浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

シエナ・ウインド・オーケストラ&尚美ウインドオーケストラ 提携記念 コラボレーションコンサート2012

2012-09-30 17:58:29 | 吹奏楽

2012年9月25日、火曜日。
2日前に行った全日本吹奏楽コンクール東関東大会、大学、職場一般の部の興奮も覚めやらぬ中、この日は気分をかえてシエナ&尚美のコラボコンサートにお邪魔しました。
場所はサントリーホールです。
シエナ・ウインド・オーケストラのコンサートには以前から伺いたいと思っていましたが、演目が気に入らなかったり、日程が合わなかったりして、なかなかチャンスがありませんでした。
今回、尚美ウインドオーケストラとの合同ではありますが初めてのコンサートで非常に楽しみです。
ホール内に入って、周りを見渡してみるとお客さんに中高生がやたらに多い。
(コンサートの一番最後にこの謎は解けます。)

指揮は、ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉の常任指揮者、大井剛史氏。
司会は、元テレビ朝日アナウンサー、朝岡 聡氏。
そして、ゲスト審査員?として、ご存知、東京海洋大学客員准教授、さかなクン。
開演前、楽しいトークを繰り広げてくれましたが、イチバン感心したのは、さかなクンが、シエナと尚美の両ウインドオーケストラのために書いてきてくれた絵です。
素晴らしかったので、ご紹介しときます。

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さて、本題に入ります。
本日は、シエナ・ウインド・オーケストラと学校法人尚美学園が事業提携した記念のコンサートであるようです。
コンサートは3部構成で、まず最初が尚美ウインドオーケストラの演奏。
2番目がシエナ・ウインド・オーケストラの演奏。
最後が合同演奏となってます。
各団体の単独演奏の曲の中に一曲、ソロパートの入っている楽曲(大まかに言えば“協奏曲”的なもの)が、入っており、そのソロパートをシエナの演奏の時は尚美の団員が、尚美の演奏の時にはシエナの団員が演奏するという「趣向」もあります。

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まず、尚美ウインドオーケストラから。
学校法人尚美学園 尚美ミュージックカレッジ専門学校の学生さんの中からオーディションによって選ばれたメンバーで構成された吹奏楽団なのだそうです。
若者たちがどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか期待大です。
プログラムは以下のとおりです。

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※ 吹奏楽のための綺想曲「じゅげむ」[2012年度 全日本吹奏楽コンクール 課題曲Ⅲ](足立 正)

※ トランペットとバンドのためのマカレナ (B.モンテルデ/岩井直溥)
[トランペットソロ:砂川隆丈(シエナ・ウインド・オーケストラ)]

※ コンサートバンドとジャズアンサンブルのためのラプソディ (P.ウィリアム)

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「じゅげむ」ですか?
2日前に腐るほど聴きました…。
しかし、音程を気にしなくて曲を聴くのもいいものですね。
(コンクールで感じるような低次元の話題を考えなくていいだけ気が楽です。)
さすがに音楽を専門に勉強されている学生さんだけあって、基礎的な部分は素晴らしい。
リズミカルで楽しい「じゅげむ」を満喫させて頂きました。
2曲目の「トランペットと―」は私の中学生時代に演奏したことのある「闘牛士のマンボ」に似てる箇所がありますなあ。(懐かしい!)
いずれにせよ砂川氏の華麗なテクニックによって会場は魅了されていたのでした…。
3曲目、楽しみな曲です。
おやおや、今回は「コンサートバンド」と「ジャズアンサンブル」が明確に分かれているようです。
今まで聴いた中では一つのバンドの中で役割を分けず演奏するのですが……。
舞台の下手(しもて)に「ジャズアンサンブル」の皆さんが新たに陣取り、その姿は壮観です。
しかし、こうやった方が視覚的なパフォーマンスとして観客に訴えるものが大です。
演奏でも、十分楽しませてくれました。
とても美しいキレイな演奏でした。
でも、素人の私にはよくわかりませんが、もう少し泥臭くやるのかなと思ってました。
どうなんでしょう?

休憩をはさんで、いよいよシエナ・ウインド・オーケストラの登場です。
演奏曲目です。

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※ さくらのうた[2012年度 全日本吹奏楽コンクール 課題曲Ⅰ](福田洋介)

※ バラード(アルト・サクソフォーンとバンドのための) (A.リード)
[サクソフォーン・ソロ:中島麻美(尚美コンセルヴァトアールディプロマ科)]

※ アルメニアン・ダンス パートⅠ(A.リード)

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課題曲Ⅰの「さくらのうた」は個人的にあまり好きではない。
でも、プロってすごいですね。
ppでも響かせる、ソロでも響かせる、そして全体でも響かせる。
私に美しい曲だなと思わせてくれました。
2曲目。
今度は尚美の学生さんがソロで演奏してくれます。
作曲者は、「A.リード」って書いてありますから、アルフレッド・リードの事だと思うんですが、こんな曲を書いているなんて初めて知りました。
中島麻美さん、とても良かったですよ。
やさしい気持ちにさせてくれる、美しい音色のソロ、演奏でした。
最後の曲はアルメニアンダンス。
さすが、プロは繊細な演奏をしてくれます。
この曲の持つエキゾチックな躍動感をものすごく感じることが出来ました。
(ヤリナレテルナアって感じも持ちました。)

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このあと休憩に入り、それから最後のステージです。
もうひとつの趣向として、この休憩の間、シエナと尚美のどちらが良かったかの「投票」が行われました。
投票の方法はこうです。
シエナと尚美、それぞれのボードがあり、良かったと思った方のボードに観客がシールを貼っていくというものです。
結果は圧倒的大差でシエナ・ウインド・オーケストラの勝利でした。(約1100対約300とか言っていた気がします。)
当然ですけど。

