浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

広島ウインドオーケストラ 結成20周年記念 東京公演

2013-04-25 21:21:10 | 吹奏楽

昨年のことだったでしょうか?
渋谷のタワーレコード6Fのクラシック音楽のフロアでCDを物色していましたところ、吹奏楽のコーナーで“その”CDを発見しました。
「兼田敏:ウインドオーケストラのための交響曲」。
演奏が広島ウインドオーケストラで指揮(音楽監督)が話題の下野竜也氏。
しかも“レコード芸術”誌の2011年度第49回レコード・アカデミー賞(特別部門吹奏楽)を受賞したディスクだとのこと。
広島ウインドオーケストラという名前に馴染みはありませんでしたが、早速、購入いたしました。(選曲も意欲的で大変満足したCDでした。)

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その広島ウインドオーケストラの東京公演が東京オペラシティであると聴き、お伺いした次第です。
2013年(平成25年)4月21日、日曜日、13:40。
私が行ったことのある中でイチバン好きなコンサートホールである「東京オペラシティ コンサートホール タケミツメモリアル」に到着しました。
ホワイエには音楽監督の下野氏の記事が紹介されているボードがあったりしてにぎやかです。

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それにしても、このホールは素敵ですよね。
響きはもちろん、木材をふんだんに使い、温かみを感じます。
舞台の上の天窓なんかも素晴らしい。
視覚的にも十分、満足させてくれるホールです。
そして、この素敵なホールで結成20周年という節目を迎えた広島ウインドオーケストラがどんな演奏を聴かせてくれるか興味津々です。

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開演はもう間もなくです。
席に着きます。
今回は、最前列に陣取ることとなりました!
よく響くホールなので、舞台に近すぎることが不安材料でしたが、それは全くの杞憂であることを思い知らされました…。(以前、下手[しもて]側の舞台を覗き込むようなかたちの3階席で聴いたことがありましたが、それより1階最前列のほうがはるかにヨカッタ。あたり前でしょうけど…。)

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プログラムは以下のとおりです。

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[演奏] 広島ウインドオーケストラ
[指揮] 下野 竜也

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1.木下牧子:シンフォニア(1988)
2.北爪道夫:風の国(1985)
3.平石博一:時の記憶は反射する(2012-2013)
 -広島ウインドオーケストラ結成20周年記念委嘱作品-[初演]

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〈休憩〉

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4.デイヴィッド・マスランカ:交響曲第3番(1991)
 第1楽章 モデラート
 第2楽章 
 第3楽章 非常に速く
 第4楽章 ラメント
 第5楽章 ラメント

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なかなかシブい選曲です。
私の好みの内容ですね。
期待大です。

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演奏会が始まりました。
舞台とは、目の前にいるクラリネットの方のキイの開閉音まで聴こえてきそうな近距離です。

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1曲目は「シンフォニア」。
作曲者の木下牧子氏と言えば私のような素人でも、第54回全日本吹奏楽コンクール(2006年、平成18年)の課題曲Ⅲ「パルセイション」が思い出されます。
パルセイション(pulsation:鼓動、脈拍)は鼓動をイメージさせる一定のリズムを刻みながら進行する名曲です。
素人が上から目線で大変、恐縮ですが、当時、実にセンスのいい曲だなあと感じたのを覚えています。
今回、演奏された「シンフォニア」は随分、前に作曲されたようですが、現在でも新鮮さを感じるいい曲でした。
広島ウインドオーケストラの演奏も素晴らしかった。
特に金管楽器がグッときましたね。
ファンファーレのようなところがキレイだった。

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2曲目の「風の国」は、1985年にヤマハ吹奏楽団の委嘱で作曲されたとのこと。
素人のオヤジが感じるにバリバリの“現代曲”ですなあ。
でも、個人的に好きです、この曲。
こういう曲が得意なんですかね、それにしても見事な演奏です。

