浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

ブラス・クインテッド ウィーン=ベルリン 2013

2013-10-14 05:46:29 | アンサンブル

今年の7月、東京オペラシティコンサートホールで行なわれた「ベルリン・フィル 12人の金管奏者たち」に伺わせて頂きました。
学生時代、トロンボーンを演奏していた私には、B.P.O.の皆さんのその究極とも言えるサウンドにいたく感動し、夢心地のひとときを過ごす事が出来ました。
多人数のオーケストラや吹奏楽団も良いですが、超一流の技術を持った演奏者の小アンサンブルは芸術の極致ですね。

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さて、今回はベルリン・フィルとウィーン・フィルという落語で言ったら、“志ん生”と“文楽”みたいな豪華メンバーによるブラスアンサンブルの演奏会です。
前から、楽しみにしてました!(それと、10月20日の全日本吹奏楽コンクール、職場一般の部を聴きに行く前に、どうしても、脳に超一流の音を刻みつけておきたかったので…。)

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2013年(平成25年)10月9日、水曜日。
場所は、東京芸術劇場大ホール。
演奏者は以下の方々です。

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[演奏]
   【Trumpet】ガボール・タルケヴィ(ベルリン・フィル首席奏者)
         ギヨーム・ジェル(ベルリン・フィル奏者)

   【Trombone】ディートマル・キューブルベック(ウィーン・フィル首席奏者)
   【Horn】   トーマス・イェプストル(ウィーン・フィル奏者)
   【Tuba】 アレクサンダー・フォン・プットカマー(ベルリン・フィル奏者)

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トランペットとテューバで参加しているベルリン・フィルのメンバーは前述した「ベルリン・フィル 12人の金管奏者たち」にも出演されていますね。
素晴らしい演奏をもう一度、って気持ちです。

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演奏曲目は、次のとおりです。

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● フーガ ト短調 BWV578 (J.S.バッハ)
● 金管の魅力 より (S.ペレシュ)
● コントラプンクトゥス 第9番 (J.S.バッハ)
● フランス組曲 より (F.プーランク)
● 金管五重奏曲 第1番 Op.5 (V.エヴァルド)

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(休憩)

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● 金づちをポケットに持った男 より (W.ピルヒナー)
● パヴァーヌ Op.50 (G.フォーレ)
● シュタイアー風舞曲 (J.ランナー)
● リベルタンゴ (A.ピアソラ)
● 天使のミロンガ (A.ピアソラ)
● 5つの艦隊 (T.ガンシュ)

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今回は、小編成のブラスアンサンブルということもあり、前から3列目に陣取らせて頂きました。
イチバン距離的に近かったトランペットのタルケヴィ氏からは、多分、4メートルくらいしか離れていませんよ、きっと。
演奏者の細かい表情まで読み取れ、臨場感が増した気がしました。

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演奏は、予想通り、素晴らしいものでした。
いや、予想以上でした!
この日のメンバーは普段、2つの別々のオーケストラで演奏活動をしています。
やっぱり、楽団が違えば、それぞれに独特のサウンドがあるわけで、一流になればなるほど、それが魅力なんだと思います。
ところが、それぞれの楽器の音が恐ろしいほどに“融合”していて、非常に心地よい。
まるで、化学反応を起こしているような錯覚に陥りそうです。
まさに超一流のなせる技でしょうか?
それと、私のような素人のオヤジが言うのもオコガマシイですが、タンギングにびっくり仰天でした。(表現が古い…。)
シングルでもダブルの時でも、均等な雨粒のように音が会場に放たれ、私を幸福にしてくれました。
どうやったら、どういう練習をしたら、あんな音が出るんだろう?
やっぱり、そう思っちゃいますよね…。

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曲目についていえば、バロック音楽からタンゴのリズムまで聴かせてもらえた多彩な選曲でしたが、特にエヴァルトの金管五重奏曲は懐かしかった!
若かりし頃、カセットテープに吹き込んだフィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブルの演奏を何回も聴いていた思い出があります。
そして、私の記憶が間違っていなければ、数十年前、“生徒”だった頃、この曲を練習していたような…。
金管パート5人での練習は、鮮明に覚えているのですが、この曲だったかどうか…。
多分、間違いないと思うのですが…。
まあ、余計な昔話は、これくらいにしましょう。

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アンコールの曲は以下のとおりです。

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休憩前の前半では、ホールの空調の風のせいでタルケヴィ氏の楽譜が譜面台から落ちること二度。
そんな時も、わざとミュートを譜面台に立てかけて、譜面の“押さえ”にしてしまったり…。
一瞬にして、アクシデントをユーモアにかえてしまうところに一流の演奏をする人の人間性が垣間見えたように感じました。
また、トロンボーンのキューブルベック氏が曲の紹介や解説をして下さったのもよかった。
もちろん、全部、英語でしたので、100%理解できたわけではなかったですが、朴訥な口調による温かみのあるお話は気品さえ感じた次第。
ともかく、楽しい、そして、心が洗われるような気持ちになった演奏会でした。
本当にいい音楽を聴くと心が豊かになったかのように思えます。
気持ちが安らかになります。
こんな気持ちになるために、私は“音楽”を聴き続けているのかもしれません…。

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10月20日は、この“清らかな気持ち”のままで、福岡サンパレスホールに行ってまいります!


