浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

中央大学学友会文化連盟音楽研究会吹奏楽部 第56回定期演奏会

2013-12-02 06:47:16 | 吹奏楽

先月、11月11日にミューザ川崎に出向いて以来のコンサートとなりました。
仕事や諸事情のため3週間も空いてしまいました…。
ストレスたまっています。(笑)
前回は、音大生のオケのコンサートでしたが、今回は吹奏楽を楽しませて頂きます。

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2013年12月1日、日曜日。
場所は、お馴染みの文京シビックホールです。
しかし、聴かせて頂くのは初めての団体、中央大学音楽研究会吹奏楽部。(正式名称はもっと長いようです。曲目紹介のところ参照してください。)
1980年、90年代はコンクール全国大会の常連であったような印象が強いのですが、最近は、どうなんでしょう?(東京支部だと、このところ福本信太郎先生の率いる東海大学が目立っていますが…。)
それにしても56回目の定期演奏会とは歴史あるバンドですね。
今年度から新たに大和田雅洋先生を音楽監督に迎えたとの事ですので、コンクールにおいても“名門復活”となってほしいものです。

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私自身のミスが重なりまして、開演5分前と言うギリギリに会場に到着いたしました。(本音でいうと“1曲目は聴けないだろう”と半ば諦めムードで文京シビックホールへと向かっておりました。)
ホール内は、満員に近い方々で満ち溢れておりました。
さすが、名門大学の伝統ある吹奏楽団です。
プログラムは2部構成で吹奏楽オリジナル曲やオケの編曲モノをちりばめた盛りだくさんな内容です。
さあ、演奏会を楽しみましょう!

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[演奏]中央大学学友会文化連盟音楽研究会吹奏楽部
[指揮]大和田 雅洋(音楽監督兼指揮者、洗足学園音楽大学准教授)
    森本 龍之介(正学生指揮者)
    手塚 裕太郎(副学生指揮者)

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【第1部】

● カウボーイ序曲 (J.ウィリアムズ/arr.J.カーナウ)

● オクトーバー (E.ウィテカー)

● 三つのジャポニズム (真島 俊夫)
 Ⅰ.「鶴が舞う」
 Ⅱ.「雪の川」
 Ⅲ.「祭り」

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【第2部】

● ファンタジア・イン・G (T.マー)

● 3つの交響的素描「海」より Ⅲ.「風と海との対話」(C.ドビュッシー/arr.三宅 祐人)

● 交響詩「ローマの噴水」 (O.レスピーギ/arr.齋藤 淳)
 第1曲「夜明けのジュリアの谷の噴水」
 第2曲「朝のトリトンの噴水」
 第3曲「昼のトレヴィの噴水」
 第4曲「たそがれのメディチ荘の噴水」

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最初は「カウボーイ組曲」。
お馴染みジョン・ウィリアムズが作曲した西部劇映画のテーマ音楽とのことです。
曲名が示すように快活で実にアメリカ的な曲ですね。
明るいサウンドにマッチした好演でした。
ただ、最初の曲であったせいか多少のアンサンブルの乱れやリズム感が伝わりづらい部分があったのが残念でした。
それによってこの曲の特徴である“壮大さ”の表現が弱くなっていたように思いました。(まあ、出だしの曲ですから…。)
次の曲は指揮が大和田先生から副学生指揮の手塚裕太郎さんに代わってカーナウの「オクトーバー」。
舞台に慣れてきたせいか演奏も安定してきました。
美しいメロディを抒情的に演奏していてヨカッタ。
手塚さんの少し緊張気味な指揮から繰り出される音楽は、さわやかさをイッパイ感じました。
さあ、1部の最後の曲は私も大好きな曲、「三つのジャポニズム」。
いつもこの曲を聴くと思うのですけど、日本が世界に誇れる吹奏楽曲です。
真島先生はホントに素晴らしい!
演奏も躍動感や和的な情緒を意識して、“音楽”を表現していると思いました。
なかなかの演奏でした。
惜しかったのは、「雪の川」と他の2曲との間に“動”と“静”を意識させる演奏であったら良かったかな?(1曲目と3曲目が“動き”や“音量”が目立っていて2曲目を生かしきれてなかったような…。)

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20分間の休憩です。
前半を聴かせて頂いて思う事。
思った以上に実力を持ったバンドだと思いました。
ただ、まだ発展途上だなと。
しかし、前途は明るく、トップを獲れる可能性を秘めています。
なぜなら、時折、びっくりするくらい素晴らしいサウンドや表現を感じる瞬間があるからです。
個人個人がある程度の技量を持ってないと、あんな音はでませんよ。

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さて、第2部の最初の曲は「ファンタジア・イン・G」。
何でもベートーヴェンの第九の「歓喜の歌」のメロディがモチーフになっている曲だとか。
誰もが知っているメロディが会場を優しく包み観客の皆さんも満足できた演奏ではなかったでしょうか?
こういう曲は、このバンドに合ってますよね。
さて、2曲目は今年のコンクールの自由曲だったそうです。(惜しくも都大会“銀賞”でした。)
「風と海との対話」ですね。
私はドビュッシーの曲と聞いて連想するのは、「光」です。
キラキラとした光を感ずる時もあれば、春の日の温もりのような柔らかい暖かさの光であると思う時も…。
それを如何に表現するのかがカギですね。(と勝手に思っています。私は。)
さすがにコンクールの自由曲として練習しただけあって、完成度が高いです。
描写音楽特有の細かい表現やバランスがしっかりしていて、聴きごたえのある楽曲に仕上げてありました。
ただ、欲を言えば、「海」が題材なのですから、その壮大なスケール感がより表現出来ていたら良かったかなと思いました。
そして、トリの曲は「ローマの噴水」です。
レスピーギの「ローマ三部作」の中では地味な印象がありますが、もしかしたら、私は他の2曲より好きかもしれません。
それぞれの曲の魅力を敢えて例えるなら、「松」は“壮大さ、スケール感”だと思うし、「祭り」は何と言っても“華やかさ”ですよね。
それじゃあ、「噴水」は、と言うと“透明感”だと個人的に思います。(やはり、“水”を題材に取り上げているからでしょうか?)
美しい曲です。
中央大学の演奏も舞台と言う、あのせまい空間から解き放たれた“音”が心地よく融け合った演奏でした。
そして、楽しい時間でした。

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アンコールは2曲。
以下のとおりです。(1曲目は森本さんの指揮。2曲目は大和田先生の指揮でした。)
特に度々あったサックスソロの方の演奏がステキでした。(プログラムの部員名簿から推察しますと飯塚恭平さんの演奏でしょうか?)

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こうして大盛況のうちに演奏会は終了しました。
私にとっては期待以上の演奏会だったのかな。
今後の中央大学の活躍に期待したいと思います。

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最後に雑感。
中央大学は少し、サウンドが“硬質”ですかね。(特に木管楽器、もっと言えばクラリネット。)
だから、吹奏楽のオリジナル曲だとバッチリ“はまる”のだけれどオケのアレンジ物だと空間的広がりに物足りなさを感じた瞬間がありました。(個人的意見です。)
それには中央大学独自のサウンド作り上げるのが肝要かと。(私は、聴かせて頂きたいのです。オリジナリティ溢れるサウンドを。)
もう少し、柔らかくて響き合うサウンドというか…。(神奈川大学の“それ”のような…。)

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生意気な発言、ご容赦下さい。
今後も機会があれば聴かせて頂きたく思います。
遠く、浦和から応援しております。

また、注目するバンドが増えました!