浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

第19回東関東吹奏楽コンクール 職場一般の部、大学の部

2013-09-30 09:47:56 | 吹奏楽

2013年9月22日は、以前、このブログの中で、所沢市民文化センターミューズで開催されます西関東大会・職場一般の部に行くとお知らせしておりました。
しかし…。
西関東大会は、場所が所沢ですから、近くて行きやすいのですが、よくよく考えるとアンサンブルリベルテと川越奏和が抜きん出ていて、大会としては面白みに欠けるような気がしてなりませんでした。
それに上記2団体は、福岡で行なわれる全国大会に進むでしょうから、そこでも聴ける。
少しだけ、県大会で素晴らしい演奏だった与野吹奏楽団の“進化”も聴いてみたい気がしましたが、迷いながらも東関東大会に行かせて頂くことにしました。

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東関東大会の開催される場所は、茨城県の「ひたちなか市文化会館」。
ハッキリ言って、武蔵浦和からは非常に遠い。
それでも、東関東大会に行こうと決心した理由が2つあります。
まず、東関東大会では同日に、職場一般だけではなく大学の部も開催されます。(西関東では職場一般のみ。)
つまり、神奈川県大会で極上の演奏を聴かせてくれた神奈川大学が聴けるのです。
そして、2つ目の理由。
神奈川県大会の職場一般では、全国大会常連組も演奏がパッとしなかった…。
昨年も東関東大会、職場一般を拝見させて頂き、千葉や茨城の団体の高レベルの演奏が記憶に残っております。
即ち、これは混沌とした戦いになるぞと思い、この日に至ったわけです。(あとで述べますが、この私の考えは大正解でした!)

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朝、6時前に自宅を出て、ひたちなか市文化会館に到着したのが9:00の開場の5分前。
ちょっとした小旅行ですね。(ちなみに去年の宇都宮市文化会館より遠かった。)
会場の“ひたちなか市文化会館”
外観はなかなか立派ですね。
ホール内に入ってみます。
最大客席数、1368席、ホールの感じは典型的な市民会館という風情です。
しかし、思った以上に良く響くホールでした。(いい会場でヨカッタ!)

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さて、本題に入りましょう。
いつものとおり、以下に課題曲のご紹介です。

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Ⅰ “勇者のマズルカ”[第23回朝日作曲賞受賞作品]  (三澤 慶)
Ⅱ “祝典行進曲「ライジングサン」  (白岩優拓)
Ⅲ “復興への序曲「夢の明日に」  (岩井直溥)
Ⅳ “エンターテイメント・マーチ”  (川北栄樹)
Ⅴ “流沙”〈※高校・大学・職場一般のみ〉  (広瀬 正憲)
   (第5回全日本吹奏楽連盟作曲コンクール第1位作品)

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さて、まずは「職場一般の部」から。(残念ながら、「職場」の団体は参加しておりません。)

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〔職場一般の部〕

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1.千葉県代表 かずさウインドオーケストラ  (指揮)荒井 富雄
    [課]Ⅱ [自] 歌劇「マノン・レスコー」より (G.プッチーニ/arr.宍倉 晃)

朝イチの9時台の演奏、ご苦労さまです。
ホルンとトロンボーンが最上段にいるんですね。
めずらしい配列です。
課題曲の最初のファンファーレ、少し元気良すぎかなあ?(楽譜を見るとフォルテですけど、それ以上に聴こえたような…。)
でも、トランペット、トロンボーンのサウンドが厚く感じました。
それに対してクラリネットの音が抜けてこない…。(朝早いせいでしょうか?)
軽快なマーチでした。
自由曲。
メロディラインの音の処理の仕方が気になりましたが、突然、素晴らしくきれいなtuttiが聴こえてきたりして、ある意味、不思議な演奏です。
オペラのメロディらしく、感情豊かに歌い上げている部分は素敵でした。
ただ、音程の気になる“場面”がありました。
【銅賞】

2.千葉県代表 ベルモンテウインドオーケストラ  (指揮)樽屋 雅徳
  [課]Ⅴ [自] ラザロの復活 (樽屋 雅徳)

昨年も東関東大会の出演順2番でしたね。
ただ、去年の朝イチは大学の部でした。
そういうことから考えると同じ2番でも今年の方が条件が悪いのでしょうか?
まずは課題曲から。
最初のアルトサックスのソロ、頑張り過ぎ?
mpなのにアクセントが付いているかの如く、快活に聴こえました。
全体的に各楽器間のアンサンブルは見事で正確です。
ただ、以前のこのブログでも書きましたが、様々な要素の対比が、この曲のテーマとすれば、あまり、その対比が感じられなかった。
つまり、ダイナミクスの振り幅がせまく、少し単調に聴こえました。
自由曲は指揮の樽屋先生自身の作品です。
樽屋先生らしくドラマチックな部分を持った曲ですね。
ご自身の作品を指揮されているのでアナリーゼも作曲者の意図どおりの、言うならば思いの詰まった演奏です。
各個人の技量も高く安心して聴けました。
【銀賞】

3.神奈川県代表 横浜ブラスオルケスター  (指揮)近藤 久敦
  [課]Ⅴ [自] 「管弦楽のための協奏曲」より Ⅴ.終曲 (B.バルトーク/arr.仲田 守)

