館ですかね。(今回の演奏会のことも、“その時”知りました…。司会をされていた瀧川伸子さんが一生懸命、“宣伝”されていましたから。ところで瀧川さんて、大宮吹奏楽団のトロンボーンの方だったんですね。)

やっぱり、吹奏楽コンクールと演奏会では、“演奏の質”が変わってくるのが一般的な吹奏楽団にありがちですが、大宮吹奏楽団の皆さんは、どのようなパフォーマンスをみせて頂けるのでしょうか…。

 

開演前に、金管五重奏+打楽器という形でプレコンサートが行われました。(また、休憩時には、ロビーコンサート[サックス、フルート]もありました。)

そして、時間は13:30。

「大宮吹奏楽団 第26回定期演奏会」

コンサートの始まりです。

 

[演奏]大宮吹奏楽団

 

【第1部】

 

サウンド・オブ・ミュージック(メドレー)

アメリカン・パトロール

妖怪ウォッチコレクション

オブラディ・オブラダ

ライオン・キング・メドレー

[指揮]永薗 喜章(常任指揮者)

 

【第2部】

 

ブラス・エスパニョール(金管アンサンブル)

[指揮]戸田 博美(音楽監督)

アンダンテ・カンタービレ(木管アンサンブル・高木登古編曲)

[指揮]高木 登古(音楽アドバイザー)

混成四部合唱「ふるさと」

[指揮]隠塚 富美子

 

【第3部】

 

祝典序曲(D.ショスタコーヴィッチ)

シンフォニックプレリュード(A.リード)

バレエ組曲「ロデオ」より カウボーイの休日(A.コープランド)

[指揮]戸田 博美(音楽監督)

 

まず、第1部は、映画音楽やミュージカル等、誰もが楽しめる曲ばかりです。

会場には、お子様連れの方も多く、皆さん、喜ばれたことと思います。

アメリカン・パトロールの編曲は、天野正道先生。

オブラディ・オブラダの編曲は、真島俊夫先生だとのこと。

この日本吹奏楽界の大巨匠である、お二人の先生の活動の幅の広さに敬服いたします…。

私は、オヤジなのでよくわからないのですが、「妖怪ウォッチ」というのが子供たちに流行っているらしいですね。

「体操」もあるみたいで、大宮吹奏楽団、団員の有志の方が振りをやって下さいました…。

オヤジは世の中の流行について行けません…。

いずれにせよ、第1部は“ホンワカ”とした温かいステージでした。

 

第2部は、“金管アンサンブル”“木管アンサンブル”、そして、何故だか“合唱”という構成です。

金管アンサンブルは、音色が穏やかで聴きやすかった。

もう少し、明るさがあれば、もっと良くなったと思います。

木管アンサンブルは、大宮吹奏楽団の音楽アドバイザーをされている高木登古氏の編曲によるチャイコフスキーの楽曲。

静かで丁寧な演奏でした。

とても良い雰囲気が出ていたと思います。

ただ、メロディラインをもっと強調出来れば、良かったかも。

演奏後、高木先生が少しだけ、お話をして下さいました。

これからも、こういう少人数のアンサンブル形式の楽曲を演奏会で取り上げて行きたい旨の発言をされておられましたが、とても良いことだと思います。

そして、第2部最後は、合唱の曲です。

老若男女、誰でも知っている「ふるさと」(混成四部合唱)です。

指揮・指導は、県内の中学校に勤務(川口市内の中学校の名を司会者が言っていたような気がしたのですが、聞きそびれた…)されている隠塚富美子教諭です。

これが意外なことに(失礼!)、なかなか良かった。

声も良く出ているし、音程もしっかりしていました。

楽器の練習も大変だったろうに“努力のあと”を感じました。

 

最後は、吹奏楽オリジナル曲やアレンジ物のステージです。

私にとって、非常に懐かしい曲ばかりでしたので、非常に楽しめました。

最初はショスタコの「祝典序曲」。

これは、無条件ですこぶる懐かしい!!

私の若かりし頃、吹奏楽をやっている人間だったら、必ず演奏したことがあるはずです。(かく言う、この“浦和のオヤジ”ですら、演奏したことがあるのですから…。)

最初のトランペットのファンファーレ、もっと遠くまで突き抜けると良かったかなぁ。

木管楽器は、しっかりまとまっていて、いいサウンドを聴かせて頂きました。

金管楽器は、低音と高音の楽器に“分離感”を感じました。(サウンドが溶け合ってないというか…)

でもそれは、演奏以前にホールに問題があるのかと感じた次第。(他の曲や第1部、第2部でも同じように感じた“瞬間”があったので。)

少し、乾いた感じに聴こえるのです。

最後は、大いに盛り上がって終わりました。

さすがに歴史ある吹奏楽団だけあって、ポイントをキチンと押さえた演奏は、華やかでした。

 

次は、「シンフォニックプレリュード」。

巨匠、アルフレッド・リードの作品です。

そして、この曲は、1965年、第13回全日本吹奏楽コンクールの大学と一般の部の課題曲です。(全国大会と言っても、この時は、大学7団体、一般は何と4団体という時代ですよ。“コンクールデータベース”に書いてありました。)

いかに“浦和河童”がジジィだとイエドモ、さすがにリアルタイムでは知りません。

リードの曲ですが、私にとってめずらしく、“懐かしくない”曲なんですね…。(同時期に作曲された「音楽祭のプレリュード」と比べると少し、“身近さ”に差異を感じます。)

演奏は、とても雰囲気が出ていてヨカッタ。

特に和音が重厚に聴こえて、曲の格調を高くしていたように思います。

ただ、これもホールのせいか低音部が少し弱く感じたましたが、全体的にまとまりのあるパフォーマンスでした。

さあ、トリの曲は、「ロデオ」。

これも、昔、コンクール自由曲として大流行した曲です。

“ザ・アメリカ”ってカンジの曲ですね。

よく練習してあると感じる演奏で、キレイにまとまっていました。

もう少し、躍動感があれば、もっと“カウボーイ”の雰囲気が感じられた気もしましたが…。

いずれにせよトリの演奏に相応しい“大熱演”でした!

