「人は、無智・無能なるべきものなり」、「能ある鷹は爪を隠す」という諺と似ていますが、能がさほどないのに、知識をひけらかすのはもっと見っともないと言う意味かもしれません。
人のすることに、ああだこうだと口出しする人がいます。それはお節介というのではなく、知識を見せつけて自己満足しようとするものです。人が困っていて、助言するならば良いのですが、困ってもいないのに、「こうした方が良い」と無理やりやらせて、かえって悪くなって困ってしまうということがあります。そんな人に限って、上手くいかなかった理由を人のせいにします。
年寄りは、長く生きてきた分、経験が豊富です。だから、過去の成功体験から物事を判断します。しかし、今は、経験が役に立たない時代です。論理的なことは、経験者の方が正しいことがありますが、感覚的なことは若い人にはかないません。あまりに多くの情報があふれていて、一つ一つの情報を吟味していては切りがありません。感性で情報を選択し、思い切って実行するしかありません。感性は過去の蓄積で培われる部分もありますが、むしろ時代を流れる風を上手くとらえる感受性ですから、やはり若い人にはかないません。だから、若い人の意見には素直に耳を傾けなければいけません。