浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

第4回 音楽大学オーケストラフェスティバル(東京音楽大学・国立音楽大学)

2013-12-11 20:07:40 | オーケストラ

石田衣良氏の小説で「池袋ウエストゲートパーク」というのがあります。
2000年に宮藤官九郎氏の脚本でドラマ化(TBS)されたこともあるので、ご存知の方も多いと思います。
そして、この小説の舞台となった「池袋ウエストゲートパーク」すなわち「池袋西口公園」の一角に東京芸術劇場は建っています。

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東京芸術劇場は、『公益財団法人東京都歴史文化財団』が管理する地上10階、地下4階の堂々たる建物ですね。
私がよく訪れます大ホール(1999席)や中ホール(841席)、小ホール(300席)が二つ(シアターイースト、シアターウエスト)、他に展示ギャラリー、展示室、テナント等々を抱える施設です。
1990年10月の開館ですが、2011年4月より改装のために1年半にわたり休館いたしました。
その後、2012年9月にリニューアルオープンし現在に至っております。(特にリニューアル後はエントランスが素敵になりました。)

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そして、今回この東京芸術劇場に「第4回音楽大学オーケストラフェスティバル」のために伺いました。(今年、個人的に東京芸術劇場での“7回目”のコンサートです。)
洗足学園音楽大学管弦楽団、桐朋学園オーケストラ、武蔵野音楽大学管弦楽団、昭和音楽大学管弦楽団、東邦音楽大学管弦楽団、東京藝大シンフォニーオーケストラ、東京音楽大学シンフォニーオーケストラ、国立音楽大学オーケストラという在京8音大の学生さんがミューザ川崎と東京芸術劇場にて日頃の研鑽の成果を披露して頂ける催しです。
11月11日にもミューザ川崎シンフォニーホールで洗足学園と桐朋学園の演奏を聴かせて頂きました。
この日も仕事が休みであったため、演奏会に伺うことにしました。

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2013年12月8日、日曜日の昼下がり。
池袋西口公園は、休日のせいか大変、賑わっておりました。
公園で歌を歌う人がいるのは、よく見る光景ですが、さすが繁華街、池袋駅前の公園はダンスや曲芸?のようなことをするパフォーマーが複数おり、それを見物する人間で溢れかえっておりました。

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そんな人混みをかき分けて東京芸術劇場へと向かいます。
建物の中へと入り、長い長いエスカレーターを登りつめたところに目的の大ホールの入口があります。
さあ、これから、国立音大、東京音大の皆さんの演奏が始まります。

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《ファンファーレ》
● Fanfare2013~躍進~ (竹蓋 彩花)

 【演奏】国立音楽大学

● 交響曲 第8番 ヘ長調 作品93 (L.V.ベートーヴェン)
 第1楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ・エ・コン・ブリオ
 第2楽章 アレグレット・スケルツァンド
 第3楽章 テンポ・ディ・メヌエット
 第4楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ
● バレエ音楽「ガイーヌ」より (A.ハチャトゥリャン)
 剣の舞/バラの娘たちの踊り/子守歌/レスギンカ

 【管弦楽】東京音楽大学シンフォニーオーケストラ
 【指揮】 川瀬 賢太郎

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〔休憩〕

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《ファンファーレ》
● フェスティバル・ファンファーレ2013 (小濱 響子)

 【演奏】東京音楽大学

● 管弦楽のための協奏曲 (B.バルトーク)
 第1楽章〈序奏〉アンダンテ・ノン・トロッポ―アレグロ・ヴィヴァーチェ
 第2楽章〈対の遊び〉アレグレット・スケルツァンド
 第3楽章〈悲歌〉アンダンテ・ノン・トロッポ
 第4楽章〈中断された間奏曲〉アレグレット
 第5楽章〈終曲〉ペザンテ―プレスト

 【管弦楽】国立音楽大学オーケストラ
 【指揮】 山下 一史

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それぞれの大学の演奏の前に“エール”の意味もあるのでしょうか、相手方の金管楽器(一部打楽器も)がファンファーレを奏でます。
しかも既存の曲ではなく、作曲科の学生さんが作った新曲です。
面白い試みです。
そして、とてもいい演出だと思います。

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国立音大のファンファーレに続いて、まずは東京音大の演奏です。
まずはベートーヴェンですか。
普段、個人的にベートーヴェンのオーケストラ曲は聴かないですね。
近代の作曲家から比べると物足りなく感じてしまうので…。
ただ、生演奏で聴くと弦楽器中心の音楽は心が安らいで、とても心地よかった。

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続いては打って変ってハチャトゥリャン。
実はこの2日前に吹奏楽版を聴いているのですけど、やっぱり弦楽器が入るとスケールが大きくなります。
また、管楽器の音と弦楽器の音が交わると普段聴いている吹奏楽の音とは、同じ管楽器なのだけれど違った響きをするように思いました。(何か艶っぽくなったような…。)
それにしても“レスギンカ”は盛り上がる曲ですね。
大いに楽しめました。
全体的に都会的な感じがして、いい演奏だと思いました。

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休憩のあと、後半の演奏は国立音大です。
東京音大のファンファーレに続いて、大曲、バルトークの「管弦楽のための協奏曲」です。
大好きな曲ですので楽しみですね。
今年も吹奏楽の全国大会で“吹奏楽版”「管弦楽のための協奏曲」を聴きましたが(横浜ブラスオルケスター)、先程の「ガイーヌ」と同様、弦楽器の素晴らしさには感銘を受けますね。
迫力が違います。
演奏も「動」と「静」の対比をうまく表現した内容で素晴らしかった。
滅多にオーケストラの演奏会に行くことがないので、よく知っている曲でも生演奏を聴くのは初めてです。
やっぱり演奏はCDではなく、実際にホールに足を運んで聴くものだと、あらためて思った次第。

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演奏会が終わり、外に出ても少し薄暗くなっただけで、都会の喧騒の様子は変わっていません。
心地よい余韻に浸りながら池袋駅から埼京線に乗り込む私(浦和河童)でございました。

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音大生の皆さんの演奏(吹奏楽もオーケストラも)はチケット代があんなに安いのに、それをはるかに上回るパーフォーマンスをみせてくれます。
断然、オトクです!!