浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

東海大学吹奏楽研究会 第53回定期演奏会

2014-12-28 21:35:27 | 吹奏楽

今年(平成26年)は、1月5日、東京芸術劇場で開催された『神奈川大学吹奏楽部第49回定期演奏会』に始まって、39のコンサートを拝見させて頂きました。

途中、仕事の関係で思うようにコンサートに行けなかったりしたのが残念でした。

その中でも毎年行っていた全日本吹奏楽コンクール、職場・一般の部(全国大会)に行けなかったのが悔やまれてなりません。

来年は必ず、何としても行くつもりです!

 

2014年(平成26年)12月26日、金曜日。

クリスマスも終わり、世の中は“年末年始モード”に切り替わったようですが、家族のいない“浦和のオヤジ”は、今年40回目のコンサートへと向かうのでした。

場所は、横浜・みなとみらいホールです。

 

東海大学吹奏楽研究会。

コンクールでの出場の軌跡を調べてみると…。

20世紀においては、1979年(昭和54年)、1983年(昭和58年)、1984年(昭和59年)の3回全国大会に出場してますね。(いずれも結果は“銀賞”。)

それから、長らく低迷期があって…。(支部で“銀賞”とか“ダメ金”とか。)

ところが、2010年(平成22年)に福本信太郎先生が常任指揮者に就任してから、様相は一変します。

2010年こそ、東京支部『金賞』どまりでしたが、翌年(2011年)は全国大会出場!(結果は“銀賞”。)

そして、ここからが快進撃です。

2012,13,14と『全国大会出場』&『全国“金賞”』!

そして、今、ノリにノッてると言っても過言ではない「東海大学吹奏楽研究会」の第53回定期演奏会に伺わせて頂きました!

 

実は、「東海大学吹奏楽研究会」の演奏会は初めてじゃないのです。

昨年の52回の定演にも行かせて頂いてるんですけど、うまいバンドだなあと思った記憶はあるものの、あまり強い印象は残っていません。(失礼!)

ところが今年は、とても強いインパクトを受けました!(内容はのちほど…。)

さあ、開演を告げる銅鑼の音が会場に響きわたりました。(一般的にホールで開演を知らせる『音』は、“ブザー”とか“ベル”“チャイム”だと思うのですが、“みなとみらいホール”は、現在は現役引退して、横浜港に係留されている帆船「日本丸」の銅鑼の音を使っています。もちろん、“録音”ですが…。)

コンサートの始まりです。

 

[演奏]東海大学吹奏楽研究会

[司会]桐田 咲智代

 

【Ⅰ部】

 

[指揮]福本 信太郎(常任指揮者)

     古田土 彬宏(学生指揮)

 

◆  東海大学校歌(松前紀男/作詞 松前重義)

◆  夢のような庭(清水大輔)

     Welcome to the imagination World:Daisuke Shimizu

◆  輪廻の八魂(樽屋雅徳)

     Soul of Eight to Samsara:Masanori Taruya

◆ 「エニグマ変奏曲」より“ニムロッド”(E.エルガー)

     Nimrod from “ Enigma Variations”:Edward Elgar

◆  フェスティバル・ヴァリエーション(C.T.スミス)

     Festival Variations:Claude Thomas Smith

 

【Ⅱ部】ドリルステージ

 

[ドリル講師・指導]松本 たか子

 

[ドラムメジャー]天野 穣

[ガードリーダー]柳下 生萌

[バッテリーリーダー]高橋 大優

 

[カラーガード指導]上杉 里枝

[バッテリー指導]阿部 忠昭

 

◆  Majesty of the Blues:Steve Barnett

◆  At a Dixieland Jazz Funeral:Jim Swearingen

◆  Jitters:Chris Crockarell

◆  St.Thomas:Sony Rollins

◆  It Don’t Mean a Thing:Duke Ellington

◆  Children of Sanchez:Chuck Mangione

 

【Ⅲ部】

 

[指揮]加養 浩幸(音楽アドバイザー)

 

◆  歌劇「ムラダ」より“貴族たちの行列”(N.リムスキー=コルサコフ)

     Procession of the Nobles from the opera “Mlada”:Nikolai Rimsky-Korsakov

◆  序曲「1812年」(P.チャイコフスキー)

     1812 Overture:Peter Ilyich Tchaikovsky

 

まず、最初は、古田土 彬宏(学生指揮)さんの指揮で“東海大学校歌”。

私、こういうの好きですね。(確か私が聴いた中では、演奏会で校歌を演奏するのは、東海大と埼玉栄くらいじゃないでしょうか?違ってたら、ゴメンナサイ。また、聴いてないところは、わからないのでゴメンナサイ。)

学校の名を背負っているのですから、自覚するためにも必要じゃないかと思います。

 

続いての曲は、同じく古田土さんの指揮で、清水大輔先生の「夢のような庭」。

この曲は、2008年の「なにわ《オーケストラル》ウィンズ」の委嘱作品です。

何かで聞いたことがあるんですけど、曲名は「夢のよう、なにわ」と委嘱先の団体名にシャレをきかせたものであるとのこと。

ちなみに「なにわ《オーケストラル》ウィンズ」とは、全国の主にオーケストラに所属するプロ管楽器奏者が一年に一回(ゴールデンウィークの頃)に一同に会して、吹奏楽の演奏会を開く催しです。

大阪フィルのクラリネット奏者、金井信之氏を中心に集まった全国の精鋭の演奏は、感動するほど、素晴らしい!

大阪公演と東京公演があり、私も毎年、東京公演の会場である東京芸術劇場に通わせて頂いております。

脱線気味なので話をもとに戻します。

清水先生の作品は常々、映画音楽の影響を受けていると耳にしますが、この曲もそういう意味では明るく、スケールの大きな楽曲だと思います。

また、東海大学の明るく厚みのあるサウンドに非常にマッチしています。

最初の曲としては、いい選曲だと思いました。

 

2曲目は、今年のコンクール自由曲である「輪廻の八魂」。

初めて聴く曲です。

何でも滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』をモチーフにした楽曲なのだそうです。(子供の頃、NHKで夕方やってた人形劇『新八犬伝』に夢中になったものです…。)

曲調は、同じ樽屋雅徳先生が作曲しただけあって、「白磁の月の輝宮夜」に似てるかなぁ。

でも、演奏がスゴカッタ!

こんなに素晴らしい演奏が出来る団体なんだと驚いてしまった!

圧巻のパフォーマンスでした!