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前半、最後の曲は「時の記憶は反射する」。
この曲は舞台上の楽器の配置が特殊なため、配置転換に時間がかかりました。
その時間を利用して舞台上では、広島ウインドオーケストラのプログラミングアドヴァイザー、国塩哲紀氏と作曲者の平石博一氏の対談が行われました。
しかし、客席最前列が災いしてか、舞台上の配置転換の作業音が大きく、お二人の会話が聞き辛かったのが残念でした。(マイクは使われていたのですが…。)
この曲の楽器の配置図がプログラムにものっていましたが、全ての楽器が指揮者と舞台の真中奥に配置されたピアノを結ぶ線を軸としてシンメトリーになっているというものでした。
曲はメロディというよりも“音”といい表わした方が的確な短いフレーズを各楽器が演奏し、まるで点描画のように点(ひとつひとつの楽器の“音”)の集合で音楽を作り上げていているように感じました。
とても面白い曲で初めて聴くジャンルの音楽でした。
あっという間にこの曲の世界に引き摺り込まれました(失礼!)。
ただ、惜しむらくは楽器配置をシンメトリーにした意図が(私のいた場所が悪かったため)、あまり感じられなかったことです。
空間的広がりを演出したのでしょうが、私がいた最前列の席では、よくわからなかった。(素人のオヤジの私には…。)
この時だけ、この席を選んだことに後悔しました。
しかし、新鮮な驚きを頂きました!素晴らしかった!

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休憩のあとは、マスランカの交響曲第3番です。
細かい印象はさておいて、非常に素晴らしい演奏でした。
表現力が秀逸で、すべての楽器の音が一体化したかのような気がしました。
今まで聴いてきた佼成やシエナとは違う独自のサウンドは興味深く、音楽監督下野竜也氏の意図する“音楽の世界”が私のような素人にも伝わってくるような感じがしました。
気迫のこもった演奏でした。

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とても満足した演奏会でした。
東京での演奏会は、どれくらいの頻度であるのでしょうか?
滅多に聴けないなんて、そんな事ないでしょうね?
さすがに広島までは通えないので…。
いずれにせよ、お愛想ではなく、私が“本当に聴きたい”ウインドオーケストラがひとつ増えました!!

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埼玉県大学によるジョイントコンサート2013

2013-04-15 08:58:25 | 吹奏楽

越谷サンシティホールを訪れるのは、この日が初めてのことでした。
JR南越谷駅あるいは東武鉄道新越谷駅から歩いて2~3分の距離ですね。
佇まいは地方都市の市民会館といった風情でしょうか?
中に入りますとオーケストラピットも備えた立派なホールが姿を現します。
客席数も1675(車椅子席8席含む)で、なかなか大規模な陣容です。
この日(2013年4月7日、日曜日)は埼玉県にキャンパスのある大学吹奏楽部がジョイントコンサートを行うと言うので武蔵浦和から武蔵野線を使って、ここ越谷までやって参りました。

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私は初めて知ったのですが、このような埼玉県内の大学のジョイントコンサートは20回目だとのこと。
なかなか地道な活動をしていたのだなあと感心することしきり。
今回のコンサートは大学生の皆さんの自主活動なので指揮も学生の方がするのだと思いますが本当に頑張って頂きたいですなあ。
また、今年のコンサートのテーマは「Let’s enjoy joint concert!」ということらしく、われわれ観客をどこまで楽しませてくれるか期待が膨らみます。。
コンサートは2部構成で前半が埼玉大学と文教大学の単独演奏、後半が合同演奏でした。

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「“埼玉県大学によるジョイントコンサート2013”参加大学」
埼玉大学、文教大学、城西大学、東京国際大学、日本工業大学、駿河台大学、芝浦工業大学

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【第一部〈各校ステージ〉】

■埼玉大学吹奏楽部
 THE HIGHLANDER  (D.コート)
 NESSUN DORAMA! 歌劇「トゥーランドット」より 誰も寝てはならぬ  (G.プッチーニ)
 The rebirth《復興》  (保科 洋)
■文教大学吹奏楽部
 スノーキャップス  (リチャード・L・ソーシード)
 サスパリラ  (ジョン・マッキー)

[休 憩]

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【第二部〈合同ステージ〉】

カーニバルのマーチ  (杉本幸一/arr.小長谷宗一)
Fly High  (星出尚志)
ニュー・シネマ・パラダイス  (エンニオ・モリコーネ)
バレエ音楽「エスタンシア」  (アルベルト・ヒナステラ)
 第1楽章 開拓者たち
 第2楽章 小麦の踊り
 第3楽章 牧童
 第4楽章 終幕の踊り(マランボ)
[学生指揮]小野田弘崇、島崎智寛、黒木裕太、小池勇也

