平成28年8月6日、土曜日。
足立区の東武スカイツリーライン西新井駅東口より徒歩3分、西新井文化ホールに行かせて頂きました。
(地元の方に“西新井文化文化ホール”って、聞くと、「どこ、それ?」って顔をします。場所を教えると「あっ、“ギャラクシティ”ね。」という反応があります。西新井文化ホールを含む複合施設が“ギャラクシティ”です。)
個人的な話ですが、今年の3月から足立区に勤務地が変わりましたので、馴染みが多少あるというか、知ってる地域ですかね。
西新井文化ホールは、902席のホールです。
いろいろな事情があるのでしょうが、最大65名で出場できる職場一般の部の会場としては、どうなのだろう?
いい音響であるホールであればある程、この規模だと聴きづらいような気がします…。
“杞憂”でなければ良いのですが…。
【2016年度全日本吹奏楽コンクール課題曲】
Ⅰ.矢藤 学/マーチ・スカイブルー・ドリーム(第26回朝日作曲賞受賞作品)
YATO, Manabu/March Sky Blue Dream
Ⅱ.山本 雅一/スペインの市場で
YAMAMOTO, Masakazu/In a Spanish Market
Ⅲ.西村 友/ある英雄の記憶~「虹の国と氷の国」より
NISHIMURA, You/The legendary tale of a brave heart
Ⅳ.鹿島 康奨/マーチ「クローバー グラウンド」
KASHIMA, Kousuke/Clover Ground
Ⅴ.島田 尚美/焔〔※高校・大学・職場一般のみ〕
(第8回全日本吹奏楽連盟作曲コンクール第1位作品)
SHIMADA, Naomi/Flame
第1日目と言うことで、開演は14:30から。
実は、風邪ひいて熱が37.8度あったんですね。
でも、そんな事言ってる場合じゃない!(翌日も大して熱も引かぬまま神奈川県大会に行ったのですけれども…。)
という事で、第56回東京都職場・一般吹奏楽コンクール(東京都コンクール予選)が始まりました…。
《8月6日》
1.郵政中央吹奏楽団 (指揮)紙谷 一衛
[課]Ⅱ[自]おもちゃ箱より(C.A.ドビュッシー/紙谷 一衛 編曲)
課題曲は、Ⅱですね。
プログラムには35名と書いてありますが、それより10名くらい少ない?
特にテューバがいないのが痛いです…。
出だしのフルート類、もう少しキラキラ感を欲しかったかも。
途中で指揮者と演奏者の間にズレを感じました。
個人的な意見ですが出来れば、マーチの課題曲を選んだ方が良かったような気がしました。
Ⅱのようなリズミカルな曲はどうなのでしょう?
全体的に演奏における基礎的なことが気になりました。
自由曲は、ドビュッシー。
印象派の透明感は出ているように感じました。
よく、練習してありますね。
ただ、課題曲に感じたことを同じように感じました。
【銅賞】
2.デアクライス・ブラスオルケスター (指揮)佐川 聖二
[課]Ⅰ[自]白磁の月の輝宮夜(樽屋 雅徳)
デアクライスの演奏を聴くのは私の記憶が正しければ、一昨年の定期演奏会いらいでしょうか?
そして、佐川先生の登場です。
課題曲は、良い意味でソツのない演奏している。
しかし、制限いっぱいの65名ながら、その割には音が客席まで届いていなかった。
ダイナミクスの点でメリハリに欠ける演奏のように感じました。
初めてのホールなので、私が極端におかしく聴こえたのかも知れません。
自由曲は、カッコいい曲ですよね。
ハープの代わりにピアノで演奏ですか?
