浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

武蔵野音楽大学 ウィンドアンサンブル2013(12月)

2013-12-22 04:49:04 | 吹奏楽

12月15日の国立音大シンフォニックウインドアンサンブルに続いて、またまた音大の吹奏楽団を聴きにやって参りました。
今までいろいろなホールでオーケストラや吹奏楽団の演奏会を聴かせて頂きましたが、私が個人的にいちばん好きな音楽ホールと言えば、「東京オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル」です。
この日は、私にとって久々の東京オペラシティでした!
気分が高揚しています!

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2013年(平成25年)12月17日、火曜日。
18:30開演です。
場所は、先程から申しておりますように「東京オペラシティコンサートホール」。
今回の演奏会の指揮は、全米吹奏楽指導者協会の副会長でもあるバージニア州立大学のテリー・オースティン教授です。
プログラムに書いてあったプロフィールを見せて頂きましたが、アメリカ吹奏楽界では、かなり著名な方のようですね。(詳しい内容は割愛させて頂きます。)
この日の2日前に国立音楽大学シンフォニックウインドアンサンブルでも感じたように音大生の皆さんの高い技術を持ってすれば、一流の指揮者を迎えて素晴らしい演奏が聴けるはずです。
実に楽しみです!

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[演奏]武蔵野音楽大学ウィンドアンサンブル
[指揮]テリー・オースティン

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● 交響曲第1番より「ファンファーレ」 (S. Rachmaninov/arr. G. Kingston)

● ミレニアム・カノン (K. Puts/arr. M. Spede)

● 歌劇《ばらの騎士》より「ワルツ」 (R. Strauss/arr. Cailliet)

● ビヨンド・ザ・ホライズン (R. Galante)

● ファンタジー・ヴァリエーション (D. Grantham)

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=休憩=

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● カルマン・ライン (P. Meechan)

● パワタンの娘 (J. P. Sousa/edit. L. J. Schissel)

● ラ! (D. Dzubay)

● シェルタリング・スカイ (J. Mackey)

● シンフォニー・フォー・バンドより 第2楽章「行進曲」 (M.Gould)

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プログラム見てみますと“多彩な”演目ですね。
もちろん、アメリカの吹奏楽曲が中心のようですが、オーケストラの編曲モノなどもあり、面白い内容です。(ただ、私の知らない曲も多く、プログラムの“解説”に頼ってしまうことをお許し下さい。)

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最初は、ラフマニノフの華やかなファンファーレで始まりました。
ニクイ演出です。
2曲目は、イーストマン音楽学校出身で現在はボルチモアのピーボディ音楽院作曲科教授のケヴィン・プッツの作品です。
1972年生まれと言いますから、随分とお若い方です。(私より…。)
私は、この曲のセンスの良さに驚きました。
「ミレニアム・カノン」という曲名のとおり、カノン形式(よく言われるところの“輪唱”。でも、厳密に言うとこの言い方も違うらしい。プログラムの“解説”には「カノンとは“旋律を追いかける形式”」と書いてあります。)
金管楽器が効果的な演奏をしながら、木管楽器のノーブルな“カノン”を支えていて、実に格調高い曲だと感心いたしました。
そして、この曲を見事な演出で演奏していた武蔵野音大に拍手です!

