浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

NTT東日本東京吹奏楽団 第47回定期演奏会

2014-05-31 12:41:06 | 吹奏楽

今年3月2日にサントリーホールで行なわれた「全国職場バンドフェスティバル」に行きました。
そして、その時、初めてNTT東日本東京吹奏楽団の演奏を聴かせて頂きました。
曲は、1992年度全日本吹奏楽コンクール課題曲、三善晃先生作曲の「クロス・バイ・マーチ」と今、人気の作曲家、井澗昌樹先生の「束の間の恋の歌」。
都会的なサウンドとしっかりしたアンサンブルに心を惹かれることとなりました。
と言うことで、“この日”に至ったわけです。

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2014年5月23日、金曜日。
池袋駅前の東京芸術劇場です。(今年は、このホールばっかりだなぁ。)
NTT東日本東京吹奏楽団、第47回定期演奏会にやって参りました!

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NTT東日本東京吹奏楽団と言えば、吹奏楽コンクール全国大会に何度も出場したことのある“強豪”のイメージが個人的にはあります。
実際、2007年度は、「3出(さんしゅつ。全日本吹奏楽コンクールで3年連続全国大会に出場すると、4年目は出場出来ないと言う大会規定。現在は、廃止。)」により名誉の“お休み”を味わっていますね。
ところが、2009年度から、状況は一変しました。
この年、企業の吹奏楽団を対象にした「職場の部」、学校や企業といった枠にとらわれない自由な吹奏楽団を対象にした「一般の部」が“統合”され、「職場・一般の部」となったのです。
2部門が1部門に統合されたわけですから、ますます、全国大会出場が狭き門になったのは、言うまでもありません。
そのためなのかどうか、わかりませんが、NTT東京(勝手に略させて頂きます。)は、その年以後、全国大会に出場できていません。
ただ、2009年こそ、「銀賞」でしたが、それ以後は、昨年のコンクール東京支部大会まで、毎年「金賞」を受賞しています。
再度、全国大会の舞台に立つ日も、そう遠くない未来だと確信する次第です。

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会場に入ると演奏会前にロビーコンサートをやってますね。
写真を撮りたかったのですが、かなりの人だかりで、なかなか思うようにいきません。
そこで、ロビーコンサートの演奏者が見渡せるエスカレーターの上からの撮影にチャレンジしました。
何とか撮れましたけど…。
動く、エスカレーターの上からの撮影は難しく、ブレブレの写真になってしまいました。
一応、このブログに載せますが…、ご容赦下さい。

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まもなく、コンサートが始まるようです。
楽しませて下さい!

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[演奏]NTT東日本東京吹奏楽団
[指揮]山田 昌弘

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【第1部】

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◆ 2014年全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅳ
   コンサートマーチ「青葉の街で」(小林 武夫)
◆ 交響組曲「寄港地」より(J.イベール/arr.P.デュポン)
   Ⅱ.チュニス・ネフタ
   Ⅲ.バレンシア
◆ ハーレクイン(P.スパーク)

[ユーフォニアム独奏]齋藤 充
◆ 束の間の恋の歌(井潤 昌樹)

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【第2部】

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◆ ムーライト・セレナーデ(G.ミラー/arr.岩井 直溥)
◆ フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(B.ハワード/arr.櫛田 ?之扶)
◆ ロスト・ムーン~マン・オン・ザ・ムーン・エピソード2~(清水 大輔)
  大統領の夢 ~オープニング・タイトル~
   1. 大統領のスピーチ ~リプライズ~
   2. アポロ13号 ~打ち上げ、運命の日1970年4月13日~
   3. トラブル発生 ~ロスト・ムーン~
   4. 生還
[ナレーション]川勝 亮太郎

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ちなみに今東京芸術劇場は、数限りなく訪問していますが、今回、初の3階席デビューとなりました。(どんな風に聴こえるんでしょう?)
まずは、今年の吹奏楽コンクール課題曲Ⅳ。
「青葉の街で」。
題名のように実に爽やかな曲ですね。
曲名の由来は、作曲者の小林武夫氏が横浜市青葉区在住と言う単純な理由のようです。
青葉区と言えば東急田園都市線のイメージですか。
高級住宅街の印象が強い。
私が上京したン十年前には、まだまだ住宅地というには、中途半端な状況だった造成地も、こんなに立派になってしまいました!と思ってしまうくらい発展しましたね。
余計なお話はこれくらいにして…、本題です。
軽快なリズム、スピード感、決して重くない演奏です。
まさにコンサートマーチを“表現”して頂いてます。
プロみたいな演奏はできないけれど、これだったら目指せるというアマチュア最上級の演奏でした。

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ただ…、これは3階席のせいかもしれませんが、少しだけ私の席まで届く音の抜け方(ストレートに伝わって来るカンジ…。ウーン、上手く表現出来ません…。)が感じられなかった。
この日は、上の写真のように舞台にパイプオルガンが登場していましたが、もっと響くよう、天井反響板が斜めに降りてきてパイプオルガンを覆い隠してくれれば、良かった。(これは、下の写真のような状態です。)
そうすれば、素人考えながら、もっと私に“音”が届いたかも。
3階席のワガママなオヤジのお願いでした!

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次は、イベールの「寄港地」。
昔は、吹奏楽コンクールで自由曲として多少、流行ったような気もします…。
さすが、社会人バンドは“酸いも甘いも噛み分けて”らっしゃる!
異国のエキゾチックな部分や、何と言いますか色気みたいなものが感じられます。
学生さんと違って、人生経験が“表現力”につながる良い例を見せて頂きました。
3曲目は、ユーフォニアム奏者として広く活躍中の齋藤充先生を客演に迎えて、スパークの「ハーレクイン」です。
「ハーレクイン」とはプログラムの曲目解説によると「イタリアの即興喜劇“コメディア・デラルテ”中のキャラクターで、トリックスターとして知られる“アルレッキーノ”のイギリスでの呼び名」だそうで、「道化師の代名詞」となっているそうです。
曲は、前半が「道化師の哀愁」、後半が「曲芸的なめまぐるしい動き」を「ユーフォニアムの豊かな表現力で描いています。」とのこと。
それにしても齋藤先生の演奏が素晴らしかった!
テクニックを十分、堪能させて頂きました。
ブラヴォー!です。
さて、第1部最後の曲は、人気作曲家、井(い)潤(たに)昌樹(まさき)先生の「束の間の恋の歌」。
ここ数年、井潤先生の「バイ・バイ・ヴァイオレット」は流行りましたね。
自由曲として、取り上げる団体も多かった。(NTT東京も2011年に自由曲にしています。)
素人には明確に表現できないのですが、井潤先生の作品には独特の“激しさ”があって、それによって心を揺さぶられる感じがします。
まあ、日本で言うところの『演歌』に共通するような感情の部分があるような。(演歌に曲が似ているといっているのではありません。“スピリット”の事です。)
NTT東京の演奏も良かったと思います。
細かいミスがなかったとは言いませんが、“大人の演奏”を聴かせて頂きました。
ですが、若干、思ったこと。
先程、書きました井潤先生独特の“激しさ”があまり表現出来てなかったように感じました。(ナマイキ言ってスミマセン。)
個人的にもう少し、泥臭くやってほしかったかなぁ…。

