浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

青木フィルハーモニー吹奏楽団 第20回定期演奏会

2013-03-25 15:54:51 | 吹奏楽

青木フィルハーモニー吹奏楽団の演奏を初めて聴かせて頂いたのは、昨年の埼玉県吹奏楽コンクール、職場一般の部でのことでした。
職場一般の部の県大会は、それまで聴かせて頂いたことがなく、川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団を除いては、“初対面”でした。
その日、大学の部に続いて、職場一般の部のトップバッターが青木フィルハーモニー吹奏楽団でした。
朝イチではないものの、最初の団体と言うのは、不利には違いありません。
正直、あまり期待していませんでした。
しかも、自由曲がJ.B.チャンスの「朝鮮民謡の主題による変奏曲」だというではありませんか。
確かに私のようなオヤジには、たまらなく懐かしく、大好きな曲です。(そう言えば、若い頃、腐るほどコンクールで、この曲を聴いたものです。)
ただ、一般の団体がコンクール自由曲として演奏するには、チト、こじんまりとしすぎた曲ですな。
なんて考えながら、演奏を聴くと、なかなか素敵じゃありませんか。
課題曲は、まとまっているし、自由曲冒頭のクラリネットのユニゾンなんか、とても美しかった。
しかし、何よりイチバン気に入ったのは、このバンドのサウンドです。
木管を中心にとてもやわらかいサウンドを持っています。
これは、良い成績が出るんじゃないかと思っておりましたら、案の定、金賞で県代表。
西関東大会での雄姿を拝見させて頂くことが出来ました。(結果は残念、銅賞でした。)
と言う訳で、普段の活動の集大成、定期演奏会に是非にもお邪魔したいと思い、この日に至ったわけです…。

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2013年3月24日、日曜日。
場所は、川口総合文化センター、リリア・メインホール。
以下が演奏会のプログラムです。

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[演奏] 青木フィルハーモニー吹奏楽団
[指揮] 酒井 敦(常任指揮者)

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【1部】

● サモン・ザ・ヒーロー  (ジョン・ウィリアムズ)
● 朝鮮民謡の主題による変奏曲  (ジョン・バーンズ・チャンス)
● エルサレム賛歌~アルメニアの復活祭の賛歌による変奏曲  (アルフレッド・リード)

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【2部】

~川口初午太鼓「樟風会」のみなさんをお迎えして~

● 「もののけ姫」セレクション  (久石 譲/Arr. 森田 一浩)
● ディズニー・プリンセス・メドレー  (Arr. 鈴木 英史)
● ジャパニーズ・グラフィティⅩⅦ 美空ひばりメドレー  (Arr. 星出 尚志)

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【3部】

  “第20回定期演奏会記念 スペシャル編成”
● 大序曲「1812年」  
(ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー/Arr. マーク・H・ハインズレー)

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さあ、楽しい音楽の時間です。
最初の曲は、「サモン・ザ・ヒーロー」。
アトランタオリンピックの公式テーマ曲ですか。
うーん、最初の曲だからかなあ、金管楽器、ミストーンが多いですね。
だから、曲がつっかえたような感じがします。
しかし、終盤にかかると、この団体が本来持っている実に温かみのあるやわらかいサウンドが威力を発揮し、素敵なエンディングを迎えました。
次は、昨年のコンクール自由曲「朝鮮民謡-」ですね。
これは、練習量が違うせいか、アンサンブルがまとまっていて非常に心地よい。
特に冒頭のクラリネットのユニゾンがうっとりします。
(西関東支部大会の演奏より良かったと思います。)
1部最後の曲は、リードの「エルサレム讃歌」。
この曲は、吹奏楽のコンサートでは聴く機会が多いように思います。(近いところでは、昨年末のアンサンブルリベルテのクリスマスコンサートで聴きました!)
なかなか安定した演奏で曲を楽しませて頂きました。
ただ、時折、同一楽器のユニゾンやハーモニーの部分でピッチの悪いのが気になりました。
と同時に、とんでもなく美しいトゥッテイがあったりして…。
バンダも効果的で、熱演でしたね。

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休憩に入りました。
川口リリアメインホールのホワイエから見る外の景色は美しかった。
東京では前日にサクラが満開になったみたいで、ここ川口でも同様のようです。

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話をコンサートの方にもどしましょう。
1部を見て感じたこと。
青木フィルハーモニー吹奏楽団の皆さんが最初にステージ上に現れた時から思っていたことがあります。
低音部の楽器が少ない。
バスクラ1、バリトンサックス1、弦バスなしのチューバ2本じゃ少し寂しいかなあ。
せっかく、温かみのあるやわらかいサウンドを持っているのに、もう少し低音の伴奏系の楽器があれば、より重厚になるのにと感じた次第。(素人のオヤジがナマイキに失礼しました。)
でも、一般バンドでは運営や人集めも並大抵のことではないと思います。
心から声援を送りたいです!

