浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

第22回 東関東吹奏楽コンクール 職場・一般の部、大学の部(平成28年度)②

2016-09-25 21:13:04 | 吹奏楽

続いては、大学の部です。

 

《大学の部》

 

1.神奈川県代表 北里大学北里会文化会吹奏楽団 (指揮)西村 友

 [課]Ⅲ[自]シュレーディンガーの猫(西村 友)

課題曲、自由曲とも同じ作曲者と言うことは、多々あることでしょうが、それを作曲者自身が指揮してコンクールに参加しているのは、珍しい。(と言うか、“ほぼ”ないでしょうね。)

その作曲者、西村先生の率いる北里大学の登場です。

課題曲は、もちろん、Ⅲ。

出だし、チョット、不明瞭な入り方をしましたか?

何か会場に広がるサウンドの“拡散”がイマイチかな。

打楽器だけがやたらに目立つような…。

あと、多少、ピッチが気になるパートがありました…。

緊張しているんでしょうか?

全体的にしっくりこなかった…。

県大会の方がパフォーマンス的には上でした…。

自由曲も西村先生の作品です。

何となく不可思議な面白い曲です。

私がもし、演奏者だったら、何らかの形で取り上げて見たくなるような楽曲ですね。

北里大学の演奏も課題曲とは違い、安定してきました。

途中、ホルン等でピッチが気になる場面もありましたが、表現力を感じられる演奏に変わっていきました。

演奏の道筋がみえてきたような…。

とても、良いパフォーマンスでした。

エンジンがかかるのが遅すぎたかな…。

それにしても西村先生の指揮は、“勇ましい”です。

[銀賞]

 

2.神奈川県代表 神奈川大学吹奏楽部 (指揮)小澤 俊朗

 [課]Ⅴ[自]バッハの名による幻想曲とフーガ(リスト/田村 文生 編曲)

正直な話をすると神奈川県大会で聴かせて頂いた時には、ミスをしているわけではないのだけれど、何かしっくりしない演奏の“王者”でした。

だから、東関東で、どのようなパフォーマンスをみせてくれるか、非常に楽しみでした。

そして、この日の神奈川県民ホールで期待に応えた、いや、期待以上の演奏を聴かせてくれたのでした…。

課題曲は、毎年“恒例”のⅤ。

最初のフルート群のソロも観客が自然に受け止められるものでした。

他の団体とは少し違う感じもしました。

曲を通して言えることは、課題曲Ⅴの持つ“泥臭さ”を捨て、“透明感”を追求していたように思えたことです。

ある意味“鋭利”なサウンドです。

自然にスッと耳に、脳に、浸透してくる…。

これも“アリ”なのかなって思った次第。

ひとことで言うならば、“美しい”演奏でした。

自由曲は、今、“大流行”の曲ですね。

正直、自由曲の選択には、もっと冒険をして欲しい気もしますけれど、そんな“浦和のオヤジ”の気持ちを吹っ飛ばす、素晴らしい“時間”が待っていたのです。

寸分の狂いもない完璧なパフォーマンス。

計算しつくされている。

ビックリするくらいです。

だからと言って、“機械的”かと問われれば、“サニアラズ”。

見事な“情緒の世界”が広がっていたのでした…。

「全国金賞」間違いなしかも。

まるで、八代目桂文楽の落語のようでした…。(若い方は知らないですよね…。)

[金賞・代表]

 

3.茨城県代表 常磐大学吹奏楽団 (指揮)根本 知計

 [課]Ⅰ[自]祝典舞曲(保科 洋)

人数が少ないですよね。

プログラムには、28名と書いてあります。

課題曲は“フレキシブル”な対応が出来る課題曲Ⅰ。

「A」の前のアウフタクトから始まる主旋律、良く響いていて心地よい。(特にクラリネット。)

同じく、トリオのメロディも良かったですが、少し元気がありすぎたような。

きれいにメロディを歌おうという意識も大切なのでは?

明るいサウンドは好印象でした。

ところで、打楽器のシンバルのお嬢さん(自由曲では、ティンパニを叩いていた方)は、もしかして、裸足だったのでしょうか?(3階席から見ていたので間違っていたら、ゴメンナサイ…。)

どうでも良いことですけど。

自由曲は保科先生の作品です。

少人数で演奏していることを感じさせない“スケールの大きさ”がありました。

そして、華やかさもありました。

躍動感もありました。

全体的にパンチの効いた演奏でした。

ただ、ゆったりとした部分で、もう少しデリケートな気遣いがあったら、と思いました。

良い演奏でした。

もっと、人数がいたらなぁ…。

[銅賞]

 

4.千葉県代表 千葉大学吹奏楽団 (指揮)松田 衛幸

 [課]Ⅰ[自]ウインドオーケストラのためのマインドスケープ(高 昌帥)

課題曲は前の団体同様、Ⅰです。

サウンドが“シャカシャカ”しています。

わかりにくい表現かも知れませんが、“軽快だ”って事です。

演奏が“はじけて”いますね。

トリオのメロディ、よく歌っています。

細かいミスはあったものの、私は好きでした、この演奏。

最後のトランペットソロのミスは残念。

自由曲に移ります。

最初のマリンバ等、とてもステキでした。

パンチが効いて、勢いがあったので、自然に曲に流れが出来ていた。

だから、観客も舞台上に集中していけます。

反面、スローテンポの部分で雑然とした感じを受けたのも事実。

全体的には私の好みのサウンドで楽しめました。

最後のサックスだかクラリネットだかのリードミスは余計でしたが…。

[銀賞]

 

5.茨城県代表 茨城大学吹奏楽団 (指揮)川瀬 光弘

 [課]Ⅰ[自]交響詩「モンタニャールの詩」(ヴァン=デル=ロースト)

3団体連続、課題曲Ⅰです。

ユーフォニアムが5人もいる!

少し演奏が“カタい”かな。

メロディも伴奏も“カタく”聴こえるような。

しっかりしたアンサンブルだっただけに、その点が惜しかった。

トリオ、トロンボーンの伴奏のロングトーン、ピッチが気になりました。

最後のトランペットソロ、もっと歌い上げれば良かったですね。

自由曲は、「モンタニャール」。

物語性を感じさせる雰囲気が出ていて曲に集中することが出来る演奏でした。

練習したなって思えるパフォーマンスでした。

好感度、“大”です。

ただ、曲の冒頭のウインドマシーン、「キッ、キッ」という機械音がしていたのが耳障りでした。

事前の確認も大事かと思います。

[銀賞]

 

6.栃木県代表 白鷗大学ウインドオーケストラ (指揮)堂阪 知之

 [課]Ⅳ[自]民衆を導く自由の女神(樽屋 雅徳)

ここの団体も人数は少ない。(プログラム記載は“30名”)

課題曲は、「大学の部」で唯一のⅣ。

人数の要素を除いたとしても音が出ていない。

「響いてない」と言っても良いかも知れません。

特に金管楽器は頑張って欲しかった…。

もっと、音を遠くに飛ばす意識を持った方が良いかも。

そうすれば、華やかさも出るし、マーチらしくなると思える演奏でした。

自由曲は、ドラマチックな要素がふんだんにある樽屋作品です。

課題曲同様、“響き”がネックでした。

“激しさ”や“安らかさ”といった相反する表現をするのにもダイナミクス以前に“響き”が重要です。

基礎的なものを大切にしながら、曲を演奏していくのが肝要かと思われます。

[銅賞]

 

東関東支部(神奈川、千葉、栃木、茨城)の職場一般、大学の26団体、すべて聴き終わりました…。

審査員も疲れたでしょうが、私も疲れました。

でも、楽しかった。

特に職場一般は、“激アツ”の演奏の連続で興奮しました!