 

大盛況のうちに“本編”は終了。

でも、拍手は続きます…。

会場に来ていたお子さんの“アンコール!”の掛け声と共にアンコールに入ります…。(実に微笑ましい光景でした…。)

すると、演奏したのが、今年の課題曲Ⅱ『マーチ「春の道を歩こう」』です…。

多分、…だと思うのですが…。

間違っていたら、ゴメンナサイ…。(まだ、課題曲の参考演奏をそれほど聴きこんでないので…。)

もし、そうだとしたら、今年初めての“課題曲生演奏”を聴いたことになります…。

2曲目のアンコール曲が始まりました。

その曲をバックに団長の伊藤康博さんが挨拶をされました。

慈愛にあふれる言葉の数々は、いかにこの吹奏楽団を大切に思っているのか、全然、関係のない“浦和のオヤジ”にも、ひしひしと伝わって来ました。

愛にあふれたアットホーム感は、ものすごく心地よい!!

ほぼ地元なんで、また演奏を聴かせて頂きます。

コンクールも期待しています!

 

蛇足ながら、今回もまた、ホールの空調の音が気になりました。

きっと、上の写真のヤツが犯人です!

こいつから、「ゴーッ」っていう音が出ているんですよ、きっと!!


吹奏楽による第3回シンフォニックジャズ&ポップスコンテスト全国大会

2015-02-17 20:47:42 | 吹奏楽

「シンフォニックジャズ&ポップスコンテスト全国大会」を文京シビックホールで開催しているのは以前から知っていました。

大好きな作曲家の一人である真島俊夫先生が中心になってやっておられるのも存じ上げておりました。

ですが…。

やっぱり、“ジャズ”とか“ポップス”というところに若干、抵抗を感じており、この大会に出向くのに多少、躊躇している自分がいたのは事実でした。

でも、今回、この催しに観客として参加させて頂き、この想いは吹き飛んでしまいました…。

 

2015年(平成27年)2月8日、日曜日。

朝、11時の開演ということで、張り切って文京シビックホールへと向かいました。

埼京線で池袋まで、池袋から地下鉄の丸ノ内線に乗り換えて3駅目、目指す東京メトロ後楽園駅に到着。(地下鉄でも南北線や大江戸線だと文京シビックセンターは地下から直接入れるのだけれど、丸ノ内線は、地上に一旦出た方が便利でわかりやすいです。)

午前中にもかかわらず、文京区役所付近は人通りが多いですね。

やっぱり、東京ドームや後楽園遊園地(今は、“東京ドームシティアトラクションズ”って言うらしい…)があるからでしょうか?

ああ、それに日曜日だし。

いずれにせよ、“熱い演奏”を期待!!

 

参加団体は、全部で18団体、そのうち高校が11団体、一般が6団体、職場が1団体という構成になっています。

今回は、その他にゲスト演奏として、「海上自衛隊東京音楽隊」が参加されるようです。

このコンテストに参加するには各地方での予選とかはなく、予め定められた課題曲と自由曲を12分間の枠の中で演奏、その“音源”を審査し、参加団体を決めるようです。

まず、各団体に吹奏楽コンクールと同じように「金賞」「銀賞」「銅賞」が贈られます。(同時に金賞受賞団体は、翌年のコンテストの出場権を得られます。)

そして、金賞受賞団体の中から、

総合グランプリ:1団体

グランプリ:2団体(高校とその他の団体から1団体)

 準グランプリ:2団体(高校とその他の団体から1団体)

という贈賞の内容です。

それに加えて副賞がすごい。

音楽関係の様々な企業から、たくさんの副賞が…。

その他にも個人賞部門もあり、盛りだくさんです。(もちろん、個人賞も立派な副賞がもらえます!)

 

以下は出場団体の皆さんの紹介と演奏曲目です。

 

Music Laboratory ~おとらぼ~[東京・2回目/30名]

  ♪課題曲:アンバー・ドリーム(星出 尚志)《ブレーン》

  ♪自由曲:マンテカ(Dizzy Gillespie / Luciano Pozo:arr. 真島 俊夫)《ブレーン》

 

古川学園高等学校吹奏楽部[宮城・3年連続/35名](指揮)八巻由香子

  ♪課題曲:アンバー・ドリーム(星出 尚志)《ブレーン》

  ♪自由曲:フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン(Bart Howard:arr. 本澤なおゆき)《ロケットミュージック》

 

富士通沼津吹奏楽団[静岡・初出場/37名](指揮)高田利英

  ♪課題曲:アンバー・ドリーム(星出 尚志)《ブレーン》

  ♪自由曲:ルパン三世のテーマ(大野 雄二:arr. 星出 尚志)《ヤマハミュージックメディア》

 

Tokyo StackArt Wind Ensemble[東京・2回目/45名](指揮)豊川真安

  ♪課題曲:アンバー・ドリーム(星出 尚志)《ブレーン》

  ♪自由曲:スペイン(Chick Corea:arr. 角田 健一)《角田健一ビッグバンド事務所》

 

三鷹市吹奏楽団[東京・3年連続/50名](指揮)田中 亮

  ♪課題曲:カリビアン・サンダンス(真島 俊夫)《ブレーン》

  ♪自由曲:オープニング’77(Chick Corea:arr. 真島 俊夫)《未出版》

 

三重県立松阪高等学校吹奏楽部[三重・初出場/45名](指揮)中山明之

  ♪課題曲:カリビアン・サンダンス(真島 俊夫)《ブレーン》

  ♪自由曲:サー・デューク(Stevie Wonder:arr. 天野 正道)《ロケットミュージック》

 

【休憩】

 

原田学園鹿児島情報高等学校吹奏楽部[鹿児島・初出場/47名](指揮)日高雷太

  ♪課題曲:アンバー・ドリーム(星出 尚志)《ブレーン》

  ♪自由曲:パヴァーヌ(Joseph-Maurice Ravel:arr. 真島 俊夫)《ブレーン》

  ♪自由曲:サンバ・エキスプレス(真島 俊夫)《ブレーン》

 

石川県立野々市明倫高等学校吹奏楽部[石川・初出場/50名](指揮)桶川亮一

  ♪課題曲:アンバー・ドリーム(星出 尚志)《ブレーン》

  ♪自由曲:ウエイヴ(Antonio Carlos Jobim:arr. 本澤なおゆき)《ロケットミュージック》

 