 

続いて、エルガーの「ニムロッド」です。

「ニムロッド」は、「エニグマ変奏曲(正式曲名:独創主題による変奏曲)」の14の変奏の中から9番目の変奏曲ですね。

気高く、ゆったりとしたメロディは大変有名で、よく単独でも演奏されます。

そして、私も大好きな曲です。

出だし、微妙にズレました。

でも厚く優しいサウンドでカバーされているせいか、あまり、気にはなりませんでしたが。(通常は「第8変奏“N.W.”」から、第一バイオリンのロングトーンで繋がったまま「ニムロッド」に入るので、やりやすいと思うのですが、単独で「ニムロッド」を演奏するとなると非常に冒頭の入りが難しいと思う。)

いい演奏でした。

でも、やっぱり、この曲は弦楽器中心のゆったりした曲です。

息を通せばストレートに出てくる管楽器とは違い、弦の独特の“間(ま)”みたいなものが曲の味わいになっているのでは、と素人のオヤジは感じてしまいます…。

だから、吹奏楽では物足りないような…。

何か複雑な気持ちになってしまいますね。

それともう少し、ダイナミクスの“起伏”を感じられたら良かったと思います。

 

Ⅰ部、最後の曲は、ご存知、クロード・トーマス・スミスの「フェスティバル・ヴァリエーション」です。

これはまた、東海大学にドンピシャリの曲ですね。

サウンドといい、リズムといい恐ろしくハマっています。

うまく表現できないですけど、素晴らしい演奏でした。

ブラヴォーです!(最後の方でホルンとトランペットが少し、バテ気味だったのは、しょうがないです。だって、スミスの曲ですもの。)

 

休憩です。

それにしても、いつ聴いても“みなとみらいホール”の響きはステキです。

素晴らしい東海大学の演奏をより輝かせてくれます。

初めて知ったんですが、館長は、作曲家の池辺晋一郎先生なんですってね。

シューボックス型の2020の客席と舞台は、とても上品な空間を現出してくれます。

私の大好きなホールです。(蛇足ですが、数日前に聴かせて頂いた文教大学の演奏も、このようなクラシックコンサート専用ホールで聴きたかったかなと思いました。)

 

Ⅱ部は、“ドリルステージ”。

いわゆる“マーチング”ってヤツでしょうか?

私は、プロはもちろんですが、アマチュアも観客がいて舞台に立っている限りは、その時出来る“最高の音楽”を提供するべきだと思っています。

しかし、動きながら演奏して、果たして良い演奏が出来るものだろうかという疑問を待たざるを得ません。

だから、“マーチング”は好きではないです。

でもね、この日のドリルステージは楽しかった!

演奏した曲目がジャズぽい曲ばかりだったし、構成が面白かった。

でも、こういうふうに思ったのは初めてでした。

“マーチング”も「吹奏楽の演奏」として聴くのではなく、ミュージカルとか、そういう感覚で接するのが良いのかなと思った次第。

終わったあと、ドリル指導の松本たか子先生が舞台に出てらして、挨拶されたのを見て、“浦和のオヤジ”も少し、ウルウル来ちゃいましたね…。

アットホームです…。

 

2度目の休憩です。

それにしても、福本先生ってスゴイですよね。

短期間でこれだけの演奏の出来るバンドに仕上げちゃうんですから。

スポーツでも、そうでしょうけど、やっぱり、“指導者”は重要ですよね。

 

最後のⅢ部は、オーケストラのアレンジ曲ですね。

ここより、指揮は「土気シビックウインドオーケストラ」で有名な加養浩幸先生にかわります。

そして、Ⅲ部は部員全員での演奏でしょうか?(それまでは、曲によって演奏メンバーが変わっていました。)

最初の曲は、リムスキー=コルサコフ。

正直言って、私にとって馴染みのない曲名でした。

でも、演奏が始まると誰でも一度は聴いたことのあるメロディが流れて来ました…。

演奏もノーブルでいい感じです。

心が安らぐ演奏でした。

 

さあ、大トリの「1812年」です。

クラシックファンなら知らぬ人のいない名曲です。

冒頭は原曲だと確かチェロとビオラの合奏ですが、東海大学の演奏もサックスを中心とした木管楽器群でいい味出してましたねぇ。

ステキでした。

あとは、エンドに向かってまっしぐら。

ただただ、迫力の演奏を聴かせて頂きました。

大満足です!

 

鳴りやまぬ拍手にアンコール。

曲は以下のとおりです。

“定番”の福本先生のサックス・ソロもありました!

 

途中で司会の桐田さんによって指導されている先生方へのインタビューがありました。

福本先生、加養先生、松本先生の慈愛あふれるお言葉を聴いていると東海大学吹奏楽研究会の皆さんが如何に素晴らしい“時”を過ごしてらっしゃるか、わかるようでした。

全然、関係のない浦和のオヤジも大感動です。

そして、本当に最後にアンコール曲を学生指揮の古田土さんが指揮して演奏会が終了しました…。

 

本音で言うと東海大学吹奏楽研究会がこんなに素晴らしい演奏をして下さるとは思ってなかった。(ゴメンナサイ)

王者、神奈川大学にも引けをとらない実力の持ち主だと思います。

これからも、東海大学吹奏楽研究会に注目して行きます。

そして、“浦和のオヤジ”は、こう思いました。

「この演奏会が私の聴いた今年、最後の演奏会で良かった」と。

 

今年も、この「浦和河童便り」をご覧頂き、誠にありがとうございました。

もし、お許しを頂けるのならば、来年も、このブログを続けさせて下さい。

それでは、良いお年を!


文教大学吹奏楽部 第37回定期演奏会

2014-12-26 00:28:02 | 吹奏楽

文教大学吹奏楽部の演奏を聴くのは久し振りですね。

確か今年8月のコンクール埼玉県大会以来です。

演奏会としては、今年、6月28日のサマーコンサートから、半年振りということになりますか。

 

それにしても、今年の全国大会は、残念でした。

ここのところ、全国大会『金賞』は、不動の“位置”でありましたが、今年は、まさかの「銀賞」。(全国大会「銀賞」は、2008年以来のようですね。)

実際、全国大会の演奏を聴いていないので、ナントモ言い難い部分があるのですが、地元、西関東の代表ですので、残念でなりません。

長生淳先生の委嘱作品である自由曲の“コンコルディア”は、県大会で聴いた時、なかなかの演奏だと思ったのですが…。

来年は頑張って下さいね。

期待してます!

