浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

東海大学吹奏楽研究会 第52回定期演奏会

2013-12-28 01:12:12 | 吹奏楽

2013年12月25日、水曜日。
私は、みなとみらい線みなとみらい駅に降り立ちました。
駅の上にある複合商業施設クイーンズスクエア内にある横浜みなとみらいホールに向かうためでした。
この日は初めて聴かせて頂く東海大学吹奏楽研究会の第52回定期演奏会です。

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時間があるので少し、みなとみらい地区の散策をしてみました。
クイーンズスクエアを抜けて桜木町駅方面に向かいますと多くの人間で賑わっておりました。
クリスマス当日ですので、其処かしこにイルミネーションがあふれていて、とてもキレイです。
特に日本丸の威容は大変素晴らしく心を打ちました。
それにしても、“みなとみらい”地区はすごいですね!(埼玉には、こんなとこないや…。)

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そうこうしているうちに開演時間が迫ってきました。
全国金賞の団体が“みなとみらい”という素晴らしいホールでどんな演奏を聴かせてくれるのでしょう。
楽しみです。

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[演奏]東海大学吹奏楽研究会
[指揮]福本 信太郎〈常任指揮者〉
    加養 浩幸〈音楽アドバイザー〉
    横山 幸彦〈学生指揮〉

[ドリル講師・バンド指導]松本 たか子

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~Ⅰ部~

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● 東海大学校歌 (松前 重義/作詞 松前 紀男/作曲)

● ファンファーレ“S-E-A” (鈴木 英史)

● 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より (P.マスカーニ)

● ミュージカル「レ・ミゼラブル」より (C.M.シェーンベルク)

● 久堅の幹 (長生 淳)

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~Ⅱ部 ドリル・ステージ~

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● WICKED (R.L.ソーシード)

● CRUSH (峯崎 圭輔)

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~Ⅲ部~

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● 組曲「惑星」より (G.ホルスト)
   火星:戦争をもたらすもの
   木星:快楽をもたらすもの

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最初は、学生指揮の横山幸彦さんの指揮で東海大学の校歌の演奏、合唱です。
私は個人的にこういう定期演奏会で校歌を演奏するのは嫌いではないです。
気分が引き締まるので。
次は人気の鈴木英史先生のファンファーレです。(精華女子高の委嘱作品のようですね。)
金管のサウンド、とても素敵です。
キラキラと輝き、音が融合していて厚く感じます。
華やかな演奏でした。
3曲目は、「カヴァレリア・ルスティカーナ」。
埼玉栄高校の演奏が有名ですね。
この曲も横山さんが指揮されましたが、学生さんとは思えぬ堂々とした指揮ぶりで演奏も情緒豊かなサウンドが、とても良かったと思います。
お次は曲のジャンルが変わってミュージカル音楽の「レ・ミゼラブル」。(今年は映画のせいか吹奏楽界でも流行りました。私も演奏会やコンクールで何度聴いたことでしょう。)
曲目が多彩ですね。
聴きごたえのある演奏でした。
まるでオペラの楽曲の演奏を聴いているような…。
このバンドの特徴は、やっぱりサウンドの素晴らしさが第一でしょうか?
もちろん、しっかりしたテクニックもあり、個人の技量の高さが窺いしれますが、何よりも、やわらかなサウンドの厚みが曲を盛りたてています。
あと、言い忘れましたが、この曲から、常任指揮者の福本信太郎先生に指揮がかわっています。

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さて、Ⅰ部、最後の曲は、今年の10月19日に福岡サンパレスホールにて開催された第61回全日本吹奏楽コンクール・大学の部で見事、金賞を獲得した時の自由曲「久堅の幹」です。
さすがに自由曲だっただけあって、完成度が高かった。
長生ワールド全開で良い演奏を聴かせて頂きました。

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失礼な物言いかもしれませんが、こんなにレベルの高い演奏をして頂けるとは思っていませんでした。
少し驚きでしたし、このコンサートに来て本当に良かったと感じました。
神奈川大学の持つサウンドの繊細さや表現力には少しだけ、追いつかない部分があるように思いましたが、サウンドの厚みでは負けていないように感じました。(アマチュアの大学吹奏楽団で神奈川大学に対抗できると確信したのは東海大学が初めてでした。)
演奏会も私の自宅から遠い所でやっているようなので、今まで演奏会に行かせて頂くのを躊躇していたのが悔やまれました。
コンクールも東京支部で出てますし…。(日程が東関東や西関東の各支部と重なって見にいけないのです。)
今後も活動に注目したいバンドがひとつ増えました。

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さて、Ⅱ部は“ドリル・ステージ”ですね。
私は“生徒”だった太古の昔、吹奏楽部員でしたが、マーチングはやった事がありません。
でも、座って吹いていても難しい楽器を動きながら吹くなんて、どんなに難しいことだろうとは思えます。
そして、私にとっては、“音楽”を聴くというよりもスポーツ観戦に近い感覚で拝見させて頂きました。
めまぐるしい動きの中でも、しっかりとした演奏をして下さった東海大の皆さんに感銘を受けました…。

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最後のステージのⅢ部は、超有名曲、ホルストの惑星(火星&木星)です。
指揮は、この団体の音楽アドバイザーで土気シビックウインドオーケストラとの数々の共演でも名高い加養浩幸先生にかわります。
また、大曲に合わせて演奏人員も増えました。
「火星」。
大音量の部分が多い曲です。
ですから、ヘタクソなバンドが演奏すると収拾がつかなくなる。
ところが、東海大の演奏は、大きな音は出ていても、ちっともウルサくなかった。
逆に迫力と言うか、演奏に奥行きを感じました。
弦楽器の魅力とは違う、“吹奏楽”の「火星」でした。
ただ、一点だけ。
私は素人ですので、正式には何と言う楽器なのかわからないのですが、シンセサイザーのような電子音を出す鍵盤楽器を使ってましたね。
演奏に迫力を出すために使用したんだと思いますが、いらなかった。
生演奏でも十分、壮大さが出ていたし、私がかなり前の席にいたせいかもしれませんが、その楽器の音で他の楽器が聴こえない瞬間が度々ありました。
「木星」は、メロディの美しい曲です。
東海大の演奏は、そのメロディを歌い上げた素晴らしいパフォーマンスでした。
ホルストの持つ、独特な素朴さを上品に表現しているように思いました。

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アンコールの曲は以下のとおりです。(1曲目は福本先生がサックスで演奏に加わり、加養先生の指揮で2曲目は学生指揮の横山さんの指揮でした。)

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舞台上では福本先生、加養先生、そして、ドリル講師として東海大を指導されている松本たか子先生が、それぞれ挨拶をされました。
それは、みな東海大学吹奏楽研究会の皆さんを讃える内容でした。
聞いているうちに、素晴らしいチームワークで“音楽”に取り組んでいる学生の皆さんの姿が浮かんでくるように思えました。

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アンコール曲の演奏の途中から、感極まってか泣いている学生さんが舞台上で何人か見受けられました。(多分、卒業する4年生の方でしょうか?)
きっと、その涙は、惜別の想いの詰まったものなのですね。
なんて、素晴らしいんでしょう!
苦しいこともあったけど、充実した学生生活を送っていたんだなと実感した次第。
だからこそ、あのサウンドに繋がるんですね…、きっと。

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クリスマスの夜に孤独な浦和のオヤジは、豊かな気持ちに満たされながら、遠く埼玉県に帰って行くのでした…。