最後のステージ、合同演奏です。

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※ 交響詩「ローマの松」(O.レスピーギ/木村吉宏)

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ローマの松は、私の若い頃はコンクール自由曲の定番曲でした。
しかし、近年、ローマの祭りはよく演奏されるものの、「松」に関してはめっきり需要?が減ったように思っていました。
しかしながら、私の気のせいでしょうか、昨年、全日本吹奏楽コンクール高校の部で出雲北陵高校が自由曲として演奏し、金賞をとってから演奏会やコンクール自由曲で取り上げる団体が激増したように思います。
(この現象は「祭り」より「松」派の私にとってうれしい限りです。)
当然ながら、演奏が素晴らしくないはずはありません!
特に“ジャニコロの松”のクラリネットソロ、あんな小さな音で、あれだけ響かせることの出来るなんて驚きです。
ただ、“アッピア街道の松”で舞台正面にあるパイプオルガンの前に勢ぞろいしたバンダの皆さん(トランペット、トロンボーン)があまり、目立って聴こえなかった事が残念です。(バンダの金管の音がアメアラレと会場に降り注ぐことによって、古[いにしえ]の古代ローマ軍の勇猛さを表現できるからと私は思うからです。私見。)

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最後は、アンコールの一種?だと思うのですが、「観客席の皆さんも自分の楽器を持ってステージに上がり、“星条旗よ永遠なれ”を一緒に演奏しましょう!」ということを司会が客席に呼びかけました。
すると、中高生を中心にたくさんの学生さんが楽器を持って舞台に上がったのには驚きました。
最初から、そういう話が学生の皆さんに通じていたのでしょうか?
“ヤラセ”でしょうか?(冗談ですよ!!)
こういう事は学生にとっても、思い出になりますし、意識の高揚につながります。
とってもいいことですね。

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こうして、コンサートは終了しました。
楽しいコンサートでした。
コンクールを2週連続で聴いて、カチカチに固まった私の頭をほぐしてくれました。
心が休まりました。

今度は、シエナの演奏をもっと、じっくりと聴いてみたいですね。


第18回 東関東吹奏楽コンクール 大学、職場一般の部

2012-09-28 19:38:44 | 吹奏楽

さあ、支部大会もこの日で全日程を終了する事になります。
平成23年9月23日(日)。
全日本吹奏楽コンクールに出場団体が決まってないのは、東関東支部の大学の部、職場・一般の部の2部門の代表のみです。
言い換えれば、この日をもって全支部(北海道、東北、東関東、西関東、東京、東海、北陸、関西、中国、四国、九州の各支部)の代表が決定すると言う事です。
先週の甲府に続いて北関東の栃木・宇都宮まで小旅行です。
東武鉄道で会場の宇都宮市文化会館のもより駅、東武鉄道「南宇都宮」駅まで向かいます。

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さすがに近県とはいえ、宇都宮は遠い。
新幹線、特急なんぞは使わなかったので時間がかかりました。
朝、6時20分頃、自宅を出て南宇都宮駅到着は8時58分。
約2時間半の旅?を満喫しました。(ほとんど寝てましたけど…。)
南宇都宮駅に降り立ちますと雨がジトジトとふってます。
歩いて5分強で会場の宇都宮市文化会館に到着しました。
宇都宮市文化会館は1979年に開館したホールで大ホール、小ホール等を備えた立派な施設です。
今回の大会の会場に使用される大ホールは客席数2,000の堂々たるコンサートホールで、ちなみに今年は全国大会、大学の部、職場一般の部もこの会場でおこなわれます。

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まず最初にお話ししたいのは、“疲れた”ということです。
大学7団体、職場一般20団体を一日で聴くというのは睡眠不足のオヤジには相当ハードでありました。
それと、東関東大会の職場一般のレベルの高さです。
吹奏楽王国、千葉県は別にしても平均的にレベルが高く、特に茨城県の健闘が目立ちました。
今年は、ここ数年、全国大会常連である横浜ブラスオルケスター、グラールウインドオーケストラが「3出(3年連続全国大会に出場すると4年目は出場できないという大会規定)」でレベル低下を心配していましたが、決して、そんなことはなく、充実した時間を過ごす事が出来ました。
全国を見て歩いているわけではないので確実なことは言えませんが、職場一般に関しては全国一の支部ではないでしょうか?(あくまで個人的意見です。)
もうひとつ…。
今年は埼玉県人の私が神奈川県大会を見に行きました。
ということもあって、神奈川県代表の団体には他県の団体より身びいきしている自分がおりました…。
しかしながら、県大会と比べて成長している団体が少なかった。
それだけが残念です。

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さて、脱線はこれくらいにして、まずは課題曲紹介です。

Ⅰ さくらのうた (福田洋介)
Ⅱ 行進曲「よろこびへ歩きだせ」 (土井康司)
Ⅲ 吹奏楽のための綺想曲「じゅげむ」 (足立 正)
Ⅳ 行進曲「希望の空」 (和田 信)
Ⅴ 香り立つ刹那 (長生 淳)

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それでは、大学の部から。

1.神奈川県代表 文教大学湘南校舎吹奏楽部  (指揮)高橋 充
    [課]Ⅱ [自] バイ バイ・ヴァイオレット (井潤昌樹)
初っ端は課題曲Ⅱの演奏です。
何かもっと、このマーチ独特のリズムを感じたかった。
少し力を抜きすぎじゃないでしょうか?
また、中間部の木管に音程とアンサンブルにわずかなズレがあったような。
自由曲、県大会より数段良くなっていたと思います。
若々しい熱演でした。
県大会ではあまり演奏が印象に残ってないのに今回は迫力がありました。
[銀賞]