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さて、次は2部。
(青木フィルの皆さん、全員おそろいの紫のポロシャツに着替えて気合い十分です!)
この日は賛助出演として、“川口初午太鼓「樟風会」の皆さんがコンサートに花を添えて頂きました。
2部のプログラム上の演奏曲目の前に素敵な和太鼓の演奏を披露して頂きました。(日本の伝統文化の世界に引き込まれました。)
次に「樟風会」の皆さんとのコラボで“「もののけ姫」セレクション”です。
聴く前から和太鼓と合う曲だろうなあと思っていましたが、案の定でした。
とてもヨカッタ!
2曲目は、ディズニー音楽です。
ファミリーも多くいるコンサートでは、間違いのない選曲です。
会場の皆さん、“音楽”を楽しまれているようでした。
2部、最後の曲は「美空ひばりメドレー」。
(神奈川大学吹奏楽部のコンサートに行くとアンコールに必ず、ひばりメドレーをやりますが、あちらは、確か真島俊夫先生の編曲だったと思いますので、“違う曲”ですね。)
再び、「樟風会」の皆さんも加わって曲を盛り上げました。
天井のミラーボールが効果的でした(笑)。(それにしても、何故、リリアのメインホールにはミラーボールがあるのでしょう?)

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さて、休憩をはさんで最後のステージです。
曲は、ご存知、「1812年」。
演奏メンバーは、現団員に加えて、OBOGの方々。
仕事の都合で辞めざるをえなかったり、遠くに転居したり、また、女性であれば、結婚、出産のためとか、諸々の事情のため青木フィルハーモニー吹奏楽団を離れなければならなかった人々の思いも詰まった演奏です。
原曲では、チェロで始まる冒頭ですが、ホルンとトロンボーンでメロディを奏でています。
どこかの演奏会でサックス群で始まる演奏を聴いたことがあるような気がするのですが…。(サックスで始まるのがとても良く感じた記憶が…。)
私の勘違いか編曲者が違うのか?
この日の編曲者はハインズレーですね。(ハインズレー!懐かしい!私の若い頃は、オケ曲の吹奏楽への編曲は殆ど、ハインズレーだったような印象があります。)
話をもとにもどします。
曲が始まると、冒頭から少しミスが続きました。
目立つところで音を外したりすると印象に残ります。
だから、“特にやってはいけないところでのミス”は、極力さけるべきですよね。
ただ、驚くべきは曲が進めば進むほど、もっと言うなら、演奏している楽器が増えれば増えるほど、素晴らしいハーモニーを聴かせてくれたことです。
そこが、この吹奏楽団の良さだと感じました。
特徴のあるサウンドですね。

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プログラム上は、これで終了です。
最後に団長の大沢 一友さんが挨拶されました。
何でも20年前の創団以来、団長をされているとの事。
20年という月日は、決して短くありません。
いろいろなご苦労があったことでしょう。
お察し申し上げます…。
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観客も含めたホール全員で団長さんに労いの言葉をかけたあと、アルフレッド・リードの第1組曲の4楽章「ギャロップ」がアンコールとして演奏され、盛会のうちにコンサートが終わりました。

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アットホームな演奏会でした。
これからも、ますますのご活躍を期待しております。
特にコンクール。
もう一つ上の段階を目指して頑張って下さい!!
応援しています。


龍谷大学学友会学術文化局吹奏楽部×駒澤大学吹奏楽部 チャリティージョイントコンサート2013

2013-03-19 20:39:49 | 吹奏楽

本当に何年振りのことでしょう、駒沢の地に降り立つのは。
昔は、「東急新玉川線」と言っていた地下鉄も、いつの間にか「東急田園都市線」と名前を変え、私が通い詰めた「駒沢大学駅」も、些か年季が入ってきたような佇まいです。
駅前や駒澤大学周辺も随分、変わりました。
馴染みだった定食屋がなくなっていたり、見慣れぬ建物が建っていたり…。
寂しい想いもあるけれど、私が3年余住んでいた駒沢は、ん十年前の昔と雰囲気は変わっていないような気がします。
くたびれたオヤジになり果てた私も、出来うるならば、あの頃にもどりたいです。