 

サマーコンサートは、南浦和のさいたま市文化センターでしたが、今回の定期演奏会はホームグラウンドと言ってもいい、越谷サンシティホールです。

座席数が1675と言いますから、ケッコウ大きいホールですよね。

それに駅から近いのもいい。

でも、私、ここに来るの初めてじゃないんです。

確か去年の4月に“埼玉県大学によるジョイントコンサート2013”というのが開催された時に訪れているんです。(埼玉県下の大学の吹奏楽団が一同に会して演奏会を開き、交流を深める催しでした。)

それ以来ですから、2年振りにくらいですか。

確か、ダイエーのとなりにあったような。

と余計な事を考えながら、歩いていたら着いちゃいました…。

 

建物の中に入ります。

人がいっぱいいます。

ブログに載せようと思って写真を悠長に撮っていたら、開演5分前に。

あわててホールの中に入り、席に着きました。

それにしても、10日くらい前に行ったアンサンブルリベルテと同じで“超満員”です。私のまわりを見回しても“空席”など見当たりません。

ですから、始まる前から、熱気ムンムンです。

 

さあ、2014年(平成26年)12月23日、火曜日の天皇誕生日。

人口33万人、国に“中核市”として指定されている越谷の空は、寒いながらも澄み渡っていました。

午後4時になりました。

開演の時間です。

 

[演奏]文教大学吹奏楽部

[指揮]佐川 聖二

     黒木 裕太(学生指揮)

     安部 迅(学生指揮)

[司会]石尾 和子

 

【第一部】

 

ロッキー・ポイント・ホリデー(R.ネルソン)

Rocky Point Holiday:R.Nelson

 

ソル・ソラーター(T.マー)

Sol Solartor:T.Mahr

 

ユー・レイズ・ミー・アップ(R.ラヴランド/星出 尚志 編曲)

You Raise Me Up:R.Lovland/arr.Takashi Hoshide

ユーフォニアムソロ:原 大輔

 

ヴォカリーズ(S.ラフマニノフ/石毛 里佳 編曲)

Vocalise:S.Rachmaninov/arr.Rika Ishige

クラリネットソロ:細谷 智祐

 

【第二部】

 

彩雲の螺旋―吹奏楽のための(中橋 愛生)

Cloudly Voltex:Yoshio Nakahashi

 

コンコルディア《委嘱作品》(長生  淳)

Concordia:Jun Nagao

 

【第三部】

 

序曲「ピータールー」(M.アーノルド/近藤 久敦 編曲)

Peterloo Overture:M.Arnold/arr.Hisaatsu Kondo

 

管弦楽組曲「第六の幸福をもたらす宿」(M.アーノルド/瀬尾 宗利 編曲)

The Inn of Sixth Happiness Suite:M.Arnold/arr. Munetoshi Senoo

 

コンサートは、3つのパートに分かれていました。

第一部は、“学生を主体”とした演奏です。

まず、最初の曲は、アメリカの作曲家ロン・ネルソンの「ロッキー・ポイント・ホリデー」。

私は、アメリカの作曲はあまり、詳しくないので、名前を聞いたことのあるような、ないような微妙な感じなんですが…。

でも、いろんな賞を取っている著名な作曲家なんですね。(プログラムの“楽曲紹介”では、「ABAオズワルド賞」「NBAレヴェリ賞」「サドラー国際賞」を受賞していると書いてありました。)

この曲は、1966年の夏にロードアイランド州ウォリックのリゾート地、ロッキー・ポイント・ビーチにて作曲されたとのこと。

ビーチの“風の印象”を題材にしただけあって、軽快な曲でした。

と同時に、“まさにアメリカ人の作った曲”だと言う雰囲気満載。

第36代学生指揮者、安部 迅さんの指揮で始まった文教大の演奏は、最初の曲と言う事もあって、エンジンが掛かってなかったかなぁ。

僅かにアンサンブルが乱れたり、ピッチとかが…。

でも、tuttiのところのになるとバンド自身が持つ明るいサウンドが功を奏し、聴きごたえのある演奏に変わっていきました…。

 

2曲目も学生指揮者のもとでの演奏です。

しかし、人間は替わって、第35代学生指揮者、黒木 裕太さんの登場。

曲は、ティモシー・マーの「ソル・ソラーター」。(マーは、浦和のオヤジでも知ってます。)

曲名は、「日の光、聖霊」という意味なのだそうですが、透明感と荘厳さのある曲でした。

ただ、この日の演奏は、少し落ち着きがなかったような。

でも、曲の意図する雰囲気は十分、出ていました。

 

次は指揮ではなく、ソリストに文教大学の学生さんがなっての演奏です。(ここから、指揮は佐川 聖二先生に替わります。)

まずは、ユーフォニアム・ソロ。

4年の原 大輔さんの演奏で「ユー・レイズ・ミー・アップ」。

荒川静香さんがトリノオリンピックで金メダルを獲得した時にエキジビションで使用した曲ですね。(あれで、我々、一般の日本人に広く知られるようになったような気がします。)

とても、素晴らしいソロでした。

ユーフォニアムの温かい音色がバンドのサウンドと美しく融け合っていてステキでした。

 

第一部、最後の曲は、今度も学生ソリストの登場です。

ラフマニノフの「ヴォカリーズ」をクラリネットの細谷 智祐さんのソロで。

美しいメロディを朗々と歌い上げていました。

また、ジャズ風のアレンジの部分もキレのある演奏で観客を魅了してくれました。

楽しかった!

また、アンコールに二人だけのアンサンブルは本当に良かった!(クラリネット1、ユーフォニアム1だけのアンサンブルを初めて聴きました。)

曲名はハッキリわかりませんが、映画の「三丁目の夕日」のテーマ曲でした。

郷愁を誘うメロディが心に沁み入りました…。

 

休憩です。

それにしても司会の石尾 和子さんは素晴らしい。

文教大学はもちろん、グラール・ウインドオーケストラの演奏会でも“名調子”を聞かせてくれます。

ウィットにとんだエピソードを随所に織り込んだトークは、曲の合間を退屈させません。

“話のプロ”の方のようですが、非常にコンサートを引き立てて下さいました…。

 

第二部は、吹奏楽オリジナル曲のステージです。

最初は中橋愛生先生の曲。

あれ、この「彩雲の螺旋―吹奏楽のための」って、どこかで生演奏を聴いたことがあるなぁ。

どこだろう…。

ああ、確か浦和吹奏楽団の演奏会だったような…。

吹奏楽の名門校、明浄学院高校によって2012年、中橋先生に委嘱された曲です。

仏教の世界観を描いた作品なのですが、その壮大さを見事に描ききった演奏でした。

気合が入ってましたね。

 

2曲目は、今年のコンクール自由曲「コンコルディア」です。

コンクールの結果は残念でしたが、この日の演奏は素晴らしかった!

