浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

吹奏楽の祭典「全国職場バンドフェスティバル」

2014-03-14 23:04:47 | 吹奏楽

2014年(平成26年)3月2日、日曜日。
午前中から東京・赤坂のサントリーホールにいます。
「全国職場バンドフェスティバル」の開催です。

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どこの演奏会だったか忘れてしまいましたが、その日のコンサートのプログラムにチラシが挟んであって、それを見て即、行くことに決めた演奏会です。
これまで、職場のバンドの演奏を聴く機会が非常に少なかったので、興味津々と言ったところが私の正直な印象でしょうか?
昨年の全国大会もヤマハ吹奏楽団が最後の「3出」(さんしゅつ。3年連続全国大会に出場すると4年目は出場できないという大会規定。今年度該当団体より廃止。)のため出られなかったせいもあるでしょうが、職場一般の部(全出場団体26団体)で会社の名前を背負って出場したのは、ブリヂストン吹奏楽団久留米のみ。
何か寂しいです。
このような催しを通じて職場バンドの活性化が出来たらいいですね。(この「全国職場バンドフェスティバル」の歴史がどのくらいあるかわかりませんが、少なくとも去年は浜松でやっていたみたいです。)

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サントリーホールも久し振りです。
今回は、初めての体験として2階席にチケットを取りました。
わりと有名な楽団が名を連ねているので楽しみです。
さあ、開演です。

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1.オープニング
  
■ トランペットファンファーレ(A.ヴィズッティ)

2.天方吹奏楽団〔指揮:天方 啓二/山下 敦之〕
  ■ コンサートマーチ「テイク・オフ」(建部 知弘/藤田 玄播[補作])
  ■ この木なんの木(小林 亜星/arr.杉本 幸一)
  ■ ラデツキー行進曲(ヨハン・シュトラウス/arr.網代 景介)
  ■ 吹奏楽のための「風の舞」(福田 洋介)

3.東芝府中吹奏楽団〔指揮:上原 宏〕
  
■ オセロ(A.リード)
    Ⅰ.前奏曲(ヴェニス)Ⅱ.朝の音楽(キプロス)
    Ⅲ.オセロとデズデモナ Ⅳ.廷臣たちの入場
    Ⅴ.デズデモナの死、終曲

4.六花亭管楽器アンサンブル〔指揮:太田 究〕
  
■ 船乗りと海の歌(R.W.スミス)
   ■ 幻想曲「幼い日の想い出」(藤田 玄播)

5.パナソニック エコソリューソンズ吹奏楽団〔指揮:山崎 友靖〕
  
■ サモン・ザ・ヒーロー(J.ウィリアムズ/arr.P.ラヴェンダー)
  ■「ウエスト・サイド・ストーリー」セレクション(L.バーンスタイン/arr.W.J.デュソイト)

6.東京職場合同吹奏楽団〔指揮:小林 恵子〕
  
[参加団体]NEC府中吹奏楽団・JR東日本東京吹奏楽団・千修吹奏楽団
        ソニー吹奏楽団・東急吹奏楽団・東京ガス吹奏楽団
        東京国税局吹奏楽団・東芝府中吹奏楽団・富士通川崎吹奏楽団
        日立ソリューションズ吹奏楽団・トッパンフォームズ吹奏楽団
        はましんウインドオーケストラ・ペンタックス吹奏楽団
        三井住友銀行吹奏楽団・三菱東京UFJ銀行コンサートバンド
        郵政中央吹奏楽団

  ■ マーチ「陽気な高校生」(兼田 敏)
  ■ 吹奏楽のための第3組曲〈バレエの情景〉(A.リード)

     Ⅰ.ファンファーレと序奏 Ⅱ.パ・ドゥ・ドゥ
     Ⅲ.風変わりなポルカ Ⅳ.全員の踊り

【休憩】

7.トヨタ自動車㈱吹奏楽団〔指揮:亀井 明良〕
  
■ エル・カミーノ・レアル(A.リード)
  ■ オブラディ・オブラダ(J.レノン、P.マッカートニー)