これだから、東関東大会はヤメラレナイ!

 

前も申し上げましたが、「神奈川県民ホール」は、思った以上に響くホールでした。

このホールで聴けて良かったです。

座席数が同等の“我が埼玉”の「大宮ソニックシティ」は、……、神奈川がうらやましいデス…。

来年は茨城での開催のようですが、出来れば、ずっと“ここ”でやってほしいなぁ。

最後に今回の成績のことを記しておきます。(大学は“圧倒的”なので、職場一般のみ)

1位 横浜ブラスオルケスター

2位 光ウィンドオーケストラ

3位 Pastorale Symphonic Band(以上が金賞・東関東支部代表)

3位 相模原市民吹奏楽団(パストラーレと同点、審査員の投票にて代表を逃す)

5位 グラールウインドオーケストラ(3位とわずか“2点”差)

6位 矢板ウインドオーケストラ(以上金賞)

いずれにせよ、平成13年に“土気シビック”と“グラール”が全国へ進んで以来、一度も2年連続、同じメンツで代表として全国大会に進んだことのない東関東支部の職場一般。

来年も熱い戦いが繰り広げられそうです…。

 

なお、このブログに載せられている文言は、“浦和河童”の個人的感想です。

決して、悪意を持って書かれているものではありません。

ただ、もし、ご不快に思われる方がいらっしゃいましたら、オヤジの戯れ事と思い、ご容赦頂ければ幸いです。

 


第22回 東関東吹奏楽コンクール 職場・一般の部、大学の部(平成28年度)①

2016-09-25 21:12:20 | 吹奏楽

神奈川県民ホールと言えば、私が若い頃は、横浜の大ホールで真っ先に思いつく存在でした。

そして、今でも神奈川を代表するホールの一つである事には、疑う余地もありません。

しかしながら、近年、クラシック専用ホールが開館(みなとみらいホール、ミューザ川崎etc.)し訪れる機会がなくなりました…。(と言うか、本当は私、行った事ないんですけどね…。)

 

神奈川県民ホールは、1975年に開館しました。

最大で2493席を誇る一般的なプロセニアム形式の大ホールです。

現在は、2011年に開館した神奈川芸術劇場(KAAT)が隣接し、神奈川県民ホールと合わせて、『神奈川県立県民ホール』と呼ばれているようですね。

 

2016年9月18日、日曜日。

場所は、“みなとみらい線”日本大通り駅から徒歩8分の「神奈川県民ホール」です。

この日の時点で、第64回全日本吹奏楽コンクールの唯一、決まっていない出場団体、東関東支部の“大学の部”、“職場一般の部”の代表が決定するのです…。

しかも、職場一般は、恐ろしく面白い。

ワクワクします。

私が行ける可能性がある支部大会の中でイチバン楽しみにしていると言っても過言ではありません。

さあ、楽しみましょう!!

 

【2016年度全日本吹奏楽コンクール課題曲】

Ⅰ.矢藤 学/マーチ・スカイブルー・ドリーム(第26回朝日作曲賞受賞作品)

    YATO, Manabu/March Sky Blue Dream

Ⅱ.山本 雅一/スペインの市場で

    YAMAMOTO, Masakazu/In a Spanish Market

Ⅲ.西村 友/ある英雄の記憶~「虹の国と氷の国」より

    NISHIMURA, You/The legendary tale of a brave heart

Ⅳ.鹿島 康奨/マーチ「クローバー グラウンド」

    KASHIMA, Kousuke/Clover Ground

Ⅴ.島田 尚美/焔〔※高校・大学・職場一般のみ〕

  (第8回全日本吹奏楽連盟作曲コンクール第1位作品)

    SHIMADA, Naomi/Flame

 

《職場・一般の部》

 

1.茨城県代表 古河シティウィンドオーケストラ (指揮)磯崎 政徳

 [課]Ⅴ[自]ウインドオーケストラのためのマインドスケープ(高 昌帥)

課題曲の冒頭、フルート、ピッコロのソロはもっとパンチがあった方が私の好みかなぁ。

朝イチにしては、よく音が出ていますね。

とても“音圧”があります。

同時にサウンドに統一感があって実に聴きやすい。

ただ、わずかながら、音楽の起伏に乏しい部分があったのが残念でした。(特にダイナミクスの点で。)

自由曲は、「マインドスケープ」。

出だし、課題曲同様、音色が揃っていて美しい。

迫力がある。

流れがある。

曲の内容が整理されていて、実に聴きやすい。

音が響いていますしね。

また、ソロ楽器のレベルも高いです。

今まで生演奏で聴いた「マインドスケープ」の中でも印象に残ったパフォーマンスでした。

イチバン最後のフレーズがもっと迫力があったら、完璧な自由曲でした…。

さすが、全国大会出場経験のある実力バンドだと思いました!

[銀賞]

 

2.神奈川県代表 グラールウインドオーケストラ (指揮)佐川 聖二

 [課]Ⅰ[自]ヴァージョン・リミックス・パア・ラ・フォルム・ドウ・シャク・アムール・ションジュ・コム・ル・カレイドスコープ・プール“グラールウインドオーケストラ”(天野 正道)

グラールは個人的に応援している団体です。

佐川先生のファンでもありますし、全国大会に進んでほしい団体ですね。

課題曲は、Ⅰです。

今年は、この曲が圧倒的に人気があると思っていましたが、東関東大会、職場一般では2団体しか演奏しないんですね…。

僅かにゆったりしたテンポに感じるのは気のせいでしょうか?

「A」からの木管のメロディ、もう少し、弾むと言うか躍動感があったら良かったかも。

しかし、私の大好きなトリオからは、実に美しいパフォーマンスでした!

曲の最後に向かっての盛り上げ方が素晴らしい。

ただ、「I」からのトランペットソロが無造作な感じに聴こえたような…。

自由曲は、天野先生の「カレイドスコープ(正式な曲名は長いので割愛します…)」の“グラール用の改訂版”です。

経緯を聞いただけで期待しちゃいますね。

華やかに曲が始まりました…。

天野作品の甘いメロディをよく“歌って”います。

ユーフォニアムのソロ、とても良かった!(女性の方)

他のソロ楽器の演奏者も色っぽい音色です。

そして、グラールのたたみかけるような“音の粒”。

ドラマチックな大人の演奏でした!

結果は残念でしたが、来年、倉敷での勇姿に期待します!

[金賞]

 

3.神奈川県代表 Pastorale Symphonic Band (指揮)瀬尾 宗利

 [課]Ⅴ[自]風伯の乱舞(石毛 里佳)

続いては、パストラーレですね。

課題曲の冒頭のフルート群のソロ、力強くて、この曲の持つメッセージ性を感じました。

Tuba2、弦バス1と少し低音部が少ないようですが、サウンドに厚みを感じます。

アンサンブルがキッチリ揃っていて心地よいです。

バンドを俯瞰して見るならば、しっかりとした木管群に支えられて金管楽器がのびのびと“動いている”って感じかなぁ。

まとまりを意識できる演奏でした。

自由曲は、文教大学と同じですね。

曲の初っぱなのフルートソロ、スバラシ!

その他のソロ楽器も技量高し。

合奏の時のサウンドが溶け合った瞬間がとてもステキです。

ロングトーンの音の伸びが秀逸!

月並みな言い方ですが、非常に盛り上がりました。

県大会より格段に磨きがかかっていました。

全国大会での“朗報”を期待します!!