「銀賞」に疑問を感ずるようなパフォーマンスでした!

ただ、少しだけ思うのは、長生先生の曲は短い“うねり”のようなメロディラインを表現するのは非常に難しい。

本音で言うと昨年のコンクールでアンサンブルリベルテが演奏した長生先生の委嘱作品「時に道は美し」と同系統の雰囲気のある曲だと思っていました。

そして、この“うねり”を如何に効果的に表現できるかがカギでしょうか?

そういう意味では、コンクールにおいて“不利”の曲だった?のかなぁ。(オヤジの戯言です。)

 

また、休憩です。

文教大学吹奏楽部は、いろんな試みをしているようです。

突然ですが、皆さん、“フラッシュモブ”ってご存知ですか?

私は知らなかったのですが、Wikipediaで調べてみました。

『インターネット上や口コミで呼びかけた不特定多数の人々が申し合わせて雑踏の中の歩行者として通りすがりを装って公共の場に集まり前触れなく突如としてパフォーマンス(ダンスや演奏など)を行って周囲の関心を引きその目的を達成するとすぐに解散する行為』

ということなのです。

司会の石尾さんによると今年の5月、越谷のイオンレイクタウンで“フラッシュモブ”に似たコンサートを行ったとのこと。

三々五々に散らばったメンバーが突然現れて演奏を披露する。

買い物客の皆さんは、さぞ驚き、喜んだことでしょう!

ステキな吹奏楽団ですね!

 

第三部は、管弦楽の編曲モノです。

2曲とも近代イギリスの大作曲家マルコム・アーノルドの作品。

最初は「序曲“ピータールー”」です。

これもWikipediaに力を借ります…。

『ピータールーの虐殺(ピータールーのぎゃくさつ、The Peterloo Massacre)は1819年8月16日にイングランド・マンチェスターのセント・ピーターズ・フィールド(St. Peter's Field)で発生した事件である。広場で選挙法改正を求めて集会を開いていた群衆に騎兵隊が突入して鎮圧を図り、多数の死傷者が出る惨事となった。』

この出来事を英国労働組合会議100周年記念作品としてアーノルドが1968年に作曲したものです。

素晴らしい演奏でした!

標題音楽の特徴を余すことのなく表現したパフォーマンスには感動しました!

私的な意見ですが、この日、最高の演奏でした!!

(個人的に)ブラヴォー!!

 

トリの曲は、「第六の幸福をもたらす宿」。

文教大学吹奏楽部、全部員144名による演奏です。

この曲は、吹奏楽でも頻繁に取り上げられる曲ですよね。

迫力のある演奏に浦和のオヤジは大満足でした!

 

アンコールは以下の2曲です。

楽しい演奏会は大盛況の中、終わりました…。

 

私は、アマチュアの大学吹奏楽団の演奏会にイチバン行かせて頂いているのは、神奈川大学です。

神奈川大学は、完成度の高い演奏をします。

でも、演奏前の雰囲気は、おとなしい感じです。

ところが、演奏が始まると恐ろしいほどの“表現力”を発揮します。

個人的に“軍隊”のような印象かな。(失礼!)

しかし、文教大学には“軍隊”ではない“アットホーム”さを感じます。

正直言うと“軍隊”的な統制のとれた演奏も“大好物”なのだけれど、温かみのある柔らかな文教大学のサウンドも大好きです!

これからも、浦和のオヤジにステキな“音楽”を聴かせて下さい!!

ありがとうございました。


川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団 第49回定期演奏会

2014-12-19 23:31:28 | 吹奏楽

仕事の都合で夜勤明けでした。

その日は、すこぶる調子が悪く、チケットは購入してあるものの、行くのを断念しようかと一瞬、頭をよぎりました…。

でも、行かなくちゃ。

ここ数年、ずっと行き続けていたアンサンブルリベルテの定期演奏会。

それなのに今年の5月にさいたま市文化センターであった第22回“吹奏楽の響き”(第48回定期演奏会)に、行けなかった。

今日行かなきゃ今年は、リベルテの定期演奏会に1回も行ってないということになってしまう。

しかも、今年は全国大会(新潟)も聴けてない。(仕事で行けなかったのです。)

かくして、2時間ばかり寝たあと、武蔵浦和駅から電車にのって、いざ川口へ!

 

それにしても、ここのところ寒いですなあ。

豪雪地帯の人のことを考えると申し訳ないくらいですが、今年は“真冬”がくるのが早い様です。

余計な事を考えながら電車に乗っておりますと川口駅に到着。

“賑やかでない”方の西口を出ますと「川口リリア(川口総合文化センター)」は、すぐ目の前です。

リリアには、もう何回通ったことでしょう?

でも、リベルテの演奏会のためだけに来ているような…。

 

入口を抜けると長蛇の列が…。

メインホールに入るの順番に待っている方々のようです。

私も程なくして、メインホールへ。

番号を確認して自分の席に着きました。

それにしても、リベルテの演奏会は人気が高い。

お世辞抜きで超満員状態です。

だって、ケッコウ色々な演奏会に伺わせて頂いている私ですら楽しいですもの。

常にクオリティの高いところでのパフォーマンスを聴かせて頂けるからでしょうか。

 

特にこの日は、“亀渕友香”さんを中心に結成されたゴスペルグループ“The Voice of Japan(VOJA)”の皆さんとのコラボがあるとのこと。

異色の内容にどういうことになるのか想像のつかない“浦和のオヤジ”です。

2014年(平成26年)12月14日、日曜日、13:00。

そろそろ開演のようです…。

 

[演奏]川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団

[指揮]福本 信太郎(常任指揮者)

 

【Ⅰ部】

 

イギリス民謡による行進曲 第2番

高橋 宏樹

 

アレルヤ!ラウダムス・テ

A.リード

 

歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より

P.マスカーニ/宍倉 晃 編曲

 

組曲「火の鳥」(1919年版)より

I.ストラヴィンスキー/R.アールズ 編曲、F.フェネル校訂

 

【休憩】

 

[スペシャルゲスト]

亀渕 友香&The Voice of Japan(VOJA)