8.NEC玉川吹奏楽団〔指揮:稲垣 征夫〕
  ■ キティ・オーシーズにて~アイルランド民謡組曲~(J.デ=メイ)

9.ソニー吹奏楽団〔指揮:川本 統脩〕
  
■ 舞踏会の美女(L.アンダーソン)
  ■ アルメニアン・ダンス・パートⅠ(A.リード)

10.阪急百貨店吹奏楽団〔指揮:井上 学〕
  
■ 古いアメリカ舞曲による組曲より(R.R.ベネット)
    1楽章Cake Walk、2楽章 Shottische、5楽章 Rag
   ■ ワシントンポスト(J.P.スーザ)
    ■ バーナム&ベイリーの愛好曲(K.L.キング)

11.NTT東日本東京吹奏楽団〔指揮:山田 昌弘〕
  
■ 吹奏楽のための「クロス・バイ・マーチ」(三善 晃)
   ■ 束の間の恋の歌(井澗 昌樹)

12.ヤマハ吹奏楽団〔指揮:須川 展也〕
  ■「アイ・ガット・リズム」変奏曲(G.ガーシュイン/arr.中橋 愛生)
  ■ シング・シング・シング(L.プリマ/arr.角田 健一)

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オープニングは、金管楽器の皆さんが舞台後方、パイプオルガンの前に陣取ってファンファーレの演奏からです。
各団体からの選抜メンバーなのでしょうか?
プログラムに何も書いてないので、よくわかりません。
演奏が始まりました…。
アレレ…?
アンサンブルに乱れがあって、音程も不安定。
“こんなものなのかなぁ”と少し不安になった次第です。

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さあ、気分を入れ替えて演奏に集中しましょう!
最初の団体は、天方吹奏楽団です。
母体となる企業は、天方産業という浜松市に本社を置く会社だそうです。
演奏の最初と最後に往年のコンクール課題曲を配置し、32名という少人数ながら、スマートな演奏を聴かせて頂きました。
また、天方産業が日立の特約店をしているとのことで、2曲目にCMでお馴染みの「この木なんの木」を演奏したのが職場バンドらしくて面白かった。
全体的にまとまった演奏でしたが、ピッチが気になるところが少なからずあったのが、残念でした。

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2番目の団体は東芝府中吹奏楽団。
2007年には、スパークの「宇宙の音楽」で全国大会にも出場している団体です。
指揮は東京佼成ウインドオーケストラのホルン奏者として活躍されている上原宏氏で音楽監督でもあるようです。
演奏曲目は、A.リードの名曲「オセロ」。
力演でした。
豊かな表現力で、吹奏楽としては壮大な曲を盛りたてているように感じました。
ただ、ほんの数回だけ、アンサンブルの乱れなのか曲の流れが途切れるような場面があったのが残念でした。
スケール感のある演奏を楽しめました。

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次は、六花亭管楽器アンサンブルです。
六花亭と言えば、皆様ご存知の北海道・帯広にある有名なお菓子メーカーですね。(と、知っているかのように言っている浦和のオヤジですが、根っからの酒飲みの私は甘いものが苦手なので、失礼ながら、存じ上げませんでした。ちなみに会社の同僚の女性に聞いたところ、殆どの人間が知ってました…。)
演奏の方はといえば、まず、サウンドが厚くて、やわらかい。
ステキです。
特に藤田玄播先生がお作りになった往年のコンクール課題曲「幼い日の想い出」はサウンドにマッチした選曲でよかった。
ほんの僅かにピッチに不安を感じるところもありましたが、さすがに全国大会2回出場の実績はダテじゃないと感じました。 (もし、団員がこの日の人数でMAXだとしたら、少し寂しいです…。もう少し、数が増えるといいですね。)