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2013年3月11日、月曜日。
あの忌まわしい東日本大震災から、まる2年となったこの日、私は久し振りに母校、駒澤大学を訪れました。
龍谷大学と駒澤大学の両吹奏楽部が開催するチャリティジョイントコンサートを聴かせて頂くためです。
両大学の吹奏楽部は、東日本大震災の被災地へ演奏活動を行うなど積極的に支援活動を行なっている団体です。
この日のコンサートも募金活動を呼びかけるチャリティコンサートです。
こういった志は尊く、日本のオヤジとしてOBとして、誇らしく思います。

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このひとつ前のブログに書かせて頂きましたが、この日の前日、吹奏楽の未発表曲や未出版曲のコンサート第16回“饗宴”に行きました。(場所は文京シビックホールです。)
その時、演奏されていた龍谷大学吹奏楽部の方からロビーで2校のジョイントコンサートの整理券(入場料は無料)を頂きましたので、駒沢への懐かしさもあり伺わせてもらいました。
正門を抜けてしばらく歩くと会場となる駒澤大学記念講堂の前には、既に開場を待つ人々の長い列が出来ています。
程なくして、講堂内に入りました。
ロビーには何故だか着ぐるみを着た「ゆるキャラ」の怪獣?さんたちがいます。
(彼らは一生懸命、募金活動をしていました!)

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ホール内に入ります。
「講堂」と言っても体育館のようなモノではなく、立派なステージもあるホールですね。
少し、小さめの市民会館ってところでしょうか?
2階席もあります。
大学のHPを拝見しますと座席数1,150ですので、なかなかのものです。
が、ステージの背後や側面には簡易の反響板のようなものがあるのですが、ステージの天井には何もない?!
見た瞬間、音響に不安を感じましたね。(特に前日に文京シビックホールという良く響くホールで聴いたので…。)

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演奏会に先立ち、この日のちょうど2年前におこった東日本大震災の犠牲者を追悼の意味を込めて、黙祷が行われました。
(いかに自然の力とは言え、あのような悲惨な災害が2度と起こらないことを心より祈るものであります。)

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プログラムを開きますと、コンサートは、3部構成になっており、Ⅰ部が駒澤大学、Ⅱ部が龍谷大学、Ⅲ部が合同演奏という内容です。
当日のプログラムは以下の通りです。

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【Ⅰ部】

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[演奏] 駒澤大学吹奏楽部
[指揮] 暮林 直樹(駒澤大学吹奏楽部バンドトレーナー)

● 復興への序曲「夢の明日に」  (岩井直溥)
(2013年度全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅲ)  
● 組曲「展覧会の絵」より  (M.ムソルグスキー/本間 隆 編)

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【Ⅱ部】

[演奏] 龍谷大学学友会学術文化局吹奏楽部
[指揮] 若林 義人(音楽監督常任指揮者)、児玉 友郎(龍谷大学吹奏楽部コーチ)

● フェスティヴァル・ファンファーレ  (坂田 雅弘)
● エンターテインメント・マーチ  (川北 栄樹)
 (2013年度全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅳ)
● Z伝説~終わりなき革命~  (前山田 健一/郷間 幹男 編)
● 松田聖子コレクション  (金山 徹 編)

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【Ⅲ部】合同演奏

[演奏] 龍谷大学学友会学術文化局吹奏楽部、駒澤大学吹奏楽部
[指揮] 若林 義人、暮林 直樹

● 祝典行進曲「ライジング・サン」  (白岩 優拓)
 (2013年度全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅱ)
● 吹奏楽のための第2組曲  (G.ホルスト)
1. マーチ
2. 無言歌
3. 鍛冶屋の歌
4. ダーガソンによる変奏曲
● 交響詩「ローマの松」より“アッピア街道の松”  (O.レスピーギ/上埜 孝 編)

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さあ、コンサートの始まりです。
まず、第Ⅰ部は、駒澤大学から。
指揮はバンドトレーナーの暮林氏。
初っ端の曲は今年の課題曲です。
作曲者は岩井先生ですね。
岩井先生の作曲された課題曲で中学の時、コンクールに出場したことを懐かしく思い出します。
大正12年(1923)生まれとの事ですので、今年で90歳になられるわけですか。
素晴らしいですね。
しかも、今年のように現役で楽曲を提供されていることに大感激です!
いつまでも、お元気でご活躍されることをイチ吹奏楽ファンとして心より祈っております。
曲は生演奏で聴くのは初めてでした。(CDでは東京佼成ウインドオーケストラの模範演奏を聴いておりましたが…。)
相変わらずの“岩井節”ってカンジで非常に感銘を受けました。
演奏も軽やかで素敵でした。
が、思ったとおり、ホールが響かない…。
1本、1本の管楽器の音がストレートに聴こえてきて、全体のサウンドが溶け合っていない。(この楽団の能力の問題ではない。あくまでもホールの問題。)
だから、メロディラインが埋もれてしまう瞬間があったりして聴キヅラカッタ。
Ⅰ部最後の曲は展覧会の絵ですか。
1曲目を聴いた感じでは、サウンドに合っているような気がします。
無難な演奏でした。
ただ、所々にアンサンブルに綻びを感じたのが残念でした。

