浦和河童便り

埼玉・浦和のオヤジ(浦和河童)が「吹奏楽メインで、時々、オーケストラのコンサートに行ってみた」という話

第55回 埼玉県吹奏楽コンクール 大学・職場一般Aの部(第20回西関東吹奏楽コンクール予選)

2014-08-05 20:33:46 | 吹奏楽

今年の埼玉県吹奏楽コンクール、職場一般の部の私の関心事は、伊奈学園OBとソールリジェールの“復活”でした。
特に伊奈学園OBは、一昨年、全国大会「金賞」という輝かしい成績を残しながら、昨年は埼玉県大会で「銀賞」。
全国大会どころか西関東支部大会すら進めませんでした。
忸怩たる思いがあることでしょう。

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さあ、いろんな意味も含めて、第55回埼玉県吹奏楽コンクール、大学・職場一般Aの部が始まります。
2014年(平成26年)8月3日、日曜日。
場所は、さいたま市文化センター大ホールです。

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今年の課題曲は、以下のとおりです。
【2014年度全日本吹奏楽コンクール課題曲】
Ⅰ.中西 英介/最果ての城のゼビア(第24回朝日作曲賞受賞作品)
     Eisuke Nakanishi/The Farthest Castle
Ⅱ.高橋 宏樹/行進曲「勇気のトビラ」
     Hiroki Takahashi/Courageous Entry
Ⅲ.合田 佳代子/「斎太郎節」の主題による幻想
       Kayoko Goda/Saitara Bushi Fantasy
Ⅳ.小林 武夫/コンサートマーチ「青葉の街で」
       Takeo Kobayashi/Concert March“At the Verdurous Town”
Ⅴ.谷地村 博人/きみは林檎の樹を植える〔※高校・大学・職場一般のみ〕
  (第6回全日本吹奏楽連盟作曲コンクール第1位作品)
       Hiroto Yachimura/Even till the end, sew new appleseed

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審査員席に近い2階に席を陣取り、今年も、“私のコンクール”が始まったのでした…。
まずは、大学の部から。

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【大学Aの部】

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1.駿河台大学 (指揮)高野 真
 [課]Ⅲ[自]般若(松浦 欣也)

朝イチの団体は、ツライですね。
何でも、中高生は学生証を提示すれば、入場料がタダになるらしいのですが、それでも朝は、ガラガラの客席です。
話を舞台の上に戻しましょう。
人数少ないですね。(トランペットは、ひとり?)
プログラムには25人って書いてあるけど、それより少ないような…。(私が目視で数えたところ、21人に見えましたが。間違っていたら、ゴメンナサイ。)
課題曲から。
朝イチのせいか、人数のせいかホールに音が響かない。
素人考えながら、課題曲はマーチの方が良かったような気がしましたね。
それと、時折、音程が気になりました。
自由曲になると少し音色が変わったような気がしました。
課題曲より吹き込んでいる感じが…。
全体的に“和テイスト”の雰囲気が出ていて楽しく聴けました。
ただ、ひとつのフレーズと次につながるフレーズの間に、しばしば“隙間”のようなモノを感じ、音楽の流れがスムーズでなかったように思えた部分が、ほんの僅かにあったのが残念でした。
[銅賞]

2.東京国際大学 (指揮)稲垣 征夫
 [課]Ⅱ[自]歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」より 戴冠式の場
                     (M.ムソルグスキー/arr.B.ビェールマン)

課題曲の冒頭、打楽器に違和感を感じたのは、わたしだけでしょうか?
とてもソフトなサウンドで聴きやすかったのですが、この曲の持っている軽快さや躍動感が、もっと表現できれば、より良かったと思いました。
少し、大人しすぎたかな。
自由曲は、金管楽器の方が数的に優位な事を利用?して、スケールの大きな演奏を聴かせて頂きました。
ただ、ロシア的な荒々しさと言うか、激しい部分も演出できれば、もっと良くなったような気がします。
やっぱり、演奏が上品なのですよ。
[銅賞]

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3.埼玉大学 (指揮)松元 宏康
 [課]Ⅰ[自]残酷メアリー(田村 文生)