曲の頭のフルート群、とてもステキでした。
課題曲と違って、何よりもスケールの大きな演奏でした。
迫力があるし、この曲の持つ雰囲気満載のパフォーマンスです。
ただ、このホールでは、規模が小さすぎてかわいそうな気がしました。
音響的に魅力を十分、発揮できていないと思われたので…。
【金賞・代表】
3.Say No Yes Yes 吹奏楽チーム (指揮)野田 祐介
[課]Ⅲ[自]祝典序曲(J.イベール/天野 正道 編曲)
弦バスが7台います。
壮観な風景ですね。
最初のファンファーレ、明るくてさわやかなサウンドでした。
でも、多少、オーバーヒート気味かなぁ。
もう少し、落ち着いた部分があれば、良かったかも。
自由曲は、イベール。
雰囲気の出ているスケールの大きな演奏でした。
ただ、各楽器間のダイナミクスのバランスがイマイチ。
何か勢いがあれば、良いというわけではないような…。
「失格」だったようですが、時間オーバーでしょうか?
【失格】
4.豊島区吹奏楽団 (指揮)大釜 宏之
[課]Ⅱ[自]アスファルトカクテル(J.マッキー)
黄色い派手なブレザーが鮮やかです。
課題曲の出だし、さわやかな感じでステキです。
ただ、多少、軽快さが…。
でも曲が進むにつれて、この点は修正されたように思いました。
最後は盛り上がって終わりました。
自由曲は、私の大好きな曲です。
迫力があって、いい意味での“無造作さ”があって、と曲の雰囲気を醸し出すには打ってつけの演奏でした。(でも、この時には、翌日の川崎市教育文化会館でもっと強烈な「アスファルトカクテル」を聴くことになろうとは夢にも思いませんでしたが…。)
可哀想だったのは、やっぱり、このホールでは、この曲は不利に思えたことです…。
【金賞・代表】
5.豊昭OB吹奏楽団 (指揮)今泉 北斗
[課]Ⅳ[自]ミュージカル「ミス・サイゴン」より(C.M.シェーンベルク/宍倉 晃 編曲)
課題曲は、Ⅳです。
フルートが一人しかいないんですかね。
マーチでは要とも言えるトランペットの音が響いていないような…。
軽快さはありましたが、ピッチやサウンドの溶け合い方に不自然なところがあるのが気になる演奏のように思いました…。
自由曲は数年前によく流行った「ミス・サイゴン」。
ミュージカル音楽のドラマチックさは感じられました。
ただ、メロディの始まりと終わりの音の処理の仕方が気になりました…。
曲のクライマックスでは、よく盛り上がりましたね。
随所でピッチは気になりましたが…。
【銅賞】
6.ホワイトクラウンズウインドアンサンブル (指揮)岩尾 和樹
[課]Ⅱ[自]シンフォニックバンドのためのパッサカリア(兼田 敏)
課題曲は、好感の持てる爽やかな出だしでした。
ですが、曲が進むにつれて何か違和感が…。
よく考えてみるとリズムに乗り切れてないような…。
それとホルンのピッチが気になりました。
南欧を感じさせる華やかさ欲しかったですね。
個人的に課題曲は、マーチの方が合ってるように思いました…。
自由曲は、私にとって実に懐かしい曲。
中学の時、一生懸命、練習したのを思い出します…。
出だしの低音部のユニゾン、チョット…。(特にユーフォニアムが落ちた…?)
私にとって思い入れのある曲なので少々、厳しく申し上げるかも知れませんが、基礎的な部分の細かいところが非常に気になりました。
最後は、それなりに盛り上がりましたが…。
【銅賞】
7.TISインテックグループ楽友会 (指揮)藤本 宏之
[課]Ⅰ[自]吹奏楽のための第2組曲 へ長調(G.ホルスト/伊藤 康英 編曲)
課題曲で印象に残ったのは…。
まず、打楽器がオーバーヒート気味かなぁ。
金管楽器も華やかさはあるのだけれど、何か無造作な感じがしました。
だから、全体的にアンバランスなように思いました。
でも、トリオの木管群のメロディは美しかったですよ。
自由曲は、吹奏楽の世界では古典的な名曲のホルストの組曲。
最初は、何となく始まった感じはありましたが、曲が始まっていくにしたがって、まとまって、行ったように思いました。
ただ、トランペットの吹き方が気になった?