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次の第2部は、龍谷大学の登場です。
1曲目のフェスティヴァル・ファンファーレは前日の“饗宴”でも演奏しました。
それにしても、この団体はサウンドが明るくていいですね。
2曲目は、今年の課題曲Ⅳです。
会場のせいで演奏については何とも申し上げられないのですが、今年、初めて聴く課題曲です。
これから、秋にかけて、この曲で、いろいろなドラマが生まれるのかと思うと感慨深いものがありますね。
去年の課題曲「希望の空」なんかは、コンクール等で生演奏を何十回と聴きましたので、愛着がわいていると言ってもいいくらいなんですが、今年の課題曲のマーチもそうなっていくんでしょうなあ…。
続いては、「ももクロ」と「松田聖子」ですか。
松田聖子は、同年代ですのでわかりますが、ももクロはちょっと(笑)。
しかし、パフォーマンスとしては、楽しかったですね!
さすが、関西の学生さん、“楽しませる”ことに長けています。

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楽しい龍谷大学のステージが終わって、次は合同演奏です。
と、その前に3月20日に岩手県民会館で開催される、第36回全日本アンサンブルコンテストに両大学も出場されるとのこと。(駒澤が金管、龍谷が木管)
そこで、出場する2グループがアンコンで演奏する曲を披露して下さいました。
よく練習しているなあと言う感じの見事なアンサンブルでした。
いずれにせよ、アンサンブルコンテストでのご検討を心より祈っております。

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さて、最後のステージです。
合同演奏との事ですので、二つの団体の異なるサウンドがどのように融け合うか楽しみです。
最初の曲は、今年の課題曲Ⅱ。
これまた、生演奏で聴くのは初めてになります。
冒頭部が、ファンファーレから始まるマーチですね。
何か、1984年度コンクール課題曲「マーチオーパスワン」に似ている気がすると思うのは私だけでしょうか?
コンサートマーチらしく、軽快でスマートな演奏でした。
2曲目は、吹奏楽のコンサートでは、定番のホルストの第2組曲です。
素朴なイギリス民謡を丁寧に表現しているように思いました。
が、第四曲の「ダーガソンによる変奏曲」、やっちゃいましたね。
出だしの木管、至極、バラバラでした。
その後、アンサンブルを整えなおし、何事もなかったように“演奏”にもどっていきましたが…。
でも、他の部分は、さすが、日本のアマチュア大学吹奏楽界でトップクラスの2校だけあって、良い演奏だったと思います。
最後は、指揮が龍谷大の若林先生に替わり、アッピア街道の松です。
この曲をコンサートのトリにやると間違いなく、盛り上がりますよね。
また、バンダの金管楽器があると、より効果的です。
曲が始まりました。
ピアニッシモから徐々に盛り上げ方は、なかなかのものです。
いよいよ、クライマックスに近付きます。
あっ、やっぱり、出てきました!
2階席から、バンダのトランペットとトロンボーンのファンファーレが降り注ぎます。
大いに盛り上がって曲は終了です。
ただ、少し残念だったのは、会場が響かないせいか、ひとつひとつの楽器の音がストレートに聴こえてきて、少しオーバーヒート気味に感じたことでした。
その後のアンコールの曲も、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラばりにノリノリで、なかなかハジけてましたなあ。
関東近県のいろんな大学の演奏会にも行きましたが、これに比べると大人しい。
やっぱり、関西ノリなのでしょうか?(駒澤大学の皆さんも引っ張られていたって感じでした?!)
楽しいですね、こういった雰囲気は。
たまには、いいもんです、若いエネルギーを感じます。
今後も、龍谷大学、駒澤大学のご活躍を期待しております!
世田谷区駒沢、懐かしかった!!