この日、唯一の課題曲Ⅰを演奏する団体です。
出だし、何となく入った感じがしました。
でも、課題曲Ⅰは難しいですよね。
メロディもブツブツ切れるし、めまぐるしくテンポも変わるし、表現するのが一苦労です。
そこのところが、実力のある埼玉大学でも、上手くいってなかったように思いました。
自由曲は、よく練習している様子がうかがい知れます。
「残酷メアリー」。
この曲は、2003年に武蔵越生高校の委嘱で埼玉県(川越市)出身の田村文生神戸大学教授が作曲したものです。
田村先生の曲の印象と言えば、個人的に“カッコよさ”“激しさ”を感じる現代曲ってイメージがあるのですが、やっぱり、そういう曲でした。(笑)
そして、埼玉大学も素晴らしい響きを聴かせてくれました。
欲を言えば、もう少し激しくても良かったかなと個人的に思いました。
それと、弦バスの使い方が面白かった。(よく、メロディに絡んでいましたね。)
[銀賞]

4.文教大学 (指揮)佐川 聖二
 [課]Ⅲ[自]コンコルディア ~調和によって(長生 淳)

“王者”、文教大学の登場です。
それにしても、昨年の全国大会、天野正道先生作曲の自由曲の演奏は素晴らしかった。(曲名は長いので割愛いたします…。)
神奈川大学の“一人勝ち”と思っていましたら、それに匹敵するサウンドは見事でした!
今年も期待しますよ!
課題曲は、抜群の安定感で、あの民謡のメロディをステキに歌い上げていました。
自由曲は、6月のサマーコンサートで初演を聴かせて頂きました。(作曲者の長生淳先生が前の席に座っていて興奮しました…。詳しくは、こちらで。)
http://blog.goo.ne.jp/urawa_kappa/d/20140708
その時も、素晴らしかったのですが、完成度が増していましたね。
表現力が豊かで、特に木管楽器の音色が色っぽかった…。
[金賞・県代表]

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【職場一般Aの部】

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1.本庄ウインドシンフォニカ (指揮)萩原 定夫
 [課]Ⅲ[自]祝典序曲「祈りは時の流れに輝く」(福島 弘和)

さあ、いよいよ職場一般に突入です!
課題曲Ⅲの冒頭の雅楽を思わせるようなロングトーン、私個人的に結構、好きなんですよね。
でも、本庄ウインドシンフォニカは、中途半端に曲に入ってしまったような…。
優しいサウンドをしているのに、そこが少し残念でした。
それと、東京国際大学と同様、大人しすぎたかも知れません。
自由曲。
冒頭のファンファーレ、印象に残りました。
ただ、深い音質を持っているサウンドなので、曲とのギャップを少し感じました。
何かスローテンポでメロディを歌い上げるオケのアレンジ曲の方が合っているかなぁ。
全体的には、単調な部分もありましたが、きっちりとまとまった演奏で好感が持てました。
[銅賞]

2.大宮吹奏楽団 (指揮)戸田 博美
 [課]Ⅱ[自]「ハムレットへの音楽」より Ⅰ,Ⅲ(A.リード)

課題曲が始まりました。
キレイなサウンドです。
Ⅱの軽快なメロディが上手く表現されています。
ですが、私の好みで言うと、もう少し躍動感と明るさがあると良いかも。
自由曲は、練習の成果が現れています。
各個人が音を響き合わせる意識があるのか、雑味のないサウンドで耳にスーッと入ってくるカンジ。
非常に真面目な演奏ですね。
だからこそ、少し華やかさが足りないような気がしました。
最後の方でトランペットがバテたのか、あまりキレイに割れた音になっていなかったのが、残念でした。
[銀賞]

3.青木フィルハーモニー吹奏楽団 (指揮)酒井 敦
 [課]Ⅱ[自]スピリテッド・アウェイ《千と千尋の神隠し》より(久石 譲・木村 弓/arr.森田 一浩)