[金賞・代表]

 

4.千葉県代表 習志野シンフォニックブラス (指揮)須藤 信也

 [課]Ⅳ[自]マリアの七つの悲しみ(樽屋 雅徳)

課題曲の最初のトランペット&トロンボーン、少し、トランペットのみが浮いているように思えました。

音量的には申し分ないのですが、“音”自体が“抜けていない”感じが…。

とにかく、トランペットが目立つ。

曲が気づかないうちに終わってしまったような錯覚に陥りました…。

自由曲は“樽屋作品”。

樽屋先生の曲らしく、メロディの美しい楽曲です。

それにしても自由曲に入って、のびのびと演奏していますねぇ。

とても感じの良い“リズムの間”があります。

反面、同じようなフレーズの繰り返しの部分で単調にも感じました。

曲の最後の音に向かっての“盛り上げ方”はとても好印象でした。

[銅賞]

 

5.千葉県代表 習志野ウィンド・オーケストラ (指揮)須藤 卓眞

 [課]Ⅳ[自]富士山―北斎の版画に触発されて―(真島 俊夫)

指揮は、松戸四中の須藤先生ですね。

課題曲は、前の団体同様のⅣ。

重量感のあるサウンドです。

だから、聴き応えがある。

そして、パワーみなぎる演奏です。

ただ、ダイナミクスにメリハリがないので単調に感じられたような…。

欲を言えば、コンサートマーチらしく、もう少し軽快さが欲しかった…。

自由曲は、今年の4月に亡くなられた真島俊夫先生の作品です。

このブログでも何度も申し上げておりますが、真島先生のご逝去は、実に残念でなりません。

これからも、どんなに素敵な作品をプロデュースして頂けたかと思うと…。

筆舌に尽くしがたい思いです…。

さて、演奏です。

出だしは、唐突に曲が始まった感じがしました。

さすがに支部大会まで進んできた団体だけあって、基礎的な部分では安心して聴いていられますが、感情移入という面でいま少し、意識を持って頂きたかったような…。

いわゆる“情緒”的なところで、です。(“標題音楽”なので…。北斎の絵が浮かんでこない…。)

それと少し、「音量過多」気味かなぁ。

ffになった時とppになった時のメリハリが感じられると良かった。

[銀賞]

 

6.茨城県代表 水戸交響吹奏楽団 (指揮)萩原 健

 [課]Ⅰ[自]ラ・フォルム・ドウ・シャク・アムール・ションジュ・コム・ル・カレイドスコープ(天野 正道)

課題曲Ⅰのトランペットやサックスのメロディは不明瞭に感じました。

トロンボーンも聴きづらい。

金管楽器の配置が悪かったのでは?

もう少し、木管楽器との“距離”を縮めた方がよかったと思う。(“ひな壇”の金管楽器と木管楽器の距離がありすぎた…?)

逆に木管楽器は、よく響いていて音色がキレイです。

ようやく、曲の最後でサウンドがまとまったような感じを受けましたが…。

自由曲は、“ノーマル”な「カレイドスコープ」です。

出だしの色っぽいメロディ、木管群の音量にバラツキがあり、違和感を覚えたのですが、切なく歌い上げたところは見事だと思いました。

ですが、同時にテンポのズレを感じたのも事実でした…。

全体的には天野作品共通のドラマチックさをより表現できていればなと…。

それと各楽器に共通することですが、音の出し方に癖があるのが気になりました。

[銅賞]

 

7.栃木県代表 宇都宮音楽集団 (指揮)鈴木 太志

 [課]Ⅴ[自]海峡の護り~吹奏楽のために(片岡 寛晶)

毎度、毎度、申し上げますが、課題曲の頭のフルート群のソロは音がよく伸びていて、とても良かった。

正確なアンサンブル、バランスの良いダイナミクス、同時にサウンドが溶け合っていて美しい。

ですが、この曲の“本旨”であるように思われる「内に秘めた情念」のような“泥臭い”ものが感じ取れなかったことが残念でした。

ただ、キレイな演奏…、そんなふうに思えました…。

自由曲。

最初に申し上げておきますが、大変、スマートで美しい演奏でした。

ただ、“ヤマ場”を感じられるところがなく、かえって、わかりづらく思えたような…。

ケチをつけるところはないのですが…、ただそれだけ?

これは、楽団の技量の質と言うよりも楽曲の問題ですかね。

コンクール向きの曲じゃないかも知れません。

[銅賞]

 

8.神奈川県代表 ユース・ウィンド・オーケストラ (指揮)高田 亮

 [課]Ⅴ[自]アスファルト・カクテル(マッキー)

Twitterで東関東において、指揮する時の衣装は“70年代アイドル風”と宣言なさっていた高田氏。

基本、ブラックの中に鮮やかなレッドが混ざった“ハデな”衣装で登場。

毎年、見慣れているせいか違和感を覚えなかった“浦和のオヤジ”でした…。

課題曲、“おとなしめ”の出だしです。

ところが曲が進むにつれて、だんだんとエンジンがかかってきます…。

爆発しそうな“感情”をギリギリのところで内に秘めているような演奏。

“想い”が伝わってきます…。

それが、かえって普通に吹くより、“激しさ”となって観客に伝わってきました…。

ところで、曲の最後の方で“バラつき”を感じたのは、私だけでしょうか?

自由曲は、マッキーの「アスファルト・カクテル」。

個人的にユースのサウンドにあったベストな選曲だと思っています。

すべてがバランス良く回っている演奏でした。

迫力あり!

美しいメロディがあるわけではなく、極端に言ってしまえば、“音の暴力”みたいな曲ですが、ユースの演奏には、ちゃんと「音楽」を感じました。

勢いもあり、とても良かったです。

でも、この曲を自由曲にするって、“冒険”ですよね……。

[銀賞]

 

9.栃木県代表 矢板ウインドオーケストラ (指揮)黒尾 実

 [課]Ⅲ[自]パセティック(ドス)

まずは、課題曲から。

音がよく伸びてますねぇ。

サウンドが柔らかで、とてもステキです。

しかし、テンポのせいか、この曲の持つ魅力のひとつである“アップダウン”感が希薄だったような。

ただし、他は、とても素晴らしかった。

何よりもメロディの歌い方がうまい。

だから、観客も聴き入ってしまう。

とても良い演奏でした。

同時に最高の“課題曲選択”でした…。

自由曲は、残念ながら私は、初めて聴く曲かも。

人気のドスの作品ですか。

サウンド(特に金管楽器)が明るいし、輝いています…。

中間部で細かいミスもありましたが、まとまりはピカイチでした。

スンナリと観客の心の中に染み入ってくる…。

よくも単調な曲をこれだけに仕上げてきたものと感心すること、しきりです。

納得の「金賞」でした!

[金賞]

 

10.神奈川県代表 Oak Wind Symphony (指揮)榮村 正吾

 [課]Ⅴ[自]交響詩「ローマの祭り」より Ⅳ(レスピーギ/佐藤 正人 編曲)

課題曲は、“激しさ”や反対に“静寂”を巧みに演出したパフォーマンスでした

実にバランス感覚が良い。

だからこそ、“型にはまった”ような印象も受けました…。

何か“感情の表現”のらしきものが、もっと伝わってくると良かったかも。

真面目な演奏でした。

自由曲は、コンクールで「定番」とも言える「祭り」です。

キラキラした感じがとても良いです。

そして、美しいサウンド。

「祭り」のイメージどおりの演奏といっても過言ではないでしょう。

躍動感も満載です。

ですが……、「どこか、いつだか聴いた事のある素晴らしい『ローマの祭り』の演奏」という印象が拭えなかった“浦和のオヤジ”です。

やっぱり、“他の団体との差別化”が必要?

