時々、無性に弦楽器の音が聴きたくなります。
普段、よく聴いている管楽器のそれとは別世界の音です。
そして(うまく表現できないですが)、吹奏楽の演奏にも非常に参考になると思います。
今年の11月(そう、まさに今です!)は、何と、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウといった世界三大オケが日本に集結しています。
本当は、どれか一公演だけでも聴きに行きたい…。
でも、3万も4万も出せるほど、私は裕福なオヤジではありません。
残念です…。
今回、「音楽大学オーケストラフェスティバル」には大きく三つの理由で伺わせて頂きました。
ひとつ目は音大生のみなさんの演奏に興味があったから。
吹奏楽の演奏会では音大生の演奏をかなり聴かせて頂いております。
そして、その演奏は相当なレベルを保っています。
学生さんのオーケストラが、吹奏楽の“それ”と同じように素晴らしいものなのか、プロとはどのくらい違いがあるのか?
そんなことを知りたいなあという好奇心からです。(不純でしょうか?)
二つ目は生演奏の「春の祭典」を聴いてみたかった。
言わずと知れた名曲「春の祭典」。
私も何百回と聴いているとは思うのですが、残念ながら生演奏を聴いたことがない。
CDであれだけ迫力のある曲なのだから、生演奏で聴いたら、どんなにすごいんだろう…と。
そして、最後三つ目の興味は「ミューザ川崎シンフォニーホール」です。
あの3.11東日本大震災の日にホール内の天井が崩落だか破損だかしたらしくて、つい今年の春先までリニューアル工事をしていたと聞いておりました。
どのように変わったのでしょうか?
(と言っても、ミューザ川崎シンフォニーホールは数年前、東海大高輪台高校の演奏会で一度しか訪れたことしかなく、おぼろげにしか覚えていませんが…。)
音楽大学オーケストラフェスティバルは、平成11年(1999年)に先日亡くなられた三善晃先生の発案で始められたそうです。(その当時の名称は“音楽大学学生オーケストラの祭典”)
いったんは、5年間で終了しましたが、平成21年に再開され、今年で4回目を迎えました。
洗足学園音楽大学管弦楽団、桐朋学園オーケストラ、武蔵野音楽大学管弦楽団、昭和音楽大学管弦楽団、東邦音楽大学管弦楽団、東京藝大シンフォニーオーケストラ、東京音楽大学シンフォニーオーケストラ、国立音楽大学オーケストラという在京8音大の学生さんがミューザ川崎と東京芸術劇場にて日頃の研鑽の成果を披露して頂ける催しです。
平成25年(2013年)11月11日、金曜日。
場所は、ミューザ川崎シンフォニーホール。
そして出演団体は、洗足学園音楽大学、桐朋学園大学です。
音大生の皆さんのパフォーマンスに期待しましょう!
当日のプログラムは以下のとおりです。
なお、それぞれの大学の演奏に先立って、相手方?の大学の金管楽器奏者の皆さんがエールの意味を込めてファンファーレを奏でました。(この演出もヨカッタ。)
《ファンファーレ》
● Fanfare (芳澤 奏)
【演奏】桐朋学園大学
● 交響曲 第7番 ホ長調 WAB.107[ハース版] (A.ブルックナー)
第1楽章 アレグロ・モデラート
第2楽章 アダージョ
第3楽章 スケルツォ
第4楽章 フィナーレ
【管弦楽】洗足学園音楽大学管弦楽団
【指揮】 秋山 和慶
〔休憩〕
《ファンファーレ》
● FANFARE Es-dur (久保 雅斗)
【演奏】洗足学園音楽大学
● カルタ遊び (I.ストラヴィンスキー)
第1ラウンド
第2ラウンド
第3ラウンド
● バレエ音楽「春の祭典」 (I.ストラヴィンスキー)
第1部 大地礼賛(全八曲)
第2部 いけにえの儀式(全六曲)
【管弦楽】桐朋学園オーケストラ
【指揮】 高関 健
最初は、洗足学園の演奏。
ブルックナーの7番。
指揮は秋山和慶先生です。
この曲は、CDでは聴いた事があるものの、生演奏は初めてです。
確かに重厚なサウンドというところだけをみると少し物足りなかったかも知れません。(プロのブルックナーの演奏と比べてという意味です。)
でも、全体的に透明感のある音色は、私のような素人にも感じとることができる“安らぎ”を与えてくれました。
1時間以上の大曲でありますが、ちっとも苦にならずというか、もっと続かないかなあと思える“快適な時間”でした。
休憩中。
ミューザ川崎シンフォニーホールがリニューアル前とどうかわったのか?
正直言うと、よくわかりません。
円形のすり鉢状に舞台を囲んでいるように感じるホールです。
こういう言い方をするとどうかと思いますが、“カッコいい”ですよ。(素人のオヤジなのでご容赦を!)
私が陣取ったのは、上手(かみて)側のイチバン端の最前列という席でございました。
弦楽器の音は、よく聴こえましたが遠い位置にいる木管楽器に“距離感”を感じるようにも思いました。(演奏者がどうのこうのと言う意味ではなく、純粋にホールの“響き”としてです。)
後半は、桐朋学園の皆さんです。
指揮は、高関 健先生。
2曲ともストラヴィンスキーですね。
最初の曲は、「カルタ遊び」。
初めて聴くに等しい曲なのですが、華やかなで軽快な感じがします。
そして、なんだか懐かしいようにも思える。(あとでプログラムの解説を読みましたら、ロッシーニ、ベートーヴェン、ラヴェル、ドリーブなどの楽曲の引用を“断片的”にしているとのこと。だから、このように感じたのでしょうか?)
桐朋学園の演奏も表現力に長けた良いものでした。
さて、続いてはトリの曲、春の祭典です。
いい歳をしたオヤジが生演奏を聴けるとあってワクワクしています。
いやあ、とてもステキな演奏でした。
確かに変拍子の難しい曲ですので、リズムのズレやアンサンブルの乱れがなかったわけではありません。
しかし、それを補って余りある“ハート”がありました。
そのエネルギッシュな演奏は、若者の“生命力”を感じましたね。
コンサートが終わった時、21:00を大きく過ぎていました。
でも、ミューザ川崎から、去り難い想いが私の心に満ち溢れていました。
本日、演奏して頂いた2つの音大の皆さんは、私の思っていた以上のパフォーマンスを見せて下さった。
“音楽”というカタチのないもので、様々な想いを伝え、感じさせてくれるということをあらためて思い出させてくれた演奏会でした。
これからも(この日、演奏して下さった洗足学園、桐朋学園の皆さんはもちろんですが)、音楽に真剣に向き合っていらっしゃる学生の方に、心より尊敬の念を抱きながら、今後も、ご活躍されることを願っております。
それにしても“弦の音”って素敵ですね!
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