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第1部と第2部の間の休憩中。
また、ロビーコンサートやってました。
今度は、第1部で素晴らしい演奏を聴かせて頂いた齋藤先生を迎えてのユーフォニアム四重奏でした。
またまた、写真を撮りたかったのですが、ロビーコンサートをやっているのが1階席のホワイエで私のように3階席から駆けつけると既に黒山の人だかり。
ですので、先程のようにエスカレーターからの撮影にチャレンジ!
今度もブレブレの写真ですが、載せときます…。

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さて、第2部の始まりです。
プログラムを見返してみて、私のような鈍感なオヤジでも気付きました。
メインの曲、「ロスト・ムーン」に合わせて、曲名“ムーン”の付く曲を持って来たなと。
「ムーンライト・セレナーデ」「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」。
どちらも、ジャズのナンバーですよね。
演奏も素晴らしかったし、楽しめましたが、「ロスト・ムーン」と連続で演奏することに多少、違和感を覚えました。(個人的意見ですので悪しからず。)
「ロスト・ムーン」の前作、「マン・オン・ザ・ムーン」の縮小版?だったら、市立柏高校が全国大会で演奏したのでCDを聴いたことがあります。(柏は、良い演奏だと思ったのですが、“銅賞”くらって可哀想に思った記憶があります。)
ただ、「ロスト・ムーン」を聴かせて頂くのは初めてですね。
ちなみに、前作「マン・オン・ザ・ムーン」は、アポロ11号が月面着陸を果たすまでの偉業を描いたものですが、「ロスト・ムーン」は、“輝かしき失敗”と言われたアポロ13号の飛行中の事故、並びに絶望的な状況からの奇跡の生還の物語です。(映画の「APOLLO 13」で有名ですよね。)

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曲にはナレーションが入ります。
最初に故ケネディ大統領の有名な「ムーン・スピーチ」と呼ばれる演説の肉声のテープが流れました。
これで、会場の雰囲気はグッと盛り上がります。
そして、川勝亮太郎さんのナレーションにのせて“音楽”が際立ちます。
また、会場の照明も効果バツグンでした。
物語性があると曲に感情移入しやすいので、吹奏楽に慣れ親しんでいない方でも非常に楽しめるのではないでしょうか?
NTT東京の演奏も会場と一体となって映画の世界のような空間を作り出していて素晴らしかった。

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アンコールは2曲。
以下のとおりです。

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「全国職場バンドフェスティバル」でも、この日のNTT東日本東京吹奏楽団の演奏会でも、あらためて職場バンドの良さを再認識した次第。
会社という組織の中にいると様々な制約に縛られると思いますが、頑張って続けて頂きたいと思います。
武蔵浦和のオヤジも応援しています!!

今回もまた、演奏会が終わってから1週間以上たってしまいました…。m(_ _)m


Blitz Philharmonic winds 第18回定期演奏会

2014-05-20 20:50:53 | 吹奏楽

杉並公会堂に初めて行くことになりました。
そう言えば、私が子供の頃、ドリフの全員集合とかやってた気がするなぁ。
古びた公民館のようなホールなんだろうか?
という印象だったのですが、調べてみると2006年に建て替えたようですね。
どんなホールなんでしょう、実に楽しみです。
んっ?
これは、大変失礼いたしました…。
別に杉並公会堂を見学に来たわけじゃないんです。
2014年5月16日、金曜日。
そう、この日は、「ブリッツ フィルハーモニック ウィンズ」第18回定期演奏会におじゃまするために杉並公会堂までやって来たのでした。

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荻窪って、何年振りでしょうか?
ずいぶん前に仕事で来たことがあるような…、もう忘れちゃうくらい前ですけどね。
荻窪駅を降りて、青梅街道を都心とは反対方向にしばらく歩くと杉並公会堂の近代的な外観が見えてきます。
建物の中に入ります。
なかなかステキな内装です。
そして、大ホール内に入ると…。
おお、シューボックス型(長方形)のホールじゃないですか!
見るからに響きそうです。
クラシック音楽には打ってつけです!
あとで、調べると大ホールの客席数は、1,190席と東京芸術劇場、オペラシティや文京シビックホールに比べて少なめですが、音楽を聴く環境としては良さそうな感じがします。(実際、演奏を聴いてみると非常に良いホールだと思いました。)

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コンサートの前にこの日、指揮をされた三澤慶氏のプレトークがありました。(途中から、この日の“メインディッシュ”である「ローマの松」を“新”編曲された小野寺真氏もトークに参加されました。)
この日の演奏会は、三澤氏の『ミュージックパートナー就任記念』と銘打たれていましたが、その“ミュージックパートナー”とは何ぞやということを説明して下さいました。
まあ簡単に言ってしまうと堅苦しい立場(音楽監督とかアドバイザーとか)ではなく、もっと気楽な感じで一緒に音楽をやっていこうと言う事でしょうか?(このように言われていたように思ったのですが、間違っていたら、ゴメンナサイ…。)
さあ、いよいよコンサートの始まりです!

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[演奏]ブリッツ フィルハーモニック ウィンズ
[指揮]三澤 慶(ミュージックパートナー)

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◆ ミュージックパートナー就任記念委嘱作品
   Overture “The BLITZ”(三澤 慶)
◆ ~2014年度全日本吹奏楽コンクール課題曲~
   Ⅱ.行進曲「勇気のトビラ」(高橋 宏樹)
   Ⅲ.「斎太郎節」の主題による幻想(合田 佳代子)
   Ⅳ.コンサートマーチ「青葉の街で」(小林 武夫)
◆ パガニーニの主題による幻想変奏曲(J.バーンズ)

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【休憩】

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◆ 吹奏楽の為の「花の狂乱」(三澤 慶)
◆ ~2014年度全日本吹奏楽コンクール課題曲~
   Ⅰ.最果ての城のゼビア(中西 英介)
   Ⅴ.きみは林檎の樹を植える(谷地村 博人)
◆ 交響詩「ローマの松」《新編曲初演》(O.レスピーギ/arr.小野寺 真)
   Ⅰ.ボルゲーゼ荘の松
   Ⅱ.カタコンブ付近の松
   Ⅲ.ジャニコロの松
   Ⅳ.アッピア街道の松

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まずは、トランペット奏者で作曲家でもある本日の指揮者、三澤先生の作品です。(ミュージックパートナー就任記念委嘱作品です。)
出だしが少し、ハッキリしない感じがしましたが、あとは素晴らしい“響き”に大満足!
なかなか素晴らしいバンドです。
私のような素人でも10秒聴いたら“わかる”明快なサウンドです。
曲もステキでした。
明るく華やかな曲調は、慶事に奏でられるには最高の曲だと思いました。
続いては、課題曲“3連発”です。
まずは、Ⅱ。
ほんの少しだけ、テンポが速いように感じましたが、素晴らしい演奏でした。
この日の10日前に聴いた「なにわ《オーケストラル》ウィンズ」の演奏とは違う意味で見習うべきものがあると思いました。
各楽器のサウンドが融合しているという点では、私が聴いた中ではイチバンの演奏だと感じた次第。
次は、Ⅲ。
民謡という特殊な題材を扱った作品です。
メロディラインの歌い方が素晴らしかった。
決してクサくなく、あのように豊かな表情のあるメロディは、どうやったら吹けるのか…。
非常に心地よかったです。
最後は、Ⅳ。
これはもう、“お手本”です。
何も言う事もないし、私が何か言うのも、オコガマシイ。
課題曲3曲。
どれも、完成された演奏でしたが、個人的にⅣの演奏に惹かれました…。
前半最後は、バーンズの曲です。
この曲、どこかの演奏会で聴いたような気がするのですが…。(どうでもいいことですが。)
パガニーニの旋律を用いた変奏曲ですね。
下手なバンドがやると、変奏の流れの中に“隙間”が出来そうな曲です。
しかし、ブリッツの皆さんは、音楽に途切れる事のない美しい“連鎖”がありました。
こういうのってステキですよね。
(ところで、パガニーニで思い出したんですが、このサウンドで長生淳先生の「パガニーニ―・ロスト・イン・ウインド」を聴いてみたいなぁ…。)

