埼玉栄中学・高等学校吹奏楽部。
2012年6月16日に大宮ソニックシティ大ホールに第36回の定期演奏会を聴かせて頂いてから、4回目の6月を迎えました…。
幸いな事に36回以降は今年の40回まですべて聴かせて頂く機会に恵まれました。
今まで、高等学校の吹奏楽部演奏会は何回か行かせて頂いております。
いろんな理由で、1回で“懲りた”学校もありますし、複数回、聴かせて頂いた学校(春日部共栄、東海大高輪台等)もあります。
その中で何故、“埼玉栄”を聴き続けているのか?
自分なりに考えてみました…。
まずは、私の仕事の休みと演奏会の日が“合った”ということ。(タイミングが悪く演奏会に行きたいのに行けない学校もあります。伊奈学園とか…。)
そして、これが大事なのですが、演奏に“愛があふれて”いるということ。
もちろん、埼玉栄は日本の吹奏楽界では間違いなく高校トップバンドのひとつです。
ですから、演奏は素晴らしいです。
同時にサウンドから、埼玉栄吹奏楽部員の日常の姿が垣間見えて来るのです。
いかに先生方に愛され、父兄の皆さんの支援に包まれていることか。
部員同士で切磋琢磨し合って、青春を謳歌しているか。
このような日常の何気ない学園生活の光景が“音”となって表現されている。
そんな気がしてならんのです、“浦和のオヤジ”には…。
だから、定期演奏会に足を運ばせて頂いているのだと思います。
2016年6月4日、土曜日。
私にとって“5回目”の定期演奏会です。
初めて定期演奏会を聴かせて頂いた時、1年生だった方が計算すると卒業して成人式を迎えるって事になるのでしょうか?
早いものです。
場所はお馴染み、大宮のソニックシティ大ホール。
キャパ的には2505席を誇る会場ですが如何せん音響がイマイチ…。
もっと埼玉栄には音響のいいホールで演奏してもらいたいなぁ。(35回の定期演奏会は“サントリーホール”で行われたようですね。)
他にも、さいたま市には、“さいたま市文化センター”や、さいたま市民会館“おおみや”とか大ホールはあることはあるのだけれど、どれも同じ意味で似たりよったり。
しいて言えば、「彩の国さいたま芸術劇場」にシューボックス型の音楽ホールがあるらしいのですが、604席とフルオーケストラを聴くにはチョット厳しい…。(私は行ったことがないので詳しくはわからないのですが…。)
予算厳しき折に申し訳ないのですが、同じ政令指定都市の川崎市の「ミューザ川崎」や横浜市の「みなとみらいホール」のような座席数が2000席くらいのクラシック音楽専用ホールをさいたま市にも作って頂ければと思います。(清水市長、“出来れば”お願いします。)
脱線してしまいました…、ゴメンナサイ。
[演奏]埼玉栄中学・高等学校吹奏楽部
[指揮]奥 章
大滝 実
金井 良弘
萩原 奏恵
宍倉 晃
Ⅰ
マーチ「クローバーグラウンド」《2016年度全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅳ》(鹿島 康奨)
Clover Ground
ある英雄の記憶~「虹の国と氷の国」より《2016年度全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅲ》(西村友)
The legendary tale of a brave heart
365日の紙飛行機(角野 寿和/青葉 紘季)
カンタベリー コラール(J.ヴァンデル・ロースト)
CANTERBURY CHORALE
大いなる約束の大地~チンギス・ハーン(鈴木 英史)
“The Land of a Great Promise “CHINGIS KHAN”
スターウォーズ《メインタイトル》(J.ウィリアムズ)
STAR WARS (Main Title)
Ⅱ
A History ofS((シンフォ).H(ニーホール))~そして輝く世界の約束~(吹奏楽部3年 企画・構成)
Ⅲ
歌劇「つばめ」(G.プッチーニ/arr.宍倉 晃)
La Rondine
エヴリシング ビューティフル(S.ヘイゾ)
EVERYTHING BEAUTIFUL
Ⅰ The Stillness of Remembering
Ⅱ Irish Tune
Ⅲ While On Think On Thee, Dear Friend
バレエ音楽「眠れる森の美女」より(P.チャイコフスキー/arr.石津谷 治法)
The Sleeping Beauty
《賛助出演 芹沢 洋樣[Harp:武蔵野音楽大学4年]》
私、仕事は休みだったのですが、所用があり、「夜の部」を聴かせて頂きました。
会場はいつものように超満員です。
開演です。
部員の皆さんがステージに入場して来ます。
お馴染みの白いジャケットが眩しい…。
いつものように校歌の演奏(指揮はトランペットパートの松本奈美さん)のあとに校長先生のあいさつ。
そして、第Ⅰ部が始まりました。
最初は、萩原先生の指揮で今年の課題曲Ⅳ。
滑り出しは順調です…。
ですが、少し疲れてるかなぁ。(“昼の部”が一生懸命のパフォーマンスだったのでしょう。)
でも、曲が進むにつれてパワー全開!
