お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

タイリクスズキ

2009年03月20日 | 市場

今日は水揚げ終了後市場内を散策していると、水揚げされているスズキの中に体側に黒斑が散在している個体を見つける。タイリクスズキと思われる。昔から漁獲されるスズキの中に体側や背鰭に黒斑が確認できる個体が混ざっていた。最近は特に増えているように思える。だが、その黒斑の現れ方は小さいものがちょこっとだったり、今回の個体のようにはっきりと現れていたりと様々であり、全てがタイリクスズキであるとは限らない。タイリクスズキは吻が短い為、顔が小さく見えるがやはり精査が必要と思われる。タイリクスズキは本来国内には分布していない種であったが、養殖の為中国から種苗を持ち込まれたもので言わば外来種である。現在日本の淡水魚はその外来種問題で深刻な状況である。その多くが人の手により在来しない種を持ち込んだのが原因である。海ではブリやマダイなど養殖漁業が盛んであるが、ブリやマダイは市場に溢れ、飼料や燃油の高騰に魚価の低迷などで現在はどこも経営が厳しい状況である。今は養殖魚の種苗も単価の安い中国から仕入れている。在来種ならまだいいが、誰もチャレンジしていない外来種をと考える人もいるだろう。タイリクスズキが淡水魚の外来種問題が海にまで広がってくる前兆となって欲しくない。
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