神奈川県立小田原総合ビジネス高等学校吹奏楽部[神奈川・初出場/51名](指揮)桐原弘人

  ♪課題曲:聖者の行進(arr. 真島 俊夫)《ブレーン》

  ♪自由曲:サンバ・デ・ラブズユー(数原 晋)《ブレーン》

 

コンフォート・ウインドアンサンブル[福岡・初出場/50名](指揮)吉原 哲

  ♪課題曲:アンバー・ドリーム(星出 尚志)《ブレーン》

  ♪自由曲:テトラ・テトラ(金山 徹)《未出版》

 

やまももシンフォニックバンド[東京・初出場/50名](指揮)甘粕宏和

  ♪課題曲:聖者の行進(arr. 真島 俊夫)《ブレーン》

  ♪自由曲:ポップス描写曲「メインストリートで」(岩井 直溥)《イワイミュージック》

 

東京都立富士森高等学校吹奏楽部[東京・3年連続/68名](指揮)田戸正彦

  ♪課題曲:アンバー・ドリーム(星出 尚志)《ブレーン》

  ♪自由曲:ムーン・リバー(Henry Mancini:arr. 星出 尚志)《ロケットミュージック》

 

近畿大学附属高等学校吹奏楽部[大阪・3年連続/74名](指揮)小谷康夫

  ♪課題曲:アンバー・ドリーム(星出 尚志)《ブレーン》

  ♪自由曲:クラリネットとバンドのための「メモリーズ・オブ・ユー」(Eubie Blake:arr. 真島 俊夫)《ヤマハ教販》

  ♪自由曲:キャラバン(Duke Ellington , Juan Tizol:arr. 真島 俊夫)《ロケットミュージック》

 

作新学院高等学校吹奏楽部[栃木・2年連続/63名](指揮)三橋英之

  ♪課題曲:カリビアン・サンダンス(真島 俊夫)《ブレーン》

  ♪自由曲:ムーブ・オン(真島 俊夫)《ヤマハミュージックメディア》

 

東京都立墨田川高等学校吹奏楽部[東京・3年連続/87名](指揮)鶴飼奈民

  ♪課題曲:アンバー・ドリーム(星出 尚志)《ブレーン》

  ♪自由曲:デサフィナード(Antonio Carlos Jobim:arr. 岩井 直溥)《ヤマハミュージックメディア》

 

東京都立葛飾総合高等学校吹奏楽部[東京・3年連続/93名](指揮)山田泰之

  ♪課題曲:聖者の行進(arr. 真島 俊夫)《ブレーン》

  ♪自由曲:The Carmen2014より(G.Bizet:福田 洋介)《未出版》

 

光ウィンドオーケストラ[千葉・初出場/91名](指揮)佐藤 博

  ♪課題曲:アンバー・ドリーム(星出 尚志)《ブレーン》

  ♪自由曲:マンテカ(Dizzy Gillespie / Luciano Pazo:arr. 真島 俊夫)《ブレーン》

 

東京都立杉並高等学校吹奏楽部[東京・3年連続/115名](指揮)五十嵐 清

  ♪自由曲:クインテッセンス(Quincy Jones:arr. 真島 俊夫)《ミュージックエイト》

  ♪課題曲:SJ&P_15(天野 正道)《ブレーン》

 

シンフォニックジャズ&ポップスコンテスト全国大会実行委員会

大会総監督 大会審査委員長 真島俊夫(作・編曲家)

 

シンフォニックジャズ&ポップスコンテスト全国大会実行委員会

大会総合プロデューサー 越川 博(公益社団法人日本吹奏楽指導者協会 理事)

 

[司会]バジル・クリッツアー

 

[審査員]

真島 俊夫(審査委員長)

天野 正道(審査副委員長)

阿野 次男

片岡 雄三

ルイス・バジェ

 

私の吹奏楽の“コンクール観戦記”ですと、通常、団体ごとに感想を述べさせて頂くのですが、今回は、聴き慣れないジャンルの音楽ですので、気になった団体や気付いた事を記させて頂くのみに致します。

悪しからず。

 

さあ、11:00になりました。

ホルン奏者のバジル・クリッツアーさんの司会で「吹奏楽による第3回シンフォニックジャズ&ポップスコンテスト全国大会」の始まりです。

まず、大会の運営の仕方で面白く思ったこと。

1団体終わるごとにその団体の代表者に司会のクリッツアーさんがインタビューをするのですが、それと同時に審査員がマイクを使って代表者にコメントを発します。

ここが良かった、あそこが悪かった等、もちろん会場にいる観客にも聞こえる様に。

吹奏楽コンクールではあり得ないことなので、かえって新鮮に感じたし、私のような素人には審査員の先生方のコメントによって聴くポイントの情報を得られることが多く、大変参考になりました。

また、演奏者の方も面白い演出が多々ありました。

決められた時間の中でではありますが、指揮者がマイクを使ってソリストを紹介したり、少しMCを挟んだり、凝っている団体になると“専属の司会者(もちろん、その団体のパフォーマンスの時だけですが…)”がいたりと、かなり自由です。

他にも通常、吹奏楽コンクールでは、課題曲、自由曲の順に演奏しますが、このコンテストでは自由曲から演奏する団体も僅かではありますが、いたように思いました。

 

いろんな意味で気になった団体。

前半では、昨年、グランプリを受賞している「三鷹市吹奏楽団」が軽快なサウンドで印象に残りました。

「鹿児島情報高等学校吹奏楽部」も出てました。

初出場のようです。

“吹奏楽の神様”屋比久勲先生が勇退されたあとの動向に私自身、注目しておりました。(昨年は残念ながら、全国大会に進めなかったようです。)

今回は、“新生・鹿児島情報”を聴かせていただく機会にめぐまれ、どういうサウンドをしているか興味津々でした。

とても美しいサウンドで、“さすが”とは思いましたが、やはり、ジャズやポップスの演奏は少し、研鑽が必要かもしれませんね。

でも、技量やサウンドは素晴らしい。

今年も、吹奏楽コンクールで活躍しそうです。

昨年の4月から、顧問となった日高雷太先生は声楽がご専門だとか。

我が埼玉の大滝実先生(西関東吹奏楽連盟理事長。長年、埼玉栄高校吹奏楽部の顧問をされ、埼玉栄を全国トップバンドのひとつに押し上げた。もともとは、声楽がご専門。)の例もあることですし、頑張って頂きたい。

