「犯人を笞にて打つ時、拷問道具に緊縛する」、犯人を捕まえて取り調べする時、鞭で打って白状させる。時代劇ではよく出てくる場面です。しらを切っているならば兎も角、罪を認めていても拷問します。そして、犯人になった哀れさを表現するためか、鞭で打たれ、髪が乱れて、顔が傷だらけになり、ぼろぼろの姿で牢に入れられます。
岡っ引きに捕まった太吉は、白洲に引き出される。被害者の野州屋の主人と対面させられ、「こいつがやったんだ」と指さされる。奉行から「それは慥かなのか?」と聞かれ、「アッシが悪うございました」と素直に認める。そこに、もう一人ヤクザ者が引き出され、「こいつに唆されのではないか?」と問われる。後ろから、若い娘が現れ、「おとっさん~」と声を掛ける。そこで、奉行が「野州屋、アッシの顔に見覚えねえとは言わせねえ」と諸肌脱いで、「おめいらがグルだったことはお見通しだ」と啖呵を切る。野州屋は、「恐れ入りました」と平伏し、ヤクザ者は悔しそうな顔で睨みつける。太吉は、温情により、100叩きの刑で赦免される。そして、奉行も同罪で、100叩きになる。
何てことはあるはずはありませんが、ハッピーエンドが約束されているのは、安心して見て居られます。そのような時代劇もほとんどなくなりました。寂しい限りです。