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哲学の科学

science of philosophy

ケチの美しさについて(4)

2016-01-24 | yy49ケチの美しさについて


倹約することで物がだいじにされているように感じられます。倹約が、物の価値を高める、といえます。物の価値が高まれば、それを作り出す労働の価値が高められる。倹約によって生活の質が高まる、といえそうです。

ケチなのは人間だけでなく、動物もそうです。というより、ケチでなければ動物として生き残っていけないでしょう。できるだけ少ないエネルギー消費で餌を獲得する。できるだけ体力を使わずに、子孫を残す。そうできるような身体を持つ者だけが生き残って現在の動物になっているからです。
冷血動物は、筋肉を動かして体温をあげると栄養分を消費してしまうのでそれはせずに、日光に当たることで体温をあげる。カメの甲羅干しがそれです。寒い冬には冬眠します。
温血動物は、筋肉の収縮で体温を維持するので、生きているだけでどうしても栄養分を消耗してしまう。そこで自律神経系を発展させ、獲物を見ると瞬時に、敏速に活動して捕食できるような神経ホルモン機構を備えるようになりました。これで高い栄養分を簡単に補給できるようになる。獲物が少ない冬には冬眠します。
冷血動物はエネルギー的にケチ。温血動物も補給エネルギーを得るためにそれより少ない消耗エネルギーで賄うというケチ戦法で生活しています。
温血動物の活動を制御する自律神経系はまさにケチを実行するための身体機構です。
道端で、犬が猫に吠えかかる光景を見ることがあります。猫は毛を逆立てて犬をにらみ返します。ストレス対応モードに切り替わった猫の副腎からは副腎皮質ホルモン、アドレナリン、ノルアドレナリンが急速分泌され、体温と脈拍数と血圧を急上昇させ、肝臓から大量の糖分が血流に送り込まれているはずです。
犬がいなくなると、脳下垂体の副腎皮質刺激ホルモンの分泌が止まり、副腎皮質ホルモン、ノルアドレナリンなど交感神経系ホルモン分泌は減少し、免疫システムが活性化し、そのうち日向で居眠りしだします。副交感神経系が活性化することでインシュリンが分泌され、血中の糖分は回収され、血糖値が下がります。回収された糖分は徐々に脂肪に代わり皮下に貯蔵されます。









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