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1部は埼玉大学のステージから。
プログラムを拝見しますと埼玉大学がこの日の演奏会を主導的立場で運営しているように見受けられます。
そう言った意味で注目される演奏です。
1曲目の「THE HIGHLANDER」はスコットランド民謡をモチーフしているとの事で、大変素朴で美しい曲です。
埼大の音色に良くあってました。
お馴染みのトゥーランドットのあとは、昨年のコンクールで大流行りだった保科先生の「復興」です。
合奏の時は良いのだけれど、ソロや各パートのtuttiの所では不安定に感じる場面がありました。
とても、やわらかくて素敵なサウンドなのだけど欲を言えば、若干、色彩感が欲しい気がしました。
あと、もう少し低音楽器に力強さがあれば、私の好みに近いなあと思った次第。

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次は、西関東支部では向かうところ敵なしの文教大学の登場です。
やはり、サウンドといい技術といい、抜きん出ていますな。
重厚であるのに明るい音色は曲を引き立たせます。
特に2曲目に演奏した「サスパリラ」は面白かった。
西部劇のような愉快な曲で文教大学は躍動感あふれる好演でした。(司会者の解説によりますと、「サスパリラ」とは、アメリカ西部のお酒の名前だとの事です。)
さすがに著名な作曲家ジョン・マッキーの作品だけあって構成力の高さに脱帽です。

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2部に入って合同演奏です。
演奏者がグッと増え、180名だとのこと。
舞台上の大勢の若者たちの姿は壮観です。
正直な話、やはり、各大学間に技量の差があると推測されたので演奏レベルが落ちるのではという不安がありました。
しかし、それは杞憂に終わりました。
やはり、サウンドの中核が王者“文教大学”とそれに続く存在の埼玉大学だったからでしょうか、明るい音色でハツラツとした演奏でした。
ただ、180名という人数は如何なものでしょうか?
もう少し、響くホールだったら、たまらん音量に聴こえる様な気がしました。(半分以下の人数で“選抜”的なモノのほうがいいのかなあ…。)
演奏の方ではトリの曲、「エスタンシア」がイチバン印象に残りました。
若者らしい躍動的な演奏が素敵でした。(私が初めてこの曲を聴いたのは、“シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ&ドゥダメル”でしたが、躍動感あふれる演奏は若者らしくて非常にインパクトがあったのを覚えています。)

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以前に鹿児島情報高校吹奏楽部顧問の屋比久勲(やびくいさお)先生の記事をネットでみたことがあります。(どこの新聞社だったか忘れました。多分、地方紙?)
屋比久先生は、自分の学校だけではなく、地域の吹奏楽の活性化が全体のレベルアップにつながるという考えをお持ちで、近隣の中学校等を指導されることがあるという記事でした。(実際に昨年、鹿児島情報高校のすぐ近くの中学校が全国大会に出場しました。)
同じように地域内の団体、学校で吹奏楽と言う共通の“言語”を使って交流を持つことが全体の底上げにつながっていくのだと思います。
幸い埼玉県は吹奏楽のレベルの低い県ではありません。
特に高校や一般では全国トップレベルの水準があると思います。
しかしながら、大学では文教大学が圧倒的に抜きん出ている気がします。
こういった現状から思うに、この日のようなジョイントコンサートは非常に有意義なのではないでしょうか!

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去年の東関東大会の大学の部、非常に感銘を受けた団体がありました。
茨城県代表の流通経済大学。
わずか24名という人数でしたが、倍以上の数の他の団体をいろんな意味で圧倒している演奏でした。(支部代表となり全国大会に進みました。さすがに全国大会は甘くはありませんでしたが…。)
人を引き付ける演奏と言うのはやはり、自分たちのサウンドを作っていくことが肝要かと思います。
流通経済大学のように人数が少なくてもオリジナルサウンドを持つ事は可能です。
音楽性を高めるには、強力な指導者が存在すればよいのですが、全ての団体がそういうわけにもいきません。
ですから、多くの吹奏楽団と交流を深めて切磋琢磨して頂きたい。
埼玉県の大学生の皆さんには、そのことを切に望みます。
埼玉県民として…。


