宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

お造りと音楽

2021年12月14日 | テレビ・ラジオ・映画など
はや12月も半ばである。
矢野顕子さんの「SUPER FOLK SONG」の一節「残り時間のやるせなさ」がたびたび頭をよぎる今日この頃。
(そういえば、「SUPER FOLK SONG RETURNED」の一節「When I'm sixty four !」って、ビートルズの曲から来ていたのですね、ということを今年初めて知った(^^;しわとしわが倍したからってわけでもないのね。)

某日
またまたNHKEテレ『クラシックTV』「蔦谷好位置と語るストラヴィンスキーの魅力」というのがおもしろそうと思って観る。
私はフィギュアスケートで知った「火の鳥」くらいしかなじみがないけれど、ストラヴィンスキーは現代のミュージシャンにも影響を与えているらしいというので興味があった。
蔦谷好位置氏についてはよく知らないながらも、『関ジャム』で大江千里「Rain」を熱く語っているのを見て以来、好みが合いそうと思っていたのだった。
「春の祭典」の話が主だったのだが、「ゴジラ」(伊福部昭)や「ジョーズ」(ジョン・ウィリアムズ)の主題曲にも影響を与えていたとか、なるほど。音楽史的に革新の時代だったとか、リズムの話とか、ストラヴィンスキーが武満徹を「発見」したとか、果たしてとても面白かった。
この番組、MCの鈴木愛理さんも、ほどがよくて好感度大。

某日
これもNHKEテレだけど『シュガー&シュガー サカナクションの音楽実験番組』トークゲストがくるり岸田繁氏ということで観てみる。
その中で、岸田氏が語っていたことに「魚のお造りを食べて『うまい!』と思うことと、お造りが食卓にのぼるまでの過程(魚を解体したりetc.)を結び付けている人は少ない。結び付けているのが理想だけど、そこをうるさく言ってもしょうがない」というのがあった。
岸田氏は音楽のつくり手としての意識を語っていたのだけど、聴く側の自分にも「なるほど!」と思うことがあって、感銘を受けた。
私は音楽的素養才能もないし、特別自分で音楽をやりたいわけでもないのに、こんな自分が音楽の構成要素や作り方に興味を持ってもしょうがないというか、おかしいかなぁと思っていたのだが、料理に例えるとおかしくない、と思えてきた。
「おいしい」と味わうことが第一歩で、そこから調理に興味を持つ人もいる。
一流シェフにならずとも、調理過程やら必要器具やら材料の産地やらを知ることは興味深い。
知らなかった時よりも「おいしい」に敬意が加わる。
岸田氏が「ピタゴラスが音律を発見して、鍵盤をつくった」みたいなことをちらっと言っていて、そうそう、なんでドレミファソラシドなのというところから疑問なんだよなぁー・・・

まったくの蛇足で申し訳ないんですけど、この番組で岸田氏は正面に大きな編み込み柄が入った茶色のセーターを着ていた。
たぶんどこかのかっこいいブランドのセーターなのだと思うけど、何か気になる。
中野翠さんの「キメツケ御三家登場」シリーズ「お茶目セーターの男(ケント・ギルバート・はらたいら・関口弘)の巻」がふと思い浮かび、本をひっぱり出す。(『ひょんな人びと 92・私の青空』所収 ざっと30年前ですね・・・)
その後、ビートたけしの柄セーターについても書いていた気がしたけど、どうだったかな?

「・・・私の頭には唐突に『お茶の間の知性』というフレーズが浮かぶ。日本の家庭の団らんムードにしっくりなじむ知性。けっして毒にもジャマにもならないかしこさ。親しみやすくわかりやすい『頭のいい人』。」

Eテレ出演にあたって、あえて意識してのスタイリングだとしたらすごい。無意識だとしてもすごい。