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北海道の団体から続いては、大阪の団体です。
パナソニック エコソリューションズ吹奏楽団。
いわゆる私のようなオヤジに聞き慣れた名称で言うならば、“松下電工”のことらしいです。
アトランタオリンピックのテーマ曲やミュージカル音楽といった肩の張らない選曲で観客の皆さんも楽しんだのではないでしょうか?
何よりも、関西のイメージにあった明るいサウンドは好感が持てました。
少し、オーバーヒート気味かなと思った場面もありましたけど。

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前半、最後は、この日のために結成された東京職場合同吹奏楽団。
首都圏で活躍されている職場バンドの有志の方で構成されたスペシャルバンドです。
16団体、総勢107名の皆さんによる大吹奏楽団ですね。
サントリーホールの舞台に負けない堂々たる陣容は圧倒されます。
普段、一緒に活動してないですし、いわば“寄せ集め”のバンドで、この人数ですので、大味になるのかと思ってましたら、いい意味で予想を裏切る演奏でした。
吹奏楽指導で著名な小林恵子先生の指揮で迫力のある演奏を聴かせて頂きました。(小林先生の指導力の高さと実感した次第。)
特に今は亡き兼田敏先生の作品“マーチ「陽気な高校生」”を聴くことが出来てうれしかった。
全体的にサウンドが溶け合っていて、聴きやすい演奏だと感じました。
団員が少なすぎて単独に活動しづらい団体もあると思います。
そういったバンドも、このような活動を通して吹奏楽界の発展や自分たちの技術向上にもなると思いますから、是非、続けていってほしいと一吹奏楽ファンは願っております…。

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前半が終わりました。
初っ端のファンファーレを聴いた時は、正直どうなることかと思いましたが、それぞれのバンドが個性を出した演奏を聴かせて頂いて安心しました。
ただ、前半を聴く限り、一般バンドの全国大会出場団体と比較すると何かが足りないかなとも感じました。

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後半の最初はトヨタ自動車㈱吹奏楽団です。
アルフレッド・リードの名曲とビートルズナンバーですね。
オブラディ・オブラダは私も中学生の時に演奏したことがあります。
100%明言できませんが、その時と同じアレンジのような…。
とにかく、プログラムの出演団体の紹介のところに書いてあった「明るく・楽しく・元気よく・ときに厳しく」という団のモットーどおりの演奏を聴かせて頂きました。

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次はNEC玉川吹奏楽団。
曲はデ=メイの作品です。
ギターなんかも演奏で使われていて、素朴で美しい曲を情感いっぱいに演奏して頂きました。
ソロパートの皆さんも大変良かった。
各個人個人のレベルの高さがうかがい知れます。
このバンド、吹奏楽コンクールに出場してないんでしょうか?(そう言えば、昨年の神奈川県大会でも姿を見てません。)
職場バンドがコンクールに出場するのにメリット・デメリットあると思いますが、コンクールでの“勇姿”を拝見したい団体ですね。

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続々と実力のあるバンドが続きます。
9番目の登場は、ソニー吹奏楽団。
トランペットパートには外国の方もいらっしゃるようで、さすが国際的に展開している企業ですね。
サウンドがソフトで艶っぽい響きなのがいい。
私の好みのサウンドです。
ところで、2曲目に演奏されたアルメニアン・ダンス・パートⅠは、何と、ソニー吹奏楽団が“日本初演”したそうです。
何でも前任の常任指揮者、秋山紀夫先生が作曲者のアルフレッド・リード氏と親交が厚かった縁によるものだとか。(吹奏楽をかじった人間だったら、一度は演奏したことがあるであろうこの曲のエピソードでした。)
いずれにせよ、この団体の特徴を生かした好演だったと思います。

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続いての登場は、阪急百貨店吹奏楽団。
懐かしい名前です。
私が学生の頃は憧れのバンドで、コンクールでの数々の名演が思い出されます。
生演奏を聴かせて頂くのは初めてですね。
重厚なサウンドです。
だから、曲が格調高く聴こえます。
最後に演奏した「バーナム&ベイリーの愛好曲」は特に懐かしい。(私が若い頃には曲名を「バーナムとベイリーのお気に入り」で覚えています。阪急百貨店の十八番〔おはこ〕の印象が強いです。)
ともかく、観客を意識した“楽しい”演奏でした!

