浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

第18回 西関東吹奏楽コンクール 職場・一般の部

2012-09-20 03:52:24 | 吹奏楽

久々のブログ更新です。
今回は山梨県まで日帰りの小旅行となりました。
前にも書きましたとおり、全日本吹奏楽コンクール高校の部に去年同様、行くつもりでありましたが、会場の杉並区にある普門館が耐震性に問題があるため、急遽、名古屋国際会議場に変更になりました。
くたびれたオヤジは、名古屋まで行く気力もお金もありませんので、今年は、目先を変えて「職場・一般の部」を追いかけようと決心したのです。
というのも今年の職場一般の全国大会が宇都宮で開かれるとのこと。
関東で行われる全国大会に行かぬ手はないと思い、はりきっている次第です。
地元、埼玉の県大会は行かせて頂きましたので次は、県大会を勝ち残った団体が進める西関東支部大会を聴きに山梨県甲府市まで向かう事にしたのでした。
いずれにせよ、信玄公の故郷、甲府へ出陣です!!
(蛇足ながら、気紛れで神奈川県大会・職場一般の部にも行ってしまいました。ですから、全国大会と同じ会場でやる宇都宮の東関東支部大会にも行くつもりです。)

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行きは新宿から中央自動車を使って料金の安い高速バスを利用しました。
ところがこれが大間違い…。
私が拝見させて頂く、職場・一般の部の開始は13:40の予定。
チケットは当日券でしか入手できなかったのですが、その販売開始時間が11:30。
それに合わせて少し早目に行こうと思い、新宿高速バスターミナルを8:30出発、甲府駅10:40到着の高速バスで行くことに決めました。
しかしながら、連休真っただ中の中央自動車道は渋滞の嵐なのでした。
何と実際に甲府駅に到着したのが13:00ちょっと前でした。(予定時間の倍かかっています。)
甲府駅から会場のコラニー文化ホールまでタクシーを飛ばし(本当はバスで行くつもりだった…)、何とか間に合ったのでした。

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コラニー文化ホール(正式名称「山梨県立県民文化ホール」)は1982年竣工の多目的ホールです。
一般的な市民会館にありがちなプロセニアム形式の劇場型ホールのようです。
大ホールと小ホールがあり、今回のコンクールで使用されている大ホールは客席数、1989席(1,2階席合わせて)の立派なホールです。
私の知っているホールの中では南浦和のさいたま市文化センターに感じが近いでしょうか?
蛇足ながら、「コラニー文化ホール」の呼称の由来は、甲府市内に本社を置く、宝石貴金属製造販売会社の「コラニー株式会社」が命名権を得、2011年4月1日より使用されているそうです。

あっ、毎度おなじみの課題曲紹介です。
Ⅰ さくらのうた (福田洋介)
Ⅱ 行進曲「よろこびへ歩きだせ」 (土井康司)
Ⅲ 吹奏楽のための綺想曲「じゅげむ」 (足立 正)
Ⅳ 行進曲「希望の空」 (和田 信)
Ⅴ 香り立つ刹那 (長生 淳)

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余計な事はこのくらいにして本題に入りましょう。
当日券を購入し、ホール内に入りました。
自由席なので1階席中段に陣取ります。
さあ、第18回西関東吹奏楽コンクール「職場一般の部」の開幕です。

1.新潟県代表 糸魚川吹奏楽団  (指揮)小林 禎
    [課]Ⅱ [自] 梁塵秘抄 ~熊野古道の幻想~ (福島 弘和)
課題曲。
出だしのテンポ、気持ち早くないですか?
微妙なテンポの違いでこの曲のザッ、ザッ、ザッという砂浜を歩くような独特のリズムの魅力が失くなってしまう。
リズムを刻んで欲しいと思いました。
自由曲は大曲ですね。
なかなかの好演でフォルテの部分がとてもキレイでした。
ただし、中低音部金管のピッチが気になったのとテンポの早くなった部分に躍動感が薄かったのでは?
コンクール出場団体にありがちな自由曲重視の演奏のように感じました。
課題曲にもっと気を配れば、結果が付いてくると思います。
[銅賞]