埼玉県大会の職場一般の演奏を聴かせて頂くようになってから、今年で3年目ですが、最初に聴いた時から、柔らかくて、優しいサウンドでいいなあと思っていた団体です。
課題曲ⅡのAからのメロディは、少し強調してレガート気味の演奏に聴こえたような気がしました。
良いか悪いかは別にして、面白く感じました。
それと、フレーズごとに同一楽器の全員が演奏するのではなく、人数を“間引き”して合奏していたのが、効果的だと思いました。
ただ、もう少し前に出る音量がほしかった。
少し、ソフトに仕上げようとする意識が強すぎたような気がしました。
自由曲は、「千と千尋…」。
このバンドにベストマッチの選曲だと思います。
叙情豊かに演奏していて、美しかった。(スキャットなんかも雰囲気を盛り上げていましたね。)
でも、ソロパートに少し不安があったかな。
特にグロッケンのソロは、もっと音量出すというか、響かせるとより素晴らしかったかも。
やわらかいサウンド、聴きやすい演奏でした。
[銀賞]

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4.伊奈学園OB吹奏楽団 (指揮)宇畑 知樹
 [課]Ⅳ[自]バッソ コンティヌオ ~たゆまぬ歩み(長生 淳)

このブログの冒頭でも申し上げましたが、昨年は、残念でした。
今年は、気合が入っていることでしょう。
そして、指揮も宇畑先生(埼玉県立伊奈学園総合高等学校吹奏楽部顧問)、復活です。
課題曲、冒頭、フワーって入っちゃいましたね。
でも、そんなことが気にならないくらいメロディラインの音が美しかった。
とてもバランスの良いサウンドでした。
自由曲は、“長生節”炸裂でしょうか。
畳み掛けるような音楽の流れが個人的にとてもステキに感じました。(途中でパッフェルベルのカノンのメロディが流れてきたは気のせいでしょうか?)
とても、完成度の高い演奏だと思いましたが…。
結果は、ご覧のとおりです。
昨年の演奏は、もしかしたら…という気配も感じましたが、今年は、私個人としては何の疑いもなかったのに。
ここが素人吹奏楽ファンの限界なのかも知れません。(宇畑先生“登場”でも、ダメでしたか…。)
[銀賞]

5.ウインドシンフォニー あさか (指揮)押味 剛
 [課]Ⅲ[自]バレエ組曲「ロデオ」より カウボーイの休日(A.コープランド/arr.E.キーリー)

また、課題曲Ⅲですか。(この日は、Ⅲを演奏する団体がイチバン多かったですね。)
冒頭、少しだけ、“決まり”ませんでした…。
斎太郎節のメロディが美しく奏でられましたが、その裏の伴奏パートの音程が気になりました。
少しアンサンブルに乱れがあったかも。
自由曲は「ロデオ」です。
この曲、懐かしいですね。
私が若いころは、多くの団体がコンクール自由曲として取り上げていました。
少し、個々の団員の方々に技術的個人差があるのでしょうか?
サウンドの融合加減が薄い気がしましたが。
それでも、ロデオの躍動感を出そうという意欲は、ヒシヒシと観客に伝わって来ました。
また、特筆すべきは、トロンボーンソロを吹いた方(女性)が素晴らしかった!
まとめとして、全体的に浮き足立っていたかもしれませんね。
[銅賞]

6.与野吹奏楽団 (指揮)森田 新一郎
 [課]Ⅱ[自]聖なる約束の地へ(坂田 雅弘)

ここ5年間くらい西関東支部大会の常連として定着してきている感がある与野吹奏楽団。
一昨年の「ローマの祭り」は、個人的な好みとしてあまり好きな演奏ではなかったが、昨年の「中国の不思議な役人」は素晴らしかった。
残念なことに昨年、同じ日に開催されたので、西関東大会ではなく、東関東大会の大学・職場一般の部に行ってしまったので、支部大会での演奏は聴けなかったのですが、もう一度聴きたかったなぁと今でも思います…。
定期演奏会も毎年、お伺いしたいのですが、仕事と言う壁に阻まれて、一昨年行ったきりになってます。
本題に戻します。
課題曲Ⅱ。
微妙なところでテンポが早いのか、走り気味なのか、僅かに違和感を覚えます。
それでも、与野吹は、割とパワーのイメージがあるのですが、柔らかい優しいサウンドに終始し、ノーブルなマーチを作り上げているように感じました。
ただ、その裏に私の勝手な見方かもしれませんが、「早く、自由曲演奏したいよ」と言う気持ちが見え隠れしているように感じられてなりませんでした…。(独断的な推測です。)
ライトな演奏のように思いました。
自由曲は、委嘱作品で吹奏楽オリジナル曲ですね。
今まで西関東大会に出場した時の自由曲は全てオーケストラ曲なのに、今年は初の試みなのでしょうか?
初めて聴く曲でしたが、爽やかな印象を持ちました。
そして、与野吹も曲想に即した丁寧な演奏を繰り広げてくれました。
きれいにまとまった演奏に新しい与野吹の一面を発見した気がしました。
しかし、結果は残念でした。
来年の巻き返しに期待します。
蛇足ながら、やっぱり、与野吹奏楽団は、派手な曲の方が似合ってますよ、きっと。
[銀賞]