言い過ぎてしまったかも知れません…、榮村先生、ゴメンナサイ。

[銀賞]

 

11.千葉県代表 光ウィンドオーケストラ (指揮)佐藤 博

 [課]Ⅴ[自]プラネット・ナイン~未知への軌跡~(樽屋 雅徳)

さあ、実力バンド、光ウィンドオーケストラの登場です。

すっかり、全国大会にも“定着”してきたのでは?

課題曲Ⅴは、他の団体とは(おそらく、良い意味で)違った感じが…。

冒頭のフルート群のソロ、他の団体は鬼気迫るというか、“前へ、前へ”という演奏が多いのですが、光ウィンドは、“ゆったり”と曲を始めました。

全体的に落ち着いたサウンドです。

だから、ズシリと響いてくる…。

各楽器の出す“音”の絡み合いが実に見事で、厚みを感じるサウンドでした!

自由曲は、人気作曲家、樽屋雅徳先生の新作、「プラネット・ナイン」。

この曲は、あの「土気シビックウインドオーケストラ」の20作目のアルバムを記念して樽屋先生が書き下ろしたものだとのこと。

プラネット・ナイン: Planet Nine)は、太陽系外縁に存在すると提唱されている大型の天体天王星型惑星)の仮称である』そうです。(ウィキペディアより。聞いてもわからん…。)

光ウィンドらしく雰囲気のある演奏でした!

まず、ソロ楽器で観客を魅了します。

そして、正確なアンサンブルが曲に“流れ”を創出し、会場中を舞台に巻き込みます。

アインザッツも完璧で素晴らしい!

何よりも“表現力”の勝利でした!!

各々が曲に好みがあると思いますので、一概には言えませんが、私個人的には、この日の団体の中でイチバン優れていると思った“自由曲”でした!!

全国大会では、“初の”「金賞」を期待します!

[金賞・代表]

 

12.茨城県代表 関城吹奏楽団 (指揮)豊田 晃生

 [課]Ⅳ[自]交響曲第2番「キリストの受難」より(フェラン)

もはや、東関東では“老舗(しにせ)”感のある実力団体、関城の登場です。

いつも、安定した演奏を聴かせてくれます。

2003年に一度だけ、全国大会に出場していますね。

東関東大会では「金賞」をとり続けていましたが、ここ3年ばかりは「銀賞」に甘んじています。

“復活”を期待したいものです…。

前置きが長くなりましたが、まずは課題曲です。

冒頭のメロディラインが埋もれ気味…。

少し、聴き辛かった。

これは、主旋律に関して、曲の最後まで私が持った“印象”でした。

だから、真の意味で、軽快に聴こえなかった。

その反面、低音部はしっかりしていて、よく響いていました。

結果、サウンドに重みを感じました。

自由曲は、よく聴く機会のあるフェランの「キリストの受難」。

実力のある団体だけあって、メロディの歌わせ方が実にうまい。

躍動感もハンパない。

人数は45人と少なめですが、他の団体に引けを取らないパワーとスケール感を意識させられました。

聴き応えのある“フェラン”、良かった。

来年に期待します。

[銀賞]

 

13.茨城県代表 日立市民吹奏楽団 (指揮)原 進

 [課]Ⅴ[自]「GR」より シンフォニック・セレクション(天野 正道)

演奏には関係ありませんが、私と同世代の方もチラホラと…。

年齢層が高く見えます。

課題曲の冒頭のお馴染み、フルート、ピッコロのソロ、この日の演奏の中ではトップクラスの力強さでした。(音が“太かった”。)

とても、ステキです。

途中で僅かにアンサンブルの乱れがあったのが残念でした。(金管ですか…。)

全体的な印象としては、ダイナミクスのメリハリがあったら、もっと良かったかも知れません。(少し、単調に聴こえたので…。)

自由曲に入りました…。

天野作品の特徴は良く捉えていると思いました。

ただ、少しハリキリすぎかも知れません。

ドラマチックな部分がある曲だけれども、そんなに過剰な表現をしなくても…。

まとまった演奏だっただけに、そこだけが残念でした。

[銀賞]

 

13団体終了後、昼休憩です。

ここまで聴いた中では…。

グラール、パストラーレも非常に良かった。

でも、光ウィンドがイチバンかなぁ。

それと、思った以上に良く響くホールでした、神奈川県民ホールは。(実は古いホールなので、そんなに期待していなかったのです…。)

あと、皆さんにお知らせしたいことは、斜め前の席(距離にして50cmくらい)に横浜創英の常光先生がいらっしゃったこと。(この日の会場の進行は横浜創英の生徒さんが尽力されたようです。感謝です!)

実に若々しい方のようにお見受けしました!

蛇足ながら、東海大高輪台の畠田貴生先生には、トイレで2度ほど“遭遇”しました(笑)

 

14.千葉県代表 アンサンブル・市川 (指揮)中島 正考

 [課]Ⅲ[自]世俗カンカータ「カルミナ・ブラーナ」より (オルフ/クランス 編曲)

3.見よ、今や楽しい 9.酒場に私がいるときにゃ 10.天秤棒に心をかけて 12.アヴェ、この上なく姿美しい女 13.おお運命の女神を

さあ、職場一般、後半の始まりです。

課題曲はⅢです。

小気味よい出だし。

爽やかなトランペット。

なかなか良いです。

ただ…、全体的に少し、リズムに乗り切れていないような印象を持ちました。

「I」からのオーボエソロの“伴奏”のホルン、ピッチが気になった。

こじんまりとまとまったような演奏だと思いました。

自由曲は「カルミナ」です。

よく練習しているなぁ、って思いました。

2曲目のホルンのピッチが…。

3曲目、ソロパートもステキで美しくまとまっていました。

ただ、伴奏部のピッチが気になったかも。

4曲目は低音部がしっかりしていて、重厚に聴こえました。

全体的な感想から言うとスケールの大きさが際立った演奏でした…。

[銀賞]

 

15.栃木県代表 ゼーレンフォルクスオルケスタ (指揮)手塚 淳雄

 [課]Ⅴ[自]歌劇「トゥーランドット」より(プッチーニ/後藤 洋 編曲)

課題曲Ⅴのお馴染みフルート、ピッコロのソロ、少し、インパクトに欠けるかなぁ。

だから、モヤモヤっと始まった感じがしました。

全員が演奏するような場面の時、中心となるメロディパート(あるいは、それに準ずるパート)が浮き上がってこない。

音圧とかじゃなくて、観客に与えるインパクトを感じることが出来たら、もっと良かった。

そうしたら、空間的な広がりを聴いている人間にもっと伝えられたと思います。

自由曲は一時期、流行った「トゥーランドット」です。

ドラマチックに始まりました…。

メロディは、よく歌っていて、気持ちが観客に伝わってきます。

でも、伴奏パートがねぇ。

ピッチが気になります。

最後は、盛り上がりました。

特にトランペットの活躍が顕著です。(キラキラした、ステキな音。)

全体的に言えば、もう少し“音圧”を感じることが出来れば良かったですね。

[銅賞]

 

16.神奈川県代表 厚木シビックウインドシンフォニー (指揮)萩原 通友

 [課]Ⅲ[自]中国の不思議な役人(バルトーク/萩原 通友 編曲)

課題曲の出だしは、もう少し、華やかさがあれば良かった。

少し、こじんまりとした演奏に聞こえるかな。

「アンサンブル・市川」同様、「I」からのオーボエソロの裏のホルン、ピッチが気になりました。

全体的に細かいミスも目立ちました。

だから、何となくアンサンブルが噛み合っていないような。

緊張しているのでしょうか?