[Pf]黒木 真

[吹奏楽編曲]高橋 宏樹(☆のみ)

 

【Ⅱ部】

 

MY LIFE IS IN YOUR HANDS

 

Amazing Grace 

 

どこまでも行こう(☆)

 

Unchained Melody

 

HAIL HOLY QUEEN(☆)

 

HALLELUJAH

 

JOYFUL JOYFUL(☆)

 

OH HAPPY DAY

 

最初の曲は、「イギリス民謡による行進曲第2番」。

作曲者の高橋宏樹氏といえば、今年の全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅱ「勇気のトビラ」を作った方です。

今回の「イギリス民謡による行進曲第2番」は、“第2番”と言うからには1番もあるわけで、その“第1番”である「イギリス民謡による行進曲」は、2005年度の課題曲になってます。

演奏の方に話を移しましょう。

著名なイギリス民謡(スカボロフェア、ダニー・ボーイ、サリー・ガーデン)のメロディは、日本人である私の心にも深く沁み入ります。

恐ろしくノーブルな雰囲気を持った曲です。

そして、そのメロディを感情豊かに歌い上げるリベルテは、素晴らしかった!

いい演奏を聴くとそれが、素晴らしければ素晴らしいほど情景が目に浮かびます。

まるで、一幅の絵画のようでした…。

作曲者の高橋氏は、会場にお見えになっており、ご挨拶されました。

なお、Ⅱ部での吹奏楽の部分の編曲は、高橋宏樹氏の手によるものとのことでした。

 

2曲目は「アレルヤ!ラウダムス・テ」。

巨匠“アルフレッド・リード”の作品です。

懐かしいですねぇ。

最近はあまり演奏されないように思いますので、私の記憶からとんでいましたが、メロディを聴いて、思い出がよみがえりました!

本音で言うと私が若い頃には、リード主流の風潮に反発を感じていました。

しかし、今、オヤジになってみると吹奏楽曲としての素晴らしさを再認識させてもらえる作曲家であると思えるようになりました…。

郷愁にあふれ、荘厳でステキな演奏でした。

 

次は「カヴァレリア・ルスティカーナ」ですね。

埼玉栄高校がコンクール自由曲として“名演”を残して以来、しばしば取り上げられるようになった曲。

この日の演奏も丁寧で抒情的な雰囲気のある演奏で、こんなアンサンブルリベルテもいいなぁと思った次第。

やっぱりリベルテの良さは、その甘い音色と曲を“歌い上げる”ところのうまさにあると思います。

その長所を如何なく発揮した演奏でした!

 

Ⅰ部においては、指揮者の福本信太郎先生が曲と曲の間に“解説”とか“エピソード”を聞かせて下さいました。(いわゆるMCというヤツですか。)

その時、驚きの事実を披露されていましたので、ここにご紹介します。

それは、Ⅰ部のトリの曲の前のMCでのことでした。

『今年の自由曲は、10年振りくらいでオーケストラのアレンジものをやることになったのですが…。』

『そうなった理由を言いますと…。』

『皆さん、“サムラゴウチ”さんて、ご存知ですか…。』(笑)

『実は、東京佼成ウインドオーケストラが佐村河内さんに委嘱した曲でコンクールに…。』

『とっても良い曲だったものですから…。』

『実は新垣さんが作った曲なんですけど…。』(笑)

『しかし、出版の一週間くらい前に記者会見がありまして…。』

福本先生の話を私なりにまとめて見ますと実は、今年のリベルテのコンクール自由曲は、一昨年(2012年)の12月1日に東京オペラシティコンサートホールで行われた東京佼成ウインドオーケストラ第113回定期演奏会で飯森範親先生の指揮で初演された「祈り」に決まりかけていたようです。

この曲は、“現代のベートーベン”と、もてはやされていた佐村河内守氏に東京佼成ウインドが委嘱した曲でした。(実際は“ゴーストライター”新垣隆氏の作。)

でも、問題が発覚し、リベルテにとって“幻の自由曲計画”になってしまったのでした…。

私は個人的に今年のリベルテの自由曲「中国の不思議な役人」には物足りなさを感じていました。

『演奏』ではなく、『選曲』にです。

確かに「役人」はいい曲ですが、今まで数多くのバンドがコンクールで取り上げており、リベルテのような名門バンドが敢えて取り上げることに“違和感”を感ぜざるを得ませんでした。

でも、今回、理由を聞いて納得。(ちなみに「祈り」の初演された東京佼成ウインドの演奏会はたまたま聴きに行っており、会場に来ていた佐村河内氏の姿も見ました…。今、会場での姿を思うと、良くない意味で“役者だなァ”というのが感想でしょうか?)

個人的に“胸のつかえがとれましたね…。

 

脱線から、修正します!

早いもので、前半、最後の曲になりました。

ストラヴィンスキーの「火の鳥」です。

吹奏楽の生演奏を聴いたのは、私が思い出せるだけで3回目。(もっと、あったかもしれませんが、ジジイなので忘れてしまいました…。)

最初は、偶然ですが、先程から、お話している佐村河内氏の作品が演奏された東京佼成の定期演奏会。

2回目が昨年5月22日のパストラーレシンフォニックバンドの定期演奏会です。(今回のリベルテの演奏も含めて、いずれもアールズ編曲フェネル校訂版でした。)

この日のリベルテの演奏は“組曲”の中から4曲。

『王女たちのロンド』『魔王カスチェイの凶悪な踊り』『子守歌』『終曲』です。

見事な演奏でした。

“火の鳥”の神秘的な物語を音で感じさせる演奏は、聴く者を良い意味でその世界へ引きずり込みました。

もちろん、“私も”です。

でもね、知ってしまってるんですよ、オーケストラの演奏を。

決してリベルテの演奏がマズいわけではないんです。

しかし、この多彩なオーケストレーションを管楽器だけで表現しようとするのは無理があるような気がしてなりません。(それが、たとえプロの東京佼成ウインドオーケストラだったとしても…。昔から、私はオケの編曲モノでも、吹奏楽の曲として、オリジナルとは“別のモノ”にしてしまえば、いいんじゃないかと思っていますが、ストラヴィンスキーの曲は“別のモノ”にはなり得ないと思います。)

だから、この曲を吹奏楽で演奏する価値を見い出せないような…。

素人がナマイキ言ってスミマセン…。

 

前半が終わりました。

それにしてもアンサンブルリベルテの演奏は素晴らしい!