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休憩に入りました。
前半の演奏を思い返してみます。
まず、サウンドが素晴らしい。
明るく、若々しさも持ちながら、重厚でもある。
そして、何よりも艶っぽい音色なんです。
私が、ギャルドが好きなのも、アマチュアではアンサンブルリベルテが好きなのも、彼らの音が艶っぽいから。
ブリッツも、そういう系統のサウンドだと思いました。
特にクラリネットの皆さんが良かった。
“色気”さえ、ありました…。

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後半の最初の曲は、指揮の三澤先生の曲です。
ずいぶん前に同じような題名の大河ドラマもありましたが、和テイストのメロディを持った安らぎを感ずる曲でした。
サウンドが艶っぽいから、この曲によく合いました…。
次は後半の課題曲コーナー?です。

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課題曲、残りの2曲。
最初は、Ⅰから。
この曲は、もう何度も聴かせて頂きましたが、難しい曲ですよね。
作曲者が映画の予告編をイメージして作曲されたようですけど、それだけに展開が早い。
だから、うまく演奏しないとフレーズがブツブツ切れてしまう。
当たり前の話ですが、ブリッツの演奏は、素晴らしい“流れ”があった。
聴いていた中高生の皆さんは、Ⅰは、こう演奏すれば良いのかというお手本になったと思います。
続いて、Ⅴ。
上手いですねぇ。
ただ、技量の劣るバンドが、ただ機械的に演奏すると無味乾燥でつまらないものになってしまうのですが、ブリッツは違った。
サウンドもさることながら、例えば単純なロングトーンにさえ“表情”があるのです。
課題曲としては、難解な表現しづらい曲だと思っていましたが、この日の演奏で初めて楽曲として楽しめました。
素晴らしかった!
ちなみに個人的な意見ですが、この日、演奏された課題曲5曲の中でナンバーワンでした!

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いよいよ、プログラム最後の曲です。
「ローマの松」ですね。
編曲は、小野寺真氏の新アレンジです。
ネットで調べてみますと、小野寺先生は、“我が”埼玉の名門、埼玉県立伊奈学園総合高校吹奏楽部の出身で東京芸大の作曲科、同大学院を出られています。
とても有能な方のようです。
そして、その編曲が功を奏してか、スケールの大きい演奏に聴こえました。
私は素人なので、技術的なことはわかりませんが、弦楽器を意識した演奏、編曲のように思いました。
そして、水面に反射する朝日のようにキラキラと輝くサウンドで私は、いつの間にか曲の世界に引き込まれてしまいました…。
“アッピア街道”の金管のバンダの皆さんも最高でした!
実に効果的なバンダ!
盛り上がりましたね。

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鳴り止まない拍手の中で、アンコールが2曲。
1曲目は、三澤先生、ご自身の作で「See You Tomorrow!」。
この曲だけは、指揮者ではなく、演奏者として、フリューゲルホルンを演奏されました。
もちろん、素敵な演奏でした。
2曲目は、昨年の全日本吹奏楽コンクールの課題曲Ⅲであった『復興への序曲「夢の明日に」』です。
この日から、6日前、作曲者の岩井直溥先生が亡くなられました。
追悼の意味を込めての心のこもった演奏でした。
沁み入りました…。
(2014年5月10日、吹奏楽ポップスの世界に多大な貢献をされた岩井直溥(いわいなおひろ)先生がご逝去されました。先生の吹奏楽界に残された影響は多大なものがあります。私も、先生の作曲された課題曲『ポップス・オーバーチュア「未来への展開」』で中学生の頃、コンクールに出たのを昨日のことのように思い出します。個人的に、課題曲では1976年度の『ポップス描写曲「メインストリートで」』が好きでした。心より、ご冥福をお祈りします。)

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素敵な演奏会でした。
メンバーの皆さんも、HPのプロフィールで拝見しますと若手で実績のある方々のようです。
そして、今、聴いたばかりの演奏会をスマホにダウンロード出来るサービスをやったりと新しい試みもされているようですね。(その日も、この演奏会で演奏したばかりの課題曲5曲を販売していました。特に学生さんにとっては、とてもいい勉強になると思います。でも、私は購入しませんでした…、スミマセンm(__)m)
いずれにせよ、気になる吹奏楽団がひとつ増えました…。

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なにわ《オーケストラル》ウィンズ演奏会2014(東京芸術劇場)

2014-05-13 01:43:50 | 吹奏楽

以前にも、このブログでお話ししたこともあると思いますが、昨年(2013)、私は、44回、コンサートに行かせて頂きました。
内訳で言うとオーケストラが5回、金管アンサンブルが2回、吹奏楽コンクールが4回、そして、残り33回が単独か複数の吹奏楽団のコンサートです。
その中で、私の個人的主観で敢えてベスト3を選ぶとするならば、この3公演になると思います。
まずは、1月20日、東京芸術劇場であった「インバル=都響 新マーラーツィクルス」で演奏されたマーラー5番のコンサート。
次は、私が11月4日に横浜のみなとみらいホールで聴いた「パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団」。
そして、最後のひとつが、昨年の5月6日に東京芸術劇場で開催された「なにわ《オーケストラル》ウィンズ」です。

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「なにわ《オーケストラル》ウィンズ」(NOW)とは、2003年から始まった催しで、大阪フィルハーモニー交響楽団のクラリネット奏者、金井信之先生の呼びかけによって、全国のプロのオーケストラの管楽器、打楽器奏者がゴールデンウィークに集まって吹奏楽のコンサートを行うというものです。(大阪公演と東京公演があります。)

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昨年、初めて聴かせて頂いたのですが、あまりにも素晴らしく感動したので、今年も伺うことにした次第。
2014年5月6日、場所は勝手知ったる東京芸術劇場コンサートホール。
去年と同じ日に同じホールで感動させてもらいます…。

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池袋駅を降り立ち、池袋西口公園を抜けて東京芸術劇場に向かいます。
公園内では、連休の最終日のせいか多くの人が…。
そして、いろんなパフォーマーもいますね。
おや、金管楽器の集団もいますぞ。
ちょっと聴いちゃいました…。

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今年の指揮は、毎年お馴染みの淀川工科高校吹奏楽部顧問でもあり、全日本吹奏楽連盟理事長の丸谷明夫先生と岡山学芸館高校吹奏楽部顧問の中川重則先生のお二人です。
なぜ、指揮がアマチュアのトップバンドの指揮者なのか、よくわからないのですが、丸谷先生ともう一人というのがパターンのようです。
丸谷先生は、司会進行?の役も務められています。
中川先生は、一昨年に続いて2度目の登場ですね。

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ホールに入ります。
1999席のホールがほぼ満席です。
しかも、高校生と思われる生徒さんが多い。(半分は、生徒さんだと思います。)
私も舞台に近い席に陣取り、開演を待ちます…。