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7.埼玉県ユースホステル協会吹奏楽団 (指揮)熊谷 一郎
 [課]Ⅲ[自]バレエ音楽「シバの女王ベルキス」より Ⅰ,Ⅳ(O.レスピーギ/arr.淀 彰)

課題曲Ⅲ、再び登場。
聴く方とすれば、Ⅲは少し“重い”かも。
音がよく出ています。
元気のいい演奏です。
でも、少し、無造作な感じがする。
あと、時折、ピッチの気になる場面に出くわしました。
自由曲は「ベルキス」。
吹奏楽コンクールでは、お馴染みの曲ですね。
私は、この曲を聴くと“伝説”の神奈川県立野庭高校の名演を思い出しますね。
おっと脱線しました。
なかなかソロパートの皆さんは、ステキです。
それと、曲の最後の部分でトランペットの3名の方がひな壇を一段降りて、立って演奏したのが、カッコ良かった。
ですが、合奏になるとアインザッツの乱れがあったり、ピッチが合わなかったりと細かいミスがありました。
しかし、演奏に対する意識が真剣なのが観客にまでも伝わり、非常に好感が持てました。
何より、指揮者の方のオーバーアクション気味の指揮は、嫌味がなく、清々しくさえ感じましたね、私は。
[銅賞]

8.所沢市民吹奏楽団 (指揮)吉田 謙治
 [課]Ⅳ[自]楽劇「サロメ」より 7つのヴェールの踊り(R.シュトラウス/arr.森田 一浩)

コンクールでは、一日に20団体以上聴くので、私は、ブログを書く参考にメモを取ってます。
所沢市民を聴いた後に書いたメモに、こんな言葉が書いてありました。
「午後に入って、ホールが鳴るようになってきたか。」
後で考えるとホールが鳴ってきたんじゃなくて、所沢市民が“鳴らして”たんですね。
しかも、ウルサク感じることのないように。
課題曲Ⅳは、音をよく響かせ、コンサートマーチの王道を往くかの如きの堂々たる演奏でした。
ただ、少し“無難“感もあったかな。
自由曲は、アクセントにメリハリがあって良かった。
有名なオーボエソロ、非常に美しい音色だったのですが、もう少し響かせてサロメの妖艶な雰囲気を出せたらパーフェクトでした。
最後は、盛り上がりすぎたようにも感じました。(^O^)
西関東でのご検討をお祈りしております。
[金賞・県代表]

9.あおぞらハーモニー吹奏楽団 (指揮)阿部 和博
 [課]Ⅱ[自]ノーブル・エレメント(T.マー)

あおぞらハーモニーは、確か昨年、初めて西関東大会に出場したんですよね。(違っていたら、ゴメンナサイ。)
伸び盛りの団体と見受けられます。
パフォーマンスに期待していますよ。
課題曲は、トランペットのメロディラインがとてもキレイだった。
何より、サウンドがキラキラしていて明るい。
バランスの良い演奏で気持ちよく聴けました。
自由曲はアメリカ人作曲家マーの曲。
当然ですが、アメリカ的な明るい楽曲でした。(笑)
この団体のサウンドに合った選曲です。
前半にアンサンブルの乱れはあったものの、とても良い演奏でした。
銀賞で支部大会出場は不本意かもしれませんが、西関東では、出来るだけ良い“賞”を取れるよう応援しています。
[銀賞・県代表]

