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哲学の科学

science of philosophy

アートを見る(2)

2025-07-12 | その他


高校生の時、西洋史を取っていました。渡辺先生は生徒に好きなテーマでプレゼンテーションをさせました。筆者は、古代ギリシアの美術という題で、図書館でスライドを選んで説明しました。たまたま気に入ったスライドが「哀悼のアテナ」というレリーフです。これは一九世紀にアクロポリスで発掘されて、現在アクロポリス博物館で提示されています。西洋美術の古典趣味にぴったりの美術品です。
駅前の画廊で、大暮惟人「バイオーグ・トリニティ」と題した版画を見ました。84センチ*119センチ、回転木馬に横座りした少女です。画家のサインがあって値段は38万円とあります。現代漫画の図柄で、たしかに画廊で売る価格になっています。
画廊の現代作家作品、水島篤日本画「拍動―ブラキオサウルス」72cm*170cm非売品。若い日本画家が最新の恐竜学の知見に基づいて描いています。買っておけば価値が出るかもしれません。
このブログはかなり古くから続いていて本稿二〇一七年一月の第55章「長寿と夭折」で画家佐伯祐三を論じています。このころ筆者が玄関につるしていた佐伯の油彩は家内に外されていまはミロに代わっています。佐伯は古いユトリロ風の絵柄で暗い、と言われました。ミロは時代的に古くても現代の抽象画なので、現代人はこちらが好きかもしれません。
愛知県一宮市三岸節子記念美術館は一九九八年、洋画家・三岸節子の生家跡に建設され、かつて敷地内にあった織物工場を思わせるのこぎり屋根や、節子の生前から残る土蔵を改修して愛着の品々を並べた土蔵展示室、風景画のモチーフとなったヴェネチアの運河をイメージした水路などをそなえています。
二十年間フランスに滞在し、日本では大磯のアトリエで制作していました。そのころ、多摩美術大学で油絵を習っていた家内が大磯を訪ねて絵を見てもらったそうです。そのとき。一枚もらえそうな話があったと、残念がっていました。
マラガに行ったとき、二宮先生がフランス語で通じるだろ、と言って「ウエラギャル」と聞いても全然でしたが、筆者が旅行会話をめくって「ドンデエスタラスタシオン」と聞いたらすぐ通じました。ピカソの生家と美術館があるというので探しましたが、腹が減ってきてパエリアを食べているうちに時間が足りなくなってホテルに帰りました。ピカソはスペインで見ませんでした。フラメンコは見ましたが。
麻布台ヒルズの中央広場に奈良美智の彫刻作品《東京の森の子》があります。白いセメントで作ったような塔です。広場は芝生で外人の観光客が寝転んでいます。夏の夜はスクリーンを張って、ビデオを映すらしい。暗くなる前には、筆者はそのわきの椅子でレモネードを飲んでいましたが、六時ころひきあげるときもまだ、明るすぎて何を映したいのか、分かりませんでした。
三田の慶応大学キャンパスの西の屋上にイサム・ノグチの石彫があります。人の大きさくらい。「無」と題されています。たぶん1950年ごろの作品のようです。学生も来ない屋上の片隅の石像はその題の通り無になっているようです。ノグチは日米のハーフで、米国で有名になった世界一級のアーティストですが、日本では弟子がいないせいか、今は忘れられていると言ってよいでしょう。だれもが知る慶応大学にありながらその大きな作品はだれにも知られていない。歴史の皮肉のような存在です。






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