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[演奏]なにわ《オーケストラル》ウィンズ
  (Flutes)
    上野 博昭   大阪フィルハーモニー交響楽団
    榎田 雅祥   元大阪フィルハーモニー交響楽団
    中村 めぐみ  広島交響楽団
    長谷 瑞    元九州交響楽団

  
(Oboes)
    浦 丈彦    読売日本交響楽団
    大島 弥州夫  大阪フィルハーモニー交響楽団
    加瀬 孝宏   東京フィルハーモニー交響楽団

  
(Bassoons)
    岩佐 雅美   読売日本交響楽団
    東口 泰之   京都市交響楽団
    山田 知史   東京都交響楽団

 
 (Clarinets)
    梅本 貴子   関西フィルハーモニー管弦楽団
    加藤 明久   NHK交響楽団
    金井 信之   大阪フィルハーモニー交響楽団
    近藤 千花子  東京交響楽団
    白子 正樹   札幌交響楽団
    鈴木 祐子   京都市交響楽団
    田本 摂理   大阪フィルハーモニー交響楽団
    野田 祐介   群馬交響楽団
    橋本 眞介   広島交響楽団
    原田 美英子  大阪交響楽団
    船隈 慶    大阪フィルハーモニー交響楽団
    持丸 秀一郎  日本センチュリー交響楽団

  
(Saxophones)
    岩田 瑞和子  ミ・ベモルサクソフォンアンサンブル
    雲井 雅人   雲井雅人サックス四重奏団
    佐藤 渉    雲井雅人サックス四重奏団
    陣内 亜紀子  ミ・ベモルサクソフォンアンサンブル
    西尾 貴浩   雲井雅人サックス四重奏団
    林田 和之   雲井雅人サックス四重奏団
    平田 洋子   ミ・ベモルサクソフォンアンサンブル
    前田 幸弘   ミ・ベモルサクソフォンアンサンブル

  
(Trumpets)
    岡崎 耕二   東京都交響楽団
    亀島 克敏   広島交響楽団
    白水 大介   関西フィルハーモニー管弦楽団
    茶屋 淳子   オペラハウス管弦楽団
    橋爪 伴之   大阪フィルハーモニー交響楽団
    長谷川 智之  東京フィルハーモニー交響楽団
    松田 貴之   大阪交響楽団
    横田 健徳   日本テレマン室内管弦楽団

  
(Horns)
    上間 善之   東京交響楽団
    倉持 幸朋   広島交響楽団
    濱地 宗    群馬交響楽団
    久永 重明   読売日本交響楽団
    日高 剛    元NHK交響楽団
    丸山 勉    日本フィルハーモニー交響楽団
    向井 和久   日本センチュリー交響楽団
    村上 哲    元大阪フィルハーモニー交響楽団

  
(Trombones&Euphoniums)
    風早 宏隆   関西フィルハーモニー管弦楽団
    清澄 貴之   広島交響楽団
    桒田 晃    読売日本交響楽団
    古賀 光    読売日本交響楽団
    ロイド 高本  大阪フィルハーモニー交響楽団
    田中 宏史   名古屋フィルハーモニー交響楽団
    村井 博之   京都フィルハーモニー交響楽団
    吉田 勝博   大阪フィルハーモニー交響楽団

  
(Tubas)
    大塚 哲也   東京フィルハーモニー交響楽団
    次田 心平   読売日本交響楽団
    林 裕人    名古屋フィルハーモニー交響楽団
    渡辺 功    東京交響楽団

  
(Contrabasses)
    内藤 謙一   日本センチュリー交響楽団
    長谷川 順子  神戸市室内合奏団
    松村 洋介   大阪フィルハーモニー交響楽団

  
(Harp)
    松村 衣里   京都市交響楽団

  
(Piano)
    佐竹 裕介   フリーランス

  
(Percussion)
    安藤 芳広   東京都交響楽団
    窪田 健志   名古屋フィルハーモニー交響楽団
    小林 巨明   東京都交響楽団
    高橋 篤史   フリーランス
    西久保 友広  読売日本交響楽団
    武藤 厚志   札幌交響楽団
    安永 早絵子  オペラハウス管弦楽団
    安永 友昭   日本センチュリー交響楽団
    山下 雅雄   フリーランス

 
 (Stage managers)
    清水 直行   大阪フィルハーモニー交響楽団
    甲斐 洋平   元大阪市音楽団
    山口 明洋   日本センチュリー交響楽団
    山野 克朗   東京都交響楽団

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◆ サモン・ザ・ドラゴン(P.グレイアム)
◆ シンフォニック・ソング(R.R.ベネット)
  Ⅰ.Serenade
    Ⅱ.Spiritual
    Ⅲ.Celebration
◆ 「斎太郎節」の主題による幻想〈課題曲Ⅲ〉(合田 佳代子)
◆ 最果ての城のゼビア〈課題曲Ⅰ〉(中西 英介)
◆ コンサートマーチ「青葉の街で」〈課題曲Ⅳ〉(小林 武夫)
◆ エルサレム讃歌(A.リード)

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【休憩】

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◆ アンティフォナーレ(V.ネリベル)
◆ 行進曲「勇気のトビラ」〈課題曲Ⅱ〉(高橋 宏樹)
◆ きみは林檎の樹を植える〈課題曲Ⅴ〉(谷地村 博人)
◆ ファンファーレ・バラード&ジュビリー(C.T.スミス)
◆ 宇宙(天体)の音楽(P.スパーク)
    Ⅰ.t=0
     Ⅱ.ビッグバン
    Ⅲ.孤独な惑星
    Ⅳ.小惑星帯と流星群
    Ⅴ.宇宙の音楽
    Ⅵ.ハルモニア
    Ⅶ.未知

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さあ、始まりました。
最初は、「サモン・ザ・ドラゴン」。
予想は、していましたが、ステキなサウンドですね。
1曲目で“ツカミはOK”です。
2曲目の「シンフォニック・ソング」でも素晴らしい演奏だ観客を魅了した後は、いよいよ課題曲の演奏です。
演奏の前に舞台の上から、丸谷先生が客席のたくさんの生徒さんたちに問いかけます。
「コンクールで、どの課題曲を演奏したい?好きな曲のところで拍手をして!」
課題曲の番号だったか、曲名だったか忘れてしまいましたが、丸谷先生がおっしゃると、それに呼応して拍手があります。
私の聴いた感じでは、“Ⅰ”が少なめ、“Ⅲ”と“Ⅳ”が同じくらい、“Ⅱ”がイチバン多かった。(なぜか、課題曲Ⅴは、“拍手の対象”にはならなかった。ちなみに今年の課題曲は、Ⅰ.最果ての城のゼビア、Ⅱ.行進曲「勇気のトビラ」、Ⅲ.「斎太郎節」の主題による幻想、Ⅳ.コンサートマーチ「青葉の街で」、Ⅴ.きみは林檎の樹を植える、の5作品です。)
個人的には、予想通りの結果だと思いましたが、案外、Ⅲに拍手が多かったのには少し驚きました。
民謡のメロディが若者たちには違和感がないかなと思いましたが、やっぱり、楽曲としてとらえているのでしょう。(立派です。)
演奏は、被災地の民謡を取り上げたⅢ、映画の予告編を意識して作ったというⅠの順に行なわれました。
もちろん、完成された演奏として。
生徒の皆さんも多いに参考になったことと思います。