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10.ソールリジェール吹奏楽団 (指揮)佐川 聖二
 [課]Ⅲ[自]カントゥス・ソナーレ(鈴木 英史)

昨年の県大会敗退とかで2年程、西関東大会に出場できていないソールリジェール。
かつては、全国大会にも出場したことのある名門吹奏楽団です。
文教大学のOBOGバンドとして有名ですが、それであるが故に現況を“打破”するために“御大”佐川先生のご出馬でしょうか?
課題曲は、文教大学と同じⅢです。
冒頭から、音がキレイです。
そして、メロディを歌ってますねぇ。
情感豊かな表情を読み取れます。
非常にまとまった演奏でした。
自由曲「カントゥス・ソナーレ」。
しばしば取り上げられる曲ですが、素晴らしい演奏を聴かせて頂きました。
不協和音が実に美しい。
個々の技術力が高いせいか、曲の表現の仕方に脱帽。
スケールのデカい演奏でした。
ここで突然、昨年、全国大会、福岡サンパレスで聴いたパストラーレシンフォニックバンドの素晴らしい演奏を思い出してしまいました。(佐川先生が指揮されていました。)
やっぱり、佐川先生ってスゴいんだなと実感した次第。
[金賞・県代表]

11.川越奏和奏友会吹奏楽団 (指揮)佐藤 正人
 [課]Ⅴ[自]「吹奏楽のための組曲」より (菊池 幸夫)
                     Ⅰ ファンファーレ Ⅱ 子守歌 Ⅲ カプリチオ

ソールリジェールの余韻に浸る間もなく、これも楽しみな川越奏和の登場です。
昨年の全国大会は、まさかの銀賞。
非常に残念でした。
阿部勇一氏のステキな自由曲でしたのに惜しい気がしました。
ただ、素人なりに思うにコンクール用にカットされたためか、少し単調なフレーズの連続になっていたかも。(演奏は素晴らしかった!この「沈黙の地球(ほし) ~レイチェル カーソンに捧ぐ~」は昨年、定期演奏会で聴かせて頂きましたが、全曲聴いて初めて曲の思いがわかる…、そんな気のする曲のように思いました…。)
余談が長くなってしまいました。
本題に入りましょう。
今までに何回か課題曲Ⅴを聴いてきましたが、もっとも迫力のある演奏だと思いました。
気合が入っているというか、圧倒される部分がありました。
音量が大きな時に的確なアクセントが効いているから、静寂を表現する部分で非常に効果的な“演出”が出来ていたように思いました。(少しだけ、音の処理の仕方に疑問を感じる部分もありましたが。)
まるで、奏和の委嘱作品のような課題曲Ⅴでした。
自由曲は、変な書き方かも知れませんが、実に吹奏楽曲らしい楽曲でした。
この曲は、1998年の「21世紀の吹奏楽」実行委員会委嘱作品、いわゆる“響宴”で演奏されました。
何となくアメリカ曲っぽい部分もあり、いい曲だと思いました。
特に冒頭のファンファーレがカッコ良かったかな。
会場に美しく響いていました。
全体的に表現力に長け、安心して聴ける演奏でした。
今年の奏和は、例年以上に期待できそうです。
[金賞・県代表]

12.杉の子吹奏楽団 (指揮)青柳 和弘
 [課]Ⅲ[自]Jalan-Jalan~神々の島の幻影(高橋 伸哉)

課題曲Ⅲを演奏した他の団体にもいくつかあったのですけれど、やっぱり、モヤモヤって始まっちゃいましたね。(私には、ここが決まるか決まらないかによって、随分、曲の印象がかわってくるのではないかと思うのですが…。)それと、斎太郎節のメロディをもっと歌って欲しかった。
何だか、恐る恐る吹いているような気がしました。
クラリネットは4、ホルンは8いましたね。(間違っていたら、ゴメンナサイ。)
バランスが悪くなるかと思いましたが、それほどでもなかったです。
全体的なアンサンブルは、上手くまとまって聴こえました。
ただ、もう少し木管楽器系統が響けばよかったかなと思いました。
自由曲。
沖縄テイスト満載の明るい曲でした。
冒頭のロングトーン、課題曲と違って、バッチリ決まりましたね。
よく練習したのでしょう、終盤にかけての曲の盛り上げ方は、良かった。
ただ、時折、ピッチが気になる場面に遭遇したのが残念でした。
それにしても、杉の子吹奏楽団は、去年も今年も出演順が奏和とリベルテに挟まれてしまいました…。
大変です…。
[銅賞]