全体的に基礎的な細かいミスがあり、メリハリに欠けた演奏のように感じました…。
【銅賞】
8.たいちばんど (指揮)田中 良直
[課]Ⅰ[自]オセロ(A.リード)
人数は28名?
少ないのは致し方ないですが、それにしても配置が舞台の真ん中に集まりすぎている…。
課題曲が始まりました…。
サウンドは明るくて良いですね。
しかしながら、金管楽器(特にトランペットとトロンボーン)のピッチが実に気になります。
反面、木管楽器は安定した“音”を“供給”してくれました…。
自由曲は、往年の名曲「オセロ」。
実に気持ちよく演奏している。
それが客席まで、ヒシヒシと伝わってくる…。
でもね、本音で言って聴いている人間に向いている演奏だったかと言うと疑問です。
自己満足に終わっていないのか?
華やかな演奏でした…。
【銅賞】
9.東芝府中吹奏楽団 (指揮)上原 宏
[課]Ⅱ[自]交響詩「スパルタクス」(J.ヴァン・デル・ロースト)
まずは、サウンドが厚いです。
そして、課題曲の特徴を捉えた演奏です。
華麗さを持ちながら、キチンとした演奏をするギリギリのせめぎ合いを上手く演出しているパフォーマンスでした。
この日のここまでの演奏でイチバン好きな課題曲Ⅱでした…。
自由曲です。
やっぱり、サウンドがステキです。
表現力があって、演奏に集中できます。
とても奥行きを感じるスケールの大きさがあって、ステキでした。
でも、途中のホルンのユニゾンは、もうチョットですか。
【金賞】
10.NTT東日本東京吹奏楽団 (指揮)山田 昌弘
[課]Ⅴ[自]ファントム・ドゥ・ラムール -幻影-(天野 正道)
私の地元の浦和吹奏楽団も指揮していらっしゃる山田昌弘氏の登場です。
課題曲はⅤですね。
最初の方は、何だか“とっちらかって”いるかな、なんて思いましたが曲が進むにつれて、そんな事も感じなくなりました。
音はよく出ています。
多少のアンサンブルの乱れはありましたが、なかなかの演奏でした。
自由曲は、私の大好きな天野正道先生の作品です。
“天野ワールド”を作り上げていましたね。
曲の演奏の仕方を熟知したパフォーマンスだと感じました。
ただ、多少、ダイナミクスにメリハリがなく、単調に感じた部分があったのが残念でした…。
【金賞・代表】
11.東京隆生吹奏楽団 (指揮)畠田 貴生
[課]Ⅰ[自]ウインドオーケストラのためのバラッド(高 昌帥)
畠田先生の指揮を拝見するのは本当に久しぶりです。
課題曲、ハッキリ言って、とても聴き応えがありましたね。
サウンド全体のバランスがとっても良いと思いました。
特に金管楽器の“キラキラ感”がステキです。
良い意味で“高輪台サウンド”が目の前にある感じがしました。
そして、トリオのメロディから曲の終わりまでの“演出”が圧巻でした。
自由曲は、ドラマチックな高先生の曲です。
まず感じたのは、パンチが効いているって事ですね。
そして、スケールの大きさを感じる。
躍動感もある。
私の価値観の中では、素晴らしいと言わざるを得ない演奏でした…。
同時に、たたみ込むような音の連鎖は、とても聴き応えがあるものでした…。
個人的な意見ながら、この日、聴かせて頂いた団体の演奏の中ではナンバーワンだと思いました。
【金賞・代表】
12.あきる野市吹奏楽団 (指揮)小玉 公二
[課]Ⅰ[自]組曲「ハーリ・ヤーノシュ」より(Z.コダーイ/G.C.バイナム 編曲)
課題曲です。
とても元気なサウンドです。
華やかな金管楽器、いいですねぇ。
私の大好きなトリオに入りました。
メロディラインが少し暗いかなぁ。
でも、不満はそこだけ。
全体的に演奏のまとまりはありましたね。
実に好感の持てる演奏でした…。
自由曲は、「ハーリ・ヤーノシュ」ですね。
個人的に懐かしいです。
1974年の駒澤大学が全国大会で披露した名演が思い出されます…。
正確なアンサンブルでした。
ソロ楽器の技量も高く感じます。
金管の音がとてもステキですな。
とても好感の持てる演奏でした。
欲を言えば、もう少し、諧謔味があったら、パーフェクトでした!