期待しています。

あと、福岡の一般バンド、「コンフォート・ウインドアンサンブル」のサウンドが個人的に好みでした。

プログラムの出場団体の紹介の欄を見ますと全国大会にも出場経験のある団体のようです。

少し、荒削りだけれども、とてつもなく明るいサウンドは、とても良かった。

続いて、「やまももシンフォニックバンド」。

バンドディレクターとして有名な甘粕宏和先生が率いての登場。

鹿児島情報と同じく、テクニックやサウンドはかなりステキなものを感じましたが、このようなジャンルの音楽にしては、“きれいすぎる”ように感じました。

逆にジャズとかじゃなく、吹奏楽オリジナル曲の演奏をじっくり聴いてみたいと思った次第。

それにしても、「やまももシンフォニックバンド」は、吹奏楽の名門、都立片倉高校吹奏楽部と何か関係があるのでしょうか?

確か都立片倉高校吹奏楽部の保護者会が「やまももの会」と言う名前だったような…。(甘粕先生も都立片倉のトレーナーをしていると聞いたこともありますし…。)

どうなのでしょう?

次に気になったのは、関西の雄「近畿大学附属高等学校吹奏楽部」。

とても素晴らしかった!

特に“メモリーズ・オブ・ユー」のクラリネット・ソロ、シビレマシタねぇ。

ただ、技術的に優れているというだけではなく、おそろしく“艶やかな雰囲気”を持っていました。

ブラヴォーです。(“浦和のオヤジ”は個人的に高校では、総合グランプリを獲得した都立杉並より好みだった団体でした。)

あと、「光ウィンドオーケストラ」も良かった。

大人のバンドだけあって色気のあるサウンドはたまりませんなぁ。

“エロい”です。

審査員に指揮の佐藤博先生は、「こういうジャンルもいけるんですね。」と絶賛されておられましたが、まったく同感。

吹奏楽の世界では、輝かしい成績を残されている佐藤先生ですが、ジャズ、ポップスの分野でも期待出来そうです!(個人的にこの日の演奏でイチバン、良かったと思ったバンドでした…。)

そして、このバンドを忘れちゃいけません。

過去2回の「シンフォニックジャズ&ポップスコンテスト全国大会」で連続して“総合グランプリ”を獲得している「東京都立杉並高等学校吹奏楽部」です。

さすがに見事な演奏でした!

特にアルトサックスのソロは、色っぽかった!(吹いているのは、本当に高校生かしら?と思うほどでした。)

何よりも観客へのアピール度は圧倒的に№1だと思いました。

もともと、吹奏楽コンクールでも全国大会に出場経験のある実力校です。

これからも、聴く人を喜ばせ続けて頂きたい。

切に望みます!

 

全18団体を“浦和のオヤジ”は聴かせて頂きましたが、正直、こんなにレベルが高い演奏を聴かせて頂けるなんて思わなかった。

非常に楽しめましたし、全然、退屈しなかった。

さすが、審査によって選ばれた団体だけあって、単純に音楽の基礎的な部分がしっかりとしたバンドばかりです。

それと、個人のレベルの高さを感じましたね。

こういうジャズやポップスにおいては、より重要であるソロパートが非常に素晴らしく、感動致しました。

 

審査発表の前にゲスト演奏の「海上自衛隊東京音楽隊」が登場しました。

そして、来年の課題曲を披露して下さいました。

[ゲスト演奏]

海上自衛隊東京音楽隊(指揮)手塚裕之

 

 ~第4回SJ&Pコンテスト 課題曲委嘱4作品~

  ♪Breezin’(真島 俊夫)《ブレーン》『文京シビックホール15周年記念委嘱作品』

  ♪SJ&P_16(Viva Bunkyo Civic) (天野 正道)《ブレーン》『文京シビックホール15周年記念委嘱作品』

  ♪モヒート(星出 尚志)《ブレーン》

  ♪Claudio ~ il sole e la grande (Viva MassimaⅡ) (鈴木 英史)《ブレーン》

   「クラウディオ」~偉大なる太陽(ヴィヴァ・マッシーⅡ)

 

  ♪マイ・ファニー・ヴァレンタイン(R.ロジャース:arr.中村 啓次郎)《未出版》

 

とても、ステキな演奏でした。

やっぱり、アマチュアとはサウンドが違います。

表現力も素晴らしかった!

当然のことですが、単純に“演奏”の巧拙を思えば、この日聴いた演奏では、ナンバーワンの演奏でした。

でもね…、音楽素人のオヤジが思うに“キレイすぎ”かなぁ。

もっと、泥臭さがあってもいいかなと思いました。(ナマイキ言ってスミマセン。)

それと、蛇足ながら、アンコールに演奏された“軍艦マーチ”が異常に美しかったのが印象に残りました…。

 

いよいよ、表彰式です。

結果発表に先立ち、審査員を代表して、真島先生が講評を述べられました。

まとめると以下のようなことをおっしゃいました。

※  去年の大会より、レベルが上がって、うまくなった。特にトランペットセクション。ハイトーンが出る様になって、素晴らしかった。

※  ただ、気になったのは、音楽の種類によって使用する打楽器の種類が変わってくるのに、そこを分かっていない団体があった。(いくつかのラテン系の音楽の名前をおっしゃっておられましたが、“浦和のオヤジ”は、ついて行けなかった…。)

※  吹奏楽曲の演奏がうまいからと言って、必ずしもシンフォニック・ジャズの演奏がうまいとは限らない。そのあたりを重点的に審査した。

※  それぞれの団体に“賞”は、ついているが内容は“僅差”。差がついたとすれば、ノリがよく、最終的に“いかに聴く人を感動させられたか”ということだと思う。

 

真島先生のおっしゃることにイチイチ大納得の“浦和のオヤジ”でした。

だって、技術的なことがわからない私でも、自分の心に響く演奏を聴きたいと、いつも思っていますもの…。

 

さあ、大会総合プロデューサーの越川博氏の司会進行で成績発表です。

結果は以下のとおりです。

[総合グランプリ]東京都立杉並高等学校吹奏楽部

[グランプリ]近畿大学附属高等学校吹奏楽部(高校部門)

[グランプリ]光ウィンドオーケストラ(その他部門)