2.埼玉県代表 青木フィルハーモニー吹奏楽団  (指揮)酒井 敦
    [課]Ⅱ [自] 朝鮮民謡の主題による変奏曲 (J.B.チャンス)
課題曲は県大会の時より数段進歩していました。
この団体の特徴である柔らかいサウンドの上に細部まで気を配った音の処理に驚きました。
ただ、少し神経質になりすぎたのでしょうか。
自由曲は、県大会のとき非常に良いと思いましたので期待大です。
出だしのクラリネットのユニゾン、気のせいか県大会より少しテンポが早いような気がするのですが…。
県大会の時はもっと、朗々と歌っていたように思いました。
しかし、この団体のサウンドは私の好みですね。
結果は残念でしたが、今後に期待します。
[銅賞]

3.山梨県代表 ソノリテ甲府吹奏楽団  (指揮)近藤久敦
   [課]Ⅰ [自] 祈り~その時、彼女は何を想ったのか~ドゥブロフスカ劇場(モスクワ)2002.10.26 (飯島 俊成)
まずは、課題曲。
重厚なサウンドです。
ただ、出だしがぼやけて始まってしまった。
(課題曲Ⅰを演奏する団体は出だしをミスる[Tr. Picc. Fl.等]傾向が多々ありますが出しにくい音なのでしょうか?)
それと、クラリネットのリードミスが多く(5回くらいあった)、聴きづらく思いました。
多分、同じ人だと思いますが、楽器の調子でも悪かったのでしょうか?
自由曲はとても長い曲名ですなあ。
出だしの不協和音が心地よい!(つかみはOKってカンジです。)
特にホルンの音色が揃っていて、その上、とても美しい。
全体的に厚いサウンドが功を奏し、格調高く仕上がっているように思いました。
とても良い演奏でした。
しかし、この団体も自由曲重視ですね。
[金賞]

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4.埼玉県代表 浦和吹奏楽団  (指揮)山田昌弘
  [課]Ⅴ [自] 科戸の鵲巣~吹奏楽のための祝典序曲 (中橋愛生)
決して嫌いな曲じゃないのだけれど(ムシロ、「スキ」カモ?)、この課題曲Ⅴは、私のようなシロウトのオヤジにしてみれば、ひとつの個別の演奏に対して、どこをどう評価すればいいのかサッパリわからない曲です。
わからないなりに感じたのは、もう少し躍動感があればいいのかなと思いました。
自由曲は私もとても好きな曲です。
そして、スピーディなセンスの良い演奏でした。
しかし、県大会と同様、強弱にメリハリが足りないように感じました。
[銀賞] 

5.山梨県代表 山梨市民吹奏楽団  (指揮)秋山岳巨
  [課]Ⅰ [自] ゴッドスピード! (S.メリロ)
課題曲は、他のⅠを演奏した団体より、テンポが少しだけ、ゆったりとしているように思いました。
あと、ロングトーンのあとの音の処理の仕方が気になりました。
自由曲、いい曲ですね。
演奏の方も躍動感あふれる好演だと思いました。
ただ、木管の音に時折、雑味を感じる瞬間がありました。
アンサンブルの乱れでしょうか?
全体練習ばかりでパート練習が少ないのでしょうか?
[銅賞]

6.埼玉県代表 川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団  (指揮)福本信太郎
  [課]Ⅴ [自] パッサカリアとトッカータ (福島弘和)
さあ、私が大ファン?のアンサンブルリベルテの登場です。
課題曲はⅤです。
先程は難しすぎてわからない曲だと申し上げましたが、アンサンブルリベルテの演奏を聴いてものすごく理解できたのです!!
この曲の特徴であるリズムの躍動感がハンパなくすごい。
しかも、あってないように聴こえるメロディを歌っているのですよ。
個人の技量の高さを痛感しました。
自由曲。
この曲を聴くのは3度目です。
1度目はアンサンブルリベルテの定期演奏会で。
2度目はコンクールの埼玉県大会で。
3度目が、この日の演奏です。
正直言うと県大会より定期演奏会の演奏の方が良かったと個人的には思っていました。
ところが、この西関東大会での演奏は、それら全てを凌駕していました。
シロウトの吹奏楽オタクのオヤジがナンダカンダと言うのもオコガマシイ。
とにかく、「圧巻」のひとことでした…。
私が思うにこの日の全団体の演奏の中で圧倒的NO.1だと思います。
[金賞・支部代表]