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13.川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団 (指揮)福本 信太郎
 [課]Ⅴ[自]バレエ音楽「中国の不思議な役人」(B.バルトーク/arr.加養 浩幸)

この日の県大会、アンサンブルリベルテの演奏は、いろんな意味で集中が出来なかった。
ひとつ目は、演奏の最中、客席からフラッシュをたいて写真を撮っていた馬鹿オヤジがいたこと。
しかも、4~5回も。(あんなオヤジ、即座に退去させ、出禁です。)
次に自由曲のことが頭に引っかかったので。
私は、アマチュアの一般吹奏楽団の中では、アンサンブルリベルテがイチバン好きだと公言してきました。(ちなみに高校は春日部共栄、大学は神奈川大学、職場はヤマハです。)
何故なら、その素晴らしいテクニック、それ以上に甘いサウンドに魅了されているからです。
同時に、ここ数年は、コンクール自由曲として、委嘱作品であったり、意欲的な楽曲を演奏して頂けるのも魅力でした。
しかし、今年は「中国の不思議な役人」。
なぜ、どうして!?
こんなにポピュラーな曲を?
わからない…。
何だか、悶々としながら、曲を聴く羽目になってしまいました…。
課題曲は、おそらく得意であろうと予想されたⅤ。
細部にまで気を使った見事な表現力です。
川越奏和が「剛」とするならば、「軟」な演奏。
素晴らしい演奏でしたが、観客をグッと引き付けるパワーというか迫力は、川越奏和の方が優っていたように感じました。
自由曲が始まりました。
相変わらず、ステキな甘いサウンドです。
でも、“なぜ、この曲”という思いが頭の中を支配し始めてきます。
集中力が…。
と思っていましたら、カメラオヤジが写真をバチバチやりだした…。(リベルテの方も、どんなにか迷惑だったことでしょう!)
もう、何だかわからなくなってしまった…。
Twitterでも、つぶやきましたが、コンクールデータベースで調べてみますと「中国の不思議な役人」は、1979年(第29回大会)の駒澤大学を嚆矢として、全国大会で41回演奏されているそうです。
必ずやリベルテには、この41団体を超える演奏をして頂くよう切に希望する次第であります!
[金賞・県代表]

14.飯能vivace wind orchestra (指揮)三浦 広嵩
 [課]Ⅲ[自]絵のない絵本[改訂版](樽屋 雅徳)

この団体も人数少ないですね。
28人くらいでしょうか?
課題曲。
一生懸命の演奏が好感を持てました。
ただ、多少、人数の問題を考えて音作りををした方がいいんじゃないかと感じました。
少し、遠慮しがちの演奏に聴こえました。
自由曲は、人気の樽屋雅徳先生の作品ですね。
題名からして、標題音楽のようですが、美しい曲を優しく丁寧に演奏していました。
スキャットがあったりして、面白く聴かせて頂きましたが、少し単調になったようにも感じました。
[銅賞]

15.大宮シティウインドオーケストラ (指揮)大島 俊哉
 [課]Ⅳ[自]「オセロ」より(A.リード)
                     Ⅰ プレリュード Ⅱ オセロとデズデモーナ Ⅳ 宮廷への入場

課題曲は、出だしから元気のいい演奏です。
マーチに合っているサウンドです。
ただ、ダイナミクスの振り幅が少ないように感じられたので、多少、単調で無造作に聴こえた感あり。
それと、途中でピッチも気になりました。
自由曲は、「オセロ」です。
この曲も、“懐かしい”部類に入ってくる曲になってしまいましたね…。
変な表現かも知れませんが、滑舌がいい演奏でした。
音色が重くないので、良い選曲だと思いました。
ただ、派手な曲なので低音部が人数いたら、もっと良くなると思いました。(テューバ1、弦バス1だったので…。)
[銅賞]