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続いては、課題曲Ⅳ。
通常の演奏のあとに“実験”コーナー。
毎年、NOWのコンサートでは、その年のコンクール課題曲を演奏して頂けるのですが、普通に演奏したあとに様々な“試み”で曲を聴かせてもらえます。
今年は、前半演奏する課題曲では、Ⅳで“実験”のようです。
Ⅳは、横浜市青葉区に作曲者がお住まいとのことで、この曲名が付けられたとのこと。
“丸ちゃん(吹奏楽ファンは愛情と尊敬をこめて、丸谷先生をこう呼びます。)”が言うには、「最近、コンクールでもスタンドプレーをする者が多い。どういうものだろう?そこで、本日は、こういった実験をやります。」と言うことで、演奏者が立って演奏する“実験”をしてくれました。
最初は、奏者受信が、メロディを吹いていると思う場合に立つパターンと次は、伴奏だと思う部分で立つパターンの2回演奏がありました。
個人的には、何の効果もなかったような…。
ここで、サプライズ。
課題曲Ⅳの作曲者、小林武夫氏が会場にお見えになっており、舞台下まで来られて丸谷先生から、インタビューを受けられました。
その会話が実に楽しく、“丸ちゃん”との掛け合いがまるで漫才のようでした。
何でも、小林氏は宮城県石巻市出身とのこと。
震災への想いも多々あることでしょう。(私自身、震災で苦しんでいる方々に音楽が何を出来るかと言う考えるキッカケになった気がしました。)

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楽しいお話もあっという間に終わり、前半、最後の曲です。
リードの「エルサレム讃歌」。
なかなかの大曲です。
演奏も荘厳な素晴らしいものでした。
パイプオルガン前に陣取ったトランペットとトロンボーンの皆さんのバンダが実に効果的でした。
盛り上がりましたねぇ。

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休憩中。
ロビーには東日本大震災支援のチャリティーとして、NOWグッズが販売されているのを見ました。(私も、微力ながら、クリアファイル2枚を購入させて頂きました。)
このような活動は震災を風化させないためにも続けて行くべきだと実感いたしました。
また、休憩時間ながら、舞台上では、NOWメンバーによる小アンサンブルの演奏も披露されました。

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さて、後半です。
初っ端は、ネリベルですか。
「アンティフォナーレ」、シビレマシタ!
下手な団体がやると、ただ重苦しくなるだけなのに、いろんな“表情”をみせてくれました。
いい演奏でした…。

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さて、後半の課題曲コーナーです。
まずは、客席調査?で一番人気だったⅡから。
実は、私も今年の課題曲の中では、この曲がイチバン好きなんですよ。
まず、メロディラインが軽快で美しい。
6/8拍子ってのも好きだなぁ。
演奏前に最前列にいた某高校の吹奏楽部の生徒さんに指揮をした丸谷先生が、「これがいいの?、これがいいの?」と何回も聴き返していました。
きっと、丸谷先生もこの曲が好きなんじゃないでしょうか?
と言うのも、演奏中に指揮しながらメロディを口ずさんでいるように見えましたもの。
通常の演奏が終わって、“実験”です。
オーケストラで使われる楽器が吹奏楽の位置ではなく、オーケストラの配置の場所で演奏する。
通常、弦楽器がいる場所には、オーケストラであまり演奏する機会のないサックス群やユーホが場所を移っての演奏。
これは、面白い“実験”でした。
曲の響きが違って聴こえました。
舞台上の楽器の配置って大事なんだなあと、あらためて実感した次第。

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次の曲も同じく課題曲Ⅴ。
これは、難解な曲ですね。
曲を演奏する前に突然、“丸ちゃん”が「ここでプレゼントを差し上げます。」と言いだしました。
プレゼントというのは、紙袋に入ったNOWのグッズのようでした。
「このボールを今から、客席に投げますので、受け取った方が商品を貰えます。」
と言うと多分、スポンジのような柔らかい素材で出来た白いボールを客席に投げました。
そして、首尾よくボールをキャッチしたのは、高校の制服を着た女子生徒。
程なくして、壇上に招かれます。
彼女は、市立習志野高校3年、アイハラ ナオさん。(インタビューでそう聴こえたので、書きましたが、聞き書きですので間違っているかもしれません。もし、そうなら、ご容赦を!)
めでたくNOWグッズをゲットしたのでした。
ところが、ここからが“実験”。
“丸ちゃん”が言うには、この“プレゼント”を貰うには、ひとつの“条件”をクリアしなければならない、らしいのです。
その条件とは、この場で課題曲Ⅴを指揮すること。
当然、アイハラさんは、尻込みしますが、コンサートマスターの金井先生にアドバイスを受け指揮台の上に立ちました。
曲が始まりました。
演奏は、見事でした。
指揮台の上をよくみてみるとデジタルのメトロノームのようなものがあり、それを見ながら指揮棒を振っているようでした。(時折、金井先生がメンバーに合図を送っておられたようでしたし…。)
これが種明かしですかね…。
それにしても、突然、舞台に上がって指揮しろっていわれたら、パニックなりますよね。
大きなプレッシャーの中、ご苦労さまでした、アイハラさん。(本当に名前を間違ってなければいいんですけど…。)

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次はスミスです。
「ファンファーレ・バラード&ジュビリー」、懐かしいです。
でも、プログラムの曲解説にも書いてありましたが、なぜだか最近、演奏されませんねぇ。
スミス自体は、流行りの作曲家なのに非常に疑問です。
明るくて、華やかな曲なのに…。
ただ、スミスの曲にしてはスピード感に欠けるかも。
だから、人気がイマイチなのでしょうか?
演奏は素晴らしかったのですが、少しだけ言わせてもらえるならば、ほんの僅か、アンサンブルがかみ合ってないような部分があり、その結果、華やかさに欠けたように感じました。(素人の戯言です。お許し下さい。)

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さあ、いよいよ最後の曲です。
この時点で始まってから、3時間くらいは、経過していたと思いますが、全然、疲れていなかった。
寧ろ、まだまだコンサートが続いてほしいくらいの心持でした。
それでも、終わりは来ます。
トリは、スパークの「宇宙の音楽」。
この曲は、演奏会、コンクールで何回も生演奏で聴いています。
今まで、いろんな演奏がありました…。
これまで聴いた中で、(個人的に)演奏の巧拙以上に心を動かされたのは、2013年3月26日に文京シビックホールで聴いた東邦音楽大学ウインドアンサンブルの演奏です。
CDとかにまで範囲を広げるとしたら、吹奏楽版初演の大阪市音楽団かなぁ。(「宇宙の音楽」は、もともと“ブラスバンド”のために作られた曲なのです。)
でも、この日、私の中の全ての「宇宙の音楽」を凌駕する“名演”が生まれたのです。
もう、冒頭のホルンソロで夢見心地になりました。
このソロは何度と聴いてきましたが、間違いなくナンバーワンです!
美しく柔らかな音色が会場を支配し、別世界に引き込まれたような…。
ロングトーンのところでビブラートをかけられた瞬間、背中にゾクゾクと電気が走りましたよ!
群馬交響楽団ホルン奏者の濱地宋先生、ブラヴォー!(濱地先生には、後日、Twitterで丁寧なご返信を頂き恐縮です!)
その後も宇宙の深遠さを象徴するかのような厚いサウンドで観客を魅了しました。
この曲の演奏を聴けただけでも、東京芸術劇場まで来た甲斐があったというものです。
“後世に残る”という表現をしても、おかしくなかったのでは、と思った。
とにかく、素晴らしかった!!