2.神奈川県代表 北里大学文化会吹奏楽団  (指揮)大藤豪一郎
  [課]Ⅲ [自] 「交響曲」より 第4楽章 (矢代秋雄/西村 友)
一番上段に管楽器ではトロンボーンだけが鎮座ましましているのが印象的でした。(どういう効果をねらったのでしょうか?素人の私にはわかりません。)
課題曲の出だしは実に軽やかでした。しかし、中間部のピッチが気になりました。
自由曲は難曲です。
演奏の熱意はヒシヒシと伝わってくるのですが難曲を消化しきれてない部分があるように思いました。
課、自とも県大会からの伸びしろが少なかったように感じました。
[銅賞]

3.栃木県代表 白鷗大学ウインドオーケストラ  (指揮)堂阪知之
  [課]Ⅱ [自] チュプカムイ (福島弘和)
課題曲の出だし、躍動感は感じましたが、もう少しデリケートな部分があった方が良かったのでは?
あと、音量の少ない時のピッチが気になりました。
自由曲は悪くもなく、良くもなくといった平板な演奏に聴こえました。
(福島弘和先生の作品のようですが懐かしい感じのいい曲です。)
あと、ソロパートにミスが多かったのが残念でした。
[銅賞]

4.千葉県代表 城西国際大学学友会吹奏楽団  (指揮)山口聖一                                 
    [課]Ⅳ [自] 交響曲第二番 (J.B.チャンス)
本日、初めての課題曲Ⅳです。
出だし、軽やかでいいですね。
音の強弱にメリハリがついた演奏で好感が持てました。
しかし、フルートパートが全員スタンディングで演奏した部分がありましたが、何か意味があるのでしょうか…。
よくわからない。
チャンスの交響曲第二番ですか。
私の世代のリアルタイムの作曲家なのにこの曲のことは知りませんでした。
聴いてみて、いかにもチャンスっぽい。
表現するのが難しそうで、メロディラインよりもリズムに重きを置いている。
なかなか、面白い曲ですがコンクールに合うのかなあ?
金管のパフォーマンス、ブラヴォーです。
[金賞]

5.茨城県代表 茨城大学吹奏楽団  (指揮)田中洋光
  [課]Ⅳ [自] アダージョ・スウォヴィアンスキェ・ドゥルゥギェ (天野正道)
課題曲のテンポがほんのわずかですが、遅く感じます。
ただ、聴き進んで行くうちに、それがいい効果をもたらしているのでは?とも思えました。
ただ、音は出しすぎのように感じました。
自由曲。
トロンボーンの方がユーホに持ち替えをしてました。(めずらしい。)
演奏としては、うまくまとまっていたようでしたが、素人の私には何か物足りない気持ちも感じました。
[銀賞]

6.茨城県代表 流通経済大学吹奏楽部  (指揮)花坂義孝
  [課]Ⅳ [自] 青い水平線 (F.チェザリーニ)
クラリネット3人、トランペット2人、ホルン2人 …。(間違っていたら、ゴメンナサイ。)
人数少ないですなあ。
(プログラムは24人って書いてありますよ。)
しかし、そこから奏でられる音楽は迫力抜群でした。
まず第一に個人の技術力が高い。
そして、楽器が少ない分のバランスをこのバンドの人間がよくわかっている。
だから、目をつぶって音だけ聴くと50~60名いる団体のように聴こえる。
素晴らしいです!!
私にとっては本日の大学の部で圧倒的1位でした。
支部代表も納得です。
[金賞・支部代表]

7.千葉県代表 千葉大学吹奏楽団 (指揮)原田拓実
  [課]Ⅲ [自] アンティフォナーレ (V.ネリベル)
この課題曲の命であるリズム感が希薄な感じがしました。
そして、音を少し出しすぎかなあ。
全体的にppのロングトーンの音程が気になりました。
先程のチャンスとか、このネリベルの曲といい昔の曲を取り上げて下さるのは、うれしいことです。
今回の演奏は課題曲よりもグッと練習量が多いのを感じました。
が、課題曲同様、音の出しすぎです。
特にネリベルは音量のメリハリに気を付けないとただのゴチャゴチャした騒がしい演奏になってしまう。
その点が残念でした。
[銀賞]

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大学の部を終わって感じること。
人数が少なくても、流通経済大学のようにバランスを考えた演奏をすれば素晴らしい演奏が出来るんだなあと感心した次第。
支部代表発表の時も「さすがに人数が相当のハンデだろう」と思いましたが、それは杞憂に終わりました。
とにかく代表の流通経済大学の皆さん、全国大会でも素晴らしい演奏を聴かせて下さい。

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次は職場一般の部です。

1.神奈川県代表 ユース・ウインド・オーケストラ  (指揮)高田 亮
  [課]Ⅴ [自] 鳳凰が舞う~印象,京都 石庭 金閣寺~ (真島俊夫)
神奈川県大会でド派手な格好だった指揮者の方。
服装はかわらないですが、髪の毛が茶髪から真っ黒くなってる…。
課題曲は元気があります。
ただ、音が破裂したような錯覚に陥る瞬間がある…。
自由曲は戦闘的な演奏。
アンサンブルも揃っていてカッコイイのだけれど、とにかくパワーがすごい。
聴く方は疲れてしまう。
いずれにせよ県大会を超えた演奏ではなかった。
[銀賞]

2.千葉県代表 ベルモンテウインドオーケストラ  (指揮)樽屋雅徳
  [課]Ⅲ [自] キリストの復活~ゲツセマネの祈り~ (樽屋雅徳)
作曲家の樽屋雅徳先生の指揮でご自身の曲を自由曲として演奏されました。
樽屋先生といえば、「マードックからの最後の手紙」とかコンクールでよく聴きます。
作曲家の方だと、どんな演奏に仕上げているのか興味津々です。
課題曲の頭の打楽器のところで微妙な強弱をつけて、よりリズム感を際立たせていたのが印象的でした。
中間部のメロディの歌わせ方もテンポを若干、揺らしたり強弱を付けたりして変化を持たせていました。
下手な指揮者がやるとクサくなってしまうところをギリギリのところでコントロールしているのは、さすがだと思いました。
自由曲は作曲者自身の指揮と言う事もあり、曲の思いが伝わってくるような演奏でした。
合唱の部分があったりして、難度の高い曲でしたが心地よく聴くことができました。
これも演奏者の基礎的なテクニックがしっかりしているのからだと思います。
[金賞]