[準グランプリ]東京都立墨田川高等学校吹奏楽部(高校部門)

[準グランプリ]三鷹市吹奏楽団(その他部門)

 

【金賞】三鷹市吹奏楽団、近畿大学附属高等学校吹奏楽部、作新学院高等学校吹奏楽部、東京都立墨田川高等学校吹奏楽部、東京都立葛飾総合高等学校吹奏楽部、光ウィンドオーケストラ、東京都立杉並高等学校吹奏楽部(出演順)

【銀賞】Music Laboratory ~おとらぼ~、古川学園高等学校吹奏楽部、原田学園鹿児島情報高等学校吹奏楽部、石川県立野々市明倫高等学校吹奏楽部、コンフォート・ウインドアンサンブル、やまももシンフォニックバンド、東京都立富士森高等学校吹奏楽部(出演順)

【銅賞】富士通沼津吹奏楽団、Tokyo StackArt Wind Ensemble、三重県立松阪高等学校吹奏楽部、神奈川県立小田原総合ビジネス高等学校吹奏楽部(出演順)

その他、様々な「個人賞」がありましたが、記録できませんでしたので、割愛させて頂きます…。

 

楽しい“コンテスト”でした。

仕事の関係があるので、100%確実とは言えませんが、来年もこの大会を聴きに来ようと思いました。

もし興味のある方は、2016年2月14日、日曜日(バレンタインデーですね)に同じ文京シビックホールで開催されるそうですから、行かれてはどうでしょう。

 

最後に、今回の「シンフォニックジャズ&ポップスコンテスト全国大会実行委員会」の大会総合プロデューサーである越川博さんって、よくよく考えると、「川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団」の団長ですよね。

また、会場に流れていたアナウンスでアンサンブルリベルテの方々が“進行・運営”をやっていると言ってたような。

どのような事情でアンサンブルリベルテが、関わっているのかわかりませんが、この大会のステージでリベルテの“勇姿”を見てみたい気もした、“浦和のオヤジ”でした…。


Blitz Philharmonic winds 第21回定期演奏会 ~指揮者のいない吹奏楽~

2015-02-10 20:11:56 | 吹奏楽

ブリッツ フィルハーモニック ウィンズの演奏会に伺うのは、2回目です。

最初は、昨年、5月16日に杉並公会堂で行なわれた第18回定期演奏会でした。

http://blog.goo.ne.jp/urawa_kappa/e/b4e380e03ad6e277b4d35a27c5474010

(よろしかったら、ご覧下さい。)

とても、楽しめる演奏会ではありましたが、その後、諸事情で聴かせて頂ける機会に恵まれませんでした。

今回は、久々ですので、数日前から、とても楽しみにしておりました。

 

ここのところ、初めて行かせて頂くホールが続きます。

この日の会場は、「渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール」。

地図を確認すると渋谷駅の方から見て、セルリアンタワーの裏あたりですね…。

以前、仕事で頻繁に訪れていた地域なので、詳しいはずなのだけれど、そんなのあったかなぁ…。

“246(国道246号線、三宅坂~渋谷が「青山通り」、渋谷~二子玉川が「玉川通り」、通称「ニイヨンロク」”)に掛かっている歩道橋を越えて桜丘町方面は、完璧な上り坂です。

あった、ありました!

あとで考えてみると私がこの地域を訪れていたのは、8年以上前のこと。

この施設は2010年に開館しているようなので、知らなくてあたり前だったのでした…。

 

「渋谷区文化総合センター大和田」のHPを拝見すると施設紹介にこのような文章が載っています。

『渋谷区文化総合センター大和田は、文化、教育、健康、福祉の区民活動の拠点として、多様な文化活動の発表、鑑賞、参加の場を提供していきます。』

今回のコンサートは、この「渋谷区文化総合センター大和田」の中にある“さくらホール”で行なわれたのですが、この紹介文にあるようにセンター内には様々な施設があります。

ホールや練習室は、もちろん、プラネタリウム、生涯学習施設、図書館、健康センター、保育園etc.…。

しかも、渋谷駅のすぐそばに、こんな文化施設があるなんて素晴らしいですね。

 

少し、脱線したようなので話をもどします。

この「渋谷区文化総合センター大和田」の“さくらホール”は、客席定員735席と言う中規模のホールです。

ホール内の壁は、木材で覆われており、色も落ち着いた感じのダークブラウンなので、とても雰囲気がよかった。

それと何よりも申し上げたいのは、“ホールの響き”のことです。

後でも、お話させて頂きますが、よく響くホールでした。

クラシックコンサートには最適ですね。

 

ブリッツ フィルハーモニック ウィンズは、もちろん演奏は素晴らしいのですが、様々なコンセプトで演奏会を行う意欲的な団体です。

今回の第21回定期演奏会のテーマは、「指揮者のいない吹奏楽」。

いわゆる指揮者なしでの演奏会のようです。

プログラムで曲目を確認しますと、プロだったら出来そうな曲もありますけど、これはチョットと思える曲も…。

どのような事になるのやら、非常に楽しみですね…。

それでは、演奏の方に話を移しましょう!

 

[演奏]Blitz Philharmonic winds

    ブリッツ フィルハーモニック ウィンズ

 

オーバーチュア・ザ・ブリッツ(三澤 慶)

Overture “The BLITZ!!” / Kei Misawa

 

カンタベリー・コラール(ヤン・ヴァンデルロースト)

Canterbury Chorale / Jan Van der Roost

 

クラリネット協奏曲(マーティン・エレビー)

Clarinet Concerto / Martin Ellerby

  第1楽章 回転木馬 Carousel

  第2楽章 カメオ Cameo

  第3楽章 キャラバン Charabanc

 [Clarinet Solo]渡邊 一毅(ブリッツフィルハーモニックウインズ コンサートマスター

 

【休憩】

 

マードックからの最後の手紙(樽屋 雅徳)

The last letter from Murdoch / Masanori Taruya

 

吹奏楽のための第1組曲(グターヴ・ホルスト/伊藤 康英 校訂版)

First Suite for Military Band / Gustav Holst : Rev. by Yasuhide Ito

  第1楽章 シャコンヌ Chaconne

  第2楽章 間奏曲 Intermezzo

  第3楽章 行進曲 March

 