さて、実績のある団体の登場です。
課題曲はソツのない演奏だと感じました。(“減点法”に耐えうるような、そんな感じが…。)
ただ、私の好みから言うと打楽器を中心に音が大きすぎるような気がしました。
それからイチバン最後のフルートの音が長く感じたのは私だけでしょうか?(間延びして聴こえました…。)
自由曲、県大会の時と比較して聴きやすかった。
それぞれの楽器が良く音が出ていて、しかも観客に迫ってくるほど、伸びていた。
スピード感あり、躍動感あり、見事にまとまっているように思いました。
しかし、時折、フレーズとフレーズの間に空間(休符が関係しているのではなく、“流れ”が止まったような感覚)を感じられたのは残念でした。
エンドの部分は見事に決まりましたね!
素人のオヤジが思うに全国大会金賞はいま一歩の修正が必要?(失礼!)
福岡サンパレスでのご活躍、期待しております。
【金賞・支部代表】

4.栃木県代表 小山市交響吹奏楽団  (指揮)原 進
  [課]Ⅰ [自] 漁り火は波に戯れ (福島 弘和)

最上段に打楽器を並べた様子が壮観ですなあ。
この日、初めての課題曲Ⅰです。
明るいサウンドに好感が持てましたが、全体的にメロディラインと伴奏パートのバランスが悪く感じました。(メロディが聴こえなかったり、聴こえたり…。)
また、時々、ピッチが気になるところがありました。
軽快な曲ではありますが、もう少し、落ち着いて演奏すると良かったかも…。
自由曲は福島作品です。
課題曲に比べて、よく練習しているような感じが見受けられます。
曲に対する思いが聴き手にもひしひしと伝わってくるようで素敵です。
でも、やはり音程が気になりました。
【銅賞】

5.茨城県代表 関城吹奏楽団  (指揮)豊田 晃生
  [課]Ⅰ [自] バッハの名による幻想曲とフーガ (F.リスト/arr.田村 文生)

課題曲Ⅰの出だし。
心理的にも物理的にも、逸る事もなく、安定した始まりですね。
それでいて、スピード感を十分感じられる。
ソツのない演奏です。
自由曲です。
曲の最初、低音楽器群によるユニゾンは、弦バスがあると、より効果的でしたね。
さすが実力のある団体だけあって、見事な構成の演奏でした。
ただ、私には金管楽器がウルサク感じる部分があったように思いました…。
【金賞】

6.千葉県代表 船橋市交響吹奏楽団  (指揮)牛渡 克之
  [課]Ⅳ [自] 交響曲第3番「スラヴァンスカヤ」(B.コジェヴニコフ/arr.J.R.ブージョア)

この日、最初の課題曲Ⅲです。
プログラムを見てみるとケッコウな数の団体がⅢに挑んでいます。
やっぱり、無難にまとめやすいんですかね。
リズムにのった、よい演奏でしたが、楽器によって数のバランスが悪いためか聴きづらいところもありました。
一方、自由曲はバンドのサウンドが見極められていて、好感の持てる演奏でした。
やっぱり、自由曲の方を頑張ったのかな?
ただ、曲のせいか少し単調に感じました。
【銅賞】

7.神奈川県代表 ユース・ウィンド・オーケストラ  (指揮)高田 亮
  [課]Ⅴ [自] 紺碧の波濤 (長生 淳)

衣装が派手な指揮者の方の登場です。
あれ、神奈川県大会とは衣装がかわってる!
まるでスーパー歌舞伎のような赤を基調としたド派手な衣装です。
モコモコしていて指揮がやりづらいのではと思ってしまいます…。
演奏の方に話題を移しましょう。
課題曲の冒頭のサックスソロ。
神奈川県大会では違和感を覚えましたが見事に修正がなされていました。
全体的にメリハリのある演奏に変わっていたと思います。
音楽として聴きやすくなっていたように感じました。
ただ、終わりの方で多少、「県大会バージョン」にもどってたかな?
課題曲が終わって自由曲に移る間、指揮者の方は“スーパー歌舞伎?”を脱ぎ捨てようとしているではありませんか。
そして、脱ぎ終わったあと、その下から表れたのは、県大会の時のシックな衣装でした。(シックと言っても色が黒っぽいだけで十分、派手な衣装でしたが。)
コンクールのステージ上で衣装替えをした指揮者を初めてみました。
なんか違うかなと思いました。
自由曲は県大会同様の躍動感あふれる素晴らしい演奏でした。
ただ、県大会以上のものは感じられませんでした。
実力は相当なものを持っているでしょうから、激しい曲ばかりではなく、スローテンポの静かな曲の演奏を聴いてみたいですね。(ヤン・ヴァンデルローストの「カンタベリー・コラール」みたいな曲でしょうか?古くて、スミマセン。)
【銀賞】

8.神奈川県代表 相模原市民吹奏楽団  (指揮)福本 信太郎
  [課]Ⅳ [自] 翠風の光 (長生 淳)