でも、指揮は躍動感満載でステキでした…。

自由曲は、お馴染み「役人」。

曲の入り、何となく始まったように感じました。

でも、曲が進むにつれて、「役人」らしい“雰囲気”が出てきたような。

課題曲に比べて数段イイって感じられました。

有名なトロンボーンの掛け合い、音がよく出ていて、素晴らしかった。

曲の最後に向けて、アンサンブルが多少、乱れる部分もありましたが、迫力のある演奏だと思いました。

[銅賞]

 

17.千葉県代表 船橋市交響吹奏楽団 (指揮)牛渡 克之

 [課]Ⅱ[自]シャイン・アズ・ザ・ライト(グレアム)

何と、17団体目にして、初めての課題曲Ⅱです。(って言うか、この日、唯一の「Ⅱ」です。)

さわやかに、そして、リズミカルに曲が始まりました…。

アンサンブル的には申し分ないのですが、サウンドがもっと明るければ、よりスペイン的に聴こえたかも。(特に金管楽器の音が“地味”に聴こえました。逆に言うと“重厚”って事です。)

よく言えば、“大人の演奏”ですね。

自由曲です。

私が知っている中では、「ハリソンの夢」「巨人の肩に乗って」のグレアムの作品ですよね。

作曲者は、スコットランド出身のイギリス人ですが、アメリカっぽい曲です。

ですので、派手っぽくした方が良いのかも知れませんが、地味な演奏ですか。

曲のせいかも知れませんが、“主張”したい部分が特定できていないように感じました。

バランス良く演奏していただけに“もったいない”と思いましたね。

重厚な感じは、良かったと思います。

[銀賞]

 

18.神奈川県代表 相模原市民吹奏楽団 (指揮)福本 信太郎

 [課]Ⅴ[自]復興(保科 洋)

真紅のブレザーの鮮やかさは、毎年、見ていて身の引き締まる思いがします。

聞くところによると「相模原市民」は、神奈川県大会では、“最高得点”だったそうな。

今年は期待できますねぇ。

「福本先生、お願いしますよ」と思う気持ちで演奏に臨んだ“浦和のオヤジ”だったのですが…。

何回も何回も申し上げて恐縮なんですが、課題曲のフルート、ピッコロのソロの部分、素晴らしいのは当然なんですが、“表情”が見えたのは、この団体だけでした。

それだけではなく、この曲のあってないような旋律にも“色”を感じました…。

そして、曲に“動き”がありました。

“流れ”がありました。

たたみかけるような“勢い”がありました。

全体のバランスが絶妙でした。

同時に他の団体とは違うサウンドの力強さを感じます。

“差別化”がキチンと出来ています。

素晴らしいです。

自由曲は「復興」。

神奈川県大会でもステキなパフォーマンスを見せて頂いた楽曲です。

冒頭のクラリネットのユニゾン、一音、一音をデリケートに扱っていてパーフェクトです。

個人的には、恐ろしく完成されたアンサンブルだと思いました。

隙のない演奏。

ある意味、感情をむき出しにした演奏。

色気のある演奏。

素晴らしいの一言です!

結果は、非常に残念でした…。

来年に期待します。

福本先生、お願いします…。

[金賞]

 

19.神奈川県代表 横浜ブラスオルケスター (指揮)近藤 久敦

 [課]Ⅳ[自]交響曲第6番イ短調「悲劇的」より 第4楽章(マーラー/近藤 久敦 編曲

さあ、いよいよ横浜ブラスオルケスターの登場です。

課題曲は、Ⅳですね。

少し遅めのテンポなのでしょうか?

だからと言って、全然、気になりませんが。

かえって流れるようなメロディラインを演出しているようです。

重厚なサウンドなのに実に“軽やか”に聴こえます。

サラッと流したようにも感じるのだけれど、“音楽性”は失っていない。

何か他団体とは違うような…、良い意味で不思議な演奏でした…。

自由曲に入ります…。

神奈川県大会のブログにも書きましたが、吹奏楽でマーラーをやるのは、チョット無理…?

そう、思っていました。

実は、その思い、今でも変わっていません。

でも、そんな事がどうでもよくなる横浜ブラスのパフォーマンスでした…。

迫力のある演奏でした。

また、川崎市教育文化会館という決して響きの良くないホールで聴いた神奈川県大会と違って印象が随分、変わったのも事実です。(もちろん、県大会から支部大会の間の横浜ブラスの努力もあるでしょうが…。)

とにかく、細かい事をいう必要のない素晴らしい“時間”であったのは、言うまでもありません。

ただただ、良かった!

[金賞・代表]

 

20.茨城県代表 水戸市民吹奏楽団 (指揮)浅野 正樹

 [課]Ⅴ[自]カントゥス・ソナーレ(鈴木 英史)

課題曲の「A」の2小節前、木管楽器の下降スケールの6連譜、乱れがあったのが惜しかった。

何か勢いで乗り切ろうとしているせいか、ffが印象に強く、メリハリに欠けていたのでは?

「F」からのピッコロソロ、とても美しかった。

全体的に単調さを感じる演奏でした。

自由曲の冒頭、各楽器のサウンドが溶け合っていて美しかった。

バランスの良いダイナミクスの“配分”が各楽器をより、引き立たせていました。

結果、生き生きとした演奏になりました。

サウンドの広がりにも繋がりましたしね。

[銀賞]

 

職場一般、20団体の演奏が終わりました。

ここで、課題曲選択について、述べさせて頂きます。

少し、驚いたのは、圧倒的に人気を誇るであろうと思われた「Ⅰ」がわずか2団体にしか演奏されなかった。

反対に「Ⅴ」は、半数の団体に選択されたと言う事実。

面白いです。

ちなみに参加20団体(職場一般のみ)の課題曲の選択は以下の通りです。

Ⅰ…2団体

Ⅱ…1団体

Ⅲ…3団体

Ⅳ…4団体

Ⅴ…10団体

 

第22回 東関東吹奏楽コンクール 職場・一般の部、大学の部②へ続く


サントリーホール 第40回定期記念コンサート 埼玉栄中学・高等学校吹奏楽部

2016-09-13 23:39:01 | 吹奏楽

2016年9月11日、日曜日。

私は、久しぶりにサントリーホールへと向かったのでした。

東京メトロ南北線の“六本木一丁目駅”の3番出口から、地上へ出ますと目の前に広がるのが「アークヒルズ」。

「アークヒルズ」は、森ビルが開発、運営しているビル群です。

高層のオフィスビル、ホテル、集合住宅や、コンサートホール、放送局などから構成される複合施設して知られていますよね。

その一角にあるのがサントリーホール。

ベルリンフィルの本拠地である「ベルリンフィルハーモニー」に多大の影響を受けたクラシック音楽専用ホールです。

1986年の開館で今年で30周年を迎えます。

客席数は2006席。

森ビルが所有し、公益財団法人サントリー芸術財団が運営している日本を代表するコンサートホールです。

そして、そんな格式高いホールで演奏会を出来る埼玉栄吹奏楽部、恐るべし、です。

 

今回の演奏会は、与野吹奏楽団の“のりぃ”さんにチケットをとって頂きました。(“のりぃ”さんのお嬢さんは、今春より埼玉栄吹奏楽部に入られたそうです。)

ステキな機会を与えて下さった“のりぃ”さんに感謝!