ダンス・ムーヴメンツ(フィリップ・スパーク)

Dance Movements / Philip Sparke

 

まず、舞台上では、演奏会の始まる前に音楽監督の松元宏康氏によるプレトーク。

今回の「指揮者のいない吹奏楽」の趣旨を説明して頂きました。

本来であるならば、“指揮者”として、演奏会の中心にいるはずの松元氏がこの日の演奏会、最初で最後の登場でした…。

続いては打楽器セクションの方、3名の登場。

トークと笑いを交えたスネアドラムによる“超絶技巧”を見せて頂きました。

 

そして、いよいよ演奏会が始まりました。

当然、“指揮者”は登場しません。

今年度よりブリッツ フィルハーモニック ウィンズのテーマ曲となったと言う「オーバーチュア・ザ・ブリッツ」が最初の曲です。

この曲は、作曲家の三澤慶氏がブリッツフィルの“ミュージックパートナー”に就任された記念として委嘱された作品です。

たまたま、私が前回の演奏会の折に作曲者自身の指揮で聴かせて頂いた曲です。

前に聴いた時も華やかな印象がありましたが、今回も明るく透明感のあるサウンドでキラキラした演奏に大満足!

それにしても、この“さくらホール”は良く響くホールです。

なかなかステキな“器(うつわ)”ですね。

 

次は「カンタベリー・コラール」。

私、この曲、好きなんですよねぇ。

ゆったりしたテンポ、優雅な旋律は、とても心に沁み入ります…。

ブリッツフィルの演奏も曲をよりノーブルに仕上げてあって、とても良かった!

ただ美しいだけではなくて、“心地よいナイーブさ”が非常に穏やかな気持ちにしてくれました…。

 

早くも前半、最後の曲。

イギリスの作曲家、マーティン・エレビーの「クラリネット協奏曲」。(エレビーは1957年生まれで、吹奏楽の演奏会でも時折、楽曲を聴かせて頂く機会がありますね。)

そして、クラリネット・ソロは、ブリッツフィルのコンサートマスター、渡邊 一毅氏です。

渡邊氏は、舞台袖より和服で登場。

なかなか似合っています。(落語に出てくる“若旦那”的な…。)

1楽章と3楽章が早いテンポで2楽章がゆったりとした曲でしたが、渡邊氏のテクニックが冴えわたり、それぞれの楽章をテーマとした絵画をみているように思えました。

艶っぽいクラリネットの音色がとてもステキでした…。

 

前半を終わって。

指揮者がいないことによって、100%音楽に影響がないかということは、素人の私には、よくわかりませんでした。(演奏自体は満足のできるものばかりでした。)

ただ、“居るべきものがいない”ことによって、視覚的に“違和感”を感じたのは私、個人としての偽らざる気持ちです。

まあ、慣れたら気にならないのでしょうが…。

 

後半が始まりました。

最初は、「マードックからの最後の手紙」。

人気作曲家、樽屋雅徳先生の作品です。

コンクールや演奏会でも頻繁に聴く機会がある吹奏楽曲です。

この曲は、あのタイタニック号の1等航海士ウィリアム・マクスター・マードックを題材にして作られたようですが、アイリッシュ調の優しいメロディを丁寧に表現した演奏は、とても良かった。

いい意味で今まで聴いてきた「マードックからの最後の手紙」とは違う曲のように感じました、個人的に。

 

次はホルストの「第1組曲」です。

今回は、伊藤康英校訂版を使用し、“出来るだけホルストの意向に添うべく、最少人数で演奏”するとのこと。

舞台上では、20名くらいの方がスタンバイ。

少人数ながら、イギリス民謡のメロディが際立っていました。

素朴で上品な感じがします。

悪くない…、と言うか、とても雰囲気があって良い。

きっと、このくらいの人数のアンサンブルで聴くのが最良なのだと確信しました。(そうなると以前、100名近い人数で聴いた演奏は何だっただろうと思ってしまいます。こんなに名曲なのに「また、ホルストの組曲かよ。」と思ってしまっていたのは(私個人の意識として)、ここに原因があったのではないかと…。)

 

最後の曲は、ご存知、スパークの「ダンス・ムーヴメンツ」です。

このブログを読んで下さっている方は、もしかして、お忘れになっていらっしゃるかも知れませんが、この演奏会の特徴は、「指揮者がいない」と言うこと。

でもね、この曲を指揮者なしでやるのは…。

見事な演奏でした!

およそ指揮者がいないとは思えないくらい、リズムが統一されていて気持ちがよかった。

この複雑な曲をアインザッツも乱れず演奏したのには感服いたした次第。

 

「ダンス・ムーヴメンツ」で盛り上がり、そのままアンコールへ。

演奏の途中で二人のコンサートマスター(田村真寛氏、渡邊一毅氏)が鬼のお面をかぶって再登場。

舞台から客席に降り、観客に“豆”を配ってまわりました。

そう言えば、この日は、2月3日、節分だったのでした。

 

とても楽しめた演奏会でした。(いいホールにも出会えたし。)

『ブリッツ フィルハーモニック ウィンズ』。

素敵な団体です。

また、演奏会に伺いたいと思います。

 

「指揮者のいない吹奏楽」。

とても興味深い企画でした。

でも、私としては…、指揮者はいた方がいいかな…。


さいたま市吹奏楽協会 第8回合同演奏会

2015-02-02 18:34:54 | 吹奏楽

この日訪れたのは、私の居住地、“さいたま市”内ながら初めて行くホールです。

『さいたま市民会館おおみや』

昔の大宮市民会館でしょうか。

行ったことないんですよ。

大宮駅東口から出て、大宮区役所(旧大宮市役所)を通り過ぎて“さいたま新都心”方面に向かうようですね。

 

2015年(平成27年)1月25日、日曜日。

今年4度目のコンサートに選んだのは、「さいたま市吹奏楽協会 第8回合同演奏会」でした。

以前から、この演奏会の“名前”は聞いたことがあったのですが、聴かせて頂くのは初めてです。

私の地元のさいたま市の一般バンドがいろいろ出演するみたいで、楽しみです。

ご存知のとおり、埼玉県は、千葉県と並ぶ吹奏楽王国で非常にレベルが高い。

今回は、さいたま市内の団体に限った演奏会ですが、どのような事になるのか興味津々。

実は、同日、ほぼ同時刻に東京であるコンサートに行くか迷ったのですが、“地元愛”のために、こちらを選択致しました。

様々な団体の個別演奏もあるようですが、イチバン興味があるのが、“市内の演奏団体有志”による合同バンド。(もともとは、「さいたま市民音楽祭」のために編成されたのが“キッカケ”なのだそうです。)

しかも、私の大好きな佐川聖二先生が指揮をされると言う。

曲目もバラエティに富んでいて面白い。

どんな演奏を聴かせてくれるのでしょう。

 

大宮区役所を通り過ぎ、南下すること3~4分でしょうか?