今年も赤いブレザーが映えますね。
昨年の全国大会での「地獄変」の演奏は素敵でした。
今年は、どんな活躍をみせてくれるのでしょうか?
課題曲は、7小節目からのシロフォンとフルート、オーボエと共に奏でるユニゾンはズレました。(他の団体でも、この現象は多くみられました。)
全体的な流れは、さすがの貫録で、模範的なコンサートマーチを聴かせて頂きました。
洗練されたサウンドですね。
自由曲。
県大会より完成度が増しているように思いました。
そして、このバンドの特徴だと思いますが、どこかが、何かが、突出しているわけではなく、まとまりがすごい。
“長生ワールド”という特殊な世界の雰囲気を出そうとしている努力のあとが見られました。
ただ、(個人的意見ですが)曲がこのバンドの個性に少し合わないかな…。
結果は…残念でした。
(ところで、指揮の福本先生は同日に所沢であった西関東大会に出場しているアンサンブルリベルテの常任指揮者でもあるわけですが、どうするのかなと思っていましたら、リベルテの方は、土気シビックウインドオーケストラの音楽監督として有名な加養浩幸先生が指揮されたとの情報を教えて下さった方がおられました。物理的に無理でしたが聴いてみたかった。興味をそそられる組み合わせです。)
【金賞】

9.栃木県代表 真岡ウインドオーケストラ  (指揮)水口 透
  [課]Ⅳ [自] 交響組曲「高千穂」より Ⅰ.天の逆鉾 (河邊 一彦)

相模原市民のところでも話題にしていた課題曲の7小節目、シロフォン演奏してました?
してなかったような。
少し、ボーッとしてましたので私の聴き間違いかも。(間違ってたらゴメンナサイ。)
軽快でリズムにのった好演でした。
ただ、低音部のリズムパートが弱く感じました。
自由曲は海上自衛隊東京音楽隊の河邊一彦隊長の作品ですね。
物語性の強い曲の特徴をうまく表現していて、楽しめる演奏でした。
少し、音程のあやしい部分があったのが残念でした。
【銅賞】

10.茨城県代表 水戸交響吹奏楽団  (指揮)萩原 健
  [課]Ⅲ [自] 交響詩「アルプスの詩」 (F.チェザリーニ)

本日、最初の課題曲Ⅲです。
これくらいの大人数(プログラムには65名と書いてあります)で、この曲を演奏すると迫力ありますね。
やっぱり、岩井作品は私のようなオヤジには、たまらなくいい。
自由曲は「アルプスの詩」。
好きな曲です。
ホルンソロ、課題曲Ⅲを引きずっているのか、雄大なアルプスの風景のイメージとは違うカンジ。
tuttiの部分でもテンポが少し早いような。(楽譜を見た事がないので、今まで聴いた演奏、CDからのイメージで申しております。)
スケール感は出ていて、とても良かったのですが、少し音を出し過ぎのように思いました。
アルプスというよりも時化の海を連想させる演奏でした。
【銀賞】

11.茨城県代表 ル・シエル音楽団  (指揮)内田 喜嗣
  [課]Ⅳ [自] 喜歌劇「伯爵夫人マリツァ」セレクション (E.カールマン/arr.
鈴木 英史)

弦バス1、チューバ4。
低音部が安定していて心地よいです。
全体的にバランスの良い課題曲でした。
自由曲は、オペレッタという曲の特徴をよく、捉えた演奏でした。
ただ、私には、少しだけ、大人しい感じがしたような。
筋書きのある音楽なので、もう少し、オーバーな表現をしても良かったかも。
各楽器セクションのアンサンブルは、しっかりしていたのに、この点だけは残念でした。         【銅賞】

12.栃木県代表 宇都宮音楽集団  (指揮)鈴木 太志
  [課]Ⅲ [自] 鼓響・・・故郷 (天野 正道)

課題曲を吹いてるという感じではなく、肩の力が抜けてノリノリの演奏です。
しかし、パワーあり過ぎでしょうか?
サックスソロは、雰囲気も音色もとても素敵です。
この団体のサウンドはポップスに合っていますね。
自由曲は天野正道先生の曲。
「和」的な要素を意識した好演でした。
躍動感もあって良かったと思います。
【銀賞】

13.神奈川県代表 グラールウインドオーケストラ  (指揮)天野 正道
  [課]Ⅲ [自] レント・ラメントーソ (真島 俊夫)

本年度から、全国大会は、もちろん、東関東大会でも、「同一部門において指揮することが出来るのは1団体」となったため、長年、この団体を指導されている佐川聖二先生が振るのか注視しておりましたところ、なんと天野正道先生が指揮されるとのこと。(佐川先生は同日、この大会に参加しているPastorale Symphonic Bandの指揮をされました。)
しかも自由曲は真島俊夫先生の委嘱作品。
天野先生の指揮で真島先生の新曲なんて贅沢ですね。
課題曲。
さすがに全国大会の常連団体だけあって、センスがうかがい知れる演奏です。
メロディラインは思いっきり歌い、それを他のパートがしっかりと支える。
そんな構図が出来上がっています。
課題曲の演奏が終わった瞬間、天野先生が、舞台上の団員の皆さんに親指を突き出して、グーサインを出していたのが印象的でした。
自由曲は定期演奏会でも聴かせて頂きました。
最初の導入部分こそ、不安定な音程に感じましたが、アンサンブルは見事です。
個人の技量の高さ、表現力はさすがです。
また、天野先生の情熱的な指揮にも魅了されました。
結果は残念でしたが、今後の活躍に期待しています。
【金賞】