ベルリンフィル12人の金管奏者たち

2013-07-13 01:49:49 | アンサンブル

「音楽は誰もが理解できる唯一の共通語です。素晴らしい演奏を皆様にお届けできれば光栄です。」
これは、公演紹介のチラシに書いてあった“ベルリンフィル12人の金管奏者たち”からのメッセージです。
そして、このメッセージどおりの感動を私は感じたのでした…。

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私が若い頃、ブラスアンサンブルと言えば、やはり、フィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブルでした。
NHKのFM放送から録音した演奏を繰り返し聴いて楽しんでいた覚えがあります。
自分がン十年前、吹奏楽部でトロンボーンを吹いていたせいか、こういった少人数の金管アンサンブルに非常に興味がありました。
よく、部活の仲間とセッションしましたなあ、目的もないのに…。(その頃は大昔ですので、アンサンブルコンテストなんて、なかったのです。)

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ここのところ、吹奏楽団という大編成の演奏しか聴いてなかったので、視点をかえる意味で、その日に至ったわけでございました。
しかも、世界最高峰と言っても過言ではない、ベルリンフィルの金管楽器奏者の皆さんの演奏が聴けるのです。(学生の頃は、ベルリンフィルのトロンボーン奏者、ヨハン・ドムスが私にとっての“神”でした!)
いやあ、当日まで楽しみでなりませんでしたよ!

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2013年(平成25年)7月11日、木曜日、19:00開演。
場所は、東京・初台にある東京オペラシティコンサートホール・タケミツメモリアル。
そろそろ開演を知らせるベルが鳴りそうです…。

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[演奏]ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 金管楽器奏者
   【TRUMPET】 ガーボル・タルケヴィ
           ゲオルク・ヒルザー
           ギヨーム・ジェル
           マルティン・クレッツアー
           マティアス・ヘフス

   【HORN】   サラ・ウィリス
   【TROMBONE】クリストハルト・ゲスリンク
           オラフ・オット
           トーマス・ライエンデッカー
           イェスパー・ブルク・ソレンセン
           ウーヴェ・フュッセル

   【TUBA】      アレクサンダー・フォン・プットカーマー

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当日のプログラムです。

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PART.1“アリア・アラカルト”

● 組曲《アブデラザール》より
  序曲 - ロンド - アリアⅡ - ホーンパイプ - アリア
  (H.パーセル)
● 教会カンタータ《我らが神は堅き砦》BWV80より
  我らが神は堅き砦
  (J.S.バッハ)
● 歌劇《セヴィリアの理髪師》より
  それは私だわ…だましちゃいやよ?
  (G.ロッシーニ)
● 管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV1068より
  G線上のアリアとジーク
  (J.S.バッハ)
● 歌劇《タンホイザー》より
  歌の殿堂をたたえよう
  (R.ワーグナー)
● 組曲《カルメン》より
  アラゴネーズ、アルカラの竜騎兵、ハバネラ、ジプシーの踊り
  (G.ビゼー)

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~休憩~

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PART.2“ベルリーナー・ルフト”

● 歌劇《アイーダ》より
  凱旋行進曲
  (G.ヴェルディ)
●《舞台管弦楽のための組曲》より
  行進曲、ワルツ第2番、小さなポルカ、ダンス第1番
  (D.ショスタコーヴィチ)
● 金髪のジェニー
  (S.C.フォスター)
●《ヘイレ・カティ》
  チャールダーシュの情景 第4番Op.32
  (J.フバイ)
● 組曲《三匹の猫》より
  ミスター・ジャムス
  (C.ヘイゼル)
●《グレン・ミラー・ストーリー》
  ムーンライト・セレナーデ - アメリカン・パトロール - 真珠の首飾り - ペンシルヴェニア6-5000 - イン・ザ・ムード
  (グレン・ミラー)

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~アンコール~

● オペレッタ《ルーナ夫人》より
  ベルリーナー・ルフト

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月並な言い方かもしれませんが、素晴らしかった!
どうしたら、あんな音が出るんだろうと不思議でなりませんでした!
全ての楽曲が完璧で、聴いている私に実に幸福な時間を与えてくれましたね。
だから、今回に限って個々の楽曲の感想を述べるのをやめさせて頂きます!
ただひとつだけ。
特にグレン・ミラーのメドレーの時、まるでサックスがいるかのような音が出ていたのが不思議でした。
スゴイ事ですよね…。感動です。

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最後は、ベルリンフィルのメンバーらしく、ヴァルトビューネ野外音楽堂での演奏会で恒例のリンケ「ベルリンの風(ベルリーナー・ルフト)」で締めくくり、大盛況のうちに演奏会は終了しました。

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数えてみますと今年は、現在の時点まで吹奏楽を中心に27のコンサートに行かせて頂きました。
その中でも、この日のコンサートはワタクシ的に今年のベスト3に入るものだと確信しました。(あくまでも、7/11現在までの話です。)
帰りの埼京線は、いつものように混み合っておりましたが、そんなことが気にならないくらい幸せな気持ちで家路を急ぐ浦和のオヤジでした…。