JWECC(日本管楽合奏指揮者会議)2013~M.グールド生誕100年~

2013-04-09 21:49:54 | 吹奏楽

JWECC(日本管楽合奏指揮者会議:Japan Wind Ensemble Conductors Conference)は日本の吹奏楽振興のために2005年に設立された団体です。
ご存知、東京佼成ウインドオーケストラの仲田守氏が会長となり、その他、日本の吹奏楽界で著名な方々によって運営されています。
2013年3月31日、日曜日、ここ「府中の森芸術劇場 どりーむホール」で“モートン・グールド生誕100年”と題して開催されました。

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私は、つい最近まで、JWECCがあることを知りませんでした。
以前に行ったコンサートでもらったチラシによって、その存在を知る事となったのです。
今回は、東京都下、府中での開催。
しかも、モートン・グールドの曲を演奏するとのこと。
これは、行かないわけにはいきません!(M.グールドは、私にとって特別な作曲家です。その事に関しては後ほどお話したいと思います。)

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この日の日程は、朝10:15に始まり、19:30に終了予定ということでしたが、私は午前中に所用があったもので、午後から伺いました。
府中の森芸術劇場に伺うのは昨年、ゴールデンウイークの都立片倉高校の定期演奏会以来ですので1年振りくらいですか。

私が聴けなかったコンサートⅠ~Ⅲのプログラムは以下のとおりです。(ちょうど会場に着いた時、“コンサートⅢ「中学バンドレパートリー」が終わったところでした。)
なお、私が聴かせて頂いた部分でも、プログラムと順番が違っていたり、新しく加えられた楽曲がありました。
したがって、実際と演奏順や楽曲が違う場合がありますので、予めご了承下さい。(プログラムどおりに記載させて頂きます。)

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【コンサートⅠ「2012~2013新譜、新作」】

[演奏] 山形県立鶴岡南高等学校吹奏楽部
[指揮] 蛸井 朗
● メーカーズ マーク序曲  (Ryan Nowlin)
● マスカレード  (Joseph Turrin)
● シンフォニック エッセイ  (James Barnes)
● ストームチェイサーズ  (Robert Sheldon)
[演奏] 愛媛県立伊予高等学校吹奏楽部
[指揮] 長谷川 公彦
● “楽しい吹奏楽Ⅲ”より“吹奏楽のためのソナチネ”  (高 昌帥)
● 倭建命 流離譚~吹奏楽のための[JWECC2013委嘱作品初演]  (井澗昌樹)
● オプセシォネル[JWECC2013委嘱作品初演]  (長生 淳)

【コンサートⅡ「徹底解明~マーチ王J.P.スーザ~その秘密」】

[演奏] 横浜ブラスオルケスター
[指揮] 近藤久敦
[解説] 高橋誠一郎(東京国際スーザ研究所 主宰者)
● 星条旗よ永遠なれ
● ワシントンポスト
● オン・パレード
● エル・キャピタン
● ギャラント7th
● セヴィーリアの花
● 星条旗よ永遠なれ   (以上、John Philip Sousa)

【コンサートⅢ「中学校バンドレパートリー」】

[演奏] 石川県中学校選抜吹奏楽団
[指揮] 田中一宏、吉田淳一、北山義隆、奥泉清人
● ハバナーファンファーレ  (Andrew Boyson Jr.)
● 古いアメリカ舞曲による組曲  (Robert Russell Bennett/arr.James Curnow)
● シェルタリング スカイ  (John Mackey)
● 創造のレゾナンス[JWECC2013委嘱作品初演(未出版)]  (江原大介)
● 雲を越えて、空の彼方へ![石川県吹奏楽連盟委嘱作品初演(未出版)]  (Richard Soucedo)
● アンコール(未出版)  (後藤 洋)

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以上が既に終わっていたプログラムです。
ひとつのステージだけとってみても、内容が盛りだくさんである事がおわかりになると思います。

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さて、ここからは、私が実際に聴かせて頂いたプログラムです。

