浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団 第47回定期演奏会

2013-12-26 00:34:48 | 吹奏楽

アマチュアの吹奏楽の演奏会に行くと、こんなことを感じることが多いんです。
舞台で演奏している方は楽しそうだなあと。
でも、そんな事を観客に感じさせちゃいけないんです。
やっぱり、アマチュアであろうと“観客を意識した”演奏をして欲しい。
“自己満足”でいいんだったら、演奏会なんかやんなきゃいいのにと思った団体が今まで、複数(と言うか“たくさん”)ありました。
たとえ、それが全国大会出場団体だったとしても。(全国大会の演奏が“素晴らしく”ても、演奏会では“なんじゃこら”と…、そんな事がケッコウ…、ある…。)

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でも、アンサンブルリベルテは、違うんです。
演奏会において、全てにパーフェクトとは言いませんが、かなりのクオリティを維持している。
多分、意識が違うんでしょうね?!

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今年10月、福岡サンパレスホールで行われた第61回全日本吹奏楽コンクール、職場一般の部に私も行かせて頂きました。
珍しく課題曲は、ぎこちなかったものの長生淳先生の委嘱作品を見事に歌い上げた演奏に圧倒されました。
あれから、2ヵ月あまり。
今年も年末の定期演奏会に来させて頂きました。

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2013年(平成25年)12月23日、月曜日の天皇誕生日です。
場所はリベルテのホームグラウンドの川口リリアメインホールです。
余談ですが、リリアのメインホールは音響の面では合格点だと思うのですが、個人的に客席の配置が好みじゃない。
奥行きがないので勾配がキツすぎる。
2階席なんか多分、舞台を覗き込むような感じになって演奏者を見づらいじゃないでしょうか?(実際、2階席で見た事はないんですけど…。また、すみだトリフォニーホールでも同じことを感じました。これは実際、3階席から見ての感想です。)

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さて、本題に戻りましょう。
演奏会の始まりです。

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[演奏]川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団
[指揮]福本 信太郎
[オーボエ独奏]渡辺 克也

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【Ⅰ部】

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● バレエ組曲「ロデオ」より カウボーイの休日 (A.コープランド/Trans.by Ed Keely)

● ゆりのねゆらり《世界初演》 (井潤 昌樹)

● グリンカの主題による変奏曲 ― オーボエと吹奏楽のための (N.リムスキー=コルサコフ)

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=休憩=

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【Ⅱ部】

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● ~ リベルテが贈る音楽のクリスマスプレゼント! ~
   * Present Music 1 (美女と野獣)
   * Present Music 2 (リトルマーメイド)
   * Present Music 3 (ライオンキング)

● ボレロ (M.ラヴェル/arr.by P.スパーク)

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最初の曲は、コープランドのロデオです。
懐かしいですねぇ。
高校時代とか、「エル・サロン・メヒコ」と一緒によく聴いてました。
リベルテの演奏。
ミスがあるとかミスがないとか、そういう次元の話ではなく、何か音楽的にハマってないというか…。
曲に対するサウンドやリズムがうまく機能していないような感じがしました。
最初の曲だから、仕方ないかな…。
2曲目は、今、吹奏楽界では人気の作曲家、井澗(いたに)昌樹氏の「ゆりのねゆらり」。(井澗氏の「バイ・バイ・ヴァイオレット」はコンクールで人気の自由曲ですね。)
何と、この日が世界初演なんだそうです。
演奏前に関西(多分、京都からと紹介されたような…)から、いらしていた井澗氏に舞台上で曲の解説をして頂きました。
全般的に激しい曲調で随所に“井澗節”が見え隠れしている難曲ですね。
でも、作者の想いが伝わるいい曲です。
表現力の乏しいバンドが演奏すると、ただ、ウルサイだけの音のかたまりになりそうですが、リベルテは、そのテクニックで見事な楽曲として完成させていました。
1曲目とは違い、エンジンが掛かってきたようです。
さすが、アンサンブルリベルテ!
(蛇足…、「ゆりのねゆらり」の曲名が紹介されて、福本先生が指揮台につかれた時、遅れてホール内に入って来られた老夫婦が席に着こうとしていました。しかも、舞台に非常に近い指揮台前の席で。福本先生が気を使って演奏開始を少し遅らせたのは、微笑ましいハプニングでした。)
さて、前半、最後の曲は、世界的に活躍されているオーボエ奏者、渡辺克也先生を迎えて大作曲家リムスキー=コルサコフの「グリンカの主題による変奏曲」。
プログラムの解説によると、この曲はオーボエ協奏曲ですが、珍しくバックがオーケストラではなく吹奏楽がオリジナルなんだそうです。
演奏前に渡辺先生が色々とお話をして下さったのですが、それがまた、面白かった。
南浦和中、浦和高校と進学された“浦和っ子”のようですね。
東京藝術大学在学中から新日本フィルに入団され、その後ヨーロッパを中心に活躍されている方です。
今回の演奏はオーボエと吹奏楽のコラボで大変、興味深かった。
実にノーブルな曲に渡辺先生のテクニックが冴えわたり、素晴らしいひと時を過ごさせて頂きました。(アンコールは、渡辺先生にアレッサンドロ・マルチェロの“オーボエ協奏曲”の2楽章を演奏して頂きました。これもまた素晴らしかった!)