およそ4ヵ月振りに聴く音色ですが、身近でこの演奏を味わえるのは幸せなことですね。

 

Ⅱ部は、いよいよ『VOJA』の登場です。

それにしても、ゴスペルの演奏会を聴かせて頂くのは初めてのことでしたが、こんなに楽しいものだとは思わなかった!

数多くのパフォーマンスを見せて頂きましたが、時間が経つのが早いこと早いこと…。

特に数曲、リベルテの皆さんが楽器を置いてVOJAのメンバーと一緒に歌ったのは素晴らしかった!

とにかく、私は、このブログの文章ではゴスペルの世界は伝えきれないかと思いますので、“考えるより、まず行動”の原則に従ってコンサートに足を運ばれることをお勧めします。

 

『VOJA』と共にアンコールの「聖者の行進」(高橋宏樹氏編曲)で演奏会は終了しました。

毎年思いますけど、クリスマス前後のアンサンブルリベルテの定期演奏会、いいですよね。

老若男女を問わず、楽しませてくれる。

来年も期待してます!アンサンブルリベルテ!


第184回定期研究発表演奏会 東邦音楽大学・東邦音楽短期大学ウインドオーケストラ

2014-12-17 01:32:26 | 吹奏楽

東邦音楽大学の吹奏楽団の演奏会には数回、行かせて頂きました。

いつも、文京シビックホールで開催されることが多いのですが、今回は、北区王子にある「北とぴあ さくらホール」です。

「北とぴあ(ほくとぴあ)」は、“北区の産業の発展と区民の文化水準の高揚”のために1990年(平成2年)にオープンした施設です。

座席数1300の“さくらホール”を筆頭に“つつじホール(402席)”や会議室、展示室、研修室等を兼ね備えた17階建のビルで北区における“産業と文化の拠点”と位置付けられています。

今回、演奏会のある“さくらホール”は、初めて伺わせて頂きますが、“響き”が楽しみですね。

 

東邦音楽大学には、私の知る限り、二つの吹奏楽団があります。

それは、「ウインドオーケストラ」と「ウインドアンサンブル」です。

今回、演奏会に伺わせて頂いた「ウインドオーケストラ」は、いわば“講義の一環”という立場で日頃の学習内容の発表をする“団体”です。(したがって、すべての学生が参加するそうです。)

それに対して「ウインドアンサンブル」は、“学生有志により結成”され、“学生が主体となり、演奏会の企画・構成・運営”を行っています。

すなわち、前者を“授業”とするならば、後者は“部活”ってカンジですかね。

さて、磯部周平先生(東邦音楽大学特任教授)は、NHK交響楽団クラリネット首席奏者などの輝かしい経歴を持つ方で今年から、「ウインドオーケストラ」の指導をされることになったようです。(確か4月からって、おっしゃてたかなぁ。)

 

ホールに入りました。

エスカレーターを2階へ上がって右側には“つつじホール”の表示が見えますね。

そして、正面がこの日の会場“さくらホール”のエントランスです。

入り口でプログラムの冊子をもらい、ホール内に入ります。

“自由席”ですので、適当な位置に腰をおろしました。

正直な感想。

舞台はともかく、客席の勾配がケッコウきつい。

1階席の真ん中から、奥(舞台から離れた位置)になるほど、“客席見降ろす”感が強いような気がしました。(2階席は行ってないので、わかりません。)

客席の感じは、少し“川口リリア”の大ホールに似ている感じがしました。

でも、やっぱりイチバン重要なのは響きでしょうが…。

 

2014年(平成26年)12月11日、木曜日。

まもなく午後7時となるところです。

東邦音楽大学・東邦音楽短期大学ウインドオーケストラ、第184回定期研究発表演奏会の開演です。

 

[演奏]東邦音楽大学・東邦音楽短期大学ウインドオーケストラ

[指揮]磯部 周平(東邦音楽大学特任教授)

 

ゴッドスピード! (S.メリロ)

Godspeed!/Stephen Melillo

 

吹奏楽の為の第1組曲 変ホ長調 (G.ホルスト)

First Suite for Military Band in E♭ major Op.28-1/Gustav Holst

           1.Chaconne

           2.Intermezzo

           3.March

 

世界の行進曲

 

       フランス軍隊行進曲(C.サン=サーンス/編曲 G.モレー)

       Marche Militaire Francaise/Camille Saint-Saëns  Arr.Georges Moreau

 

       旧友(C.タイケ/編曲 三戸知章)

       Alte Kameraden/Carl Teike  Arr.Tomoaki Mito

 

       海を越えた握手(P.スーザ/編曲 F.フェネル)

       Hands across the sea/John Philip Sousa  Arr.Frederick Fennell

 

       祝典行進曲(團 伊玖磨)

       Celebration march/Ikuma Dan

 

鳳凰が舞う~印象、京都 石庭 金閣寺(真島 俊夫)

La danse du Phènix-impression de Kyoto/Toshio Mashima

 

【休憩】

 

歌劇「運命の力」序曲(G.ヴェルディ/編曲 淀 彰)

Overture“La Forza del Destino”/Giuseppe Verdi  Arr.Akira Yodo

 

歌劇「ローエングリン」より エルザの大聖堂への行列(R.ワーグナー/編曲 L.カイエ)

Elsa’s Procession to the Cathedral/Richard Wagner  Arr.Lucien Cailliet

 

「ダフニスとクロエ」第2組曲(M.ラヴェル/編曲 高橋 徹)

Daphnis And Chloe-Symphonic Fragments-2nd Suite/Maurice Ravel Arr.Tohru Takahashi

 

プログラムの演奏曲目にざっと目を通して見ますと…、バラエティに富んでいますなぁ。

お腹いっぱいになりそうな…。

最初の曲は、アメリカの作曲家メリロの作品です。

日本では、「アメリカの騎士」「プラトンの洞窟からの脱出」などがよく演奏されますが、この「ゴッドスピード!」も有名です。

曲名の「ゴッドスピード」は、“成功を祈る”という意味だそうです。

東邦音大の演奏も若々しくハツラツとしたもので好感が持てました。

次は吹奏楽の演奏会では定番中の定番、ホルストの「組曲」ですね。

今日は第1組曲のようです。

ほんとにこの曲は演奏会で数えきれないくらい聴いています。

良い曲だとは思うのですが…。

少し、食傷気味かな。(失礼!)