力強いパフォーマンスを見せて頂きました!
指揮が奥先生に変わって、2曲目も課題曲です。
指揮者の西村友氏の作品です。
西村先生と言えば、神奈川の県大会、大学の部で北里大学を指揮なさっていたのを見たことがあります。
ゲーム音楽のような曲ですよね、課題曲Ⅲって。
だからこそ、シンプルで難しい。
少し、金管中音部でピッチが気になる場面はありましたが、まとまった演奏だと思いました。
3曲目は、NHKの朝ドラの主題歌でAKB48が歌った曲ですね。
合唱も入って、楽しく構成されていました。
皆さんで曲名にある“紙飛行機”を飛ばす演出でした。
指揮された大滝先生の飛ばした紙飛行機がうまく飛ばなかったのが面白かった。
続いて、金井先生の指揮で「カンタベリー・コラール」。
ヴァンデル・ローストの名曲です。
厳かで格調高い曲調は、私も大好きな曲ですね。
元々、ブラスバンドのための曲のようです。
私の思い込みかも知れませんが、ブラスバンドの曲って気品のあるものが多いような気がします。
この日の演奏は、曲の持つ特徴を生かした品のある演奏でした。
ただ、あと少しだけ、“基本的な事”に気を配って頂くと、もっと良かったかも知れません…。
5曲目は、私の大好きな“チンギス・ハーン”ですね。
この曲は、3年前の全国大会・職場一般の部、福岡で聴いたパストラーレシンフォニックバンドの“名演”が今でも耳に焼き付いています…。
やっぱり、“演出力”がモノを言う曲ですよ。
埼玉栄の演奏も期待を裏切らないパフォーマンスでした!
冒頭のフルート・ソロ、シビレましたねぇ。
トロンボーンのユニゾンも良かった!
何か“エンジン全開”ってカンジかなぁ…。
正直、ここまで少し、物足りなさを感じていた部分もあったので、この曲の演奏に大満足!
サウンドに統一感があって、とても感激しました!
おそらく、今年もオペラのアレンジ物でコンクールに参加するのでしょうけど、個人的にこの曲を自由曲にして欲しいと思った次第。
Ⅰ部、最後の曲は、誰もが知っている“スターウォーズ”。(指揮は、奥先生。)
映画音楽の華やかさを十二分に表現した演奏でした。
サウンドの“キラキラ”感が絶妙!(特に金管楽器)
誰もが満足したと確信しました!
休憩の後、恒例の3年生部員が企画構成したステージです。
そして、このステージがイチバン、“愛”を感じます!
どんな演出だったかって?
趣向を凝らしたステージは私のようなオヤジが軽率に表現できるものではありません。
このブログを読んでいるアナタが実際に足を運んで“感じ取って”頂ければと思います。
そして…、降り注ぐようなたくさんの“愛”を受け取ってあげて下さい…。
最後のステージの1曲目は、プッチーニですね。
奥先生の指揮で歌劇「つばめ」です。(この曲が今年の自由曲なのでしょうか?)
得意のオペラのアレンジ物。(もちろん、編曲は宍倉先生。)
さすがの演奏です。
ただ、埼玉栄へのオヤジの期待値が高いので若干、言わせて頂きますと演奏する楽器が少ない時のアンサンブルの乱れや基礎的な演奏技法における部分に気になるところが、ホンの少しだけあったのが…。
もちろん、“表現力”や“音楽の流れ”は並みの高校吹奏楽部では真似できない演奏でした!
実に印象に残るパフォーマンスだと実感!
2曲目、大滝先生の指揮でサミュエル・ヘイゾの楽曲です。
ヘイゾと言えば、私は個人的に日本の童謡「砂山」を題材にした「日本民謡の主題による変奏曲」を思い出してしまいます…。
この日、演奏された曲も全体的に情緒豊かに歌い上げられていて、大変、印象に残りました。
司会をされていたOGのミヤウチミキさん(とても美しいお嬢さんでした…)によって祝電紹介。
そして、主将の三浦和紗さんの挨拶のあと、いよいよ、トリの曲です。(指揮は奥先生)
「眠れる森の美女」ですか。
市立習志野高校の石津谷先生のアレンジですね。
お世辞抜きで見事な演奏でした!
何よりも“物語性”を見事に表現していました。
月並みですが「表現力」の豊かさに脱帽です!
トリに相応しい演奏でした。
指導されている先生方への花束贈呈のあと、アンコール曲です。(いつもの旭川商業高校吹奏楽部に由来する合唱曲「夜明け」とか「オーメンズラブ」とかだったと思います…。間違っていたら教えて下さい…。)
そして、毎年、このブログの“埼玉栄高校吹奏楽部の巻”(笑)で書いていること。
やっぱり、“愛”にあふれた演奏会でした。
人が変わり、時が流れても「埼玉栄吹奏楽部」である限り、この伝統は生き続けていくのだと確信します。
いや、続いていって欲しい。
そう、心から願う“浦和のオヤジ”でした…。