お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

無残な姿

2007年11月24日 | 定置網

 最近ブログ用のネタが無く困っていたところ、ヒラアジ類が獲れ出し面白く、ブログネタもヒラアジ類が続いてしまっている。今日も面白いヒラアジ類がいないかと定置網を起こす。するとヒラソウダが多く網の中で暴れている。船用の大ダモで魚を掬い、船に積み込んでいるとタモの縁から白いヒモのようなものが落ちる。タチウオの幼魚かなと思って取り上げると鰭が赤い。背鰭前部の軟条が長く、腹鰭が1条で長く、途中に膜質の付属物が付いている。リュウグウノツカイである。フリソデウオやテンガイハタなどは毎年もしくは2年に一度は獲れるのだが、リュウグウノツカイは今までにも数個体しか獲れたことが無く稀種である。今まで定置網で獲れたリュウグウノツカイはとても小さなサイズばかりで標本としては最適である。ところがこの姿。体はボロボロなうえ半分程しか残っていない。もう半分を探したが見つからなかった。リュウグウノツカイはよく目立つのだが、最近は特にヒラアジ類にしか目が行かず見つけ出さなかったのだろうか?後悔する。ただ、大ダモの中に入ってしまっていたら大きなヒラソウダに潰され見つけ出さなかったと思うので、このような状態であっても見つけられた事が良かったと思わなければ。リュウグウノツカイは体が非常に折れやすく、今まで獲れた個体も尾部が無かったり、途中が折れたりしていた。よく海岸に打ちあがって話題になる大きな個体も体が完全でないのはそのためであろう。10年以上前、一度だけうちの定置網で完全な状態で獲れ、水族館に生きた状態で搬出したことがある。しかし、水族館で飼育は困難と判断され、綺麗な状態のまま貴重な標本として保存された。今回のこの個体も綺麗な状態で獲れたのであれば、直ぐにでも大学に持ち込み綺麗な写真を撮り、標本登録したいところであったのだが、今回は冷凍保存し、魚ボラの時にでも持ち込み標本登録する予定。
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