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風邪をひいてしまい、ご報告することに時間がかかってしまいました。
申し訳ありませんでした。


21世紀の吹奏楽 第16回“響宴”

2013-03-14 21:53:40 | 吹奏楽

2013年[平成25年]3月10日、日曜日。
外はポカポカ陽気です。
武蔵浦和の駅から、埼京線に乗り込むと何と車中には冷房が入っています…。
池袋駅で地下鉄の丸ノ内線に乗換えて後楽園駅に降り立ち地上に出た瞬間に驚いた。
近くのビルまで霞んでしまうほどの強風に砂埃…。
いやあ、驚きましたなあ。

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話を本題にもどしましょう。
この日の目的は、「21世紀の吹奏楽 第16回“響宴”」。
場所は、文京シビックホール。
この“響宴”とは、未発表、未出版の邦人作品を紹介する吹奏楽の演奏会です。
しかも、応募作品の中から選曲委員が選定委した楽曲のみが発表の対象となるのです。
これらの曲を演奏するのは、全日本吹奏楽コンクールで優秀な成績を残している吹奏楽団や自衛隊の音楽隊の皆さん等々です。
否が応でも期待は高まるじゃありませんか!
(前々から伺いたいと思っていた演奏会ですので、楽しみにしておりました。)

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本年度の出場団体は、「千葉県松戸市立第四中学校」「龍谷大学学友会学術文化局吹奏楽部」「神奈川大学吹奏楽部」「川越奏和奏友会吹奏楽団」「航空自衛隊航空中央音楽隊」の5団体です。
いずれも吹奏楽界では名の知れた有名バンドばかりです。
この文京シビックホールという素敵なホールで、各団体がどんなパフォーマンスをしてくれるのか、本当に楽しみです。

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開演となりました。
まず、最初の団体は龍谷大学。
言わずと知れた関西の超有名バンドです。
プログラムは以下の通りです。

[演奏] 龍谷大学学友会学術文化局吹奏楽部
[指揮] 若林 義人

● フェスティヴァル・ファンファーレ  (坂田 雅弘)
● シンフォニックダンス  (福島 弘和)
● 白の月に舞う  (朴 守賢)
● カラフル  (井澗 昌樹)

最初の曲、「フェスティヴァル・ファンファーレ」は与野吹奏楽団の委嘱で作曲され、同楽団により初演(2011.11)されたそうです。(私も去年、与野吹奏楽団の定期演奏会に行きましたが、初演されたのは、その前年の定期演奏会ですね。)あと、ご存知、福島弘和氏や昨年もコンクール自由曲として、ケッコウ演奏されていた「バイ・バイ・ヴァイオレット」の井澗(いたに)昌樹氏の作品等、盛りだくさんの内容でした。(井澗先生は、何とピアノで演奏に参加されておりました。)
その中で私が特に興味を惹かれたのが朴守賢(ぱく すひょん)氏の「白の月に舞う」。
小編成の美しい曲でしたが、どことなく雅楽的な響きに聴こえて不思議な感じがしました。
何でも韓国の伝統舞踊「サルプリチュム」がヒントになっているとか。
癒しの音楽のように感じました。

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それにしても、文京シビックホールの良く響くこと!
1階席、前から12列目で聴いたせいかも知れませんが、龍谷大学の演奏も少々、オーバーヒート気味に思えました。

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2番目の団体は、“我が埼玉”の雄、川越奏和奏友会です。
昨年は、「3出(さんしゅつ。3年連続全国大会に出場すると4年目は出場できないという大会規定)」という悪しきルールに阻まれ、コンクールヘの出場はなりませんでしたが、今年度から「3出」が撤廃され、毎年、この団体の演奏をコンクールという独特の雰囲気の中で聴けるのは非常に楽しみです。
プログラムは以下の通りです。

[演奏] 川越奏和奏友会吹奏楽団
[指揮] 佐藤 正人

● 行進曲「理想の海へ」  (清水 大輔)
● ファイヴ・コンビネーション  (鹿野 草平)
● フォークラリネッターズ [Four Clarineters] (小長谷 宗一)
● 「ニルマル・ヒルダイ」~マザーの微笑みに包まれて…  (八木澤 教司)

清水大輔、鹿野草平、八木澤教司といった人気作曲家と川越奏和奏友会とのコラボは、私をワクワクさせました。
海上自衛隊から委嘱作品「理想の海へ」、伊福部昭先生の作品からヒントを得たという「ファイヴ・コンビネーション」、東北福祉大からの委嘱作品「ニルマル・ヒルダイ」、どれも楽しませて頂きましたが、特に小長谷宗一氏作曲の「フォークラリネッターズ」は愉快でした。
4本のクラリネットを使った協奏曲って感じかな。
しかし、そんな堅苦しいものではなく、ラテン色の強い楽しい曲でした。
また、川越奏和奏友会のクラリネットパートの皆さんの演奏も見事でした!
アカデミックな曲も良いですが、こういうセンスのよい曲にも惹かれます。
いずれにせよ川越奏和奏友会の演奏に魅了されたひと時でしたが、先程より申し上げております“響き”のせいで少し、耳が疲れた…。