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全てのプログラムが終わりました。
でも、拍手は鳴りやまなかった。
私も、おざなりではなく、心からの拍手が出来たように思います。
そして、アンコールが3曲。
グレンジャーの「ガム・サッカーズ行進曲」、スーザの「キング・コットン」に続いて、“丸ちゃん”のヒトコト。
「今日は、若い人が多いですが、“そうでない人”のために演奏します。」
と言って演奏したのが、美空ひばりのメドレー(どなたの編曲か不明。少なくとも、神奈川大学のアンコールで聴く真島俊夫先生のものではなかったような…。)

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これで、本当に演奏が終了。
あっという間でした。
中高生の皆さんもたくさん来ていましたが、とても良いことだと感じました。
ただ練習するだけではなく、良い“音楽”を聴くことも自分の演奏者としてのスキルを伸ばす手段になると思うからです。
そして、くたびれたオジサンに“ステキな音楽”を聴かせて下さいね。
最後に「なにわ《オーケストラル》ウィンズ(NOW)」の皆さん、丸谷先生、中川先生、本当にお疲れ様でした。

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家路の埼京線の中で、来年も生きていたら、「なにわ《オーケストラル》ウィンズ」を聴きに行くぞと誓った浦和のオヤジでした。


東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部&岡山学芸館高等学校吹奏楽部 JOINT CONCERT 2014

2014-05-09 02:21:51 | 吹奏楽

東海大学付属高輪台高校と岡山学芸館高校のジョイントコンサートは、昨年も行かせて頂きました。(春日部共栄高校の演奏会を聴いてからと言う強行軍はツラカッタ…。)
会場は、江東区の東京メトロ住吉駅にほど近い“ティアラこうとう”でした。
今年は、場所を東京芸術劇場に移しての演奏会です。
日本の高校吹奏楽界でトップ集団にいる2校のコラボは非常に興味が湧きます。
特に個人的に岡山学芸館のサウンドは素晴らしく思います。
さあ、今年は、どんなパフォーマンスを見せて頂けるのか大いに楽しみです。

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2014年(平成26年)5月5日、子供の日です。
連休中ということもあってか池袋は、大変な人出ですね。
人の熱気に圧倒されます。

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ホール内に入場。
入り口で貰ったプログラムに目を通してみます。
3部構成の内容ですね。
高輪台と学芸館の他に三重の皇學館高校と富山の新湊高校も演奏するようです。
客席もほぼ満席です。(私の席から周りを見回してみると、ご父兄の方も多く来場されているんじゃないでしょうか?)
さあ、コンサートの始まりです。

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[演奏]東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部
    岡山学芸館高等学校吹奏楽部
    皇學館高等学校吹奏楽部
    富山県立新湊高等学校吹奏楽部

[指揮]畠田 貴生(東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部顧問)
    中川 重則(岡山学芸館高等学校吹奏楽部顧問)
    前川 幸生(皇學館高等学校吹奏楽部顧問)

[客演指揮]丸谷 明夫(大阪府立淀川工科高等学校吹奏楽部顧問・全日本吹奏楽連盟理事長)
[スペシャルゲスト]なにわ《オーケストラル》ウィンズ

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第1部

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◆ ホープタウンの休日(ライニキー)[高輪台2年・学芸館2年]
◆ フェスティバル・ヴァリエーションズ(スミス)[学芸館2,3年]
◆ 交響詩「ローマの祭」より(レスピーギ)[皇學館2,3年]
◆ ルイ・ブルジョアの讃歌による変奏曲(スミス)[高輪台2,3年]
◆ 祝典序曲(ショスタコーヴィチ)[高輪台3年+学芸館3年+α]
◆ アルメニアン・ダンス・パートⅠ(リード)[高輪台3年+学芸館3年+α]

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第2部

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◆ 陽はまた昇る(スパーク)[高輪台1年,学芸館1年,皇學館1年,新湊1年]
◆ 2014年度全日本吹奏楽コンクール課題曲特集
  ▼ Ⅲ「斎太郎節」の主題による幻想(合田 佳代子)
      [高輪台55人+学芸館10人]
  ▼ Ⅰ最果ての城ゼビア(中西 英介)
      [学芸館55人+高輪台10人]
  ▼ Ⅱ行進曲「勇気のトビラ」(高橋 宏樹)
      [高輪台・学芸館・皇學館・新湊 選抜55人]
  ▼ Ⅳコンサートマーチ「青葉の街で」
      [高輪台・学芸館・皇學館 選抜55人]

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第3部

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◆ スペシャル・ポップスステージ!![高輪台・学芸館]
◆ 交響詩「ローマの松」より アッピア街道の松(レスピーギ)
[高輪台・学芸館・皇學館・新湊 3年全員]

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まずは、第1部から。
最初の曲は、高輪台と学芸館の合同演奏ですね。
あれれ、畠田先生、中川先生、二人とも舞台に出て来られましたよ。
曲が始まりました。
何だか変な事になってる…。
フレーズ毎に交互に指揮台の上に上がって指揮したり、二人で一緒に指揮したり…。
個人的に演奏に集中出来ませんでした…。(笑)

2曲目は、学芸館の演奏でスミスの「フェスティバル・ヴァリエーションズ」。
昨年は、最後の「三出(さんしゅつ)」という事で両校共、コンクールに出場しておりませんが、この曲は一昨年のコンクール全国大会で高輪台が自由曲として演奏した曲です。
畠田先生に“ノーミス”のプレッシャーをかけられながら、演奏が始まりました。
素晴らしい演奏でした。
私の好きなサウンドにしっかりとしたテクニックが乗っかって、あのジェットコースターのようなスミスの世界を作り出していました。
個人的にこの日“イチバンの演奏”でした。

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次は皇學館高校の登場です。
去年も、このジョイントコンサートに参加してましたね。
何でも昨年は東海大会で“金賞”を受賞されたとのこと。
なかなかの実力を持つ団体だとお見受けしました。
本日の演奏曲目は、「ローマの祭」ですか。
とても良い演奏だったと思います。
アンサンブルがしっかりしていて、さすが結果を出している学校だと思いました。
特にサウンドが明るくて華やかなのがイイ。
ただ、少しだけ言わせてもらうならば、ダイナミクスのメリハリがあった方がいいかなあ。
演奏している人間は気持が良いかもしれませんが、過剰な音量は聴いている者にはツライ時があります…。
ピアニッシモの時に工夫をすれば、そんなに大きな音を出さなくても、“大きな音”に聴こえると思います。(ナマイキ言ってすみません…。)

続いて高輪台の登場。
今度は、一昨年、学芸館のコンクール自由曲だった「ルイ・ブルジョアの讃歌による変奏曲」です。
それにしても、学芸館も高輪台もスミスの曲に音色が合います。
素晴らしい演奏でした。
堪能しました。
ただ、僅かに細かいミスがあったのが残念でした。
ですが、とても良いサウンドですので、今年のコンクールも期待できそうです。