【コンサートⅣ「JWECC2013スペシャルバンドコンサート」】
[演奏]  JWECC2013スペシャルバンド 《参加団体及び参加者》伊予高等学校、おかやま山陽高等学校、高知西高等学校、鶴岡南高等学校、光ヶ丘女子高等学校、北陸高等学校、八代白百合女子高等学校、出雲吹奏楽団、ウインドアンサンブルソレイユ、ウインドアンサンブル ドゥ・ノール、上田市民吹奏楽団、勝田町一番地寄合楽団、ソノリテ甲府吹奏楽団、名古屋アカデミックウィンズ、百萬石ウィンドオーケストラ、洗足学園音楽大学(池田政人)、岩田俊哉(川崎医療福祉大学ウインドオーケストラハートフルウインズ)、仲田守、楊鴻泰(青森山田中高等学校)
[指揮] 楊鴻泰、仲田守
● かりそめ小唄~ヴァイオリンと管楽アンサンブルのために[初演]  (日下部進治)
[ヴァイオリン独奏]羽島 健
● サキソフォン日和[JWECC2009委嘱作品(未出版)]  (小長谷宗一)
[Sax]福本信太郎、池上政人、佐野功枝、栃尾克樹
● 翡翠[JWECC2007委嘱作品]  (John Mackey)
● ディス イズ ザ ドラム[JWECC2013委嘱作品初演(未出版)]  (Andrew Boyson Jr.)

【コンサートⅤ「モートン グールドに捧ぐ」】

[演奏] 川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団
[指揮] 福本信太郎
[解説] 渡部謙一
● アメリカン サリュート
● バラード フォオ バンド
● “ホロコースト”よりプロローグ(ドラマ音楽:プログラムに記載なし。)
● サンタフェ サガ
● チアーズ

【コンサートⅥ「邦人作品」】

[演奏] 川越奏和奏友会吹奏楽団
[指揮] 佐藤正人
● ファイブ コンビネーション(未出版)  (鹿野草平)
● 沈黙の地球(ほし) (未出版)  (阿部勇一)
[ソプラノ独唱]森有美子
[合唱]松伏高校合唱部

【コンサートⅦ「ウィンドポップスコンサート~世界のリズム~スウィングからアフリカ、ラテン音楽まで」】

[演奏] 東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部
[指揮] 畠田貴生、織田浩司(Sax&指揮)
● ロングノート ラグ  (Leonard Bernstein/arr.Betty Comden and Adolph Green)
● セイバー ジェット  (Samuel L.Nestico)
● シーロック シティ  (Brant Karricks)
● ストレンジ ユーモア[feat.MATARO]  (John Mackey)
● E chi dal Foro Romano[初演(未出版)]  (Kenichi Mitsuda)
● 映画「追憶」のテーマ  (Marvin Hamlisch/arr.浦田健次郎)(プログラムに記載なし)
[Sax]オリタ ノボッタ
● コンガ  (Enrique Garcia/arr.金山徹)
● スペイン[feat.赤木りえ]  (Chick Corea/arr.金山徹)
● The Bolero!! For Wind Orchestra[未出版]  (Maurice Ravel/arr.Kenichi mitsuda)

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以上がプログラムの全貌です。
見るだけでも疲れてしまいそうな長丁場ですね。

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“コンサートⅣ”は、本日のためのスペシャルバンドの演奏です。
いろいろな団体からの参加で本音で言うとまとまりに欠けるかなと思っていましたが、なかなか素敵な演奏でした。
バイオリンとのコラボがあったり、サックスの素晴らしいハーモニーがあったりして選曲も素敵でした。
マッキーの人気曲「翡翠(かわせみ)」も実はJWECCの委嘱作品だったんですね。
初めて知りました。