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次はグッと若返りまして、松戸市立第四中学校吹奏楽部の登場です。
今年は「3出」でコンクールお休みという名門校です。
プログラムは以下の通りです。

[演奏] 千葉県松戸市立第四中学校吹奏楽部
[指揮] 須藤 卓眞

● サニー・デイ  (渡部 哲哉)
● 架空のゲームファンタジーへの音楽「フランチェスカの鐘」  (内藤 淳一)
〈委嘱作品初演〉
● Variations of 4:00 a.m.  (三浦 秀秋)
● 華燭の灯るとき  (平岡 聖)

初めて、この学校の演奏を聴かせて頂きましたが、ビックリしましたな。
去年も数校の吹奏楽の強豪中学校を聴く機会がありましたが、それと比較しても、この学校のレベルが一番高いところにあるように感じました。
確かに中学生なので音色の厚みや独自性は希薄な部分が見え隠れしていましたが、アンサンブルの正確さ等に目を見張るものがありました。
学校の立地からいきますと、このような子たちが市立習志野高とか市立柏高とかに行くんですかね。
だから、千葉県のレベルが高いわけですよ。ホントに。
今回の演奏についても、作曲者の意図をくみ取った好演が多かったように思いました。

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4番目に登場は、この演奏会を主催する「“21世紀の吹奏楽”実行委員会」代表の小澤俊朗先生率いる神奈川大学吹奏楽部です。
アマチュアの大学吹奏楽団の演奏会等をいくつか聴かせて頂きましたが、聴いた中では、この大学のレベルが一番安定しているように思います。
この日も期待しながら、聴かせて頂きました。
さて、演奏曲目は以下の通りです。

[演奏] 神奈川大学吹奏楽部
[指揮] 小澤 俊朗、志村 健一

● Prelude and Fugue  (堀田 庸元)
● 翡翠 ― JADE  (福田 洋介)
● サイバー・アポカリプス〈委嘱作品初演〉  (星出 尚志)
   ドラムス:そうる 透  E.ベース:明光院 正人(友情出演)

さすが神奈川大学と思わせる演奏でした。
特に最初の曲、「Prelude and Fugue」は、フーガの部分の繰り返される旋律の連鎖が非常に心地よかった。(私見ながら、この日、紹介された楽曲の中でイチバン好きな曲でした。)
そして、最後の「サイバー・アポカリプス」で興奮は最高潮に達しました。
プログラムの解説によりますとロックにクラシックやジャズの要素を取り入れたのが「プログレッシブ・ロック(プログレ)」と言うとのこと。
今回、作曲者の星出氏が“饗宴”の実行委員会から楽曲の委嘱があったので、吹奏楽でこのプログレを実践したのだそうです。
神大は、もちろんですが、ゲスト演奏のそうる透氏、明光院正人氏の演奏が会場のテンションを最大に盛り上げました。
素敵でしたねぇ。

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楽しいひと時は、あっと言う間ですね。
いよいよ最後の団体、航空自衛隊の登場です。

[演奏] 航空自衛隊航空中央音楽隊
[指揮] 2等空佐 水科 克夫

● 夕焼けリバースJB急行~ハイドン・バリエーション・メタモルフォーゼ  (伊左治 直)
● 嵯峨野 ~ソプラノと吹奏楽のために~  (河邊 一彦)
   ソプラノ:三宅 由佳莉
● MIRAGE Ⅳ  (真島 俊夫)

私のような素人のオヤジが言うのもオコガマシイですが、これも見事な演奏の数々でした。
とくに2曲目の「嵯峨野」は、自衛隊の音楽隊が総力を挙げた楽曲でした(笑)!
指揮・演奏は、2等空佐、水科克夫氏と航空自衛隊航空中央音楽隊。
作曲の河邊一彦氏は、海上自衛隊の東京音楽隊長の2等海佐。
そして、ソプラノ独唱は、海上自衛隊3等海曹の三宅由佳莉氏。
日本情緒あふれる曲に三宅さんの美しいソプラノの調べが花を添えていました。
さて、大トリは、真島先生のミラージュシリーズの第4弾です。
海上自衛隊東京音楽隊の委嘱作品とのことですが、ジャズテースト満載の真島先生の真骨頂とも言えるノリノリの曲でした。(オヤジなので表現が古くてシツレイしました。)
そして、興奮のルツボの中で演奏会は終了しました。