3.茨城県代表 日立市民吹奏楽団  (指揮)木村達也
  [課]Ⅱ [自] 「ペルセウス」~大空を翔る英雄の戦い~ (八木澤教司)
課題曲の独特のドイツマーチのようなリズムがよく表現できていました。
しかし、音の処理の仕方とか、ピッチとかのアンサンブルのズレを感じる時がありました。
また、音の強弱の幅がせまく、平板な演奏に聴こえましたように思います。
自由曲になると練習量が違うのか、雰囲気の違う演奏になりました。
音量の出しすぎではないでしょうか?
ppがあってffが活きるのであって、メリハリが大事なんだと思います。
[銅賞]

4.栃木県代表 ゼーレンフォルクスオルケスタ  (指揮)藤井 完
  [課]Ⅲ [自] 組曲「ロメオとジュリエット」 (S.プロコフィエフ/鈴木英史)
課題曲はシンプルだけど、まとまりがある演奏のように思いました。
特にクラリネットの独特な力強いサウンドに注目です。
自由曲はプロコフィエフの名曲ですね。
ロシア的泥臭さをうまく表現できていたように思います。
特に金管が苦しいだろうによく頑張ってました。
[銀賞]

5.神奈川県代表 Pastorale Symphonic Band (指揮)佐川聖二
  [課]Ⅲ [自] ピエトロ・モンタージュ (鈴木英史)
この団体の自由曲を聴くのは定期演奏会、県大会に続いて3度目です。
そして、時が経つにしたがって進化をとげています。
佐川先生の指導の賜物というべきでしょうか?
そして、バンドとしてのサウンドが固まりつつあるように思います。
それにしても、惜しくも代表にはなれなかったけれど、コンクール初出場で支部大会金賞は立派です。
もしかすると全国大会に出場できる日も遠くないかもしれません。
期待しています。
[金賞]

6.茨城県代表 水戸交響吹奏楽団  (指揮)俣野祐介
  [課]Ⅲ [自] 左手のためのピアノ協奏曲 (M.ラヴェル/天野正道)
課題曲は無難にまとまっていました。
逆から言えば、インパクトがなかった。
自由曲は熱演でした。
少し、パワー出しすぎかも。
ただ、少しラヴェル的華やかさに欠けるような気がしました。
[銅賞]

7.千葉県代表 光ウィンドオーケストラ  (佐藤 博)
  [課]Ⅲ [自] 紺碧の波濤 (長生 淳)
これだけ長時間、演奏を聴いていると私のようなシロウトは頭がボーッとしてきて、なんだかよくわからなくなってきます。
「じゅげむ」聴くの何回目だろうなんて思いながら課題曲を聴かせて頂きましたが、リズム感のよさに驚きました。
全体的にバランス良くまとめられており、変な表現ですが「のど越しのいい」演奏でした。
自由曲は「紺碧の波濤」。
低音部がしっかりしていて、アンサンブルが完成されている。
長生ワールド全開です。
疲労した脳が覚醒し、“音楽”に引き込まれていくようでした。
ブラヴォーです。
言っても詮ない事ですが、私個人としては、この団体を全国大会に行かせてやりたかった…。
[金賞]

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8.栃木県代表 宇都宮音楽集団  (指揮)鈴木太志
  [課]Ⅴ [自] アーサー王と三人の湖の乙女 (樽屋雅徳)
西関東大会で感じたことですが、川口市・アンサンブルリベルテの演奏で課題曲Ⅴを聴いて初めて、この曲を理解する事ができました。
そういう完成された演奏をすることによって、表現力が培われていくのだと思います。
この団体の課題曲Ⅴはアンサンブルリベルテに比べて、少し発展途上のように感じられました。
特に打楽器がオーバーヒート気味なのが気になりました。
自由曲はダイナミクスを意識した演奏で好演でした。
ただ、こちらも打楽器が気になりました。
どうもパワーを誇りたいように思えてなりません。
[銅賞]

9.茨城県代表 関城吹奏楽団  (指揮)豊田晃生
  [課]Ⅳ [自] 復興 (保科 洋)
課題曲は少しだけ音量が気になりましたが、減点法だったら引くところのない模範的な演奏だと思いました。
自由曲の「復興」は冒頭のクラリネットのユニゾンは微妙に少し音量を落とした方がよいと思いました。(保科先生自身の指揮で神奈川大学の生演奏を聴きましたが、そうしていたし、その方が効果的だと思ったので。)
でも音色については目を見張るものがありました。
あとは聴く者を引き込む素晴らしい演奏を堪能させて頂きました。
[金賞]

10.千葉県代表 アンサンブル・市川  (指揮)中島正考
   [課]Ⅳ [自] 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より (P.マスカニーニ/宍倉 晃)
課題曲はバランスの良い軽快なサウンドで聴きやすかった。
自由曲は曲のせいもあるのでしょうが、やわらかいサウンドが私の脳に浸透し記憶が飛んだ一瞬がありました。
それは、やはり、あまりにも心地よかったサウンドのせいでしょう。
バンド自体のソフトな音色、素敵です。
[銀賞]