【銀賞】
13.板橋区吹奏楽団 (指揮)大橋 晃一
[課]Ⅴ[自]ウインドオーケストラのためのバラッド(高 昌帥)
課題曲はやっぱり、勢いのようなものが大切だと思います。
そう言う意味で、このバンドには音の“圧力”は感じなかった。
でも、何せ音に“色”のようなものがあって、表情を意識させてくれます。
とても、“スマート”な演奏でした。
自由曲は、東京隆生と同じ、「ウインドオーケストラのためのバラッド」。
どうしても比較してしまうのですが、アクセントとかのパンチ力の面では、負けてしまいましたかねぇ。
隆生を聴いたあとでは、多少、物足りなく感じてしまったかも知れません…。
でも、ポイントを押さえた美しい演奏でした。
この曲の違った側面を見せてくれたように強く感じました!
【金賞・代表】
14.Tokyo StackArt Wind Ensemble (指揮)豊川 真安
[課]Ⅲ[自]ラッキードラゴン~第五福竜丸の記憶~(福島 弘和)
課題曲は、Ⅲです。
ゆったりした感じが特徴的な演奏でした。
観客に聴かせることを意識していると思いました。
極端にテンポを揺らしたりしていましたが、クサくならないようにギリギリのところで寸止めしていて効果的だと感じました。
自由曲は、ある意味、穏やかな演奏でした。
ただ、芯はしっかりとしたものを感じました。
お芝居のような表現をするならば、場面の転換が鮮やかです。
“物語”の中に引き込まれていく…、そんな錯覚に陥る演奏でした…
【金賞・代表】
15.大江戸シフォニックウィンドオーケストラ (指揮)樫野 哲也
[課]Ⅱ[自]ピアノ協奏曲第2番より シンフォニックセレクション~ウインドオーケストラのための(S.ラフマニノフ/福島 弘和 編曲)
課題曲のスペイン的な感じがよく出ていましたね。
ただ、少し上品すぎるかも。
もっと躍動感があれば良かったですね。
でも非常に好感の持てる演奏でした…。
自由曲は、福島弘和先生の編曲によるラフマニノフですか。
やさしく丁寧な演奏でありましたが、同時に情熱的でもありました。
そして、この曲を演奏してみたいと思えるパフォーマンスでした。
【銀賞】
以上が、第1日目の実際に聴いた団体です。
正直言うと団体によって、実力の差がハッキリしているなぁと単純に思いました。
ただ、後半の方に聴き応えのある団体が固まっていましたかね。
本来は、この翌日も西新井まで通い2日目も拝見するのが良いかとは思いましたが、神奈川県大会に行きました。(神奈川県大会は、既に“ご報告”した通りです。)
今まで、東京都の予選は縁がありませんでしたが、来年からは時間が合えば積極的に見させて頂ければと思います。
最後にこの日から、1ヵ月経過してのブログの公開をお詫び申し上げます。
なお、このブログに載せられている文言は、“浦和河童”の個人的感想です。
決して、悪意を持って書かれているものではありません。
ただ、もし、ご不快に思われる方がいらっしゃいましたら、オヤジの戯れ事と思い、ご容赦頂ければ幸いです。
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