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最後に本日の楽曲を提供してくださった作曲の先生方と実行委員の方々が壇上に上がられました。
そこで、会場の雰囲気は最高潮に達したね。(言い忘れましたが、1曲、1曲、終わるごとに、その曲の作曲者が紹介されました。楽曲提供者全ての方が来場されており、人気作曲家ばかりでしたので、その姿は壮観でした。)
新曲を優れたバンドで披露する演奏会、そんな贅沢はないわけで来年以降も来場したいなと思った次第。
最後になりますが、短い時間に多くの聴いたことのない曲に触れ、正直言って、全ての曲を正確に覚えているわけではないのですが、一部の曲にしか感想を書けなかったことをご容赦下さい。(全ての曲が意欲的で観衆を楽しませるものであったことは、疑いのないところです。)
その後、文京シビックホールをあとにし、池袋で大好きなラーメンを食べて帰宅した浦和のオヤジでした。

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そう言えば、コンサートの休憩時間にロビーで翌日(3/11)に開かれる龍谷大学と駒澤大学のコンサートの整理券をこの日、演奏した龍谷大学の吹奏楽部員に貰いました。
行ってみよーっと!


横浜ブラスオルケスター 第14回定期演奏会

2013-03-04 18:56:42 | 吹奏楽

2月は、仕事やら体調不良やらでコンサートに行くことが出来ませんでした。
したがって、ブログの更新を断念。
生の演奏を聴けないことに非常にストレスがたまっております。
その反動で予定をたくさん入れている3月です!

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1ヶ月半ぶりの演奏会は「横浜ブラスオルケスター第14回定期演奏会」です。
去年も、定期演奏会に伺わせて頂き若々しさ、躍動感、力強さを兼ね備えた演奏に魅了されたのを覚えています。
昨年は「3出制度(さんしゅつせいど。全国大会に3年連続出場すると4年目は自動的に出場できないという大会規定。)」という悪しき制度のために吹奏楽コンクールに出場できなかった。
でも、今年から、「3出制度」も撤廃されることになり横浜B.O.の素晴らしい演奏を間断なくコンクールで聴けると思うと楽しみでなりませんね。

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2013(平成25年)年3月3日[日]14:00開演。
場所は、新宿文化センター。
(このホールを訪れるのは、一昨年末の東海大学付属高輪台高校吹奏楽部の定期演奏会に伺わせて頂いた以来ですか。)
ここで、ひとつの疑問が湧いてきます。
去年の定期演奏会は、“みなとみらいホール”。
また、この日のプログラムに書いてあったのですが、今年のサマーコンサートの会場は“川崎市教育文化会館”。
そして、来年の定期演奏会の会場は、“ミューザ川崎シンフォニーホール”だそうです。
なのに今年の定演は、何故、新宿文化センター?
(神奈川が地元なのに…。)
座席数は1802と大きく、パイプオルガンも鎮座ましましている立派なホールですが、どうせ東京でやるんだったら、今、吹奏楽団が結構、演奏会を開いている“東京芸術劇場”とか“東京オペラシティコンサートホール”とかでやってほしかったなあと勝手に考えてしまいました…。
埼玉県民の私としましては、横浜とかに行くより楽でよかったですけど。

指揮は、吹奏楽界ではお馴染みの近藤久敦先生。
先程、申し上げましたとおり、昨年の吹奏楽コンクールは「3出」のため出られなかった横浜B.O.ですが、近藤先生だけは、宇都宮の会場でお見かけしました。
第60回全日本吹奏楽コンクール 職場一般の部、東北支部代表として出場されていた「名取交響吹奏楽団」の指揮をしておられました。
(名取交響吹奏楽団は私の大好きなエルガーの「エニグマ変奏曲」を演奏し、“銀賞”を獲得されました。)

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余計なことばかり、書いてしまい申し訳ありません。
いよいよ、本題に入りましょう。

ホール内に入りますと熱気ムンムンです。
満席とまではいきませんが、かなりの方がお越しになっているようです。
当日のプログラムは以下のとおりです。

[演奏] 横浜ブラスオルケスター
[指揮] 近藤 久敦
[トランペット独奏] 高橋 敦

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[1部]

● 幻想曲ト長調 BWV.572 (J.S.バッハ)
● アーデンの森のロザリンド (A.リード)
● トランペット協奏曲 (A.リード)
     第一楽章:ソナタ
     第二楽章:ブルース
     第三楽章:ジャズワルツ
     第四楽章:ソング
     第五楽章:サンバ

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(休 憩)

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[2部]