14.茨城県代表 日立市民吹奏楽団  (指揮)加藤 優
  [課]Ⅲ [自] 眩い星座になるために・・・ (八木澤 教司)

課題曲はメロディラインの演奏が美しく上品な演奏。
ただ、ポップス調の曲なので、もう少し弾けてもいいかなと思います。
サックスソロは立ってやりましたね。
コンクールの課題曲で指示もないのにスタンドプレーをやるのは、個人的にあまり好みではないです。
自由曲は、この日の審査員でもあった八木澤先生の曲ですね。
課題曲と同様に上品な演奏ですが、少し、音の伸びが足りないような気がしました。
ですから、メロディが目立たなくなってしました。
選曲はサウンドにマッチしているように思いましたが、どうしてなんでしょう。
それでも表現のセンスは秀逸なものがありました。
【銀賞】

15.千葉県代表 フェニーチェ・ウィンド・アンサンブル  (指揮)進藤 初男
  [課]Ⅴ [自] 歌劇「道化師」より (R.レオンカヴァッロ/arr.進藤 初男)

指揮者以外、若い女性だけの団体ですね。
昨年、東関東支部代表として全国大会に出場した聖徳ウィンド・アンサンブルが名称が変わったのでしょうか?
だって、指揮者が同じだから…。
課題曲は冒頭のサックスソロ、美しかったですね。
ただ、全体的にパワーが漲っています。(女性のバンドって、迫力のある団体が多いような気がするのですけど、私の感違いでしょうか?)
気のせいか昨年より洗練されたサウンドになっているような気がします。
ただ、tuttiになるとバタバタと落ち着かない個所があったのが惜しかった。
自由曲は表現力が豊かでした。
ただ曲のせいか、単調な感じがしたのが残念でした。
【銀賞】

16.茨城県代表 古河シティウインドオーケストラ  (指揮)平田 智暁
  [課]Ⅲ [自] 復興 (保科 洋)

昨年、「セルゲイ・モンタージュ」で全国大会出場を果たした団体の登場です。
課題曲から。
各楽器から発せられるサウンドが素晴らしい。
ロングトーンの音がキレイです。
個人個人のテクニックが冴えわたっています。
ポップス調の曲なので変に構えてしまうとウルサイだけになってしまうと思うのですが、いい意味で肩の力が抜けた好演でした。
自由曲の「復興」。
やっぱり、冒頭のクラリネットは注目です。
アンサンブルもバッチリ決まっていて良かったのですが、ほんの僅かにピッチの乱れがあったように聴こえました。
しかし、サウンドが明るいし、音色が統一されているので、ものすごく好感の持てる演奏でした。
ただ、曲の終りの方で打楽器に若干の乱れがあったような…。
それに対して、奏者の方が“シマッタ”顔をしたように見えたのは気のせいだったのでしょうか?(事実と反するようでしたら、心よりお詫び申し上げます。)
良い演奏だと思いましたが、結果は…、残念でした。
【金賞】

17.千葉県代表 光ウィンドオーケストラ  (指揮)佐藤 博
  [課]Ⅳ [自] 「ガリレオの月」より Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ (R.シシー)

指揮の佐藤博先生は幕張総合高校の指導もされてますよね。
今年は、光ウィンドと併せて、全国大会出場は素晴らしいです。
ところで、昨年の東関東大会での「紺碧の波濤」はステキでした。
惜しくも同点で審査員の決選投票の末に全国を逃しましたが…。(個人的には光ウィンドの方が良いと思いました。)
昔話は、このくらいにして課題曲。
最初、少し、急いている感じがしました。
バタバタ感があって軽快には思えなかった。
でも、曲が進むにつれて見事に修正してきましたね。
最後は、コンサートマーチらしい躍動感にあふれた見事な演奏でした。
自由曲は、初めて聴く曲です。
和的要素にも感じるフルートソロで曲が始まります。
見事なパフォーマンスです。
私は昔、トロンボーンを吹いていた事があるのですが、このバンドのトロンボーンセクションは、素晴らしかった。
音色が統一されているので、各人の音がうまく、融和されていて、ものすごく聴きやすかったと思います。
曲も面白いものでしたし、全体的に実にセンスのいい演奏でした。
福岡でのご健闘をお祈り申し上げております。
【金賞・支部代表】

18.茨城県代表 ひたちなか交響吹奏楽団  (指揮)武藤 隆行
  [課]Ⅰ [自] ノー・シャドウ・オブ・ターニング (D.R.ギリングハム)

課題曲は、金管楽器の方が木管楽器(特にクラリネット)より若干、数が多いせいか、音量のバランスが気になった。
折角、3拍子の軽快なリズムをうまく表現していたのに、残念に思いました。
東関東大会が地元開催だったので、プレッシャーも有ったでしょうが、自由曲は音楽を表現しようと言う必死さが伝わってきて好感が持てました。
ただ、それと矛盾するようですが、単調に感じた場面もありました。
【銀賞】

19.神奈川県代表 Pastorale Symphonic Band (指揮)佐川 聖二
  [課]Ⅲ [自] 大いなる約束の大地~チンギス・ハーン (鈴木 英史)

