浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

与野吹奏楽団 第19回定期演奏会

2017-05-20 07:01:31 | 吹奏楽

以前の与野吹奏楽団の演奏会に足を運ばせて頂いたのは、いつの事だろう?

だから、調べてみました…。

第14回の定期演奏会でした…。

5年前になるのですね、そんなに長い間、伺ってないとは思いませんでした…。

毎年、吹奏楽コンクール県大会で演奏を聴かせて頂いているので…、ふとそんな気がして。

 

2017年5月14日、日曜日。

場所は、さいたま市文化センター、いわゆる“さい文”です。(このところ、ここに通う機会が多いですね。)

地元の強みで例のごとく、“チャリンコ”で向かう“浦和のオヤジ”でした…。

 

与野吹奏楽団と言えば、西関東大会常連の実力団体です。

西関東の成績を調べてみると2008年の初出場以来、安定した結果を残していますね。

全国大会の代表には選ばれたことはありませんが、“狙える”位置にいるのでは?と思います。(ただ、やはり、西関東には、アンサンブルリベルテと川越奏和という“二代巨頭”に加えて伊奈学園OBという大きな壁がありますので、なかなかに全国大会出場が難しいのは事実ですが…。)

会場に着いて頂いたプログラムを拝見させて頂くと…、今回の定期演奏会は、3部構成になっていますね。

第Ⅰ部が、オケの曲や吹奏楽オリジナル曲のアラカルトって感じですか。

第Ⅱ部が今年の課題曲4曲とおそらく、コンクール自由曲であると思われる曲のステージです。

第Ⅲ部は、「映画音楽特集」というコンセプトのもとにセレクトされた楽曲のようです。

しっかりとした、演奏をしてくれる与野吹奏楽団。

コンサートが始まる前から、期待大です!

 

[演奏]与野吹奏楽団

[指揮]森田 新一郎(常任指揮者)

 

― 第Ⅰ部 ―

 

喜歌劇「軽騎兵」序曲/F. V. スッペ:arr.森田 新一郎

天国の島/佐藤 博昭

「GR」より シンフォニックセレクション/天野 正道

 

― 第Ⅱ部 ―

 

2017年度全日本吹奏楽コンクールより

Ⅰ:スケルツァンド/江原 大介

Ⅱ:マーチ・シャイニング・ロード/木内 涼

Ⅲ:インテルメッツォ/保科 洋

Ⅳ:マーチ「春風の通り道」/西山 知宏

バレエ音楽「ダフニスとクロエ」より/M.ラヴェル:arr.森田 新一郎

 

― 第Ⅲ部 ―

 

「カリオストロの城」Highlights/大野 雄二:arr.波田野 直彦

バンドのためのゴジラファンタジー/伊福部 昭:arr.和田 薫

スター・ウォーズ コンサート・セレクション/J.ウィリアムズ:arr.真島 俊夫

 

開演前にホール内に入ってみるとステージ上では木管楽器の皆さんがアンサンブルの真っ最中です。

実に心地よく感じます。

そして、開演。

1曲目は、クラシック音楽に詳しくない方でも一度は聴いたことがあるであろうスッペの「軽騎兵序曲」です。

サウンドが明るくていいですね。

多少、ピッチやアンサンブルに乱れがある“瞬間”もありましたが、重苦しくなく、かと言って必要以上に軽くない演奏は、さすがですね。

ある種の“雰囲気”をもった演奏でした。

2曲目は、2011年度全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅱでもあった「天国の島」。

北海道の西に位置するわずか外周12kmという「天売島(てんうりとう)」の印象を表現した楽曲なのだそうです。(日本テレビの「鉄腕DASH」で流れている曲なので、皆さん、一度は聴いたことがあるのでは?)

しっかりとしたアンサンブルを聴かせて頂きました。

楽しめる演奏ではありましたが、個人的好みで申し上げますと、もう少し土俗的な雰囲気が出ていると良かったかも。

さて、3曲目で第Ⅰ部は終わりです。

天野正道先生の名曲「GR」ですね。

この曲は、今年の1月28日に神奈川県川崎市の“ミューザ川崎”にて天野正道先生の還暦を祝して開催された「アニバーサリーコンサート川崎公演」で浜松交響吹奏楽団の演奏を聴かせて頂いたばかりです。

「GR」は、いわゆる横山光輝原作の特撮テレビ番組「ジャイアントロボ」の略ですね。

天野先生は、この番組の音楽を担当されており、のちに交響組曲第2番「GR」として世に送り出しました。

そして、この曲の吹奏楽版を初演したのが浜松交響吹奏楽団です。

川崎での演奏は素晴らしいものでした…。

与野吹にも期待します!

曲が始まりました…。

率直に感じた事を申し上げますと天野先生の描きたかった世界を上手に表現できていたと感じました。

欲を言えば、もっともっとドラマチックな演奏でも良かったかも知れません。

それにしても、与野吹の力強い吹奏楽オリジナル曲の演奏のポテンシャルの高さには改めて感心させられます…。

この日、イチバンの演奏でした!