11.神奈川県代表 Oak Wind Symphony  (指揮)榮村正吾
   [課]Ⅳ [自] 三つのジャポニズム (真島俊夫)
課題曲のバスドラム、何か非常に響いてました。
軽快なサウンドでコンサートマーチの雰囲気を十分、出していました。
ただ、トランペットの主旋律が埋もれてしまったところがあって、とても残念でした。
自由曲はアンサンブルもまとまっており、実に都会的です。
ジャポニズム感も表現されていて、良い演奏だと思いました。
ただ、県大会に比べてこじんまりとしたように感じたのは気のせいでしょうか?
[銀賞]

12.栃木県代表 小山市交響吹奏楽団  (指揮)原  進
   [課]Ⅰ [自] 「プリマヴェーラ」 ―美しき山の息吹 (八木澤教司)
私の苦手な課題曲Ⅰですが、この団体のサウンドには、とても合ってます。
特に金管の音がイギリス的で温かみのある柔らかい音です。
ただ、ホルン、トロンボーンのソロは一音一音に音程の確認が必要だと思います。
曲最後のロングトーン、ピッチ…。
自由曲はこの団体のサウンドが幸いして、まとまりのある演奏でした。
曲終盤の打楽器、少しハリキリすぎかな?
[銀賞]

13.神奈川県代表 大磯ウインドアンサンブル  (指揮)加藤 優
   [課]Ⅳ [自] 吹奏楽のための風景詩「陽が昇るとき」より Ⅰ.衝動 Ⅱ.情緒 Ⅳ.陽光 (高 昌帥)
課題曲は元気で若々しい演奏でした。
ただ、県大会と比較すると軽やかさが薄れていたように感じました。
勝ちを意識して保守的になったのでしょうか?
自由曲は、一変して伸び伸びとした雰囲気を醸し出していました。
表現しづらい難曲を器用にこなしているドラマッチックな演奏でした。
ですが、県大会に比べてインパクトに欠けるような気がしました。
[銀賞]

14.栃木県代表 宇短大付属高校OBOGウインドオーケストラ  (指揮)田渕哲也
   [課]Ⅲ [自] ラッキードラゴン~第五福竜丸の記憶~ (福島弘和)
課題曲に関しては無難にまとめている感じがしましたが、トロンボーンが割れた音を出しているのが気になりました。
ラッキードラゴンは、聴かせどころのある曲です。
コンクールという舞台では効果的な演目ではないでしょうか?
本日の演奏も躍動感があって良かった。
[銅賞]

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15.茨城県代表 ひたちなか交響吹奏楽団  (指揮)蒔田宜幸
   [課]Ⅳ [自] 「GR]より シンフォニック・セレクション (天野正道)
課題曲は音量を出しすぎだと思います。
したがって、サウンドが重くなり、軽やかさが薄れてしまう。
明るくて素敵なサウンド(私の好きなサウンドです)なのに個人的には残念に思いました。
自由曲も少しパワー過多かなあ。
しかし、時々、ジャズバンドっぽい音が出る瞬間があって選曲によっては素晴らしい演奏になるのではないかと思いました。
曲冒頭のスタンディングによるトランペットソロは良かったですよ。
[銅賞]

16.千葉県代表 船橋市交響吹奏楽団  (指揮)牛渡克之
   [課]Ⅰ [自] 2つの交響的スケッチ (J.セッラ/山口哲人)
課題曲の出だし、全体的にピッチが気になった。
毎度お馴染みのホルン、トロンボーンのソロは、とても良かった。
音程がしっかりしていてリズムが流れるようで美しかった。
課題曲Ⅰをやった多くの団体で曲最後のロングトーンのピッチが気になった団体が多かったのですが、残念ながら、この団体もそうでした。
自由曲はポピュラー音楽のような曲で、思うにスペインテイスト満載でした。
演奏の方はリズムにのった柔らかいサウンドでこじんまりとまとまった好演でした。
[銀賞]

17.茨城県代表 古河シティウインドオーケストラ  (指揮)福田昌範
   [課]Ⅳ [自] セルゲイ・モンタージュ (鈴木英史)
課題曲はメリハリをつけた印象に残る演奏でした。
課題曲Ⅳは軽やかに演奏するのがいいと思いますが、この団体は違っていました。
決してサウンドが重いと言うわけではないのですが、格調高い演奏でした。
(どちらかというと課題曲Ⅱに合うサウンドだと思います。)
自由曲は私の好きな「セルゲイ・モンタージュ」。
期待して聴き始めました。
ん?うまいじゃん!(失礼)
描写音楽ではないですが、何か物語があるかのような起伏に富んだ演奏でした。
[金賞・支部代表]

18.神奈川県代表 相模原市民吹奏楽団  (指揮)福本信太郎
   [課]Ⅳ [自] 交響的詩曲「地獄変」 (福島弘和)
いよいよ真打登場です。
とにかく全体のバランスを考えた素晴らしい演奏でした。
課題曲、自由曲ともメロディを歌っている。
自分たちの音楽を作り上げ世界を現出している。
そして何よりも県大会より、「進化」していました。
すべての部分で本日のNO.1でした。
[金賞・支部代表]

19.栃木県代表 矢板ウインドオーケストラ  (指揮)黒尾 実
   [課]Ⅲ [自] ガリア戦記 (B.ピクール)
課題曲。
冒頭の打楽器、元気良すぎかなあ。
バンドのサウンドは明るい音質。
しかし、やっぱりパワーが有りすぎです。
サックスソロの男性は素敵な音色でした。
自由曲になると考えられた演奏にかわりました。
静かな部分でメロディを響かせ、描写音楽をうまく表現していました。
[銀賞]

20.千葉県代表 聖徳ウィンド・アンサンブル  (指揮)進藤初男
   [課]Ⅰ [自] 交響組曲「もののけ姫」より 
           シシ神の森,TA・TA・RI・GAMI,黄泉の世界~生と死のアダージョ (久石 譲/森田一浩)
課題曲は少し、テンポを揺らしているのが気になった。
しかし、クラリネットの音質が揃っていて美しかったです。
ソロパートもしっかりしてましたし、女性だけのバンドとは思えないパワーがありました。
自由曲は“ジブリ”の世界ですね。
女性らしい繊細さを維持しながら、力強さを持って久石譲の世界を表現していました。
素敵です。
[金賞・支部代表]