やっと、佐川先生の登場です。
昨年の第2回、そして、今年6月の第3回の定期演奏会にお邪魔せて頂き、何となく親近感をもっている団体です。(といっても、パストラーレの関係者の方を誰も知りませんが…。)
課題曲はⅢですね。
全体的な音のバランスが良いからなのでしょうが、とても聴きやすかった。
さすがに19団体目で耳も疲れているのですが、自然な形で頭に入ってくる演奏でとても楽に聴けました…というか心地よかったです。
自由曲。
冒頭のフルートソロ、スバラシ。
最初にこの曲をパストラーレの演奏で聴いたのは、今年の定期演奏会での事でした。
その時は正直言って、“イマイチ”かなと思いました。
しかし、県大会、この日の支部大会と進むにつれて、進歩が著しかったと思います。
この調子で全国大会でも、もう一歩の“進化”をみせて下さい。(表彰式の時、偶然にもパストラーレの皆さんと席が近かったので前述の“親近感”ゆえに他の団体より少しだけ大きく拍手をさせて頂きました。それにしても、佐川先生の指導されているグラールや東京のデアクライス・ブラスオルケスターが予選落ちと言う事になり非常に残念です。“復活”を希望します。)
【金賞・支部代表】

20.千葉県代表 アンサンブル・市川  (指揮)中島 正考
  [課]Ⅳ [自] 交響詩「ドン=ファン」 (R.シュトラウス/arr.M.ハインズレー)

課題曲のマーチは、安定していました。
軽快なサウンドでまとまった感じがしました。
特にクラリネットの音質が太く感じ、曲のどのような場面でも“支柱”になっている印象を受けました。
自由曲はリヒャルト・シュトラウス。
この団体は、こういう弦楽器を使った曲のアレンジものにあった音質ですね。
ただ、リヒャルト・シュトラウスの音楽の持つ広がりというかスケール感をもう少し表現出来ていればなと思いました。
終盤でアインザッツの乱れたところがあったのが、曲の流れを寸断したようで残念でした。
【銀賞】

21.栃木県代表 矢板ウインドオーケストラ  (指揮)黒尾 実
  [課]Ⅳ [自] 交響的詩曲「地獄変」 (福島 弘和)

さあ、職場一般の部では最後の団体です。
このブログで何回か話題にしている課題曲Ⅳの7小節目から始まるところですが、シロフォンとフルート類とバッチリあってました。
これで、流れが出来たように感じ、軽快なマーチとして印象に残りました。
自由曲は昨年、相模原市民の自由曲だった福島先生の「地獄変」ですね。
演奏としては、無難な感じがしました。
躍動感を感じるいい演奏だったと思います。
ただ、標題音楽で物語性のある曲ですので、芝居でいうところの“演技力”みたいなものを表現できてればなあと感じました。
【銀賞】 

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さて、休憩のあと、大学の部です。
いささか、疲れた…。

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〔大学の部〕

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1.千葉県代表 城西国際大学学友会吹奏楽団  (指揮)山口 聖一
  [課]Ⅳ [自] 交響曲第2番「鐘」 (A.I.ハチャトゥリアン/arr.小林 久仁郎)

少なめの人数ながら、効果的に課題曲Ⅳを聴かせようと言う努力の跡が感じられました。
ただ、少しだけサウンドが舞台上に停滞しているように感じたのは気のせいでしょうか?
それとTubaがひな壇の最上段、弦バスが舞台上手(かみて)の客席にイチバン近い所というふうに遠い位置に存在していた。
同じような音符を奏でる事が多いと思うのですが、音がうまくブレンドするのでしょうか?(素人の素朴な疑問。)
自由曲。
クラリネットを中心とするメロディを演奏している時、音程が気になるところがあったのが残念でした。
動きを感じる演奏で表現力が秀でていましたが、課題曲の時と同じように全体的に音がこもっているのが気になりました。(特にホルン)
曲の特性からしても、この点が残念でした。
【銅賞】

2.神奈川県代表 神奈川大学吹奏楽部  (指揮)小澤 俊朗
  [課]Ⅴ [自] 魁響の譜 (三善 晃/arr.小澤 俊朗)

コンクールのブログを書くときは、忘れないように各団体の気付いたところを演奏中に、メモします。
そうしないと、私のようなオヤジは忘れてしまうので。
ですから、この日も全ての団体の事を手帳にメモしました。
ある1団体を除いて。
それが、神奈川大学です。
なぜなら、私のような素人のオヤジが書くことなど思いつかなかったのです。
神奈川県大会の演奏は朝イチでしたが、度肝を抜かれるような演奏でした。
しかし、東関東大会では更に「進化」していました。
全国大会では、どうなってしまうのか?
私は、もう多くを語りません。
全国大会に行けない方は、CDで、自分の耳でお確かめ下さい…。
【金賞・支部代表】

3.栃木県代表 白鷗大学ウインドオーケストラ  (指揮)堂阪 知之
  [課]Ⅱ [自] マードックからの最後の手紙 (樽屋 雅徳)

課題曲は、時折、ピッチが気になりました。
元気よく、ハツラツとして好感の持てるマーチでしたが、少し、打楽器が音を出しすぎかな?
予測ですが、個人の技量に差があるせいかtuttiのところで、バランスが悪く感じるセクションがありました。
自由曲は、感情を込めた表現力という点においては、うまく機能していると思いました。
ただ、時折、メロディラインが聴きづらい場面があったのが惜しかった。
丁寧な演奏を心がけているのが観客にも伝わってくる演奏でしたが、少し音程の点で不安が残りました。
【銅賞】