7.群馬県代表 前橋市民吹奏楽団  (指揮)山本佳弘
  [課]Ⅰ [自] 交響詩「ドン・ファン」 (リヒャルト・シュトラウス)
やっぱり、この課題曲は好きになれませんな。
でも、演奏はよかったです。
やわらかいサウンドで、特に木管楽器の響きは素敵でした。
自由曲はリヒャルト・シュトラウスの曲を優雅に歌い上げていました。
この団体は深みのある独特のサウンドで、この曲にあってます。
木管楽器を音楽の中心に据えて曲作りをしているようであり、それが成功してると言えました。
ただ、毎度申し上げておりますが、自由曲中心の考え方は最終的には勝利に結びつかないと思います。
[銀賞]

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8.埼玉県代表 越谷市音楽団  (指揮)佐々木幹尚
  [課]Ⅳ [自] 交響曲第3番 作品89 (J.バーンズ)
やっと、課題曲Ⅳが聴けます。
そして、埼玉県大会では唯一、銀賞で県代表になった団体です。
どのように成長しているか楽しみです。
課題曲、自由曲とも非常に明るいサウンドを駆使して躍動感がすごかった。 
練習の成果が表れていると思いました。
ただ、県大会の時に感じたパワーありすぎ感は変わっていなかったように感じました。
私個人としては、そこだけが残念でした。
それにしても、県大会銀賞が支部大会では金賞を獲得したのですから、最大の賛辞をおくりたいと思います。
これからの活躍に大いに期待します。ブラヴォー!
[金賞]

9.新潟県代表 新井吹奏楽団  (指揮)畠田貴生
  [課]Ⅰ [自] 歓喜の歌 (D.R.ギリングハム)
新井吹奏楽団。
残念ながら、私は住んでる地域が違うため初めて聴かせて頂くの団体です。
指揮は…、畠田貴生?ん?東海大学付属高輪台高校の畠田先生?
高輪台高以外にも東京隆生吹奏楽団で指揮をされているのは存じ上げておりましたが、まさかここ甲府の地でお会い出来るとは。
いろいろやってらっしゃるんですねぇ。
課題曲は厚くやわらかいサウンドを持っているのだけれども、反面、それが災い?して、音が不明瞭に聴こえる瞬間があったような…。
また、曲の最後の部分の音程、とても気になりました。
目立つ部分なので、しっかり気を付けないと全体の印象に影響すると思います。
自由曲は畠田先生の得意そうな曲です。
それにしても(他の団体にも言えることですが)、自由曲になると出来がよくなりますなぁ。
ミュートを使ったトランペットの音、シビレるほど、キレイでした。
[銀賞]

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ここで、ちょっとひと休み。
9番目の団体が終わり、舞台上で次の団体の出演準備をしている間、私は客席でプログラムを見返しておりました。
すると頭の上で「中の方へ行かせて頂いてよろしいでしょうか?」と声をかける人がいます。
(私は通路側の一番端の席に座っており、通路に遠い席は空きがありました。)
反射的に「どうぞ」と言う声と共に私は席を立ち、声をかけた人物を中の席へ導き入れました。
そして、その人物は私の二つほど横の席に座ったのです。
その時、初めて、その方へ目を向けますと、なんとアンサンブルリベルテの指揮者、福本信太郎先生ではありませんか!
「私はアンサンブルリベルテの定期演奏会に2回行ってます。」とか「アンサンブルリベルテは県大会でも聴きました。」とか「福本先生の指揮で相模原市民吹奏楽団の演奏も聴きました。神奈川県大会にも行ったんですよ。」とか話しかけたかったのだけれど、気の小さいオヤジはコンクールという状況もあり理性が邪魔をして出来なかった。
その後、福本先生は11番目の伊奈学園OB吹奏楽団まで演奏を聴かれ、その席を立たれました。
伊奈学園OB吹奏楽団の演奏が終わったあと、長い間、強く拍手をされていたのが印象的でした…。

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10.群馬県代表 からす川音楽集団  (指揮)荻野 昇
   [課]Ⅲ [自] 歌劇「トゥーランドット」より (G.プッチーニ/後藤 洋)
何と10団体目にして初めての課題曲Ⅲの「じゅげむ」です。
神奈川や埼玉の県大会では比較的演奏する団体が多かったような印象があるのですが、西関東大会では1団体だけですか。
「じゅげむ」の躍動感があまりないように感じました。
早く自由曲を演奏したいよと言ってるような演奏に思えました。
自由曲冒頭、気合いの入れすぎ?
ヒステリックに叫んでいるような…。
でも、私のまわりにいたお客様は結構受けてたように見えましたね、トゥーランドット。
ドラマチックな演奏でした。
音は出しすぎでしたが。
[銅賞]