 

休憩です。

ステージ上とは関係なく残念であったのは、開演中に携帯の着信音が鳴ったこと。

幸い演奏中ではなく、司会の方が曲の紹介中でありましたが…。

このようなコンサートに通い慣れていない方も多かったと思いますが、最低限のマナーは守ってほしい。

そうじゃないとステージ上で真剣に観客に向き合っている演奏者の皆さんに失礼です。

 

第Ⅱ部です。

課題曲のⅠからⅣまでの演奏から。

Ⅰは…、最初、何となく“違和感”のようなものを感じた…。

それは、ほんの僅かなアンサンブルの“ズレ”であったと思います。

しかし、曲が進むにつれて“それ”は見事に“解消”されてきました…。

前にも言いましたが、明るいサウンドは好印象です。

Ⅱです。

マーチですが、バランスよくキッチリと曲が進行しているのがわかります。

但し、軽快な感じは存分に出ているのだけれど、少し大人しい感じがしたのは、私だけでしょうか?

Ⅲは保科先生の作品ですね。

上品な曲調に合わせているのか、ひとつひとつの音の処理の仕方がとても上手です。

とても雰囲気を持った良い演奏でした。

ですが、最初の方でメロディの“流れ”がスムーズに聴こえてこない事があったのが残念でした。(ミスをしたと言う意味ではありません。あくまでも、“流れ”の問題です。)

Ⅳもマーチです。

与野吹の特徴である明るいサウンドは軽快さを際立たせてくれます。

とても良い演奏でした。

欲を言えば、クラリネットのメロディラインを誇張するくらい“歌って”いたら、もっと良かったかも。

個人的にこの曲をコンクール課題曲にするのがベストだと思った次第。

 

続いては、吹奏楽界で、多くの団体が演奏してきた名曲「ダフニスとクロエ」です。

構成上からみても、この曲が今年のコンクール自由曲なのでしょう、きっと。

プログラムに「ダフクロ」の名前を“発見した”時の感想を言っていいですか?

「何故に今頃、『ダフニスとクロエ』」?

これが正直な気持ちです。

最近は、全国大会、いや支部大会ですら、この曲を演奏する団体はメッキリ見なくなりましたよね?(“飽きずに”やっているのは、高校の淀川工科くらい。)

ラヴェルの魅力を思いっきり具現化したこの曲は、その素晴らしい内容から多くの吹奏楽団体が挑戦しました。

そして、結果、多くの“名演”が生まれました。

曲が素晴らしいが故にコンクールにおいては、最も効果的な結果を残せる楽曲と言っても過言ではなかったでしょう。

それならば、何ゆえに“浦和のオヤジ”は、コンクール自由曲としての「ダフニスとクロエ」を否定するか?

それは、近年、吹奏楽オリジナル曲のレベルが格段に上がり、管楽器というものを最も効果的に“音楽”にしていくことが可能になったからです。

特に明るく“重厚さ”と同時に“軽快さ”という相反するサウンドを表現できる与野吹は、音が硬質であるが故にラヴェルの持つ“透明感”とは対極にあるような気がしてならないのです。

与野吹には、やっぱり、“吹奏楽オリジナル曲”でコンクールを勝ち進んで頂きたい。

そう願う“浦和のオヤジ”です。

 

今回の「ダフニスとクロエ」は、指揮の森田氏の編曲でもあり、今までの「夜明け」「全員の踊り」を中心としたものとは違うようですね。(ちなみにこの日の演奏は「ダフニスの優しく軽やかな踊り」「戦いの踊り」「全員の踊り」という構成だそうです。)

演奏を聴き終わった感想。

しっかりしたアンサンブル。

サウンドの重量感。

とてもステキです。

正直、聴きごたえのある演奏でした。

ですが、やっぱり、“ラヴェル感”に欠ける?

特徴である“キラキラ感”は、あまり伝わって来なかった…。

言い過ぎたかも知れません。ゴメンナサイ。

 

第Ⅲ部は、「映画音楽特集」です。

「ルパン三世」「ゴジラ」「スター・ウォーズ」の世界が満載でしたね。

肩ひじ張らずに楽しめる演奏でした。

こういう華やかな曲には、与野吹は恐ろしいくらい合っています。

今後も観客の皆さんが楽しめる企画を続けて頂きたいと思います。

 

今回のブログでは、少し熱くなりすぎてしまったかも知れません。

それも、ひとえに与野吹に期待しているが故の“暴言”だと思ってご容赦下さい。

今後も出来るだけ、演奏会に伺わせて頂きます!(バスーンの方が入団すると良いですね。)

コンクール期待しています!!

 

蛇足ながら…。

個人的に…、コンクールで高昌帥先生の「陽が昇るとき」を与野吹の演奏で聴いてみたいです…。



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