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後半は、「リベルテが贈る音楽のクリスマスプレゼント!」と題してのステージ。
開演となっても舞台上には、演奏者の皆さんはどなたもいませんね。
すると、ハープ、トランペット、トランペットの皆さんがそれぞれ一人ずつ現れ、3人で「きよしこの夜」のアンサンブルが始まったのです。
そして、そのメロディに合わせて、他の団員の皆さんが入場してきました…。
なかなか雰囲気のある演出です。
ところで、プログラムの曲目紹介のところでは「Present Music」としか書いてありませんでした。(上記、曲目紹介のところに書いてある曲名は、筆者が加筆したものです。)
ステージの進行をされていた指揮の福本先生のお話によりますとクリスマス近いということで、ディスニー作品の中でミュージカル化されている演目の音楽を“プレセント”して下さるとのこと。
「美女と野獣」「リトルマーメイド」「ライオンキング」、いずれも名作のミュージカル音楽をリベルテの優れた表現力で堪能させて頂きました。(特に“スティールパン”という楽器の演奏を初めて生で聴かせてもらったのが興味深かった。)
そのあと、プログラムには書いてなかったのですが、この日の演奏会の司会をされていた地元川口市出身のピアニスト葛貫杏梨さんがショパンのノクターンを演奏して下さいました。
透きとおったピアノの音色が会場全体をそして、私の心を和ませてくれました…。

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いよいよ、最後は「ボレロ」です。
聴く方は、楽しくていいのですけど、演奏する方にとってはシンプルであるが故に難しい曲ですね。
今まで、“吹奏楽版”のボレロを生で聴いた事があるのは、パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団、国立音楽大学ブラスオルケスター、東京音楽大学シンフォニックウインドアンサンブルの3団体だったと思います。(たぶん…、おそらく…。)
完全なアマチュアの演奏は今回が初めてです。(それにしてもリベルテは勇気がありますよね。)
聴いた後の感想。
さすがにソロパートは、この難曲に対応しきれなかった部分も見受けられましたが、リベルテのサウンドの素晴らしさに感銘を受けた次第。
特に後半のオーケストラでいうならば、弦楽器が担うメロディラインの合奏部分は特筆に値します。
全体的に素晴らしいのですが、特に木管楽器は何と言う音なのでしょう!
やっぱり、リベルテはギャルド系の音ですよ。
それとリズムの中心、スネアドラム、ブラヴォーです!
いいものを聴かせて頂きました。

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アンコールは、クリスマスということでアンダーソンの「そりすべり」。
そして、「ジングルベル」のジャズヴァージョンの2曲でした。

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来年の春の定期演奏会(吹奏楽の響き)は、リリアではなくて、“さいたま市文化センター”で行われるとのこと。
私の家から近くて、嬉しい気持ちもあるんですが、できれば、東京芸術劇場あたりでやってほしいなあと勝手に思ってしまった浦和のオヤジでした…。

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ところで本日は、福本先生の指導されている東海大学吹奏楽研究会の演奏会のために横浜みなとみらいホールに伺いました。(そのご報告は、後日に…。)
なんだか、福本先生の追っかけみたいになっちゃいました…。

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いつも期待以上のパフォーマンスをありがとうございます。
来年も聴かせて頂きますね。


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