4.千葉県代表 千葉大学吹奏楽団  (指揮)佐々木 伸
  [課]Ⅰ [自] 交響曲第2番「キリストの受難」 (F.フェルラン)

課題曲は冒頭から勢いがあって良かった。
しかし、どのパートもアクセントが強すぎるように思えました。
それに付随して、打楽器、張り切りすぎかなぁ。
少し、ダイナミクスにメリハリをつけないとIからの歌わせる場面が効果的に聴こえなくなるような気がします。
自由曲は、よく練習してありますね。
勢いが感じられます。
ただ、音量が小さいところで音程に不安を感じました。
【銀賞】

5.茨城県代表 筑波大学吹奏楽団  (指揮)鈴木 竜哉
  [課]Ⅴ [自] ラ・フォルム・ドゥ・シャク・アムール・ションジュ・コム・ル・カレイドスコープ (天野 正道)

課題曲Ⅴ、難しい曲です。
アクセントの付いている音符の処理の仕方が気になる個所がありましたが、曲の演奏を聴いていると個人個人がしっかりとした技術を持っているのではと推測できました。
特に木管のサウンドが響いていて、良いですね。
作曲者自身のコメントでメロディラインを意識して歌うことを希望しておられますが、その点では、うまくいっていた演奏だと思いました。
ただ、時々、音量過多になる瞬間があるのが残念でした。
自由曲も天野先生の難曲です。
大熱演の演奏です。
感情豊かに表現しているところが素晴らしい。
ただ、バタバタしている演奏のようにも感じました。
もう少し、落ち着いた部分があったら、よかったと思いました。
【金賞】

6.茨城県代表 茨城大学吹奏楽団  (指揮)桑名 洸典
  [課]Ⅳ [自] 歌劇「トゥーランドット」より (G.プッチーニ/arr.桑名 洸典)

課題曲は、若者らしさが漲っている演奏でした。
しかし、コンサートホールで演奏している事をもう少し意識すると、より、素晴らしくなったのではと思いました。
少し、本来の行進するマーチのような感じがあったので。
自由曲は、情熱的な曲ですし、情熱的な演奏でした。
指揮者ご自身の編曲と言う事で気合いが入ってましたね。
ただ、その気合いが空回りしている瞬間があったような…。
浦和のオヤジにも遠い昔を思い出させてくれるような懐かしさのある演奏でした。
【銀賞】 

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全団体聴きました。
正直、疲れました。
でも楽しかった。
大学の部は、ハッキリいって神奈川大学のひとり舞台でしたが、職場一般は金賞を獲得した団体のどこが支部代表になっても、おかしくないハイレベルな戦いでした。
土気シビックウインドオーケストラがコンクールにでなくなって以来、ここのところの数年は、横浜ブラスオルケスター、グラールウインドオーケストラ、相模原市民吹奏楽団というのが定番の東関東支部の代表でした。
しかし、今年は、上記3団体に「3出[3年連続全国大会に出場するとその次の年は1回だけコンクールに出場できないという大会規定。本年度より廃止。]」休みの団体がいなかったのにもかかわらず、横浜B.O.を除いて、代表にはなれなかった。
つまり、それだけ、難しい大会であったと言う事です。
逆に言えば、どの団体にもチャンスがあるという事がわかった大会でした。
来年も楽しみです。

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このブログの冒頭でもお知らせしたように最初は、9月22日に西関東大会の職場一般の部にいくつもりでした。
でも、東関東大会に伺いました。
そして、それは、正解でした。
後日、西関東大会の結果を知りました。
支部代表が、アンサンブルリベルテと川越奏和。
金賞は、ほぼ埼玉県勢が独占です。
最初から、予想されたことでした。
やっぱり、出場団体のレベルに格差があり過ぎるのですよ。

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さて、お金をケチったので、各駅停車(常磐線)で武蔵浦和まで向かう車中の中で考えるに、やっぱり、神奈川大学はすごい!
全国でも金賞間違いなし、これを金賞にしないで何を金賞にする!と思いを巡らせながら、家に帰って一杯やることばかり考えて帰路につく浦和の吹奏楽オヤジでした。
(また、ブログを書くのに時間がかかってしまいました。スミマセン。)

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このブログは、素人のオヤジの“感覚的”な感想でありまして、いわば戯言(ざれごと)です。
決して、吹奏楽に真剣に取り組んでいらっしゃる皆様を誹謗中傷するものではありません。(むしろ、尊敬の念を抱いております。)
一笑に付して頂ければ幸いです。

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追伸
昨日、入手できるかどうか心配していた全国大会、職場一般の部のチケットがとれました。(PCで“チケットぴあ”のサイトと格闘しての「勝利」でした。10:00販売開始で30分後にもう一度、確認した時は売り切れてましたね。ヒヤヒヤものです…。)


陸上自衛隊中央音楽隊 第140回定期演奏会

2013-09-18 02:59:13 | 吹奏楽

約1ヵ月ぶりの演奏会となりました。
陸上自衛隊中央音楽隊の定期演奏会です。
いやあ、フラストレーションが溜まっていましたので、思いっきり楽しむぞというスタンスで当日は、会場へと向かいました。