目指す、「市民会館おおみや」に到着。

外観は、“地方の市民会館”といった佇まい。

ケッコウ、建ってから時間が経過しているように思います。

中に入ります。

ロビーは割と広いです。

受付の方にプログラムを頂いてホール内へ。

2階席はありませんね。

客席は、なだらかなスロープになっています。

客席数は1370。

そこそこ、大きいホールです。

何か、私の出生地のホールに似ていて懐かしい感じがします…。(私が“生徒”だった頃、何度か舞台に立ったことのあるホールです。)

 

自由席なので、自分で座席を物色し、座ったところで開演となりました。

 

【第1部 団体ステージ】

 

[演奏]埼玉県ユースホステル協会吹奏楽団

[指揮]織茂 学

ユースオリジナルステージ!!~スクリーム マシーン(マーク・テーラー/編曲:ポール・ラベンダー)

Youth original stage!!-SCREAM MACHINE(Mark Taylor / arr. Paul Lavender)

 

[演奏]チームごもく

ライムライト セレクション(チャールズ・チャップリン)

Limelight Selection / Charles Spencer “Charlie”Chaplin

宝島(和泉宏隆)

Takarajima / Hirotaka Izumi

 

[演奏]羽根倉橋吹奏楽団

ゆかいな仲間と(相羽 茂)

Fun with Friends / Shigeru Aiba

素直になれなくて(ピーター・セテラ/デイヴィッド・フォスター/編曲:小長谷 宗一)

Hard To Say I’m Sorry(Peter Cetera / David Foster / arr. Souichi Konagaya)

 

[演奏]さくらウインドシンフォニー

[指揮]藤原 祐介

アルヴァマー序曲(ジェイムズ・バーンズ)

Alvamar Overture(James Charles Barnes)

まつり(原 譲二/編曲:福田 洋介)

Maturi (Jhoji Hara / arr. Yosuke Fukuda)

 

【第2部 団体ステージ】

 

[演奏]おおみや市民吹奏楽団

[指揮]猪俣 康隆

ディズニーランド セレブレーション(マイケル・ブラウン)

A Disneyland Celebration(arr. Michael Brown)

ジャパニーズ・グラフィティⅩⅤⅡ 美空ひばりメドレー(編曲:星出 尚志)

Japanese Graffiti ⅩⅤⅡ Hibari Misora Medley(arr. Takashi Hoshide)

 

[演奏]浦和吹奏楽団

[指揮]山田 昌弘

映画「アナと雪の女王」ソング・コレクション(クリストフ・ベック&ロバート・ロペス)

“Frozen”Song Collection(Christophe Beck & Robert Lopez)

エル・クンバンチェロ(ラファエル・エルナンデス/編曲:岩井 直溥)

El Cumbanchero (Rafael Hernandez / arr. Naohiro Iwai)

 

-招待演奏-

[演奏]さいたま市立内谷中学校吹奏楽部

[指揮]鈴木 國俊/保坂 美沙

マーチ『ブルースカイ』(高木 登古)

March “Blue Sky”(Tohko Takagi)

スーパーマリオブラザーズ(近藤 浩治/編曲:星出 尚志)

Super Mario Bros.(Kohji Kondo / arr. Takashi Hoshide)

テキーラ(チャック・リオ/編曲:明光院 正人)

Tequila(Chuck Rio / arr. Masato Myokoin)

 

【第3部 合同ステージ】

 

[演奏]さいたま市吹奏楽協会合同バンド

[指揮]佐川 聖二

ポップス描写曲「メイン・ストリートで」(岩井直溥)

“On Main Street” (Naohiro Iwai)

マスク(ウィリアム・フランシス・マクベス)

Masque, opus 44 (William Francis McBeth)

シーガル(真島 俊夫)

Seagull – Bllad for Clarinet and Band (Toshio Mashima)

大阪俗謡による幻想曲(大栗 裕/改訂:辻井 清幸)

Fantasy on Osaka Folk Tunes (Hiroshi Oguri / Edited. Kiyoyuki Tsujii)

 

[M.C.]瀧川 伸子

 

今回の演奏会は、3部構成。

1部と2部が各団体の個別演奏で3部が合同バンドの演奏となっています。

まずは、1部から。

 

最初は、「埼玉県ユースホステル協会」。

この団体は、コンクールで演奏を聴いたことありました。

指揮は、地元在住のピアニスト兼作曲家の織茂学氏。(吹奏楽のコンサートでは頻繁にお見かけします。)

歌あり、踊りありの“はじけた”パフォーマンスでした。

エネルギッシュさはピカイチ!

次に登場した「チームごもく」は、木管アンサンブルですね。

フルート、オーボエとアルト、テナー、バリトンの各サックスで構成されています。(5人だから“ごもく”なんでしょうか?)