でも聴いてしまうと心穏やかになるのです…。

そして、この日も、そうでありました…。

 

続いて、「世界の行進曲」と題して、マーチが4曲。

最初の「フランス軍隊」、懐かしいですねェ。

昔は、比較的ポピュラーな曲でした。

タイケ、スーザとマーチの王道を行く作曲家の作品が続き、最後のシメは、團伊玖磨先生の「祝典行進曲」。

この曲は、天皇陛下が皇太子時代に皇后陛下とご成婚されたのを記念して作曲された曲ですね。

昔よく聴いた覚えがあるので、これも非常に懐かしく感じました。(自分でも演奏したことがあったかも。) 

さて、前半、最後の曲は、真島俊夫先生の「鳳凰が舞う」。

大好きな曲です。

この曲は、一般的には第2回クードヴァン国際交響吹奏楽作曲コンクールでグランプリを受賞したことで有名ですが、もともとは、2005年に川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団の創団25周年を記念した委嘱作品です。(アンサンブルリベルテは、この年、全日本吹奏楽コンクールにおいて、この曲で“金賞”を受賞。)

この日の演奏も日本的な雰囲気を上手に醸し出すことの出来た気合いのこもった演奏だったと思います。

 

休憩に入りました。

実際の演奏を聴いたあとの「北とぴあ さくらホール」の印象について。

思ったより響きました。

中段あたりにいたのですが、曲によってはもう少し、後ろの方にいればよかったかなと思った瞬間がありましたから。

 

後半は、吹奏楽アレンジ曲として著名な3曲。

まずは、「運命の力」。

これは、私が学生の頃、実に流行りました。(どこの地方のコンクール行っても「運命の力」を自由曲として、必ず一校は選んでいる時代でした。)

東邦音大の演奏は、私が聴きなれた印象と比べて少し、早いような気がしました。(ところが私は楽譜を見たことがないのですが…。)

しかし、最終的には無難にまとまった演奏で聴きやすかった。

2曲目は、いわゆる「エルザ」です。

そう言えば、つい3週間弱前の11月23日、東京藝大ウィンドオーケストラの“名演”を聴いたばかりです。

東邦音大も楽しませて下さいネ。

冒頭のフルートソロ、とても素敵で美しい!

メロディを追い掛けていくオーボエもサイコー!

でもね、合奏になって違和感を意識してしまう部分があったような。

特にクラリネットのユニゾンとか。

しかし、いい曲ですね、「エルザ」は。

心が和みます。

 

さあ、トリの曲。

「ダフニスとクロエ」です。

透明感のある曲なので楽しみです。

おや、舞台の上手側の近くに椅子が並べてありますね。

察するに合唱パートが入るんでしょうか?

演奏が静かに始まりました。

表現力が際立っています。

でも、メロディライン以外の細かく細動するバック(特にクラリネット)がイマイチかな。(ナマイキ言ってスミマセン。)

「無言劇」のフルートソロは素晴らしかった。

そして、「全員の踊り」は盛り上がりました!

合唱の皆さんも効果的でしたが、もう少し音量があれば、もっと良かったように思いました。

 

アンコールは、真島俊夫先生編曲のお馴染み「星条旗よ永遠なれ」。

ジャズっぽくアレンジされた「星条旗-」は、何度も聴いたことのある楽曲ですが、とてもかっこいい演奏でした!

 

全部を聴き終わって、思うこと。

個人もそうですが、少しだけ、楽器パートごとに技術の格差があるように思いました。

シビレる音色が聴こえてくると思えば、アレっと思う瞬間があったり…。

いずれにせよ、こんなに良質の吹奏楽を聴けるのは嬉しいことですし、これからも

頑張って頂きたいですね。

来年の3月にある「ウインドアンサンブル」の演奏会にも行かせて頂きますね。(仕事の関係で行けなかったら、ゴメンナサイ。)


第5回音楽大学オーケストラフェスティバル(11月24日ミューザ川崎)

2014-12-16 01:42:31 | 吹奏楽

昨年から聴かせて頂いている「音楽大学オーケストラフェスティバル」に今年も伺わせて頂きました。

会場が“ミューザ川崎”と“東京芸術劇場”の2ヶ所に分かれ、首都圏の9の音楽大学がその腕を競うという一種のお祭りですか。

昨年も音大生の皆さんのひたむきな“情熱”と一流の指揮者(多くは指導教員)の方々の“経験”が融和して、とても心地よかったものですから、“再来”となった次第。

 

そんな“浦和のオヤジ”も音楽素人の上に弦楽器なんぞ、触ったこともないという“初心者”ですが、何故だが、時折、無性にオーケストラのサウンドを聴きたくなる時があるのです。(弦楽器の響きには、私の心を鎮静化させる作用があるように思います。)

いずれにせよ久し振りのオケの音色です。

楽しみです。

 

今回は、開催される4日間の日程のうち、行くことの出来た唯一の公演、2014年11月24日にミューザ川崎シンフォニーホールで行なわれた3音大(上野学園、武蔵野音大、洗足学園)の演奏会を紹介させて頂きます。

なお、この「第5回音楽大学オーケストラフェスティバル」に参加されている9つの学生オーケストラの皆さんに敬意を表して、団体名を記させて頂きます。(出演順)

◆  昭和音楽大学管弦楽団(指揮:大勝 秀也)

◆  東京藝大シンフォニーオーケストラ(指揮:尾高 忠明)

◆  上野学園大学管弦楽団(指揮:下野 竜也)

◆  武蔵野音楽大学管弦楽団(指揮:時任 康文)

◆  洗足学園音楽大学管弦楽団(指揮:秋山 和慶)

◆  国立音楽大学オーケストラ(指揮:高関 健)

◆  桐朋学園オーケストラ(指揮:ラデク・バボラーク)

◆  東邦音楽大学管弦楽団(指揮:田中 良和)

◆  東京音楽大学シンフォニーオーケストラ(川瀬 賢太郎)

 

この催しには、面白い試みがあります。

プログラムにその内容が説明してありますので、そのまま写させて頂きます。

『このフェスティバルは各大学間の交流と協力を目的としています。その一環として、各大学の演奏の前には共演校からのエールを込めたファンファーレの演奏があります。』

とてもいい試みですよね。

しかも演奏されるファンファーレは、各大学の学生が作曲したものです。

それぞれの作曲者の個性が光る楽曲が多かったように思いました…。 

さあ、ミューザ川崎シンフォニーホールの面白い配列の客席に圧倒されながらも、間もなく開演のようです。

 

《ファンファーレ》

近藤 憲太:白のためのファンファーレ

Kenta Kondo:Fanfare for white

演奏:洗足学園音楽大学管弦楽団

 

