
いつもひょうきんで優しく時には口うるさかった母、腹を痛めた赤ん坊を2人も亡くし、そのため異常なまでに心配症となった母。父と死別して独り暮しの母に認知症が出始め有料介護老人ホームに入居、10年ほど世話になって百寿を目前に人生を全うした。
『子どもの笑顔が母の幸せ、全身全霊で子育て、溢れんばかりの愛情を注ぎ込んでくれた。母親にどんなプレゼントを贈っても、母親から受けた「生命」という贈り物には比べものにはならない。』
(詠み人知らず)

「母の日」は日頃(亡き)母の苦労をねぎらい感謝を表す日。仏壇の前に朝晩決まって腰掛け挨拶と願い事、そして一日の報告をするのが日課だ。
母親は子どもにとって心の拠り所、愛情、信頼、安心感を与えてくれる欠かせない存在と言える。仏壇の母に大好きだった家庭菜園の現状報告をして造花のカーネーション1輪と「ありがとう」の感謝を伝える。遺影の母は優しく微笑んでいるようだ。