● 組曲「展覧会の絵」 (M.ムソルグスキー)
     Ⅰ.プロムナード
     Ⅱ.グノーム
     Ⅲ.古城
     Ⅳ.テュイルリーの庭
     Ⅴ.ビドロ
     Ⅵ.殻をつけた雛の踊り
     Ⅶ.サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ
     Ⅷ.リモージュの市場
     Ⅸ.カタコンブ ローマ時代の墓
     Ⅹ.鶏の足の上に立つバーバ・ヤーガの小屋
     ?.キエフの大門

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まず、最初の曲はバッハですか。
んン…、木管の音が聴こえてこない。
金管が覆いかぶさっているようなカンジ。
ホールが悪いのか?
曲が進むにつれて是正はされてきましたが、何かチグハグな気がしました。
きっと、久々に生演奏を聴いたので、私の耳がおかしいのでしょう。
2曲目は、アルフレッド・リードの曲。
なんでも、シェークスピアの戯曲を題材にして作曲されたものだとか。
スローテンポの大変、美しい曲でした。
演奏の方も落ち着きを取り戻したように感じました。
蛇足ですが、2曲目からステージ上に現れたイングリッシュ・ホルンの方。
川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団の方に思えたのですが、違うでしょうか?
プログラムを拝見しますと「賛助」って書いてあるので、きっとそうでしょう。
そう言えば、近藤先生は以前にアンサンブルリベルテを指揮しておられたので、そういう繋がりがあるのかもしれません。
(ほんとに、どうでもいいことでした。)
第1部、最後の曲は、同じくリードの「トランペット協奏曲」。
リードがこんな曲を書いているとは知りませんでした。
プログラムの曲解説を見ますと台湾のトランペット奏者、葉樹涵氏の委嘱作品なのだそうです。
トランペット独奏は、ゲストの高橋 敦氏。
演奏前、舞台上を見てみると3種類の楽器が準備されています。
(トランペット、フリューゲルホルン、コルネットだと思いますが、間違っていたら、ゴメンナサイ。)
高橋先生は3台の楽器を駆使し、ジャズテイスト満載の見事な演奏を聴かせて頂きました。
特に第二楽章の“ブルース”のフリューゲルホルンはステキでした。
実に雰囲気出ていてシビレました。
15分の休憩の後、いよいよメインの「展覧会の絵」です。
非常に有名な曲ですよね。
もともとピアノ曲ですが様々な形態の編曲がされています。
特に有名なのがラヴェルの管弦楽の編曲版です。
吹奏楽の演奏ではこのラヴェルの編曲をもとに吹奏楽版として編曲、演奏されることが多いのだと思います。
そして、ラヴェルの華麗なオーケストレーションは、素晴らしいが故に演奏者の技量を試されるのではないでしょうか?
そういう意味では多少、疑問符の残る演奏だったように感じます。
確かに最後の「キエフの大門」なんぞは、若々しくもあるのですが、重厚なサウンドを遺憾なく発揮してくれました。(ブラヴォーです。)
しかし、その他の曲では目立つ所でソロパートのミスが多々あったり、アンサンブルに乱れがあったりして、素人なので的確には言えないのですが、“しっくりこない”感が私の意識を支配しているのがわかりました…。
そりゃあ、プロじゃないんですから、ソロ吹いてりゃ、ミスもするでしょうよ。
でもね、このフレーズは難しいから、間違いそうだなあと思うところでミスしてしまっていたのです。
予測ができるが故に、違和感を感じる演奏だったのです。
生意気にも素人のオヤジがそんなふうに考えてしまいました…。
御無礼の段、平にお許し下さい!!
この日は、団員の皆さんの調子が悪かったのでしょう。
きっと、そうです。間違いない。

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トランペット協奏曲でステキな演奏をして頂いた高橋先生も交えてのアンコールの曲は下記のとおりです。

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ナンダカンダ、生意気なことをいってしまいましたが、昨年の定期演奏会に行って、ファンになってしまった横浜ブラスオルケスターだからこそ熱くなってしまいました。
このブログ内でも書いてますが、昨年、吹奏楽コンクール全国大会、職場一般の部を聴くために宇都宮まで行きました。
そして、全団体を聴かせて頂きました。
昨年、出場した団体の中では、「ヤマハ吹奏楽団浜松」「川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団」は別格でした。(同じ金賞を獲った団体でも、この二つの団体とは少し差があったように思います。)
横浜ブラスオルケスターは、これらの団体と競える力量を持っているバンドです。
今後も、期待したいと思います。
また、定期演奏会等、時間が許す限り、お邪魔します。
特にコンクールのステージでの演奏を拝見したいですね。

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最後に「3出制度廃止」バンザイ\(^^@)/