宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

10月に読んだ本

2020年11月05日 | 
どんどん日が過ぎてどんどん忘れていく。
10月中下旬から11月初めに読んだ本を並べてみる。
((図)は図書館をぶらぶらして目について借りた本)

(図)『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』(辻仁成 あさ出版)
一周回って(?)かなり尊敬している辻氏。それにしても活動量旺盛(というのはコロナ禍のパリ生活を記録したこの本についての感想ではないが)。言葉も溢れ出てくる感じ。

(図)『生きづらさについて考える』(内田樹 毎日新聞出版)
人文学は乱世の学問。どんな問いかけにも独自の考えを説得力を持って、すっと頭に入るように説明してくれる。すごいなぁ。アマゾンのレビューをちらっと見たら両極端、「考えがまったく合わない」と星一つの人もいて驚嘆。

『関西酒場のろのろ日記』(スズキナオ ele-king books)
読んでいる間ずっと幸せな気分。いいないいなぁ。梅田「風の広場」、数年前の大阪行きで映画を観て帰ろうと思ったときに行き当たり「大阪駅隣接にこんなだだっ広く静かな空間が」と印象的だったのだが、酒飲みにいいという発想はまったくなかったなぁー

『たちどまって考える』(ヤマザキマリ 中公新書ラクレ)
巣ごもり需要を当て込んだお手軽な聞き書き本かと思いきや(失礼!だが猜疑心の大切さは本書でも言われているよ)、いろんな話題で本当にいろいろ考えさせられた。そのひとつ、ミュージシャンや漫画家の人に政治的な発言をしてほしくないなと実は自分も思っている。なぜだろう。

(図)『どこにでもあるどこかになる前に。~富山見聞逡巡記~』(藤井聡子 里山社)
発売した頃買おうかどうしようか迷って結局買わなかったんだった!ということを図書館で見て思い出す。(富山県人らしさの表れと思ってほしい・・・)
遅ればせながら、思っていた以上に重量級の衝撃だった。ひとことでは言えない。
作中出てくる島倉さん、同い年だったんだなぁ・・・
私は富山市内からもどの街からも離れた片隅の住人なので、酒場の描写が楽しそうで羨ましい・・・

前出『たちどまって考える』で、日本人について「・・・『いないように生きていきたい』とどこかで思っているようにさえ見えます。なるべく自分の主張を言わずに、誰かから何かを問われたり、追求されたりするのも避け、他者からの承認欲求もなるべく発動せず、静かに生きていきたい。」とある。
私の中の半分はまさにそういう感じだったのだけど(だからこの文章が印象に残った)、「それでいいのか!?」と強く揺さぶられたのがこの『どこにでもある・・・』だった。

(図)『百年と一日』(柴崎友香 筑摩書房)
思っていた以上に面白かった。小説でないと味わえない時間と空間の飛躍。
前述『どこにでもあるどこかになる前に』の富山市内駅前や総曲輪の様子もぐーんと俯瞰するとこの本の中の一編みたいになるなぁと思った。またこの中の一編をぐーんとズームアップするといろんな地域や住人や個人における『どこにでも・・・』みたいな大事なことを記録した本になるんだなぁと思った。

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