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2013年9月8日、日曜日。
世の中は、2020年のオリンピックの東京開催が決定し、祝賀ムードにあふれる中、私は錦糸町へと急ぎました。
場所は駅前の「すみだトリフォニーホール」です。
以前より訪れてみたかったホールですが、タイミングが悪く、そのチャンスに恵まれませんでした。
日本で言えば、東京オペラシティコンサートホールのような長方形の形をしたいわゆるシューボックス型だとのこと。
最大客席数も1801と大きなホールです。
運営は、「公益財団法人 墨田区文化振興財団」というところがしているんですね。(実質、“区立”と同じでしょうが…。)
“東京オペラシティコンサートホール”が1996年、“みなとみらいホール”が1998年、そして、この“すみだトリフォニーホール”が1997年と、ほぼ同時期にシューボックス型の素晴らしいコンサートホールが出来ているのも非常に感慨深く思います。
どういう“響き”をするのか、非常に楽しみです。

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陸上自衛隊中央音楽隊の演奏を聴くのは、昨年10月25日に飯森範親氏の指揮により東京芸術劇場で行なわれたコンサート以来です。
今回は特に「ブックマークス・フロム・ジャパン(J.ジルー)」がプログラムに取り上げられているので楽しみです。
この曲は、今年7月に武蔵野音大ウインドアンサンブルの演奏会で世界初演の演奏を聴かせて頂きました。
浮世絵の世界を描いた日本情緒あふれる曲に、もう一度どこかで、聴く機会があればと思っておりました。
こんなに早く実現するとは、非常にラッキーです。

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会場に到着すると既に多くの人々でごった返していますね。
ホール内に入ります。
壁面の上部、天井はホワイトでその他の所はダークブラウンに染色された木材にて装飾されています。
なかなかシックな感じで素敵です。
それに舞台正面にパイプオルガンがドンと据えられている様子がとてもいい。
ただ、ひとつだけ。
私は、3階席のほぼテッペンに近い所だったのですが、舞台からの傾斜がキツいですなあ。
視覚的には少し辛いものを感じました。(多分、3階席の多くの方がそう感じるのではないでしょうか?やっぱり、“シューボックス型”では、東京オペラシティがイチバン好きです!)

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余計な話はこれくらいにして、以下がコンサートのプログラムです。

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[演奏]陸上自衛隊中央音楽隊
[指揮]隊長 1等陸佐 武田 晃(第2部)
    副隊長 2等陸佐 樋口 孝博(第1部

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● 国家「君が代」 (林 廣守 撰)

● 行進曲「祖国」 (黛 敏郎)

● 日本組曲 (G.ホルスト/arr.J.ボイド)
 前奏曲~漁師の歌〔Prelude-Song of the Fisherman〕
 儀式の踊り〔Ceremonial Dance〕
 あやつり人形の踊り〔Dance of the Marionette〕
 間奏曲~漁師の歌〔Interlude-Song of the Fisherman〕
 桜の木の下の踊り〔Dance under the Cherry Tree〕
 終曲~狼たちの踊り〔Finale-Dance of the Wolves〕

● 交響組曲「野人」 (渡辺 浦人/arr.松本 敏晃)
 第1楽章 集り
 第2楽章 祭り
 第3楽章 踊り

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【休憩】

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● 鳳凰が舞う~印象、京都 石庭 金閣寺 (真島俊夫)

● 日本民謡による幻想曲~砂山の主題による~ (S.R.ヘイゾ)

● 交響曲第4番「ブックマークス・フロム・ジャパン」 (J.A.ジルー)
   Ⅰ.凱風快晴(赤富士)
   Ⅱ.日本橋朝之景
   Ⅲ.神奈川沖浪裏
   Ⅳ.金龍山浅草寺
   Ⅴ.蒲原 夜之雪
   Ⅵ.箱根 湖水図

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いよいよ開演です。
ご覧になって、わかるように「和」テイスト満載です。
と言うか「和」しかないですね!
実に面白い選曲です。

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最初の曲はホール内にいる人間が全員、起立して「君が代」です。
このような形で「君が代」を聴くのは学生時代以来でしょうか?
身が引き締まる思いがしました。
次は黛敏郎先生の「行進曲“祖国”」。
陸上自衛隊中央音楽隊の創隊30周年を記念しての委嘱作品なのだそうです。
スネアドラムの音色から金管群のファンファーレにつながって曲が始まります。
現代のコンサートマーチとは違い、そこには昭和の「威厳」とか「格式」とかが表現されているような…。(黛先生の作品と知っているからの先入観がそう感じさせるのでしょうか?)
実にシンプルでいて、反面、重厚な曲。
THE“昭和のコンサートマーチ”ですね。
いい演奏だと思いました。
3曲目は、ホルストの「日本組曲」。
戦前、欧米でダンサー、振付師として活躍した伊藤道郎がバレエ音楽として依頼し、作曲された作品との事。
しかも驚くべきことに伊藤氏は、日本固有のメロディの数々を口述にて、ホルストに伝えたらしいのです。(「江戸子守歌」etc.)
全然知らない異国のメロディをここまで楽曲として広げることの出来るホルストの感性に感心しますよ。
中央音楽隊も素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました!
前半、最後の曲は「交響組曲“野人”」。
戦時中に作られた作品のようです。
題名からも推測できるように土俗的な雰囲気が満載の曲ですね。
昔の曲だけれど、新曲のような新鮮な気持ちで聴くことが出来ました。