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16.越谷市音楽団 (指揮)佐々木 幹尚
 [課]Ⅳ[自]ミュージカル「レ・ミゼラブル」より(C.M.シェーンベルク/arr.森田 一浩)

このところ、頭角を現して来ている団体です。
課題曲は、高校生には見本のような演奏でした。
減点されないよう気を使った演奏のように感じました。
自由曲は、昨年の全国大会高校の部で伊奈学園総合高校が金賞を獲得した森田一浩編曲版の「レ・ミゼラブル」ですね。
高校生と違い、大人の演奏でした。
これから、西関東大会に進まれるわけですが、欲を言えばミュージカル音楽なので、若干、艶っぽさがあった方が良いのではないかと思いました。
支部大会でのご活躍、期待しております。
[金賞・県代表]

17.浦和吹奏楽団 (指揮)山田 昌弘
 [課]Ⅴ[自]彩雲の螺旋 ~吹奏楽のための(中橋 愛生)

さあ、この頃になるとさすがに耳が疲れて来たような…。
でも、頑張りましょう!
次は、先日、定期演奏会にも伺わせて頂いた浦和吹奏楽団です。
この日3団体目の課題曲Ⅴです。
透明感のある曲調を上手く演奏に組み入れてました。
雰囲気がいいですね。
でも、若干、ミスがあったり、奏和やリベルテの演奏に比べると表現力に差があったかなぁ?
自由曲は、壮大な観念を描いた曲です。
もっと空間の広がりを感じられるとよかったかも知れません。
少し、コジンマリとしすぎたのかも。
今年は、残念でしたが、来年の挽回に期待します。
私のド地元の吹奏楽団なので。
[銀賞]

18.桶川市民吹奏楽団 (指揮)花坂 義孝
 [課]Ⅳ[自]歌劇「イーゴリ公」より ダッタン人の踊り(A.ボロディン/arr.淀 彰)

最後の団体です。
課題曲Ⅳから。
元気のいいマーチです。
しかし、何か音の拡散を感じない演奏だった。
とても明るい音色でマーチにあったサウンドでしたが、響きを意識すると良くなるように感じました。
また、この曲の特徴の一つであるファゴットソロがバスクラリネットで代用して演奏されていました。
どこの団体でも団員不足は、悩みの種です。
お察し申し上げます。
自由曲は、美しい曲です。
昨年の全国大会での市立習志野高校の演奏は、心に染み入る名演でした。(実は、CDでしか聴いたことないのですが…。それでも、個人的に昨年のコンクールで高校ナンバーワンの演奏だと思いました。)
桶川市民は、どんなパフォーマンスを見せてくれるのでしょう。
楽しみです。
有名なオーボエのソロ、少し上がり気味だったですかねぇ。
全体的に言いますとソフトなサウンドをしています。
音色が揃っているので、音に雑味がなく、耳に素直に入ってくるカンジ。
だから、聴きやすかった。
[銅賞]

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全部の団体(22団体)の演奏が終わりました。
久しぶりだったので、いささか疲れました。

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今年も波乱がありました。
やはり、伊奈学園OB。
無念なことでしょう。
その反面、ソールリジェールは、見事な復活を遂げましたね!
あと、西関東大会常連の与野も破れ去りました。
2年連続出場していた浦和も上に進めませんでした。(昨年の伊奈学園OB同様、今年の伊奈学園OBと与野の成績発表の時に発せられた“ため息”は、印象的でした。)
きっと、出場バンドの実力差が縮まり、どの団体が上部大会に行ってもおかしくない時代が来ているのだと思います。
そして、もっともっと切磋琢磨して吹奏楽を盛り上げて頂きたい。
それが、吹奏楽を愛するオヤジのささやかな願いです…。

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最後にTwitterで職場一般は、埼玉より神奈川の方がレベルが高いとつぶやいてしまいましたが、それは間違いだと感じました。
それは、この日から一週間後、答えがでます。
なぜなら、8月10日、私が川崎市教育文化会館におじゃまして、確認してきますから…。

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(その前に8月6日、埼玉県高校Aの地区大会に行きますよ。)


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