めずらしい編成ですね。

ホッとするような演奏でした。

特に吹奏楽のコンサートでは定番とも言える「宝島」を木管アンサンブルで演奏したのは興味深かった。

続いては、「羽根倉橋吹奏楽団」。

おもに“さいたま市民音楽祭”や今回の演奏会を目標に活動されているようです。

失礼ながら、初めて名前を聞いた団体です。(私の情報は、コンクールに出場されている団体からのものが多いので。)

20名くらいという人数の少なさをそんなに感じさせない伸びのあるサウンドだと思いました。

ただ、少人数のため、指揮者なしの演奏をしているとの事でしたが、やはり、20名以上だと指揮者を置いたほうがよいのでは?(指揮者がいない事によって、リズム等に“弊害”が出てくる場合も考えられますので…。)

第1部、最後の団体は「さくらウインドシンフォニー」。

何でも埼玉大学OBを中心に結成されたバンドであるとのこと。

とても楽しく演奏して下さいました。

バーンズの「アルヴァマー序曲」と北島三郎のヒット曲「まつり」を演奏したのは“選曲の妙”で大変、面白かった。

 

休憩の後、第2部の開演。

第2部は大編成のバンドが登場です。

最初は、「おおみや市民吹奏楽団」。

この団体も初めて聴かせて頂きます。

“解説”を読みますとこの団体は、1993年に吹奏楽界では超有名な秋山紀夫先生(音楽監督)を中心とした発起人の呼びかけで集まった市民バンドです。

演奏会中心の活動でコンクールには出ていないようですが、活発な活動をされているようですな。(今年の4月にはドイツの吹奏楽団を招いて合同演奏会をされるとか。)

この日は、「ディズニーランド セレブレーション」、「美空ひばりメドレー」。

全体的に楽しいパフォーマンスを繰り広げてくれました。

特に「ジャパニーズ・グラフィティⅩⅤⅡ 美空ひばりメドレー」は良かったですね。(この曲は、昨年5月6日に東京芸術劇場で開催された“なにわ《オーケストラル》ウィンズ”東京公演で初めて聴きました。「美空ひばりメドレー」と言えば、いつも神奈川大学の演奏会で聴く真島俊夫先生の編曲版が印象に強いのですが、こちらは星出尚志先生による楽曲。新鮮に感じたのを思い出しました…。)

今回は、肩に力の入らない曲ばかりでしたが、機会があったら、このバンドの“吹奏楽オリジナル曲”の演奏を聴いてみたいですね。

続いては、定期演奏会に行かせて頂いたこともある「浦和吹奏楽団」。

昨年は、残念でしたが、2012、2013と西関東大会にも出場した実力のある団体です。

指揮は、「NTT東日本東京吹奏楽団」の指揮者でもある山田昌弘氏。

表現力に長けた良い演奏を披露して下さいました。

大人気の「アナ雪」とラテンナンバーの演奏は観客の皆様も大いに楽しめたのではないでしょうか。

そして、第2部、“トリ”の団体は「さいたま市立内谷中学校吹奏楽部」の皆さん。(個人的な話をすると内谷中って私の自宅は学区内なんですねぇ。中学生の子供いませんけど。)

真剣な眼差しが印象的でした。

演奏にも他の動きにしても一生懸命さが伝わってきて好感が持てました。

サウンドは、まだまだ“若い”ですが、私のド地元の中学校ですので、しっかりと成長して頂きたい。

ガンバレ!!

 

何か、ひたむきに音楽に没頭している子供たちをみているオヤジは興奮してしまいました…。

さて、第3部、「さいたま市吹奏楽協会合同バンド」のステージです。

そして、いよいよ、佐川聖二先生の登場です!

プログラムの“出演者一覧”を見ますと、この日、個別の団体として出演された皆さんだけではなく、他の団体からもたくさん演奏に参加されているようです。

最初の曲は、「ポップス描写曲『メイン・ストリートで』」。

昨年、惜しまれながら亡くなった岩井直溥先生の作品です。

この曲は、1976年度全日本吹奏楽コンクール課題曲でした。

岩井先生は、一昨年の課題曲「復興への序曲『夢の明日に』」まで6曲の課題曲を作曲されていますが、個人的にイチバン好きな課題曲です。

演奏が始まりました。

悪くない、いや、良いじゃないですか。

確かに、いろんな団体から集まった人々で構成されているので、“サウンドの統一性”という点においては今一歩というところでしょうが、細かいアンサンブルや表現力、リズム感は私が思っていたよりは、はるかに良かった。

軽快な感じの明るい演奏で聴きやすかった。

続いては、“我が青春の曲”フランシス・マクベスの「マスク」です。

ん十年前のとある西日本の中学校音楽室。

「マスク」を吹奏楽部員の生徒たちが練習しています。

西日が差し込む音楽室は生徒たちの熱気と「マスク」のメロディで、もう夢の世界です…。

「ああ、本当に吹奏楽やってて、良かった!」

そんな風に“浦和のオヤジ”が始めて思えたのは、はるか遠い昔、この「マスク」を演奏していた時なのでした。

だから、懐かしかった!

メリハリの効いた演奏は心地よく、非常に楽しめました。

3曲目は、真島俊夫先生の「シーガル」。

アルトサックスのための協奏曲で私も何度かいろいろな演奏会で聴かせて頂いたことがあります。(アンサンブルリベルテ、相模原市民、東海大学などを指導されている福本信太郎昭和音楽大学准教授の演奏なんかは、とてもステキだった…。)

甘く切ないメロディは、真島先生の魅力を凝縮した楽曲です。

今回は、楽器が変わって指揮の佐川先生がクラリネットで演奏して下さいました。

佐川先生と言えば、現在では指揮活動の方での印象が強いですが、東京交響楽団の首席奏者を25年間務められた“名クラリネット奏者”です。

どんな音色を聴かせて頂けるのか、ワクワクしますねぇ。(そう言えば、佐川先生の“指揮”での演奏は、たくさん聴いてますけど、クラリネット独奏は初めてかも。)

司会をされていた大宮吹奏楽団の瀧川伸子さんがうまい表現をしていました。

『エロい』

少し、下卑た表わし方かもしれませんが、そう言いたくなるくらい艶っぽかった…。(ちなみに佐川先生は、「エロい」と瀧川さんに言われて、“爆笑”してました!)

アルトサックスとは、また違った雰囲気を持つ、素晴らしい演奏でした。

さて、大トリの曲は、大曲です。

大栗裕先生の名曲「大阪俗謡による幻想曲」。

華やかさや土俗性、「和」の本質的な部分を如何に表現できるかが、カギですね。

もちろん、100%の出来ではありませでしたが、演奏者の“情熱”を感じられる演奏でした!

スマートな演奏より、好感が持てます。

まさに“勢い”のあるパフォーマンスでした!

 

アンコール曲では、内谷中学校の皆さんのダンスも加わり、盛会のうちに終了しました。

プロや有名団体のコンサートも良いですけど、このようなアットホーム感のある演奏会もステキですね…。

 

最後に気になったことをひとつ。

時折、ホール内の空調の音が気になったのは私だけでしょうか?

(それと、またまた記事が遅くなって申し訳ありません…。)