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20分間の休憩です。
なかなか聴きごたえのある演奏に満足しております。
後半も楽しみです。
ただ…。
先程から申し上げておりますとおり、私が聴かせて頂いている席は3階席でホールの座席の、標高?が高い場所に位置しておりました。
言いかえれば、ステージから最も遠いブロックにいると言う事です。
だからなのか、少しだけ音が抜けてこない。
NHKホールほどではないにしろ、音がストレートに伝わってこない…。
3階席からの視界と同様に少し難を感じました。
久々の演奏会で私の耳がおかしかったのでしょうけど…。

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後半の部が始まりました。
最初の曲は「鳳凰が舞う」。
ご存知、真島俊夫先生の作品です。(アンサンブルリベルテ吹奏楽団の委嘱作品だった曲です。)
前半で演奏された曲も良かったのですが、さすがに現代に作曲された「鳳凰が舞う」は楽器の使い方が多彩で、曲自体がアカぬけています。
さすが真島先生ですね。
演奏も躍動感あふれる素晴らしいものでした!(なお、会場に真島先生がお見えになっておられました。)
次は「日本民謡による幻想曲」。
日本の童謡「砂山」を主題とした曲です。
まあ、「和」的感覚からすると実にベタな感じなんだけれど、やっぱり物悲しいメロディが流れてくるとウルッときちゃう、そんな曲なんですよ。(まあ、オヤジ世代以上の日本人にはうけるでしょうなあ。)
初めて聴く曲でしたが、演奏会で取り上げてみるのも面白そうだなと思いました。
さて、最後は私がこの日のプログラムでイチバン聴きたかった曲、「ブックマークス・フロム・ジャパン」です。
このブログ前半でも書いたとおり、今年の7月16日、東京芸術劇場にて行なわれた武蔵野音楽大学ウィンドアンサンブルの演奏会にて初めて聴かせて頂いた曲です。
この曲は、作曲者が日本土産の栞(しおり・ブックマーク)を見て感化され作曲したとのこと。
栞に描かれていたのは葛飾北斎と歌川広重の浮世絵でした。(Ⅰ,Ⅲが北斎、Ⅱ,Ⅳ,Ⅴ,Ⅵが広重。)
音楽と同様に素晴らしい作品にふれた時の感性は、時代や国に関係ないんだな、この曲を聴いているとそんなふうに感じました。(特に5曲目の「蒲原 夜之雪」。私は大好きです。)
そして、中央音楽隊の演奏は素晴らしかった。
しかし、本音で言うと1階席で聴きたかった…。

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さて、プログラムに載っている曲は全て終了です。
すると武田隊長の紹介と共に天井から横断幕風の看板がスルスルと下りて来ました。
看板に書いてあるのは、『祝 東京オリンピック2020』。(この日の朝、2020年のオリンピック東京招致が決定したのでした。)
これで東京オリンピック開催決定の祝賀ムードが会場を支配しました。
小野寺防衛大臣が来場されていたり、自衛隊員のロンドンオリンピック、レスリング66キロ級金メダリストの米満達弘さんやボクシング バンタム級銅メダリストの清水聡さんの爆笑トークで会場は大いに盛り上がりました。

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そして、アンコール。
当然、曲は「オリンピック・ファンファーレ」と「オリンピック・マーチ」。
昭和39年(1964年)の世界が甦ります。(と言っても、私の記憶にはありませんが…。ただ残念な?事に生まれてはおりました。幼稚園入学前の“幼児”でしたが…。)
武田隊長の「いつやるの…今でしょ!」の掛け声と共にファンファーレは始まりました。
ファンファーレトランペットの列が壮観です。(この日は武田隊長あてに東京オリンピック関連の曲をやってほしいというメールが山ほど来たそうです。)
アンコール2曲目は、古関裕而先生の名曲「オリンピック・マーチ」。
なつかしいですなぁ。
中学の体育祭の時、吹奏楽部員として演奏した記憶があります。

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最後は中央音楽隊の隊員の皆さんが日本国旗の小旗を振って演奏会の終了。
2020年に東京にオリンピックを招致できたという慶事も重なり、大変盛り上がった演奏会でした。
ただ、少しだけ言わせて頂くと会場が違ったり、座席の場所が私の好みでなかったせいか、昨年の東京芸術劇場の“ブラスウィーク”での演奏とは、少し印象が違う感じがしました。(もう少し、繊細なサウンドであったような…。きっと久々の演奏会で耳が慣れてなかったからでしょう。)
いずれにせよ、これからも陸上自衛隊中央音楽隊のご活躍に期待しております。
素晴らしい“音楽”を我々に届け続けて下さい…。

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蛇足①
演奏中にフラッシュをたいて撮影し続ける観客が複数いたのには驚きました。
しかも、会場係員の再三の注意も無視して。
他のコンサートでは考えられない事です。
そういう人間は来ないでほしいですね。
自衛隊の音楽隊と言う立場上、難しいのかもしれませんが、いっそ、そこそこの金額の有料コンサートにしてみては?
そういうバカは来なくなります。きっと。

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蛇足②
帰宅する途中、今回の演奏会プログラムの冊子をどこかに落としたらしく、紛失してしまいました。
泣きたくなりました…。