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3曲目。
今度は曲調がガラッと変わって、リヒャルト・シュトラウスです。
管弦楽の“それ”とは違って、“吹奏楽の曲”として仕上がっていたように思いました。
4曲目の「ビヨンド・ザ・ホライズン」を作曲したロッサノ・ギャランテは映画音楽方面で活躍されている方のようです。
そのせいかメロディが美しく、画像と合わせたらいいだろうなあと思わせる曲でした。
ニュージャージー州の高校の委嘱作品だそうですので、それほど難解ではなく親しみやすい曲だと思います。
武蔵野音大も良い意味で力の抜けた好演だと思いました。
日本でも中高生の吹奏楽部員にチャレンジして欲しい曲ですね。
前半、最後の曲はドナルド・グランサムの「ファンタジー・ヴァリエーション」。
この曲は難曲ですね。
ガーシュウィンのピアノ曲をもとにした変奏曲だそうですが、1999年度のABA(米国吹奏楽指導者協会)やNBA(ナショナル・バンド協会)の作曲賞をとった曲です。
序奏と20の変奏曲から出来ていて、聴いている素人の私にも演奏に相当のテクニックや表現力が必要な事がうかがい知れます。
見事な演奏でした!
ただ、ガーシュイン色がもう少し強調されれば、私の個人的好みだったかも。
邦人作品に偏りがちな日本の吹奏楽界ですが(特に高校)、このようなアメリカものにも取り組んで頂きたいものです…。

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私は今回、前から20列目という位置で聴かせて頂きました。
実にベストな環境だったように思います。
このホールは、よく響くことは響くのですが、過剰に響き過ぎもせず、それでいて音自体は、客席の後ろまで突き抜けてくるような感覚。
実に素晴らしい。

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それと何回も東京オペラシティコンサートホールに足を運んでいるのですが、今まで何故、気付かなかったのでしょう!?
このホールの建設に尽力された故武満徹先生のレリーフ(宇佐美圭司氏作)があったなんて!
何だか胸が熱くなりましたよ。

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さて、後半が始まりました。
最初の曲は、ピーター・ミーカンの「カルマン・ライン」。
これまた、お若い!(1980年生まれ)のイギリス人の作曲家ですね。
この曲名の意味は、ハンガリー出身のアメリカ人科学者のカルマンが提唱した「地球の大気圏と宇宙空間との境界線」を意味するそうで、作曲者のミーカンがこのラインを“想像して”作曲したのだそうです。
「オスティナート」と呼ばれる“持続するリズム形”が曲全体を支配しているのですが、単調なリズムの繰り返しを飽きさせない見事な技法はセンスがいいというか、見事だとしか言い様がありません。
素晴らしい曲です。
演奏もこの難曲を独自の表現力で作り上げた名演でした。
聴き応えがありました!
次はスーザです。
指揮のオースティン教授がスーザ財団の役員を務めていた関係からの選曲でしょうか?(このプログラムの曲の並びからすると少し違和感があります…。)
でも、演奏はよかった。
見事なコンサートマーチに仕上がっていました。

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3曲目は、デイヴィッド・ズベイの「ラ!」です。
何だか異色の曲名ですが、「古代エジプト人が進行した太陽の神」を表現した曲だそうです。
私が個人的に聴いた感じでは、エジプトをイメージするエキゾチックな雰囲気を残しつつも現代的な曲でした。
何だか流行りの邦人作品のような…。
コンクールの自由曲に好まれそうだと思った次第。
武蔵野音大には躍動的でリズム感あふれる演奏をして頂きました。
4曲目、ご存知、ジョン・マッキーの曲です。
美しく、素朴な感じの曲ですが、節々に聴きなれた“マッキー節”が見え隠れしていて楽しめました。
感情のこもった良い演奏でした。

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さあ、トリの曲です。
私の思い入れのある作曲家モートン・グールドの作品。
格調高く、古典的なグールドの特性を生かした演奏でした。
上品な雰囲気は会場を魅了しておりました。
ただ、演奏は素晴らしかったのですが、トリの曲としては少し地味な曲だったかなとは思いましたが…。

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アンコールは3曲。
以下のとおりです。

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最後はクリスマスソングの演奏と楽団員の皆さんの“メリークリスマス”の掛け声で終わりました。
楽しかった。
いい演奏にふれると明日への活力になりますね。
特に私のようなオヤジには…。

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12月は飛ばしています!
今日までで5つの演奏会。
そして、あと3つの演奏会。
次回は、4回続いた音大シリーズが終わり、いよいよ大好きな川口市・アンサンブルリベルテの演奏会に行きます!


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