人類は仲間と運動共鳴する神経機構を持っている。その機構により、人間は自分の身体を客観的に感じ取ります。そう感じ取ることによって、自分の身体の内側に入っている自分を言語で語ることができる。その仕組みの上に人間の社会は築かれています。そうであるとすれば、社会の中で生きるしかない人類は、逆に必ず、自分の内側に自分があるとしてまず自分に語ることでしか生きていかれない身体になっているはずです。
私たちは、自分の内側に自分があり、自分の外側に世界がある、と思っています。それで毎日の生活はうまくいっている。
しかし先に述べたように、残念ながら、言葉を正確に使おうとすると自分の内側に自分がある、とはっきり言うことはできません。残念ながらそうであるので、このことは、あまりしっかり考えてはいけない。しっかり考えてしまうと、拙稿のような、直感にはそぐわない話になってしまいます。■
(41 身体の内側を語る end)