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次の“コンサートⅤ”は私にとって、本日の“メインディッシュ”です。
遠い昔の事です。
私は、中学校3年で吹奏楽部員でした。(トロンボーンという楽器と日々、格闘しておりました。)
そして、その年のコンクール自由曲が、モートン・グールドの「サンタフェ・サガ」でした。(私の感覚では「サンタフェ物語」の方がシックリきます。)
大昔の天理高校や駒澤大学の演奏を聴いて参考にしたのを覚えています。
私のいた中学は、この年の前年、前々年と県代表になり支部大会まで進んでいました。
したがって、私が最上級生であったこの年も“支部大会出場”は、必ず成し遂げられなければならない命題でした。
しかし、…。
支部大会には進めませんでした。
その当時は、コンクール自由曲といえば、オーケストラのアレンジ物が主流で、しかも中学では、その傾向が強かった。(アルフレッド・リードさえ演奏する団体が少なかった時代です。)
当時は地方大会の審査員なんぞは、おそらく吹奏楽器のことなど、あまりお詳しくなさそうな(失礼!)声楽ご専門先生もおられたりして…。
そうなると、和声よりもリズムに特徴のあるアメリカの新しいオリジナル曲よりもワーグナーとかのアレンジ物がうけるのは必然でしょう。
何て言い訳がましく書いてますが、高校に進んでから落ち着いた気持ちで演奏の録音を聴いてみました。(もちろん、他の団体と比較してみましたよ。)
ま、納得ですな、力が及ばなかった演奏ということです。
しかし、くやしかった。
今はうらぶれたオヤジの青春の切ない想い出です。

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そんな「サンタフェ物語」(あえて、“サンタフェ・サガ”ではなく“サンタフェ物語”と言わせて下さい。)をこれまた、今、ハマっている(?)アンサンブルリベルテの演奏で聴ける機会が訪れたのでした。
もちろん、他のグールドの曲の演奏も良かったですが「サンタフェ物語」は絶品でした!
私も中学生の“あの日”に戻ったような気になりました…。

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“コンサートⅥ”は川越奏和奏友会が邦人作品を演奏するステージです。
1曲目の「ファイブ コンビネーション」は3月10日の第16回“饗宴”でも聴かせて頂きました。
未出版とのことですが、楽譜が出回れば流行りそうな感じがします。
それにしても、見事な演奏でした。
2曲目は、ソプラノの森さん、松伏高校合唱部の皆さんも素敵でしたが、1曲目と同じく、川越奏和奏友会の魅力を如何なく発揮した演奏だったと思います。

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最後の“コンサートⅦ”は東海大高輪台高校の登場です。
お馴染み顧問の畠田先生と織田浩司(オリタノボッタ)氏の指揮での楽しいステージでした。
特にオリタノボッタ氏のポピュラー音楽の変遷の解説は、わかりやすかったですが、同時にアカデミックで大変、興味深いものでした。

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昨年10月に開催された“第3回もうひとつの全国大会”でのことです。
ゲストとして参加していた東海大高輪台高校は、全国大会で演奏する課題曲と自由曲を演奏しました。
しかし、全国大会まで1ヶ月をきった時点でのその演奏は、決して満足できるものではありませんでした。
というか、今だから言いますが、ヒドかった。
「今年はダメだな。」と思ったのですが、そこから見事な修正、見事、全国大会で“金賞”を獲得しました!
素晴らしい!!
今回のJWECCでは堅苦しいジャンルの音楽ではなかったとはいえ、なかなかのサウンドです。
今年のコンクールは非常に期待できるのではないでしょうか?!

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盛会のうちにJWECCは終了しました。(半分しか聴いていませんが、正直言うと些か疲れました。)
楽しかったですが、観客が少なかった。
企画自体は非常に面白いので、ずっと続けてほしいと思います。
首都圏でも毎年、開催して欲しいですね。


東邦音楽大学・短期大学 ウインドアンサンブル演奏会 「宙(そら)」-無限の創造-

2013-04-02 19:47:30 | 吹奏楽

2013年3月26日、月曜日。文京シビックホール。
東邦音楽大学ウインドアンサンブルの演奏会に伺わせて頂きました。
(昨年秋頃も同じ文京シビックホールで東邦音楽大学ウインドオーケストラの演奏会を聴かせて頂きました。)
本日の最大の目的は、P.スパークの「宇宙の音楽」です。
大変好きな曲なので、生演奏を是非とも聴きたいと思いまして、足を運びました。