11.埼玉県代表 伊奈学園OB吹奏楽団  (指揮)宇畑知樹
   [課]Ⅳ [自] パガニーニ ロスト イン ウインド (長生 淳)
素晴らしい課題曲Ⅳでした。
軽やかなサウンド、美しいハーモニー、そして何よりも非常にノーブル。
心休まる絶品のコンサートマーチでした。
自由曲は難しい曲ですね。
出だしがモヤモヤっと始まって注目していましたら、次々と表現力の豊かなパフォーマンスに触れさせてもらい、圧倒されました。
特にサックスの男性コンビの音色には感動!(色っぽいねぇ)
[金賞・支部代表]

12.埼玉県代表 与野吹奏楽団  (指揮)森田新一郎
   [課]Ⅳ [自] 交響詩「ローマの祭り」より (O.レスピーギ/森田新一郎)
県大会で聴かせて頂いた時は“パワーッ”ていう印象を受けましたが、西関東大会でもその印象はかわりませんでした。
特に自由曲は「そりゃもう、街はお祭り騒ぎさ」ってカンジで華やかで躍動感にあふれたド迫力の演奏でした。
会場の皆さんも盛り上がっていたように思いました。
でも、私は疲れた…。
[銀賞]

13.山梨県代表 創価山梨リード吹奏楽団  (指揮)吉田孝司
   [課]Ⅳ [自] 世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」よりⅡ,Ⅴ,Ⅵ,Ⅹ,ⅩⅠ,ⅩⅡ,ⅩⅢ(C.オルフ)
課題曲は、元気良すぎです。
特にパーカッションは“効果的”過ぎます。
自由曲は、打って変って重厚なサウンドに様変わりし、和音に重みを感じました。
が、やっぱりウルサイです。
[銀賞]

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コンペティション部門が終わりました。
いやあ、少々、疲れました。
次は3年連続全国大会出場の川越奏和奏友会吹奏楽団の招待演奏です。

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《招待演奏》埼玉県 川越奏和奏友会吹奏楽団  (指揮)佐藤正人
      2つの交響的断章 (V.ネリベル)
埼玉県大会の時の招待演奏は天野正道先生の指揮でご自身の作品を2曲演奏され非常に感銘をうけましたが、西関東大会の招待演奏はネリベルですか。
「2つの交響的断章」は好きな曲ですがコンクールで演奏されたものしか聴いた事がありません。
フルヴァージョンの演奏を聴くのは初めてです。
絶句ものでした。
個人個人の技量の高さがわかる大人の演奏です。
なんでこんな素晴らしい演奏ができるのにコンクールに出られないのだろう。
あらためて、3出制度(3年連続全国大会に出場すると4年目は出場できないという大会規定)のバカバカしさを感じた次第。

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西関東支部代表の川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団と伊奈学園OB吹奏楽団は全国大会では精一杯頑張って頂きたい。
と同時に素晴らしい演奏を聴かせて頂いた各団体の皆様に心より感謝致します。
また、このブログで色々書かせせて頂きましたが、所詮、バカなオヤジの戯言と思い一笑に付して頂ければ幸いです。

最後にTwitterでご丁寧に返信をして頂いた青木フィルハーモニー吹奏楽団の皆様、特に応援しています!!

(全国大会、宇都宮にも行きまっせ!)


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2 コメント

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浦和河童さん (信玄餅)
2012-09-20 20:55:44
浦和河童さん
久々のブログアップ、楽しく拝読させていただきました。
まるで自分もコンクールを聴きに行ったかのような気持ちに
なりましたよ。文章、お上手ですね。
一度も聴いたことがないのに、
すでにアンサンブルリベルテのファンになった私です。
それにしても「3出制度」はナンセンスですね。
ここにも、悪しき平等主義?
また、全国大会のレポートも楽しみにしています。

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浦和河童です。 (浦和河童)
2012-10-05 20:54:11
浦和河童です。
信玄餅さん、お褒めの言葉、ありがとうございます。
素人のオヤジの戯言なので、時には生意気な言葉を発し、一生懸命やってらっしゃる演奏者の皆さんには申し訳なく思います。
ブログの文言も正規の音楽教育を受けていない私には、毎回、四苦八苦の連続です。
よろしかったら、これからも拙いブログをご覧下さい。
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