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第1部、ラスト2曲は高輪台&学芸館の3年生による演奏です。
そして、ここで“丸ちゃん”(丸谷明夫先生)登場!
このブログを読んで下さっている方は、ご存じだとは思うのですが、そうでない方のために丸谷先生のことを若干、説明させて頂きます。
丸谷明夫先生は、大阪府立淀川工科高校吹奏楽部の顧問として長年、活躍されており、全日本吹奏楽コンクールへは淀工を率いて35回というナンバーワンの成績を残されている吹奏楽界の超有名人です。
また、一般社団法人全日本吹奏楽連盟の理事長として、吹奏楽発展のための八面六臂の活躍は頭の下がる思いであります。
さて、丸谷先生が指揮された1曲目は、ショスタコの「祝典序曲」。
これは、私が若い頃にずいぶん、流行りましたなぁ、懐かしい!
テンポが結構、速いように思ったのですが、こんなものでしたっけ?
“丸ちゃん”2曲目は、「アルメニアン・ダンス・パートⅠ」。(そう言えば、この日から、ほぼ一週間前の同じ東京芸術劇場でこの曲、聴きました。東京佼成ウィンドオーケストラの演奏でした。素晴らしかった!)
演奏する前に丸谷先生がおっしゃっておられたのですが、この曲を吹奏楽における“ベートーヴェンの第九”みたいな存在にしたいとのこと。
よっぽど、この曲がお好きなんですね。
演奏も学芸館&高輪台の名に恥じない素晴らしいものでした。

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最初から、盛りだくさんですね。
圧倒されます…。
続いて、第2部です。

1曲目は、「陽はまた昇る」。(昨年のジョイントコンサートでも演奏していますね。)
この曲は、イギリス人作曲家フィリップ・スパークが東日本大震災のチャリティーのために書いた曲です。(この曲の売上純益は、日本赤十字社を通じて被災者のために役だっているようです。)
演奏するのは、この日の参加校の1年生(新入生)の皆さん。
お世辞にも、上手な演奏とは言えませんでしたが、畠田先生の指揮を見つめながら演奏する姿は、ピュアで好感が持てました。
また、この1年生の皆さんが半年後、1年後、どのように成長していくかを想像するとワクワクしてきます!
考えるだけで、楽しくなりますね!

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続いては、Ⅴを除いた課題曲4曲。
いろんなメンバーの組合せで聴けて楽しかった。
全体的な感想から言えば、ほぼ課題曲は完成された演奏でした。
ただ、もう少し、メロディラインとかに“表情”があると良かったかな。(“音楽”の運びに機械的な印象を受けた箇所があったので…。)
ちなみに課題曲Ⅱ、Ⅳの行進曲は、丸谷先生が指揮されました。

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無事に第2部が終わりましたが、ここでサプライズ。
この日の次の日(5/6)にコンサートが同じ東京芸術劇場で、行われる「なにわ《オーケストラル》ウィンズ」のメンバーがゲスト出演して下さいました。
しかも、今年のコンクール課題曲を演奏して下さるとのこと。
ちなみに「なにわ《オーケストラル》ウィンズ」というのは、2003年より大阪フィルのクラリネット奏者、金井信之先生の呼びかけで活動しているプロの吹奏楽団です。
活動と言ってもゴールデンウィーク期間中だけなのですが、大阪と東京で公演を行っています。
全国各地の交響楽団の精鋭たちから構成されるメンバーの音楽は、素晴らしいのひとことです。(ちなみに私もこの翌日の演奏会に行かせて頂きました。内容は後日、ご報告します。)
NOWのメンバーで、この日、駆けつけて下さったのは、10数名で、足りないパートは高輪台の生徒さんを“補充”しての演奏となりました。
課題曲のⅡとⅢを演奏して頂いたのですが、やっぱりプロですね。
音の響きが違う。
クラリネットなんか、たった3名の演奏でしたが、すごく響いてました。
フルートの皆さんもスゴかったです!
生徒さんたちは大いに参考になったことでしょう。
その後も金管アンサンブル等をやって頂いたりして、とても楽しませてくれました。

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私、個人的に少し、疲れが出てきましたかな…。(歳なんで…。)
さあ、第3部です。
最初は、“スペシャル・ポップスステージ”。
まず、最初に学芸館の演奏で何故だか、森高千里の「渡良瀬橋」。
そのあと高輪台、お得意の日舞のステージ。(題名が付いていたけど忘れてしまった。)
そして、これも高輪台十八番の“ラテンスペシャル21”。(だったと思う。)
最後は、学芸館で東京スカパラダイスオーケストラの曲でエンド。
さあ、大トリの曲です。
参加校の3年生全員で「ローマの松(アッピア街道の松)」。
指揮は、先程、見事な演奏を聴かせて頂いたNOWの金井先生。
他のメンバーの方も金管バンダで参加して頂いております。
昨年もトリの曲は、同じ「ローマの松」でしたが、今年は“器(うつわ)”[ホール]が良いせいか大変、迫力のある演奏に聴こえました。
大いに盛り上がりました!

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そのあと、アンコール。
「宝島」とスマップの「ありがとう」でコンサートは終わりました。
途中で休憩はあったものの、4時間の長丁場、オヤジは疲れました。
でも、若者たちの“情熱”を目の当たりにして、気分は30年前に戻ったなと思いながら、武蔵浦和へ向かう浦和河童オヤジでございます…。(カッパですが、ハゲてません。)


春日部共栄中学高等学校吹奏楽部 第28回定期演奏会

2014-05-03 21:27:58 | 吹奏楽

昨年の東京芸術劇場での定期演奏会も伺わせて頂きました。
そして、今年も楽しみにしておりました。
2014年(平成26年)4月29日、火曜日、昭和の日。
場所は、大宮ソニックシティ大ホール。
仕事の関係で“夜の部”を見させて頂きます。

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昨年は、春日部共栄吹奏楽部の定期演奏会の後に岡山学芸館&東海大高輪台のジョイントコンサートに行きました。(もちろん、“同じ日”にです。池袋から、江東区まで…。)
つまり、コンサートのハシゴをしたんですね。
慌ただしかったけれど、懐かしい思い出です。

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まず、申し上げなければならないのは、私が何故、毎年、春日部共栄の定期演奏会に来ているかということです。
サウンドやアンサンブルと言った基本的な部分に真摯に向き合う態度、春日部共栄には、そういう意識を強く感じます。(演奏を聴いていれば、私のような素人にでもわかる気がします。)
だから、コンクールの場であろうと演奏会であろうとクオリティの高い演奏が聴けるのです。
多くの吹奏楽団(高校に限らず)で見られる傾向ですが、コンクールで素晴らしい演奏をしても定期演奏会で聴くと“ナンジャコリャ”と思う団体が数多くあります。(「“全国金賞”の名が泣くよ」と言いたくなった団体も過去にはありました。)
それが、春日部共栄にはないんです。
「音楽」をじっくりと聴かせてくれる団体、それが春日部共栄高等学校吹奏楽部だと思います。

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余計なおしゃべりが過ぎました。
本題に入りましょう。

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[演奏]春日部共栄中学高等学校吹奏楽部
[指揮]都賀 城太郎
    織戸 祥子
[ピアノ]西川 真子

◆ 行進曲「博奕岬の光」(酒井 格)
◆ 2014年度全日本吹奏楽コンクール課題曲より
  行進曲「勇気のトビラ」(高橋 宏樹)
  「斎太郎節」の主題による幻想(合田 佳代子)
◆ シンフォニック・ヴァリエーション[初演](福島 弘和)

◆ アルメニアンダンス パートⅠ(A.リード)[昼の部]