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全27団体を聴いて、本音で言うと疲れきりました。
しかし、得るものも多かった。
西関東大会にも行きましたが、正直、東関東大会の方が面白かった。
レベルの高い団体が多かったからだと思います。
支部代表になった団体は全国大会でどんなパフォーマンスをしてくれるか楽しみです。
全国大会は奇しくも、同じ宇都宮市文化会館で開催されます。
私もお伺いするつもりです。
10月28日が楽しみです。

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最後にいろいろ書きましたが、関係団体の皆様、素人のオヤジの戯言と思いご容赦下さいませ。


第18回 西関東吹奏楽コンクール 職場・一般の部

2012-09-20 03:52:24 | 吹奏楽

久々のブログ更新です。
今回は山梨県まで日帰りの小旅行となりました。
前にも書きましたとおり、全日本吹奏楽コンクール高校の部に去年同様、行くつもりでありましたが、会場の杉並区にある普門館が耐震性に問題があるため、急遽、名古屋国際会議場に変更になりました。
くたびれたオヤジは、名古屋まで行く気力もお金もありませんので、今年は、目先を変えて「職場・一般の部」を追いかけようと決心したのです。
というのも今年の職場一般の全国大会が宇都宮で開かれるとのこと。
関東で行われる全国大会に行かぬ手はないと思い、はりきっている次第です。
地元、埼玉の県大会は行かせて頂きましたので次は、県大会を勝ち残った団体が進める西関東支部大会を聴きに山梨県甲府市まで向かう事にしたのでした。
いずれにせよ、信玄公の故郷、甲府へ出陣です!!
(蛇足ながら、気紛れで神奈川県大会・職場一般の部にも行ってしまいました。ですから、全国大会と同じ会場でやる宇都宮の東関東支部大会にも行くつもりです。)

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行きは新宿から中央自動車を使って料金の安い高速バスを利用しました。
ところがこれが大間違い…。
私が拝見させて頂く、職場・一般の部の開始は13:40の予定。
チケットは当日券でしか入手できなかったのですが、その販売開始時間が11:30。
それに合わせて少し早目に行こうと思い、新宿高速バスターミナルを8:30出発、甲府駅10:40到着の高速バスで行くことに決めました。
しかしながら、連休真っただ中の中央自動車道は渋滞の嵐なのでした。
何と実際に甲府駅に到着したのが13:00ちょっと前でした。(予定時間の倍かかっています。)
甲府駅から会場のコラニー文化ホールまでタクシーを飛ばし(本当はバスで行くつもりだった…)、何とか間に合ったのでした。

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コラニー文化ホール(正式名称「山梨県立県民文化ホール」)は1982年竣工の多目的ホールです。
一般的な市民会館にありがちなプロセニアム形式の劇場型ホールのようです。
大ホールと小ホールがあり、今回のコンクールで使用されている大ホールは客席数、1989席(1,2階席合わせて)の立派なホールです。
私の知っているホールの中では南浦和のさいたま市文化センターに感じが近いでしょうか?
蛇足ながら、「コラニー文化ホール」の呼称の由来は、甲府市内に本社を置く、宝石貴金属製造販売会社の「コラニー株式会社」が命名権を得、2011年4月1日より使用されているそうです。

あっ、毎度おなじみの課題曲紹介です。
Ⅰ さくらのうた (福田洋介)
Ⅱ 行進曲「よろこびへ歩きだせ」 (土井康司)
Ⅲ 吹奏楽のための綺想曲「じゅげむ」 (足立 正)
Ⅳ 行進曲「希望の空」 (和田 信)
Ⅴ 香り立つ刹那 (長生 淳)

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余計な事はこのくらいにして本題に入りましょう。
当日券を購入し、ホール内に入りました。
自由席なので1階席中段に陣取ります。
さあ、第18回西関東吹奏楽コンクール「職場一般の部」の開幕です。

1.新潟県代表 糸魚川吹奏楽団  (指揮)小林 禎
    [課]Ⅱ [自] 梁塵秘抄 ~熊野古道の幻想~ (福島 弘和)
課題曲。
出だしのテンポ、気持ち早くないですか?
微妙なテンポの違いでこの曲のザッ、ザッ、ザッという砂浜を歩くような独特のリズムの魅力が失くなってしまう。
リズムを刻んで欲しいと思いました。
自由曲は大曲ですね。
なかなかの好演でフォルテの部分がとてもキレイでした。
ただし、中低音部金管のピッチが気になったのとテンポの早くなった部分に躍動感が薄かったのでは?
コンクール出場団体にありがちな自由曲重視の演奏のように感じました。
課題曲にもっと気を配れば、結果が付いてくると思います。
[銅賞]

2.埼玉県代表 青木フィルハーモニー吹奏楽団  (指揮)酒井 敦
    [課]Ⅱ [自] 朝鮮民謡の主題による変奏曲 (J.B.チャンス)
課題曲は県大会の時より数段進歩していました。
この団体の特徴である柔らかいサウンドの上に細部まで気を配った音の処理に驚きました。
ただ、少し神経質になりすぎたのでしょうか。
自由曲は、県大会のとき非常に良いと思いましたので期待大です。
出だしのクラリネットのユニゾン、気のせいか県大会より少しテンポが早いような気がするのですが…。
県大会の時はもっと、朗々と歌っていたように思いました。
しかし、この団体のサウンドは私の好みですね。
結果は残念でしたが、今後に期待します。
[銅賞]