ウェーベルン:管弦楽のための5つの小品 作品10(原典版)

Anton Webern:Fünf Stücke für Orchester,Op.10

    Ⅰ.きわめて静かに、そして繊細に

        Ⅰ.Sehr ruhig und zart

     Ⅱ.速く、そして繊細に揺れ動いて

        Ⅱ.Lebhart und zart bewegt

     Ⅲ.きわめて遅く、そしてきわめて静かに

     Ⅲ.Sehr langsam unt äußerst ruhig

     Ⅳ.しなやかに、きわめて繊細に

     Ⅳ.Fließend,äußerst zart

     Ⅴ.きわめてしなやかに

         Ⅴ.Sehr Fließend

W.A.モーツァルト:交響曲 第35番 ニ長調 K385「ハフナー」

Wolfgang Amadeus Mozart:Symphony N0.35 in D major,K385 “Haffner”

   Ⅰ.アレグロ・コン・スピリート

    Ⅰ.Allegro con spirit

   Ⅱ.アンダンテ

    Ⅱ.Andante

   Ⅲ.メヌエット

    Ⅲ.Menuetto

   Ⅳ.プレスト

    Ⅳ.Presto

管弦楽:上野学園大学管弦楽団

指揮:下野 竜也

 

【休憩】

 

 

《ファンファーレ》

中山 玲央:コールス

Reo Nakayama:“Calls”A signal for Brass Ensemble

演奏:上野学園大学管弦楽団

 

バルトーク:管弦楽のための協奏曲 Sz.116

 Béla Bartók:Concerto for Orchestra

       第1楽章〈序章〉アンダンテ・ノン・トロッポ-アレグロ・ヴィヴァーチェ

    Ⅰ.Introduzione:Andante non troppo-Allegro vivace

   第2楽章〈対による提示〉アレグレット・スケルツァンド

    Ⅱ.Giuoco delle coppie:Allegretto scherzando

   第3楽章〈悲歌〉アンダンテ・ノン・トロッポ

    Ⅲ.Elegia:Andante non troppo

   第4楽章〈中断された間奏曲〉アレグレット

    Ⅳ.Intermezzo interrotto:Allegretto

        第5楽章〈終曲〉ペザンテ-プレスト

    Ⅴ.Finale:Pesante-Presto

管弦楽:武蔵野音楽大学管弦楽団

指揮:時任 康文

 

【休憩】

 

《ファンファーレ》

小田実結子:ファンファーレ

 Miyuko Oda:Fanfare

演奏:武蔵野音楽大学管弦楽団

 

O.レスピーギ:交響詩「ローマの噴水」

 Ottorino Respighi :Poema sinfonico“Fontane di Roma”

     1.夜明けのジュリアの谷の噴水

      Ⅰ.La fontana di Valle Giulia alľalba

     2.朝のトリトンの噴水

      Ⅱ.La fontana del Tritone al mattino

     3.昼のトレヴィの噴水

      Ⅲ.La fontana di Trevi al meriggio

     4.黄昏のメディチ荘の噴水

      Ⅳ.La fontana di Villa Medici al tramonto

O.レスピーギ:交響詩「ローマの松」

   Ottorino Respighi :Poema sinfonico“I pini di Roma”

   1.ボルゲーゼ荘の松

    Ⅰ.I pini di Villa Borghese

   2.カタコンバ付近の松

    Ⅱ.Pini presso una catacomba

      3.ジャニコロの松

    Ⅲ.I pini del Gianicolo

      4.アッピア街道の松

    Ⅳ.I pini della Via Appia

管弦楽:洗足学園音楽大学管弦楽団

指揮:秋山 和慶

 

洗足学園音楽大学のファンファーレの後、今年から、このフェスティバルに参加となった上野学園大学の登場です。

指揮は、上野学園大学教授でもあり、大活躍のマエストロ下野竜也氏です。

最初の曲はウェーベルン。

“現代曲”ですね。

まともに前衛的な曲を生演奏で聴いたことはないのですが、演奏楽器が移行する瞬間やリズムやテンポの具合によって、独特の“間”があり、個人的に非常に心地よく感じました。

これは、やはり、上野学園の皆さんが厳しい練習に裏打ちされた“技術力”を身につけられているからだと思います。

とても独特で、美しい世界を私が感じた演奏でした。

2曲目は、1曲目とはある意味、対極をなすモーツァルトの「ハフナー」。

明るく、躍動的な演奏でした。

それにしてもモーツァルトの音楽は、いつ聴いても“なごみ”ますね。

 

次の団体は武蔵野音楽大学。

指揮は、これまた著名な時任康文先生です。

上野学園のエールのファンファーレのあと、バルトークの「管弦楽のための協奏曲」。

私、個人的にバルトークって好きなんですよね。(ラヴェルのように華やかではないけれども重厚なオーケストレーションに惹かれてしまう。)

その中でも「管弦楽のための協奏曲」は“難しいんだろうなぁ”と思ってしまいます。

いろんな楽器が場面、場面で“主役”になるこの曲は、個人の技量の高さやアンサンブル、そして、フレーズのつなげ方とか様々なテクニックがしっかりしてないと貧弱に聴こえてしまう。(私も吹奏楽版も含めて、何回か聴かせて頂いたことがありますが、“華麗”であったり、“地味”であったり、いろんな演奏がありました。)

そういう意味では、とても楽しめたし、素晴らしかった!

練習の成果が良く出ていましたね。

技術力の高さを感じました。

 

さあ、最後は、洗足学園音楽大学です。

“巨匠”秋山和慶先生の指揮で「ローマの噴水」「ローマの松」の演奏。

武蔵野音大のファンファーレのあと、厳かに演奏が始まりました。

とても素敵な演奏でした。

「噴水」の透明感は、“音”という“カタチ”のないものなのだけれど、まるで絵画を見るような色彩を出していたように感じました。

また、「松」は大変、盛り上がりました。

“歴史”を感じさせる演奏でした。

バンダの金管楽器の皆さんも実に効果的でカッコよかった!

 

今年は、“オーケストラフェスティバル”4日間のうち、1日しか見られませんでした。(去年は、2日間、行かせて頂きました。)

こういう催しものは、日本の音楽教育の発展に寄与するものと確信するので、出来るだけ続けて頂きたいなぁと思います。

私にとって、“とても楽しい一日”でした…。

 

またまた、大幅に記事が遅れてスミマセン。