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上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

一般質問報告その4・・・マンション建設から住環境を守るために

2022-09-21 15:10:21 | 熊本市議会
一般質問では、地域住民の怒りを買っている住宅地へのマンション建設について、住環境を守る立場で質問しました。
中高層建築物指導要綱の条例化や、マンション建設から住環境を守るための規定拡充を
市内いたるところに、雨後の筍のようにマンションが次々と建設される昨今です。地域住民にとって、近隣への突然のマンション計画は、建設中も建設後も日々の生活に大きく影響を及ぼします。少しでも影響を少なく、住民の理解や納得抜きのマンション建設はやめてほしいというのが率直な思いではないでしょうか。
私の住む帯山中学校区の渡鹿地域に突然持ち上がったマンション計画は、市の都市計画道路の予定もあり、「なぜこの場所に、今頃マンション建設なの」という、住民の疑問で始まりました。高齢者も多く、ひとりではよくわからないと説明会を要望しても「説明は個別で」と言い、環境基本条例に基づく「あっせん・調停」を申し立てれば「それには応じない」と全く誠意のない事業者に、住民の疑問や怒りは大きくなるばかりという中で、工事が始まりました。予備知識が圧倒的に少ない住民の不安や疑問を解決するため、環境基本条例や中高層建築物指導要綱等が、より住民の居住環境を守る立場で機能し、運用されるよう改定が必要です。

⑴京都市の「中高層建築物等の建築等に係る住環境の保全及び形成に関する条例」では、中高層建築物の建設に係る様々な問題への対応として、①関係者が相互の立場を尊重しながら、自主的に解決するよう努めることを定めた「自主的解決」、②住民説明では、住民の求めがあれば説明会開催に努めること、③自主的解決に至らなかった場合には紛争の調整・調停を市長へ申し出ることができること、④調停を効果的に実施するために、委員会が必要と認めれば、着手延期や施工停止などを勧告できる「調停前の措置」などが定めてあります。本市の「中高層建築物の建築に関する指導要綱」にも、これらの点を明記し、拡充すべき。
⑵江東区の「マンション等の建設に関する指導要綱」では、第3条「道路の整備」で「マンション等を建設する場合は、区等の道路計画に整合させる」と定められています。熊本市の要綱にもこの点を規定してほしい。
⑶住環境を守る点での位置づけを高めるため、行政の内規としての「熊本市中高層建築物の建築に関する指導要綱」を、京都市のように自治体の法規である条例へと引き上げてほしい。
⑷住民はマンション建設に係る関係法令などの予備知識をほとんど持ちません。突然の事業者によるマンション計画の説明に、何も言えないのが現状。そこで、事前説明の中で、住民の生活環境を守る意味で策定されている「中高層建築物の建築に関する指導要綱」やその実施要領の趣旨を事業者から住民に伝えた上で事前説明を行うよう、実施要項・実施要領に明記してほしい。

以上の4点を、市へ求めました。
都市建設局長は、「提案した内容と、それ以外の点も含め、近隣住民と建築主の相互理解を図るためには、どのような事項を盛り込んだらよいのか、どのような記載が有効か、他都市の事例も検証し、条例化も視野に入れて研究していく」と答弁しました。

渡鹿のケースのように、市の道路計画があるところへのマンション建設は、都市計画決定が行われれば、建てられません。行政手続きの隙間を搔い潜ったマンション建設は、住環境を侵すだけでなく、様々な矛盾と問題を引き起こしかねません。答弁の内容に沿い、条例化も含めた中高層建築物指導要綱の見直しはスピーディーかつ実効性のあるものとするよう求めました。
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