3.山梨県代表 ソノリテ甲府吹奏楽団  (指揮)近藤久敦
   [課]Ⅰ [自] 祈り~その時、彼女は何を想ったのか~ドゥブロフスカ劇場(モスクワ)2002.10.26 (飯島 俊成)
まずは、課題曲。
重厚なサウンドです。
ただ、出だしがぼやけて始まってしまった。
(課題曲Ⅰを演奏する団体は出だしをミスる[Tr. Picc. Fl.等]傾向が多々ありますが出しにくい音なのでしょうか?)
それと、クラリネットのリードミスが多く(5回くらいあった)、聴きづらく思いました。
多分、同じ人だと思いますが、楽器の調子でも悪かったのでしょうか?
自由曲はとても長い曲名ですなあ。
出だしの不協和音が心地よい!(つかみはOKってカンジです。)
特にホルンの音色が揃っていて、その上、とても美しい。
全体的に厚いサウンドが功を奏し、格調高く仕上がっているように思いました。
とても良い演奏でした。
しかし、この団体も自由曲重視ですね。
[金賞]

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4.埼玉県代表 浦和吹奏楽団  (指揮)山田昌弘
  [課]Ⅴ [自] 科戸の鵲巣~吹奏楽のための祝典序曲 (中橋愛生)
決して嫌いな曲じゃないのだけれど(ムシロ、「スキ」カモ?)、この課題曲Ⅴは、私のようなシロウトのオヤジにしてみれば、ひとつの個別の演奏に対して、どこをどう評価すればいいのかサッパリわからない曲です。
わからないなりに感じたのは、もう少し躍動感があればいいのかなと思いました。
自由曲は私もとても好きな曲です。
そして、スピーディなセンスの良い演奏でした。
しかし、県大会と同様、強弱にメリハリが足りないように感じました。
[銀賞] 

5.山梨県代表 山梨市民吹奏楽団  (指揮)秋山岳巨
  [課]Ⅰ [自] ゴッドスピード! (S.メリロ)
課題曲は、他のⅠを演奏した団体より、テンポが少しだけ、ゆったりとしているように思いました。
あと、ロングトーンのあとの音の処理の仕方が気になりました。
自由曲、いい曲ですね。
演奏の方も躍動感あふれる好演だと思いました。
ただ、木管の音に時折、雑味を感じる瞬間がありました。
アンサンブルの乱れでしょうか?
全体練習ばかりでパート練習が少ないのでしょうか?
[銅賞]

6.埼玉県代表 川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団  (指揮)福本信太郎
  [課]Ⅴ [自] パッサカリアとトッカータ (福島弘和)
さあ、私が大ファン?のアンサンブルリベルテの登場です。
課題曲はⅤです。
先程は難しすぎてわからない曲だと申し上げましたが、アンサンブルリベルテの演奏を聴いてものすごく理解できたのです!!
この曲の特徴であるリズムの躍動感がハンパなくすごい。
しかも、あってないように聴こえるメロディを歌っているのですよ。
個人の技量の高さを痛感しました。
自由曲。
この曲を聴くのは3度目です。
1度目はアンサンブルリベルテの定期演奏会で。
2度目はコンクールの埼玉県大会で。
3度目が、この日の演奏です。
正直言うと県大会より定期演奏会の演奏の方が良かったと個人的には思っていました。
ところが、この西関東大会での演奏は、それら全てを凌駕していました。
シロウトの吹奏楽オタクのオヤジがナンダカンダと言うのもオコガマシイ。
とにかく、「圧巻」のひとことでした…。
私が思うにこの日の全団体の演奏の中で圧倒的NO.1だと思います。
[金賞・支部代表]

7.群馬県代表 前橋市民吹奏楽団  (指揮)山本佳弘
  [課]Ⅰ [自] 交響詩「ドン・ファン」 (リヒャルト・シュトラウス)
やっぱり、この課題曲は好きになれませんな。
でも、演奏はよかったです。
やわらかいサウンドで、特に木管楽器の響きは素敵でした。
自由曲はリヒャルト・シュトラウスの曲を優雅に歌い上げていました。
この団体は深みのある独特のサウンドで、この曲にあってます。
木管楽器を音楽の中心に据えて曲作りをしているようであり、それが成功してると言えました。
ただ、毎度申し上げておりますが、自由曲中心の考え方は最終的には勝利に結びつかないと思います。
[銀賞]

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8.埼玉県代表 越谷市音楽団  (指揮)佐々木幹尚
  [課]Ⅳ [自] 交響曲第3番 作品89 (J.バーンズ)
やっと、課題曲Ⅳが聴けます。
そして、埼玉県大会では唯一、銀賞で県代表になった団体です。
どのように成長しているか楽しみです。
課題曲、自由曲とも非常に明るいサウンドを駆使して躍動感がすごかった。 
練習の成果が表れていると思いました。
ただ、県大会の時に感じたパワーありすぎ感は変わっていなかったように感じました。
私個人としては、そこだけが残念でした。
それにしても、県大会銀賞が支部大会では金賞を獲得したのですから、最大の賛辞をおくりたいと思います。
これからの活躍に大いに期待します。ブラヴォー!
[金賞]

9.新潟県代表 新井吹奏楽団  (指揮)畠田貴生
  [課]Ⅰ [自] 歓喜の歌 (D.R.ギリングハム)
新井吹奏楽団。
残念ながら、私は住んでる地域が違うため初めて聴かせて頂くの団体です。
指揮は…、畠田貴生?ん?東海大学付属高輪台高校の畠田先生?
高輪台高以外にも東京隆生吹奏楽団で指揮をされているのは存じ上げておりましたが、まさかここ甲府の地でお会い出来るとは。
いろいろやってらっしゃるんですねぇ。
課題曲は厚くやわらかいサウンドを持っているのだけれども、反面、それが災い?して、音が不明瞭に聴こえる瞬間があったような…。
また、曲の最後の部分の音程、とても気になりました。
目立つ部分なので、しっかり気を付けないと全体の印象に影響すると思います。
自由曲は畠田先生の得意そうな曲です。
それにしても(他の団体にも言えることですが)、自由曲になると出来がよくなりますなぁ。
ミュートを使ったトランペットの音、シビレるほど、キレイでした。
[銀賞]