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次はNTT東日本東京吹奏楽団。
ここは、コンクールでもお馴染みの団体ですね。(2009年に職場・一般の部に統合されてから全国大会出場はないですが…。)
演奏曲目も意欲的です。
昨年亡くなられた三善先生が作曲され、1992年度全日本吹奏楽コンクール課題曲の「クロス・バイ・マーチ」と人気の作曲家、井澗昌樹氏の「束の間の恋の歌」。
技術力の高さが垣間見られる優れた演奏で楽しませて頂きました。
特に井澗作品は、激しい感じの曲が多いので基礎のしっかりしていない団体が演奏すると、ただの“ウルサイ音楽”になってしまいがちですが、この団体は表現力を生かして聴きごたえのある曲に仕上げているように思いました。

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さあ、大トリです。
ヤマハ吹奏楽団です。
この団体の演奏を聴くのが楽しみでなりませんでした。
演奏するのはガーシュインやベニー・グッドマンのナンバーですか。
本音で言うとガチガチの現代邦人作品とかを聴きたかったような…。
でも、演奏が始まるとそんな考えは、どこかに吹き飛んでしまいました!
まず、サウンドが別格です。
そして、素晴らしいテクニック!
何をとってもベストです。

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私は、個人的にアマチュアの吹奏楽団の中で、アンサンブルリベルテ吹奏楽団がイチバン好きです。(その気持ちは、今でも変わりません。)
なぜならば、他の団体より優れた独特のサウンド、テクニックを持っているからです。
でも、ヤマハは、もっとすごい。
スゴイはずです。
何でも(指揮の須川先生もおっしゃっておられましたが)、団員の8割以上の方が楽器の開発や製作をされているとか。
また、中には自分で作った楽器を演奏しているメンバーもいるようです。
楽器を知り尽くしているんですよ。
これじゃあ、どんな団体も、かなうわけがない…。
それにしても、最後の「シング・シング・シング」は盛り上がりました。
特にドラムの方は素晴らしかった!

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最高の盛り上がりの中でコンサートは終了しました。
前々から楽しみしていた演奏会でしたが、期待以上でした。
2009年度より吹奏楽コンクールより、「職場の部」と「一般の部」が統合されてから、何となく元気がなくなったように思えた職場バンドでしたが(個人的意見です)、この日のコンサートで“職場バンド、ここにあり!”とハッキリ感じました。
また来年も東京で、この演奏会をやって頂きたい!と思いながら、港区から埼玉県へ家路を急いだ浦和のオヤジでした。

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このところ、遅筆でスミマセン。
気分の乗らない日が多くて…。


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1 コメント

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神韻交響楽団の来日 (神韻交響楽団の来日)
2016-08-25 15:01:49
古代中国における歌劇と、ヨーロッパにおける早期のオペラでは、同じ歌唱法が用いられていました。それは、もっとも美しく、純粋な歌声を生み出していたと言われています。

ところが今日、正統なベルカント唱法 による高音の技術は、ヨーロッパではすでに失われてしまいました。 中国でも同様に、この古代の歌唱法を真に会得している歌手はいません。しかし昔は、多くの中国の歌劇において、ヨーロッパのベルカント唱法と基本的に違いのない、自然な歌唱法を用いて歌われていたことが特徴とされるのです。

神韻の歌手だけが、この伝統的かつ古代の技法を現代の舞台に甦らせています。完全なる中国の発声法を保ちつつ、ベルカント唱法で歌うという彼らの技量は、まさしく比類ないものでしょう。

本公演の全歌曲は、神韻の舞台のため特別に創作されたものです。人生を深く投影したこれらの歌は、民族や文化の壁を超えて、世界中の観客に共感され、人々の心に希望の光を照らすでしょう。
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