[客演指揮]須藤 卓眞(松戸市立松戸第四中学校吹奏楽部顧問)
◆ 交響的舞曲 作品45より 第一楽章(S.ラフマニノフ/arr.宍倉 晃)[夕の部]
[客演指揮]大滝 実(西関東吹奏楽連盟理事長)

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【休憩】

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◆ 雷神~ソロパーカッションと吹奏楽のための協奏曲(高 昌帥)

[パーカション]寺山 朋子
◆ アッフェローチェ[委嘱作品・初演](高 昌帥)
◆ 春に寄せて~風は光り、春はきらめく~(福島 弘和)
◆ 飛行の幻想(R.シェルドン)
◆ ビートルズメドレー(J.レノン&P.マッカートニー/arr.杉本 幸一)
◆ エル・クンバンチェロ(R.エルナンデス/arr.岩井 直溥)

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演奏会が始まりました。
生徒の皆さんも“昼の部”でお疲れでしょうが、頑張ってほしいものです。
まずは、酒井格先生の行進曲。
自衛隊の委嘱作品だけあって、明るく元気で、さわやかな曲です。
この曲は、今年の3月16日に文京シビックホールにて行われた“響宴”にて神奈川大学吹奏楽部の演奏で聴いたのが最初でしたが、春日部共栄も、それに負けないパフォーマンスを見せてくれました。(酒井先生も会場にお見えになっておられました。)
次は、本年度の課題曲ⅡとⅢですね。
どちらも明日、コンクールに出てもおかしくないくらいの完成された演奏でした。
ただ、少しだけ感じたこと。
Ⅱは、メロディラインから言っても、特に躍動感を表現してほしいマーチなのですが、わずかに大人しい感じがしたのは、私だけでしょうか?
Ⅲは、民謡をモチーフにしているのですから、旋律をもう少しだけ歌って欲しかったかな?(課題曲選曲の傾向から推察するに2曲とも春日部共栄がコンクールで演奏する曲ではないとは思いますが…。)
4曲目は、春日部共栄にとっては馴染み深い作曲家、福島弘和先生の作品「シンフォニック・ヴァリエーション」。
しかも“初演”なのだそうです。
そして、演奏の方は2年生主体で行うとのこと。
曲は、明るくて華やかな昔の“アメリカ的”な感じがしました。(私の好きなタイプの曲です。)
多少のアンサンブルの乱れやピッチの気になったところがあったものの、2年生とは言え、さすが春日部共栄と思わせる演奏でした。(2年生って言うのは、この4月に2年生になったばかりの新2年生ですよね。ということは、1年ちょっと前は、中学生だったわけです。それで、あのパフォーマンス。素晴らしいです。)
プログラムの曲目紹介では、ここで酒井根中を全国的に有名な吹奏楽部にし、現在でも大活躍の松戸四中の吹奏楽部顧問、須藤卓眞先生のゲスト指揮で「アルメニアンダンス パートⅠ」となってますが、これは“昼の部”だけらしいので…。(残念。)

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さて、前半最後は、吹奏楽界では知らぬ者のいない大滝実先生の登場です。
大滝先生と言えば、同じ埼玉県の高校吹奏楽界の名門、埼玉栄高校を率いていらっしゃることで有名です。
また、西関東吹奏楽連盟の理事長もされています。
その上、昨年より岩倉高校の特別顧問に就任されたとか。
ご多忙でしょうが、これからも吹奏楽界の発展のためにご尽力して頂ければ、一吹奏楽ファンとして、これ以上の喜びはありません。
さて、今回の春日部共栄とのコラボはラフマニノフですか。(夜の部のみ。)
大滝先生の指揮も冴えわたり、前半のトリに相応しいパフォーマンスでしたが、個人的な感想を言うと、やっぱり春日部共栄は、吹奏楽オリジナル曲の方が合うかなぁ…。

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さて、後半です。
まず、最初に春日部共栄OGでピアノで賛助出演した西川真子さんの紹介や大滝先生の楽しいインタビューのあと、高昌(こうちゃん)帥(す)先生の「雷神」。
都賀先生は、この曲をコンサート等で演奏するのは、今日で5回目だとおっしゃっておられましたが、私は、この内、4回に立ち会っていると思います。(第25回定期演奏会、全国大会三年連続出場記念 in サントリーホール〈東海大四高と合同開催〉、第17回“響宴”、第28回定期演奏会)
何度聴いても、寺山朋子氏のパフォーマンスは素晴らしいし、それに負けない春日部共栄も立派です。
堪能させて頂きました。
次は、ある意味、本日の目玉の曲かも知れません。
同じく、高昌帥先生への委嘱作品で初演の「アッフェローチェ」。
多分、この曲が今年のコンクール自由曲になるのでしょうか?
「“Afferoce”とは、愛情深くという意味の音楽用語、“Affettuoso”と、荒々しくという意味の“feroce”をつなげた造語」だそうで、「ゆったりとした優しい曲調」と「テンポの速い激しい曲調」が表現されている曲です。
高先生の魅力が満載の曲ですので、楽譜が出版されたら、流行るんじゃないかと推測できますね。
春日部共栄の演奏も素晴らしかった。
まだ、細部に整理する余地はあったものの、“雰囲気”は完成されていました。
もう少し、吹き込んで表現力を磨けば、かなりの演奏になると思います。
コンクールが楽しみです。(この曲が自由曲であればの話ですが…。)
やっぱり、春日部共栄は、「吹奏楽オリジナル新作委嘱作品」が似合います!

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後半3曲目は福島先生の作品。
しかも、春日部共栄中学の皆さんの演奏とのこと。
人数は少なめですね。
30名いないでしょうか?
指揮が顧問の織戸祥子先生に替わっての演奏開始です。
正直な感想を言いますと“コンナニウマイト、オモワナカッタ”。
まず、サウンドがキレイですね。
芯の通った音をしている。
まだ未熟な面も、たくさんあるけど、今後が楽しみです。
次も特別編成での演奏です。
今年、入学した新1年生だけの演奏。
数か月前は中学生だった皆さんの初々しいサウンドですね。
曲は「飛行の幻想」。
この曲は、春の定期演奏会で新1年生の演奏曲として、“定番”なんだそうです。(そう言えば、去年も演奏してましたな。)
さすがに春日部共栄吹奏楽部に入ってきた生徒の皆さんです。
まだまだ荒削りですが、どのように変貌を遂げて行くのか楽しみですよ。(余談ながら、少し金管楽器と木管楽器にレベルの差があるように思いました。)
最後は、全部員120名の演奏で“ビートルズ”と“ラテン音楽”の演奏。
大いに盛り上がりましたし、生徒の皆さんの“若さ”と“熱意”をこのくたびれたオヤジにも与えてくれました。
ありがとう!

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アンコール曲は以下の2曲です。
合唱曲で静かな雰囲気を作って、定番の「フーテナニー」でマトメタって感じですか。
楽しい演奏会でした。

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私は、春日部共栄高校吹奏楽部の音楽に対峙する姿に好感を持っています。
良いサウンドを聴いてもらいたい、素晴らしいテクニックを見てもらいたいと「音楽」で観客を楽しませようとしているからです。
だから、マーチングの大会にも出ないし、学芸会のような定期演奏会もやらないし、「音楽」のみ「演奏」のみで勝負している気がする。(マーチングを否定しているわけではありません。ただ、私は“動きながら”楽器を演奏することが、いい「音楽」を作りだせるとは、どうしても思えないだけなのです。)
とにかく、今後も春日部共栄高校吹奏楽部を勝手に注目して行きます!