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ここで、ちょっとひと休み。
9番目の団体が終わり、舞台上で次の団体の出演準備をしている間、私は客席でプログラムを見返しておりました。
すると頭の上で「中の方へ行かせて頂いてよろしいでしょうか?」と声をかける人がいます。
(私は通路側の一番端の席に座っており、通路に遠い席は空きがありました。)
反射的に「どうぞ」と言う声と共に私は席を立ち、声をかけた人物を中の席へ導き入れました。
そして、その人物は私の二つほど横の席に座ったのです。
その時、初めて、その方へ目を向けますと、なんとアンサンブルリベルテの指揮者、福本信太郎先生ではありませんか!
「私はアンサンブルリベルテの定期演奏会に2回行ってます。」とか「アンサンブルリベルテは県大会でも聴きました。」とか「福本先生の指揮で相模原市民吹奏楽団の演奏も聴きました。神奈川県大会にも行ったんですよ。」とか話しかけたかったのだけれど、気の小さいオヤジはコンクールという状況もあり理性が邪魔をして出来なかった。
その後、福本先生は11番目の伊奈学園OB吹奏楽団まで演奏を聴かれ、その席を立たれました。
伊奈学園OB吹奏楽団の演奏が終わったあと、長い間、強く拍手をされていたのが印象的でした…。

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10.群馬県代表 からす川音楽集団  (指揮)荻野 昇
   [課]Ⅲ [自] 歌劇「トゥーランドット」より (G.プッチーニ/後藤 洋)
何と10団体目にして初めての課題曲Ⅲの「じゅげむ」です。
神奈川や埼玉の県大会では比較的演奏する団体が多かったような印象があるのですが、西関東大会では1団体だけですか。
「じゅげむ」の躍動感があまりないように感じました。
早く自由曲を演奏したいよと言ってるような演奏に思えました。
自由曲冒頭、気合いの入れすぎ?
ヒステリックに叫んでいるような…。
でも、私のまわりにいたお客様は結構受けてたように見えましたね、トゥーランドット。
ドラマチックな演奏でした。
音は出しすぎでしたが。
[銅賞]

11.埼玉県代表 伊奈学園OB吹奏楽団  (指揮)宇畑知樹
   [課]Ⅳ [自] パガニーニ ロスト イン ウインド (長生 淳)
素晴らしい課題曲Ⅳでした。
軽やかなサウンド、美しいハーモニー、そして何よりも非常にノーブル。
心休まる絶品のコンサートマーチでした。
自由曲は難しい曲ですね。
出だしがモヤモヤっと始まって注目していましたら、次々と表現力の豊かなパフォーマンスに触れさせてもらい、圧倒されました。
特にサックスの男性コンビの音色には感動!(色っぽいねぇ)
[金賞・支部代表]

12.埼玉県代表 与野吹奏楽団  (指揮)森田新一郎
   [課]Ⅳ [自] 交響詩「ローマの祭り」より (O.レスピーギ/森田新一郎)
県大会で聴かせて頂いた時は“パワーッ”ていう印象を受けましたが、西関東大会でもその印象はかわりませんでした。
特に自由曲は「そりゃもう、街はお祭り騒ぎさ」ってカンジで華やかで躍動感にあふれたド迫力の演奏でした。
会場の皆さんも盛り上がっていたように思いました。
でも、私は疲れた…。
[銀賞]

13.山梨県代表 創価山梨リード吹奏楽団  (指揮)吉田孝司
   [課]Ⅳ [自] 世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」よりⅡ,Ⅴ,Ⅵ,Ⅹ,ⅩⅠ,ⅩⅡ,ⅩⅢ(C.オルフ)
課題曲は、元気良すぎです。
特にパーカッションは“効果的”過ぎます。
自由曲は、打って変って重厚なサウンドに様変わりし、和音に重みを感じました。
が、やっぱりウルサイです。
[銀賞]

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コンペティション部門が終わりました。
いやあ、少々、疲れました。
次は3年連続全国大会出場の川越奏和奏友会吹奏楽団の招待演奏です。

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《招待演奏》埼玉県 川越奏和奏友会吹奏楽団  (指揮)佐藤正人
      2つの交響的断章 (V.ネリベル)
埼玉県大会の時の招待演奏は天野正道先生の指揮でご自身の作品を2曲演奏され非常に感銘をうけましたが、西関東大会の招待演奏はネリベルですか。
「2つの交響的断章」は好きな曲ですがコンクールで演奏されたものしか聴いた事がありません。
フルヴァージョンの演奏を聴くのは初めてです。
絶句ものでした。
個人個人の技量の高さがわかる大人の演奏です。
なんでこんな素晴らしい演奏ができるのにコンクールに出られないのだろう。
あらためて、3出制度(3年連続全国大会に出場すると4年目は出場できないという大会規定)のバカバカしさを感じた次第。

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西関東支部代表の川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団と伊奈学園OB吹奏楽団は全国大会では精一杯頑張って頂きたい。
と同時に素晴らしい演奏を聴かせて頂いた各団体の皆様に心より感謝致します。
また、このブログで色々書かせせて頂きましたが、所詮、バカなオヤジの戯言と思い一笑に付して頂ければ幸いです。

最後にTwitterでご丁寧に返信をして頂いた青木フィルハーモニー吹奏楽団の皆様、特に応援しています!!

(全国大会、宇都宮にも行きまっせ!)