 

[演奏]埼玉栄中学・高等学校吹奏楽部

[指揮]奥 章

     大滝 実

     萩原 奏恵

     金井 良弘

     宍倉 晃

 

 

セレモニアル・マーチ/坂井 貴祐

Ceremonial March / Takamasa Sakai

        

風神~The Wind, featuring 雷神~The Orchestra/内藤 淳一

 

シャコンヌ/J.S.バッハ(編曲 宍倉 晃)

Chaconne / J.S.Bach, arr. Koh Shishikura

 

歌劇「つばめ」/G.プッチーニ(編曲 宍倉 晃)

La Rordine / Giacomo Pucchini, arr. Koh Shishikura

 

 

協奏曲 ニ短調/B.マルチェッロ(編曲 宍倉 晃)

Concerto En Vt D-minor / B.Marcello, arr. Koh Shishikura

トランペット独奏 アンドレ・アンリ

              André Henry

 

歌劇「トスカ」より/G.プッチーニ(編曲 宍倉 晃)

Tosca - atto Primo -    Giacomo Pucchini, arr. Koh Shishikura

       atto Secondo -

          atto Terzo -

 

まず、恒例の校歌演奏(指揮は生徒さんでしたが、どなただったのでしょう?)のあと、佐藤光一校長の挨拶。

さあ、演奏会の始まりです!

 

口開けの曲は、坂井貴祐氏の「セレモニアル・マーチ」。

この曲は2000年度のJBA「下谷賞」受賞曲で第4回の“響宴”で取り上げられて広まった曲のようです。

最初は、サントリーホールがよく響くせいか、サウンドがこもって聴こえたような気がしましたが、曲が進むにつれて改善されてきたように思いました。

この曲のテーマである「華やかさ」「躍動感」が如何なく発揮された演奏でした。

全体的にコンサートマーチらしいハギレの良いサウンドに好感を持ちました。

特に明るいトランペットの音がステキでした。

 

余談ですが、プログラムには指揮者として、5人の先生方の名前が書いてありますが、指揮されたのは、奥先生と金井先生だけだったように思います。(間違っていたら、ゴメンナサイ。)

 

続いては、2008年度のコンクール課題曲「ブライアンの休日」等で知られる内藤淳一氏の作品です。

(今年のコンクール「Dの部」でも参加している皆さんの演奏曲なんですね。)

この曲は、人数が増えました。

おそらく、100名を超える大吹奏楽団です。

スケールの大きな演奏でした。

ましてや埼玉栄ほどの実力バンドともなると尚更ですね。

曲の魅力を増した迫力のある演奏に脱帽!

 

続いて、「シャコンヌ」。

プログラムの解説によりますと『1720年、バッハが35歳の時に書いた「パルティータ第2番」の最終楽章』で、『原曲はヴァイオリン独奏ですが、ピアノ版、管弦楽版など様々な形に編曲されて』いるそうな。

1720年という年は、バッハの奥さんが亡くなったという事もあり、いろいろな“想い”が詰まった曲だと言えるようです。

そして、宍倉コーチのアレンジによる栄の演奏です。

出だしこそ不明瞭な感じも受けましたが、その後はバロック音楽らしい格調高いパフォーマンスでした。

途中でサウンドがパイプオルガンのようにも聴こえ雰囲気を盛り上げていました。

各楽器の音が溶け合って、絶妙な音色になっていたのが素晴らしかったです。

 

第一部の最後の曲は、「つばめ」です。

埼玉栄の今年のコンクール自由曲ですね。

さすがに洗練された演奏。

そして、単純な言い方かもしれませんが、とっても“きれい”な演奏。

さすが、埼玉栄と言わざるを得ません。

“栄ワールド”炸裂です!!

ただ、コンクール自由曲という事を“加味”して言わせて頂けるのなら、全国大会では、他の参加団体とは“差別化”を感じさせる演奏をして頂ければ、ベストだと思います。(あくまでも個人的な意見です。そして、この曲の演奏は、“超高校級”の演奏であったことは誰の目からみても、紛れもない事実でした。)

 

休憩です。

素晴らしい埼玉栄のパフォーマンスに魅了されっぱなし…。

また、あらためて言わせてもらえるならば、ヤッパリ、サントリーホールは素晴らしい。

この素晴らしいホールでの至福の時を後半も楽しみたいと思います…。

 

第2部の最初の曲は、東京音大の教授でもあるトランペット奏者、アンドレ・アンリ氏を迎えてのステージです。

曲は、マルッチェロの「協奏曲 ニ短調」。

何と1700年代初頭の作品なのだそうです。

原曲は、オーボエソロと管弦合奏の曲らしいですが、宍倉先生のアレンジでトランペットと吹奏楽のための作品として生まれ変わりました。

さあ、演奏が始まろうとしています。

アンドレ・アンリ氏と指揮の奥先生がステージ上に表れました…。

盛大な拍手に囲まれながら、指揮台の方へ。

途中でアンリ氏が1stクラリネットの生徒さんに握手を求めました…。

でも、生徒さんは気付かない様子…。

少し、間があって、ようやく握手を出来た時には、実に温かい“笑い”に包まれたのでした…。(微笑ましい…。)

アンリ氏が手にしているのは…、ピッコロトランペットようですね…(間違っていたらゴメンナサイ。)

演奏が始まるとそこはもう、疑いもない優雅な世界…。

実に雰囲気のいいバロック調の音楽でした!

何百年という時を超えて、舞い降りた“精霊の舞い”のよう…。

アンリ氏の温かみと輝きのあるトランペットの響きに酔いしれたひと時でした…。

そして、栄もそのソロを盛り立てていましたね。(多少、ピッチが気になる部分がありましたが…。特に2楽章。)

 

曲が終わって、万来の拍手!

アンリ氏に花束贈呈のあと、アンコールです。

曲は、2009年から2011年に足掛け3年に渡ってNHKで放送されたドラマ「坂の上の雲」の主題歌「Stand Alone」。

久石譲の美しいメロディがアンリ氏の優雅な音色に乗って醸し出される至福のひと時でした…。

 

さあ、いよいよトリの曲です!

「歌劇“トスカ”」ですね。

コンクール自由曲としても最近、人気のある曲です。

この日の演奏は、3つの曲に分かれたものでした。(当然、宍倉先生の編曲です。)

まずは、1曲目、出だしの合奏の音、重量感あり。

これは、驚きに値します。

厳かな雰囲気、これに合唱が花を添えます。

2曲目は、P席後ろのパイプオルガンの前に陣取った金管楽器のバンダ。

迫力に圧倒されました。

3曲目、いつもコンクールで聴く“トスカ”ですね。

有名な冒頭のホルンのユニゾン、ステキで勇ましい!

オフステージのミュートを付けたトランペット、ゲスな言い方をするならば、“カッコイイ”の一言です。

情熱的な演奏でした。

同時にトリに相応しい演奏でした。

そして、この日、一番の演奏でした…。

 

アンコールは上記のとおりです。

「ローマの松(アッピア街道の松)」が素晴らしくないはずは、ありません!

ブラヴォー!

 

楽しい演奏会でした。

それにしても、全日本吹奏楽コンクール全国大会を約1ヶ月半後に控え、余裕の演奏会です。

しかも、サントリーホールですよ。

ホールの格式に配慮してか、じっくりと音楽に集中できる演奏会でした。

“浦和のオヤジ”好みの構成だったのは非常に嬉しかったです。

ただ、欲張りな意見ですが、1曲でも吹奏楽のオリジナルの大曲を演奏をして頂けたら、個人的に嬉しかったかも。(バーンズの3番とか…。)

 

ともかく、全国大会、頑張って下さいね。

期待しています!!

(春日部共栄、伊奈学園総合もファイト!)