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この日の演奏会当日になって初めて気付いたのですが、同じ東邦音楽大学でも“ウインドオーケストラ”と“ウインドアンサンブル”では違うんですね。
プログラムにて拝見しますと、“ウインドアンサンブル”は「学生有志で結成」され、「大学の授業とは別で行って」おり、「企画・運営を学生が主体」で行っている活動だそうです。
素人ながらに考えますと普通の学校でいうところの“授業”にあたるのが、“ウインドオーケストラ”で、“クラブ活動”が“ウインドアンサンブル”ということなのでしょうか?
何れにせよ東邦音大の学生さんには違いないわけですね。

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今回の演奏会は、“「宙(そら)-無限の創造-」というテーマがあるそうです。
無限の可能性に邁進する若者たちの姿には、オヤジは大きなジェラシーを感じますね。

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プログラムは以下のとおりです。

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[演奏] 東邦音楽大学ウインドアンサンブル
[指揮] 山本 教生

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● 祝典序曲  (D.ショスタコーヴィチ)
● ノアの方舟  (樽屋 雅徳)
● 森の贈り物  (酒井 格)
● スクーティン オン ハードロック  (G.ホルジンガー)

【休憩】

● 祝典のための音楽  (P.スパーク)
● ランドスケイプ~吹奏楽のために~  (池辺 晋一郎)
〈1990年度全日本吹奏楽コンクール課題曲〉
● 宇宙の音楽  (P.スパーク)
Ⅰ.t=0 t=0
Ⅱ.ビッグバン
Ⅲ.孤独な惑星
Ⅳ.小惑星帯と流星群
Ⅴ.宇宙の音楽
Ⅵ.ハルモニア
Ⅶ.未知

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コンサート、口開けの曲は「祝典序曲」です。
昔、流行りましたなあ、この曲。
何か、しっくりしない演奏でした。
アンサンブルがかみ合ってなかったり、メロディラインがドンドン走っているように感じたり…。
ま、初っ端ですから、ご愛敬という事で…。
次は「ノアの方舟」。
人気の樽屋雅徳氏の作品です。
前の曲とは違い、前半は透明感にあふれ、後半は重厚なサウンドで魅了されました。
3番目の曲は「森の贈り物」ですね。
コンクールでも、しばしば自由曲として演奏される曲です。
美しいおとぎ話のような曲で私も大好きです。
曲調を意識した演奏の表現力は素晴らしかった。
休憩前の最後の曲は、「スクーティン オン ハードロック」。
ジャズテイストの曲ですね。
リズムにのった演奏で実に楽しめました!

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なかなか素敵な演奏の数々です。
(個人的には、昨年伺った“ウインドオーケストラ”より楽しいかも。)
休憩後の最初の曲は、スパークですか。
初めて聴かせて頂きましたが、スパークらしい躍動感のあふれる曲ですね。
東邦音大も見事に楽曲を“料理”した演奏でした!
次は「ランドスケイプ」。
プログラムの解説によると1990年度のコンクール課題曲だったとか。
この頃、全く吹奏楽から疎遠な生活をしていたので、私にとっては初めて聴く曲です。
興味深く、かつ新鮮に聴かせて頂きました。
さて、最後の曲は、“目的”の「宇宙の音楽」です。
聴いた後の率直な感想。
非常に気迫のこもった演奏でした。
素晴らしかった。
と言うか、期待以上でした。
この曲の持つ音の広がりを若々しいタッチで見事に描いていました。

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大盛況のうちに「宇宙の音楽」は終わり、アンコール曲です。
何と私がイチバン好きなマーチのヤン・ヴァン=デル=ロースト「アルセナール」では、ありませんか!
身震いしましたねぇ、ホントに。

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開演前のこと。
自由席なので、1階席に陣取ります。
それにしても観客が少ない。
以前に観客の少ない演奏会で何となく、演奏に集中出来ないことがあったのを思い出していました。(演奏の巧拙以前の問題でした。)

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しかし、この日は、客席の様子とは違い、演奏は熱気を帯びた聴きごたえのあるものでした。
(選曲もよかった。)
例えば、中高生の吹奏楽部の皆さんが聴いたとしたら、大変、有意義な時間となったに違いないと確信します。
もっと中高生の皆さんが来ることが出来るような環境があればなあ、何て勝手に思いました。
そうじゃなきゃ、もったいないですよ。

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いずれにせよ、今後も注目させて頂きたいバンドのひとつとなりました!