新・空と鷹と鉄の間に

ヒコーキ、ホークス、鉄道好きのブログです。

宇都宮ライトレール

2023-11-26 11:02:22 | 鉄道
新規の路面電車としては76年ぶりに宇都宮市に開業した宇都宮ライトレール宇都宮芳賀ライトレール線。8/26に開業して以来、平日のみならず休日は初乗りを含む乗客で非常に混雑をしているとの報道もあり、しばらくは乗りに行くのをためらっていましたが、11月4日に思い立って乗りに行って来ました。
宇都宮までは東北新幹線で。9時ごろに東京駅に到着。宇都宮ならばやまびこ号のほかにもやまびこ・つばさ号も停車して1時間に2〜3本ほどの停車列車がありますが、9時台のやまびこ・つばさ号は福島まで停車しない速達タイプ。そのあともはやぶさ・こまち、盛岡やまびこと通過列車と遠距離へ向かうやまびこ号で混雑していると思ったので、0948発やまびこ・つばさ177号仙台・新庄ゆきに乗車。やまびこ号の自由席に乗りますが、空席が多くガラガラでした。乗ってしまえば宇都宮までは49分。あっという間です。

東口のライトレール乗り場に行って、定期券売り場で前日より発売開始された一日乗車券を購入。首からぶら下げて乗降するようですが、この乗車券ならばどのドアから乗降しても良いそうです。ちなみに全線乗っても400円。往復するだけでは元は取れませんが、途中下車をしていこうと思います。

ホームへ行ってみるとすでに乗客が並んでいます。ホーム面に養生テープで乗車列のラインが示されているのは予想外の混雑ぶりが垣間見えます。電車の到着までしばらく時間があるので折り返し電車を撮るために一旦軌道外へ。

折り返しの電車が遅延して到着。ICカードでの乗車ではどのドアからも乗り降りできますが、現金精算の場合は運転席後ろのドアから降りなければならないので、精算に手間取り遅れ気味での運転のようです。ICカードでの乗車の普及と、乗客側が慣れてくれば落ち着いてくるのでしょう。

電車はHU300形電車で新潟トランシスにより製造された超低床路面電車で、ドイツ・ボンバルディア・トランスポーテーションから技術提供を受けてライセンス生産をしているブレーメン形と呼ばれる車両です。福井鉄道F1000形をベースにした3車体連接車となっています。ブレーメン形の特徴として左右車輪が独立していて客室全面が超低床となる点で、スムーズな乗降ができます。この日も混雑はしていましたが、超低床車の威力でしょうか、あまり圧迫感はありませんでした。

とりあえす終点の芳賀・高根沢工業団地まで乗り通します。途中での乗降もありますが、終点まで乗り通す人も多く、未だ初乗り需要は途切れていないようです。

終点の芳賀・高根沢工業団地停留所は本田技研工業の研究所・工場のそばに立地しており、現状では商店などはありません。北へ向かうと芳賀町と高根沢町の境界があり、宮内庁の御料牧場が広がっています。乗って来た人たちも折り返しの電車に乗って戻っていくようです。

発車してく電車を見送って1本後の電車に乗ります。日中は12分間隔での運転となっており、10分間隔でも良さそうな乗客数ですが、今後の乗客次第といったところでしょうか。
宇都宮方向に戻りつつ乗り降りをしていこうと思いますが、そろそろお昼時でお腹もすいてくる時間。沿線で住宅地やロードサイド店も並んでいたゆいの杜地区で下車して、お昼ご飯とします。

ゆいの杜地区は1997年から造成されて来た宇都宮テクノポリスセンター土地区画整理事業によって誕生したニュータウン地区で、宇都宮市東部の住宅地になっています。ライトレールの走る県道沿いにはスーパーなどの商業施設も並び、ライトレール線内でも賑わいのある場所です。道路や住宅も新しく、これから発展してく町であろうと想像できます。

ゆいの杜地区でお昼ご飯を食べてライトレールに乗って次に降りるのは平石停留所。停留所からは鬼怒通りへの立体交差へと登ってゆく電車が見られ、望遠レンズを使えば電車の写真が撮れそうです。

平石停留所は国道4号線のバイパスのそばにあり、ライトレールの車庫や運行管理設備があります。停留所の周りには何もないので車庫に集うライトレールの電車も見られます。

そしてこの停留所は路面電車の停留所としては珍しい2面4線の構造となっています。将来的には快速電車の運行も視野に入れているようで、緩急接続の停留所としても機能するようです。
平石からは宇都宮市街へ戻ります。このまま宇都宮駅まで行ってもいいのですが、沿線には前々から気になっている場所があります。宇都宮駅東公園前で下車して、駅東公園へ。

宇都宮駅東公園はその名の通り宇都宮駅の東にある公園で、公園内のプールや隣接する宇都宮市体育館・マロニエプラザと一体になっています。この日は体育館でプロバスケットの試合があったようで公園内は活気がありました。

その駅東公園内にひっそりと保存されているのは国鉄EF57形電気機関車。

1941年に電化の進行していた東海道本線の優等列車牽引用に登場した機関車です。戦後の浜松電化の際にパンタグラフが車体からはみ出して取り付けられている特徴的な姿に改造され、当機を印象付ける姿となっています。のちにEF58形電気機関車の登場により、高崎・上越線に転じますが、末期は宇都宮機関区に配置されて東北本線で旅客列車を牽引するようになります。1978年に全機引退しますが、7号機は解体されることなく宇都宮駅東公園に保存され、EF57形電気機関車唯一の保存機となっています。屋根付きの場所で保存されている上、保存会により手入れをされていることから、保存状態は良くEF57独特のパンタグラフの形状も観察することができます。
EF57を見学してから駅東公園停留所からライトレールに乗って宇都宮駅へ戻り、上野東京ラインのグリーン車に乗って帰りました。