西関東支部\(^o^)/


第56回 東京都職場・一般吹奏楽コンクール 第1日目(東京都吹奏楽コンクール予選)

2016-09-08 00:04:32 | 吹奏楽

平成28年8月6日、土曜日。

足立区の東武スカイツリーライン西新井駅東口より徒歩3分、西新井文化ホールに行かせて頂きました。

(地元の方に“西新井文化文化ホール”って、聞くと、「どこ、それ?」って顔をします。場所を教えると「あっ、“ギャラクシティ”ね。」という反応があります。西新井文化ホールを含む複合施設が“ギャラクシティ”です。)

個人的な話ですが、今年の3月から足立区に勤務地が変わりましたので、馴染みが多少あるというか、知ってる地域ですかね。

西新井文化ホールは、902席のホールです。

いろいろな事情があるのでしょうが、最大65名で出場できる職場一般の部の会場としては、どうなのだろう?

いい音響であるホールであればある程、この規模だと聴きづらいような気がします…。

“杞憂”でなければ良いのですが…。

 

【2016年度全日本吹奏楽コンクール課題曲】

Ⅰ.矢藤 学/マーチ・スカイブルー・ドリーム(第26回朝日作曲賞受賞作品)

    YATO, Manabu/March Sky Blue Dream

Ⅱ.山本 雅一/スペインの市場で

    YAMAMOTO, Masakazu/In a Spanish Market

Ⅲ.西村 友/ある英雄の記憶~「虹の国と氷の国」より

    NISHIMURA, You/The legendary tale of a brave heart

Ⅳ.鹿島 康奨/マーチ「クローバー グラウンド」

    KASHIMA, Kousuke/Clover Ground

Ⅴ.島田 尚美/焔〔※高校・大学・職場一般のみ〕

  (第8回全日本吹奏楽連盟作曲コンクール第1位作品)

    SHIMADA, Naomi/Flame

 

第1日目と言うことで、開演は14:30から。

実は、風邪ひいて熱が37.8度あったんですね。

でも、そんな事言ってる場合じゃない!(翌日も大して熱も引かぬまま神奈川県大会に行ったのですけれども…。)

という事で、第56回東京都職場・一般吹奏楽コンクール(東京都コンクール予選)が始まりました…。

 

《8月6日》

1.郵政中央吹奏楽団 (指揮)紙谷 一衛

 [課]Ⅱ[自]おもちゃ箱より(C.A.ドビュッシー/紙谷 一衛 編曲)

課題曲は、Ⅱですね。

プログラムには35名と書いてありますが、それより10名くらい少ない?

特にテューバがいないのが痛いです…。

出だしのフルート類、もう少しキラキラ感を欲しかったかも。

途中で指揮者と演奏者の間にズレを感じました。

個人的な意見ですが出来れば、マーチの課題曲を選んだ方が良かったような気がしました。

Ⅱのようなリズミカルな曲はどうなのでしょう?

全体的に演奏における基礎的なことが気になりました。

自由曲は、ドビュッシー。

印象派の透明感は出ているように感じました。

よく、練習してありますね。

ただ、課題曲に感じたことを同じように感じました。

【銅賞】

 

2.デアクライス・ブラスオルケスター (指揮)佐川 聖二

 [課]Ⅰ[自]白磁の月の輝宮夜(樽屋 雅徳)

デアクライスの演奏を聴くのは私の記憶が正しければ、一昨年の定期演奏会いらいでしょうか?

そして、佐川先生の登場です。

課題曲は、良い意味でソツのない演奏している。

しかし、制限いっぱいの65名ながら、その割には音が客席まで届いていなかった。

ダイナミクスの点でメリハリに欠ける演奏のように感じました。

初めてのホールなので、私が極端におかしく聴こえたのかも知れません。

自由曲は、カッコいい曲ですよね。

ハープの代わりにピアノで演奏ですか?

曲の頭のフルート群、とてもステキでした。

課題曲と違って、何よりもスケールの大きな演奏でした。

迫力があるし、この曲の持つ雰囲気満載のパフォーマンスです。

ただ、このホールでは、規模が小さすぎてかわいそうな気がしました。

音響的に魅力を十分、発揮できていないと思われたので…。

【金賞・代表】

 

3.Say No Yes Yes 吹奏楽チーム (指揮)野田 祐介

 [課]Ⅲ[自]祝典序曲(J.イベール/天野 正道 編曲)

弦バスが7台います。

壮観な風景ですね。

最初のファンファーレ、明るくてさわやかなサウンドでした。

でも、多少、オーバーヒート気味かなぁ。

もう少し、落ち着いた部分があれば、良かったかも。

自由曲は、イベール。

雰囲気の出ているスケールの大きな演奏でした。

ただ、各楽器間のダイナミクスのバランスがイマイチ。

何か勢いがあれば、良いというわけではないような…。

「失格」だったようですが、時間オーバーでしょうか?

【失格】

 

4.豊島区吹奏楽団 (指揮)大釜 宏之

 [課]Ⅱ[自]アスファルトカクテル(J.マッキー)

黄色い派手なブレザーが鮮やかです。

課題曲の出だし、さわやかな感じでステキです。

ただ、多少、軽快さが…。

でも曲が進むにつれて、この点は修正されたように思いました。

最後は盛り上がって終わりました。

自由曲は、私の大好きな曲です。

迫力があって、いい意味での“無造作さ”があって、と曲の雰囲気を醸し出すには打ってつけの演奏でした。(でも、この時には、翌日の川崎市教育文化会館でもっと強烈な「アスファルトカクテル」を聴くことになろうとは夢にも思いませんでしたが…。)

可哀想だったのは、やっぱり、このホールでは、この曲は不利に思えたことです…。

【金賞・代表】

 

5.豊昭OB吹奏楽団 (指揮)今泉 北斗

 [課]Ⅳ[自]ミュージカル「ミス・サイゴン」より(C.M.シェーンベルク/宍倉 晃 編曲)

課題曲は、Ⅳです。

フルートが一人しかいないんですかね。

マーチでは要とも言えるトランペットの音が響いていないような…。

軽快さはありましたが、ピッチやサウンドの溶け合い方に不自然なところがあるのが気になる演奏のように思いました…。

自由曲は数年前によく流行った「ミス・サイゴン」。

ミュージカル音楽のドラマチックさは感じられました。

ただ、メロディの始まりと終わりの音の処理の仕方が気になりました…。

曲のクライマックスでは、よく盛り上がりましたね。

随所でピッチは気になりましたが…。

【銅賞】

 

6.ホワイトクラウンズウインドアンサンブル (指揮)岩尾 和樹

 [課]Ⅱ[自]シンフォニックバンドのためのパッサカリア(兼田 敏)

課題曲は、好感の持てる爽やかな出だしでした。

ですが、曲が進むにつれて何か違和感が…。

よく考えてみるとリズムに乗り切れてないような…。

それとホルンのピッチが気になりました。

南欧を感じさせる華やかさ欲しかったですね。

個人的に課題曲は、マーチの方が合ってるように思いました…。

自由曲は、私にとって実に懐かしい曲。

中学の時、一生懸命、練習したのを思い出します…。

出だしの低音部のユニゾン、チョット…。(特にユーフォニアムが落ちた…?)

私にとって思い入れのある曲なので少々、厳しく申し上げるかも知れませんが、基礎的な部分の細かいところが非常に気になりました。

最後は、それなりに盛り上がりましたが…。

【銅賞】

 

7.TISインテックグループ楽友会 (指揮)藤本 宏之

 [課]Ⅰ[自]吹奏楽のための第2組曲 へ長調(G.ホルスト/伊藤 康英 編曲)

課題曲で印象に残ったのは…。

まず、打楽器がオーバーヒート気味かなぁ。

金管楽器も華やかさはあるのだけれど、何か無造作な感じがしました。

だから、全体的にアンバランスなように思いました。

でも、トリオの木管群のメロディは美しかったですよ。

自由曲は、吹奏楽の世界では古典的な名曲のホルストの組曲。

最初は、何となく始まった感じはありましたが、曲が始まっていくにしたがって、まとまって、行ったように思いました。

ただ、トランペットの吹き方が気になった?

全体的に基礎的な細かいミスがあり、メリハリに欠けた演奏のように感じました…。

【銅賞】

 

8.たいちばんど (指揮)田中 良直

 [課]Ⅰ[自]オセロ(A.リード)

人数は28名?

少ないのは致し方ないですが、それにしても配置が舞台の真ん中に集まりすぎている…。

課題曲が始まりました…。

サウンドは明るくて良いですね。

しかしながら、金管楽器(特にトランペットとトロンボーン)のピッチが実に気になります。

反面、木管楽器は安定した“音”を“供給”してくれました…。

自由曲は、往年の名曲「オセロ」。

実に気持ちよく演奏している。

それが客席まで、ヒシヒシと伝わってくる…。

でもね、本音で言って聴いている人間に向いている演奏だったかと言うと疑問です。

自己満足に終わっていないのか?

華やかな演奏でした…。

【銅賞】

 

9.東芝府中吹奏楽団 (指揮)上原 宏

 [課]Ⅱ[自]交響詩「スパルタクス」(J.ヴァン・デル・ロースト)

まずは、サウンドが厚いです。

そして、課題曲の特徴を捉えた演奏です。

華麗さを持ちながら、キチンとした演奏をするギリギリのせめぎ合いを上手く演出しているパフォーマンスでした。

この日のここまでの演奏でイチバン好きな課題曲Ⅱでした…。

自由曲です。

やっぱり、サウンドがステキです。

表現力があって、演奏に集中できます。

とても奥行きを感じるスケールの大きさがあって、ステキでした。

でも、途中のホルンのユニゾンは、もうチョットですか。

【金賞】

 

10.NTT東日本東京吹奏楽団 (指揮)山田 昌弘

 [課]Ⅴ[自]ファントム・ドゥ・ラムール -幻影-(天野 正道)

私の地元の浦和吹奏楽団も指揮していらっしゃる山田昌弘氏の登場です。

課題曲はⅤですね。

最初の方は、何だか“とっちらかって”いるかな、なんて思いましたが曲が進むにつれて、そんな事も感じなくなりました。

音はよく出ています。

多少のアンサンブルの乱れはありましたが、なかなかの演奏でした。

自由曲は、私の大好きな天野正道先生の作品です。

“天野ワールド”を作り上げていましたね。

曲の演奏の仕方を熟知したパフォーマンスだと感じました。

ただ、多少、ダイナミクスにメリハリがなく、単調に感じた部分があったのが残念でした…。

【金賞・代表】

 

11.東京隆生吹奏楽団 (指揮)畠田 貴生

 [課]Ⅰ[自]ウインドオーケストラのためのバラッド(高 昌帥)

畠田先生の指揮を拝見するのは本当に久しぶりです。

課題曲、ハッキリ言って、とても聴き応えがありましたね。

サウンド全体のバランスがとっても良いと思いました。

特に金管楽器の“キラキラ感”がステキです。

良い意味で“高輪台サウンド”が目の前にある感じがしました。

そして、トリオのメロディから曲の終わりまでの“演出”が圧巻でした。

自由曲は、ドラマチックな高先生の曲です。

まず感じたのは、パンチが効いているって事ですね。

そして、スケールの大きさを感じる。

躍動感もある。

私の価値観の中では、素晴らしいと言わざるを得ない演奏でした…。

同時に、たたみ込むような音の連鎖は、とても聴き応えがあるものでした…。

個人的な意見ながら、この日、聴かせて頂いた団体の演奏の中ではナンバーワンだと思いました。

【金賞・代表】

 

12.あきる野市吹奏楽団 (指揮)小玉 公二

 [課]Ⅰ[自]組曲「ハーリ・ヤーノシュ」より(Z.コダーイ/G.C.バイナム 編曲)

課題曲です。

とても元気なサウンドです。

華やかな金管楽器、いいですねぇ。

私の大好きなトリオに入りました。

メロディラインが少し暗いかなぁ。

でも、不満はそこだけ。

全体的に演奏のまとまりはありましたね。

実に好感の持てる演奏でした…。

自由曲は、「ハーリ・ヤーノシュ」ですね。

個人的に懐かしいです。

1974年の駒澤大学が全国大会で披露した名演が思い出されます…。

正確なアンサンブルでした。

ソロ楽器の技量も高く感じます。

金管の音がとてもステキですな。

とても好感の持てる演奏でした。

欲を言えば、もう少し、諧謔味があったら、パーフェクトでした!

【銀賞】

 

13.板橋区吹奏楽団 (指揮)大橋 晃一

 [課]Ⅴ[自]ウインドオーケストラのためのバラッド(高 昌帥)

課題曲はやっぱり、勢いのようなものが大切だと思います。

そう言う意味で、このバンドには音の“圧力”は感じなかった。

でも、何せ音に“色”のようなものがあって、表情を意識させてくれます。

とても、“スマート”な演奏でした。

自由曲は、東京隆生と同じ、「ウインドオーケストラのためのバラッド」。

どうしても比較してしまうのですが、アクセントとかのパンチ力の面では、負けてしまいましたかねぇ。

隆生を聴いたあとでは、多少、物足りなく感じてしまったかも知れません…。

でも、ポイントを押さえた美しい演奏でした。

この曲の違った側面を見せてくれたように強く感じました!

【金賞・代表】

 

14.Tokyo StackArt Wind Ensemble (指揮)豊川 真安

 [課]Ⅲ[自]ラッキードラゴン~第五福竜丸の記憶~(福島 弘和)

課題曲は、Ⅲです。

ゆったりした感じが特徴的な演奏でした。

観客に聴かせることを意識していると思いました。

極端にテンポを揺らしたりしていましたが、クサくならないようにギリギリのところで寸止めしていて効果的だと感じました。

自由曲は、ある意味、穏やかな演奏でした。

ただ、芯はしっかりとしたものを感じました。

お芝居のような表現をするならば、場面の転換が鮮やかです。

“物語”の中に引き込まれていく…、そんな錯覚に陥る演奏でした…

【金賞・代表】

 

15.大江戸シフォニックウィンドオーケストラ (指揮)樫野 哲也

 [課]Ⅱ[自]ピアノ協奏曲第2番より シンフォニックセレクション~ウインドオーケストラのための(S.ラフマニノフ/福島 弘和 編曲)

課題曲のスペイン的な感じがよく出ていましたね。

ただ、少し上品すぎるかも。

もっと躍動感があれば良かったですね。

でも非常に好感の持てる演奏でした…。

自由曲は、福島弘和先生の編曲によるラフマニノフですか。

やさしく丁寧な演奏でありましたが、同時に情熱的でもありました。

そして、この曲を演奏してみたいと思えるパフォーマンスでした。

【銀賞】

                                                                                          

以上が、第1日目の実際に聴いた団体です。

正直言うと団体によって、実力の差がハッキリしているなぁと単純に思いました。

ただ、後半の方に聴き応えのある団体が固まっていましたかね。

本来は、この翌日も西新井まで通い2日目も拝見するのが良いかとは思いましたが、神奈川県大会に行きました。(神奈川県大会は、既に“ご報告”した通りです。)

今まで、東京都の予選は縁がありませんでしたが、来年からは時間が合えば積極的に見させて頂ければと思います。

最後にこの日から、1ヵ月経過してのブログの公開をお詫び申し上げます。

 

なお、このブログに載せられている文言は、“浦和河童”の個人的感想です。

決して、悪意を持って書かれているものではありません。

ただ、もし、ご不快に思われる方がいらっしゃいましたら、オヤジの戯れ事と思い、ご容赦頂ければ幸いです。